Transcript 情報機器工学 まとめ
情報機器工学 まとめ 2014.7.25 情報とは? • 目や耳などから入る「ことがら(知識)」 • 人に判断を促したり、行動を起こさせる材料 認識されないことがら ≠ 情報 情報とは? • 情報という単語には4つの意味 1. 収集される事象 :intelligence 2. 発信される事象 :information 3. 蓄積される事象 :data 4. 1.-3.を技術で活用する事象 情報インフラ、情報通信、情報機器etc… 本授業の情報は4.の部分。 情報機器とは • 情報にアクセスするためのハードウェア • PC 携帯電話 電子辞書 携帯ゲーム機 スマートフォン 電子書籍 タブレットPC など 情報機器とは • コンピュータがベース コンピュータとは? • 内部に蓄積された手順に従って 計算などの処理を実行する機械 コンピュータの世代 • • • • • コンピュータ前史 第 1 世代 (1960) 真空管 第 2 世代 (1960 1965) トランジスタ 第 3 世代 (1965 1970) IC (集積回路) 第 3.5 世代 (1970 1980) LSI (大規模集積回路) 第 4 世代 (1980 ) 超LSI (超高密度集積回路) コンピュータに使用する計算用回路素子で分割 第1世代 • 1946 モークリー、エッカート ENIAC 弾道計算用 真空管 18,800本 床面積畳60畳、重量30t、 1kWストーブ150台の消費電力 真空管のフィラメントは切れると交換する必要 平均寿命2000時間、2万本の使用のため、 1/10時間(6分)で真空管が故障 → 工夫で週に真空管2,3本 ムーアの法則 • 最も有名な公式:集積回路上のトランジスタ数 は「18ヶ月ごとに倍になる」 • 式での表現:n年後の倍率 p は、 p = 2n / 1.5 5年後:10.08倍 20年後:10321.3倍 ムーアの法則 コンピュータの五大機能 • コンピュータには五つの機能で成り立つ …ことが多い。 必ずしもと言うわけではないが、 ノイマン型コンピュータの大半にはこれらがある。 それではその五つの機能とは? コンピュータの五大機能 コンピュータの五大機能 • 制御・演算機能(装置) CPU (Central Processing Unit):中央演算装置 • 記憶機能(装置) メインメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、 SSD、DVD、BD、USBメモリなど CPUとは(概要) • 記憶装置にあるプログラムを順次読み込む • プログラムの内容を解釈、実行 • バスと呼ばれる回路を通じて、入出力装置、 記憶装置へデータ通信 CPUの構造 • クロック同期型のCPUが一般的 • 規則正しい命令タイミング:クロック信号 • クロック信号が早いほど、高性能 …と言われる 記憶装置の性能 記憶容量 デバイスまたは媒体が記憶できる全容量。 大きいほど、記憶できるデータも大きいが… 記憶密度 情報をどれだけコンパクトに記憶できるか。 単位長さ、面積、体積辺りの記憶容量。 記憶装置の性能 レイテンシ ストレージの特定位置にアクセスするまでの時 間。 一次:ナノ秒、二次:ミリ秒、三次:秒単位程度 スループット 単位時間当たりの読み書きの速度。 メガバイト毎秒などの単位を使用。 情報の量と単位 データの量は、ビットおよびバイトという単位を使って示す ビットは情報の細小単位で、2進数の1桁のこと 1KB=1024B 1MB=1024KB 1GB=1024MB 1TB=1024GB コンピュータの五大機能 • 入力機能(装置) キーボード、マウス、スキャナ、マイクなど • 出力機能(装置) ディスプレイ、プリンタ、音源など ソフトウェアの分類 ソフトウェア 基本ソフトウェア(OS) MS-DOS, Windows, MacOS, Linux etc… ミドルウェア DBMS, 運用管理 応用ソフトウェア (アプリケーション) CAD オフィスツール 画像処理 会計処理 ゲーム etc… 携帯端末用OS • iOS : Apple社による携帯端末製品用OS。 iPhone, iPad, iPodが代表例。 • Android : Google 社が公開している携帯端末用OS どの会社でも制作可能なため多種類の ハードが存在。 