拡大を続ける国内EC市場の現状 -BtoCにおける消費者コミュニティ

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拡大を続ける国内EC市場の現状
-BTOCにおける消費者コミュニティの重要性-
法経学部経済学科4年 坂木 雄斗
ネットショッピングの普及状況
インターネット利用者は推計9462万人、人口普及率は78.2%。
インターネットの利用目的ごとに見ると「商品・サービスの購入・取引」が
44.3%で第三位。モバイルは22.7%。
インターネットでの購入・取引割合が多いのは、「書籍・CD・DVD」が
38.1%でトップ、また女性は「衣料品・アクセサリー類」、男性は「趣味関
連品・雑貨」が多い。ここ数年で成長著しいのは、書籍類、衣料品、金融
取引など。デジタルコンテンツやパソコン関連品に関しても男性の購入・
取引割合が圧倒的に多い。
インターネットの利用目的(上位10位)(H22)
電子メールの受発信(メルマガ除く)
企業のHP・ブログ閲覧
商品・サービスの購入・取引
個人のHP・ブログの閲覧
地図情報提供サービス(有料・無料問わず)
動画投稿サイトの利用
PC
デジタルコンテンツの入手・聴取
メールマガジンの受信(有料・無料問わず)
インターネットオークション
BBS・チャットの利用
金融取引
(出典)インターネット白書2011
0
20
40
60
80 (%)
モバイル
AISCEASモデル
Attention(注意)
広告等に注意を引かれる
Interest(関心)
商品等に興味関心を持つ
Search(検索)
ネットで検索して調べる
Comparison(比較)
ネット上で販売サイトを比較する
Examination(検討)
口コミ等を参考に検討する
Action(行動)
購入する
Share(共有)
感想をブログやSNSで発信・共有する
EC市場規模
2010年時点、BtoC EC市場規模は7兆7850億円、対前年比116.3%。
BtoC市場はBtoB市場に比べても、これからも成長が見込める稀有な市場。
各業種のEC市場構成比は「情報通信業」25.5.%、「総合小売業」20.7%、
「自動車・パーツ、家具・家庭用品、電気製品小売業」15.7%、「宿泊・旅行
業、飲食業」14.1%他。
BtoCが多い「小売・サービス業」の業種は2006年と比べて2~3倍に市場規
模が拡大。
万円
BtoC-EC市場規模
90000
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
ネットモール比較
楽天市場
Yahoo!ショッピング
ビッダーズ
• 楽天
• 規模:2714億
• 3万3173店舗
• EC売上高:581
億円(23.9%△)
• 業界No1。取り
扱い商品が多
く、競合店舗数も
多い。ランニング
コストもやや高
め。台湾やタイ、
北米や欧米にも
進出中。
• Yahoo!JAPAN
• 規模:763億
• 2万993店舗
• EC売上高:257
億(1.3%▼)
• 他のコンテンツと
の連携やそれを
利用した集客力
が強み。初期費
用も安め。中国e
コマース最大手
「淘宝網(タオバ
オ)」と連携。
• DeNA
• 規模:115億
• 4386店舗
• EC売上高:31億
(7.4%▼)
• 上位2つと比べ
て落ち目気味。
「Mobage」など
のソーシャルメディア
を利用した展開
を期待。
ソーシャルメディアマーケティング(1)
インターネットの普及による消費者行動の変化により、「口コミ」がマーケティングの
重要な役割を担うようになる。
企業としてはいかに発言力がある「情報通」を見つけ出し、その「情報通」が自発的
に高評価をつけるように誘導すればいい。
ソーシャルメディアをきっかけとした商品などの購入経験
2ch
レビューサイト
Q&Aサイト
ブログ
ライブ配信サイト
よくある
動画共有サイト
たまにある
アメーバなう
ない
Twittter
Mobage
GREE
Facebook
mxi
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
出典:個人のソーシャルメディア利用実態調査2011
ソーシャルメディアマーケティング(2)
【ブログ】
最も認知度が高いソーシャルメディアの一つ。個人ブログの他にも企
業が運営するビジネスブログが存在する。コメント機能やトラック
バックにより著者と閲覧者がコミュニケーションを取ることも可能。
SEO(検索エンジン最適化)において最適化が行いやすく、有名人や
著名人のブログにおける影響力は非常に高い。
【Twitter】
2007年頃から日本でも流行り始め、ここ数年で利用者を爆発的に伸
ばしてきたソーシャルメディアサービス。機能はシンプルな分、個人
による情報の取捨選択が重要になってくる。他のメディアに比べ情
報の多様性が高く、リアルタイムな情報が入手できるのが特徴。
【SNS】
会員制のコミュニティサービス。日本最大規模のSNSに「mixi」が存
在する。また、ここ最近は「Facebook」の登録数が増加。企業ファ
ンページなども積極的に開設され、実名登録による分情報の信憑
性が高いことでも注目される。
様々なインターネットマーケティング
《ドロップシッピング》
商品の仕入、顧客への発送、代金の回収などを代行してくれる専門の
サービス業者(DSP)を利用して、在庫を持たなくてもネットショップを開
店できるシステム。バックヤード業務のコストがかからない。
《メールマガジン》
電子メールを利用したプッシュ型マーケティング手法。登録数が多いほ
ど開封率が下がる為、どちらかというとリピーターを確保する側面が強
い。
《RSS》
フィードを登録することにより、対象のWebサイトの更新情報が専用ソフ
トウェア上で確認できるようになるシステム。アドレスを登録する必要が
無い為、安全性は高い。企業側としても「検索」の前に、手間無く、多
様なプラットフォームに情報の発信が行える。
《リスティング広告》
検索したキーワードに関連して表示する広告のこと。そのキーワードを検
索した層とそのキーワードに関連した商品・サービスを欲している層はある
程度被ることになる為、検索したキーワードに関連する広告を表示させるこ
とで、興味ある層を引っ張りあげる。
SEM(検索エンジンマーケティング)(1)
①SEO
検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように、サイトの内容を調整す
るSEM。検索エンジンのアルゴリズムは公表されていない為、専門業者に
依頼したり、SEO対策部門を設置している企業もある。ロングテールの競
合少ない部門であれば、非常に有効なマーケティング手段になり得る。
内部要因
・HTMLとCSSの文法
・文章量とページ数
・サイト内のキーワード
・内部構造リンクの最適化
など
外部要因
・被リンクの質
・被リンクの量
・アンカーテキストの内容
など
SEM(2)
②LPO
広告等をクリックしたユーザーが実際の購入に辿りつくまでの煩雑さを取り
除き、Webサイトの各ページを最適化することをLPOと呼ぶ。外部広告を
クリックしてはじめに辿りつくページ、いわゆるランディングページをどれだ
け分かりやすく、魅力的にできるかが非常に重要。
「バッグ」+「安い」
安さを前面に押し出したランディングページ
「バッグ」+「ブランド」
ブランディングを重視
顧客単価の高い商品にはLPOは非常に有効。
③EFO
入力フォームにおける手間を減らし、より短時間で正確に入力できるように
フォームを最適化する施策のことをEFOと呼ぶ。つまり、エラー報告や入
力項目などを少なくし、購入フォーム内における途中離脱を減少させるの
が狙い。個人情報を入力しなければならないことと実店舗とは違って対話
がないため顧客への瞬時の対応力が低い為、初期段階の顧客を逃さない
為の有効なマーケティング手段。先の二つに比べ重視している事業者は
少ない。