OS (Operating System) • ハードウェアとソフトウェアの間を仲介し,応 用ソフトウェアが動作するように設定したり, ディスプレイやプリンタなどの周辺機器を管 理・制御したりする基本ソフトウェア 例)Windows,MacOS,Linux, iOS, Androidなど CPUの動作 • フェッチ、デコード、実行の3ステップで動作 • フェッチ:メモリ内に蓄積されたプログラムの 呼び出し • デコード:CPUにとって意味のある形式に分割 • 実行:指定された操作を実行 ユーザインタフェース(UI) ユーザがコンピュータを利用したり,アプリケーション ソフトウェアに対して情報の受け渡しを行ったりする 仕組み ユーザインタフェースではGUIによるOSとCUIによる OSに分類される 普及する携帯端末 • 高性能なPCの小型化、 ネットワークインフラの整備 • 携帯電話 電子辞書 携帯ゲーム機 スマートフォン 電子書籍 タブレットPC などが発展 ネットワークに関する用語 • LAN (Local Area Network) 限られた区域内に設置された,コンピュータ同士を接続して データのやりとりを行うネットワークシステム • WAN (Wide Area Network) 遠隔地にある企業の本支店や工場などのコンピュータや LANを,NTTなどの通信業者が提供する通信回線(公衆回 線)を利用して接続した広域ネットワーク • インターネット(Internet) 大小様々なネットワークが相互に接続された世界規模の ネットワーク • イントラネット(Intranet) インターネットの技術を使ってLANの内部だけでデータの 共有とやりとりを行うネットワークシステム LANとWAN 支店A 支店C LAN LAN WAN LAN 支店B LAN 支店D 通信プロトコル(Protocol) ネットワーク上でデータ通信を行うために必要な通信規約(取り決 め)を通信プロトコルという。 (a)TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol) ●インターネットの標準プロトコル(UNIX標準プロトコル)である. ●TCPとIPは異なる機能を持ち,互いの役割を分担している. IPアドレス • コンピュータごとに割り当てられた識別番号 • 32[bit]で与えられ,8[bit]ごとに区切られる (0~255までの十進数で表示) 192.128.01.01 192.128.01.02 192.128.01.03 192.128.01.04 192.128.01.05 192.128.01.06 接続機器 • ハブ(HUB)とネットワークケーブル ハブを中心としたスター型接続を構築 ツイストペアケーブル (UPT: Unshielded): 100Mbps、安価、比較的ノイズに弱い 同軸ケーブル (SPT: Shielded): 100Mbps、若干高価、ノイズに強い 光ケーブル: 高価、高速(1Gbps)、ノイズに強い(長距離通信) LANへの接続方法 • LAN内部の装置 ネットワークの中心にサーバコンピュータを配置 • 外部との接続装置 モデム: コンピュータのデジタル情報を電話(アナログ)回線へ接 続・適用させるための変調装置。 Ex. ADSLモデム、ケーブルモデム ターミナルアダプタ(Terminal Adapter) : ISDNなどのデジタル回線に接続・適用させるための装置。 • LAN間での接続装置 ルータ、ブリッジ、リピータ 近年の移動通信インフラ • 3G(3rd Generation) 電話回線で、第3世代移動通信システム 384Kbps ~ 42Mbps • 4G(4th Generation) 第4世代移動通信システム 光ファイバーを用いたネットワーク並みの 通信速度が期待 近年の移動通信インフラ • LTE(Long Term Evolution) 現在主流の3G(第三世代)と将来の4G(第四世代) のつなぎの技術、インフラ 37.5Mbps ~ 326.4Mbps の通信速度 Wi-Fi(Wireless Fidelity) • 無線LANルータを使用してインターネットに接続す る方式 • PC、携帯電話など多様な情報機器が無線LANを利 用しインターネットへ接続可能 • 無料の公衆無線LANエリア(HotSpot、FreeSpot)、 有料の無線LANエリア 無線LANルータを設置している個人の住宅付近で 使用可能 テザリング • 通信端末を内蔵した携帯電話回線に接続された スマートフォンなどを外付けモデムのように用い、 他のコンピューター等をインターネットに接続する機能 • 単体で通信可能であるスマートフォンを、パソコンなど の他の機器と接続して外付けのモデムとして扱う コンピュータウイルスの定義 経済産業省での制定ではコンピュータウィルスは以 下のように定義 第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に 何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであ り、次の機能を1つ以上有するもの. •自己伝染機能 •潜伏機能 •発病機能 情報セキュリティの基礎知識 ウィルスの機能 • 自己伝染機能 自らの機能によって他のプログラムに自らをコピーしまたは システム機能を利用して自らを他のシステムにコピーするこ とにより、他のシステムに伝染する機能 • 潜伏機能 発病するための特定時刻、一定時間、処理回数 等の条件を記憶させて、発病するまで症状を出 さない機能 • 発病機能 プログラム、データ等のファイルの破壊を行った り、設計者の意図しない動作をする等の機能 ウイルスに関する問題 • ウイルスは、インターネット上から侵入する 危険性が高い • 記憶媒体(USBメモリ等)を媒体として拡散さ せる危険性が極めて高い • ウイルス対策用のソフトウェアは、インター ネットに繋がっていないものでも、インストー ルして常にチェックできる環境にしておくこと が望まれる ウィルス対策としては • ウィルス対策ソフトを導入する • メールの添付ファイルを安易に開かない • ファイル交換ソフトを利用したりして,安易に知らな い人の作成したファイルを取得したりしない • ダウンロードしたファイルをウィルスチェックする • OSやアプリケーションのアップデートを行う • バックアップを取る • ホームページ等でツールのインストールを 要求されたときは疑うこと ウィルス対策としては • 外部からの攻撃は有名なサーバや セキュリティの弱いPCがターゲット 恐らく、市販のセキュリティソフトだけで、技術力の 高いハッカーの攻撃を防ぐことは不可能 狙われるとしたら対策を取らずフリーで入れる (手間のかからない)PC ウィルス対策としては • 外部からの攻撃は有名なサーバや セキュリティの弱いPCがターゲット ファイアウォール、ウィルス対策ソフトの導入で 狙われる対象となるPCから抜けることが重要 暗号の概要 • 隠語文 事前に取り決めた特定のキーによって 秘密の文(内容)が解読する 秘匿用 • 合言葉 事前に取り決めた特定のキーによって 相手の身元を確かめる 認証用 暗号文(隠語文) • 隠語文 秘匿用: ニイタカヤマノボレ1208 訳:12月8日午後零時以降、戦闘状 態に入る。 各部隊は予定のごとく 行動せよ 事前に決めておいた内容以外に柔軟性が無い 暗号化の例 現代の情報化社会では、特定の文しか 暗号化できないものは暗号と呼ばない • 一字一字の情報を何らかの規則で 別の形に置き換える では下の文の意味は? (シーザー暗号) かけねなむと 暗号方式とかぎ • 暗号化には 暗号化したい文:平文 かぎ を準備 シーザー暗号で暗号化するならば、 「各文字を何文字か五十音順で後ろへずらす」 という法則 例文ではずらす文字数として2を「かぎ」としている かぎによる復号(解読) • 復号化(解読)には 復号化したい文:暗号文 かぎ を準備 シーザー暗号文を復号するには、 「各文字を何文字か五十音順で前へずらす」 という法則と「2文字」というかぎを使うと… かけねなむと かぎによる復号(解読) • 復号化(解読)には 復号化したい文:暗号文 かぎ を準備 シーザー暗号文を復号するには、 「各文字を何文字か五十音順で前へずらす」 という法則と「2文字」というかぎを使うと… かけねなむと → えきにてまつ となる 共通鍵暗号 • シーザー暗号から始まり、 DES、AES、FEAL、E2、Camelia、 RC6、IDEAなど様々な 暗号方式が開発 暗号化と復号化に使用するキーが同一 共通鍵暗号 共通鍵暗号の弱点 暗号化と復号化に使用するキーが同一 共通鍵暗号 • ある秘密の文を伝えたければ、 「先に鍵を秘密に伝えなくてはならない」 ジレンマ 公開鍵方式 1976年:Diffie、Helmanによって 鍵Aで暗号化したら 鍵Bでしか復号できない 鍵Bで暗号化したら 鍵Aでしか復号できない といった暗号化方式が発案 公開鍵方式 1976年:Diffie、Helmanによって • • • • 暗号化して文章を送って欲しければ… 一方の鍵Aを世界に公開 鍵Aにて平文を暗号化 暗号文が届いたら秘密にしてある鍵Bで複合 概念だけで実現は難しいと考えられていた 公開鍵方式 1977年:MITのRivest,Shamir,Adleman 公開鍵暗号方式の概念を満たす新しい変換法が発明 • RSA暗号と命名 その後、Rabin暗号、ナップザック暗号、ElGamal暗 号、楕円暗号、超楕円暗号が開発されたが、一番 広く実用化されているのがRSA暗号法