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2012

年度 サービス管理責任者指導者研修 就労分野 2.3.サービス提供の基本姿勢とそのポイント

~ 就労支援における本人中心の考え方 ~ 2012 年 10 月 4 日 国立のぞみの園 事業企画局研究部 志賀 利一

サービス利用者中心の思想へ変化

主体に着目した考え アドボカシー 障害者の人権 エンパワメント 自己決定 発達保障 リハビリテーション 環境に着目した考え インクルージョン 機会平等・機会均等 サービスの評価に関する考え QOL 生活モデル ノーマライゼーション よくわかる障害福祉第4版 小澤温作成

事例① 就労後の欠勤と家族旅行

事例の概要      就労移行支援事業に約1年間通い、自宅から45分の通勤圏内の中堅小売店での 就職が決まった。中度の知的障害のある20代中頃の女性 雇用の身分は、週20時間(4時間☓5日)の短時間労働で雇用期間は1年間。ただ し、契約延長を前提とした採用 勤務日は前月末に決定(シフト勤務) 年次有給休暇は、採用後6ヶ月で発生する 年次有給休暇が発生するまででは、シフト勤務を調整し、欠勤が発生しないように職 場で配慮している どう考えればいいの?       採用後、4ヶ月が経過した段階で、突然、来週の勤務日2日を休みたいと申し入れが あり、店長が困惑 理由を聞くと、家族旅行の日程が入ったとのこと もっと早い段階で伝えられれば、勤務日調整を行えたが、この段階では難しい 欠勤と年次有給休暇との違いについて、説明したが不明瞭な理解 家族にも連絡したが同様の考え 就労を紹介した事業所にヘルプの電話がかかってくる

事例② 職場が意見実習を拒否する

事例の概要      半年前に、企業等への就職を希望し就労移行支援事業に通い始める。事業所内の 生産活動やワークサンプルアセスメントの結果は比較的高く、実際の職場に出ること によるアセスメントや本格的な求職活動をサービス管理責任者は考えはじめている。 30代後半の女性。高校卒業時点で入院と統合失調症の診断を受けている。精神障 害者保健福祉手帳2級。 家族の援助でアパート単身生活をしており、本人・家族も就労を強く望んでいる。 正確は非常に温厚で、会話も非常に丁寧な言葉づかい。 しかし、新しいことへの冒険は苦手で、新たな作業の学習は確かに時間がかかる。 どう考えればいいの?    職場実習(インターンシップ)を前提に、2カ所の企業見学に出かけたが、どちらも実 習は行きたくないとの返事 職務内容や周囲の印象はそれほど悪くはなく、本人が以前より希望していた内容と も合致していた(PC等がうまく使えないので、厨房補助や小売店舗等で身体を動か すことを希望しており、各種アセスメントも同様な結果が出ている) 就職希望は、現在は「はっきりしない」「可能ならいまの施設に続けて働きたい」等の 発言をするようになった

事例③ 短期間で2度目の配置換え希望

事例の概要     就労継続支援事業A型に通い始めて3ヶ月目に入る、精神障害者保健福祉手帳2級 をもっている、自閉症スペクトラム障害の20代後半の男性。 比較的有名の私立大学を卒業後、いくつかアルバイトは行った経験があるが、どれ も短期間で離職しており、半年以上の職歴は無い。 ハローワークや職業センター経由で企業就労を目指したが、すぐに結果は出ず、イ ンターネットの事業所紹介を読み、発達障害者支援センター経由でA型事業所に紹 介される。 5日間の体験の後、生産活動は、慣れれば上がるだろうと判断し、利用開始となる。    どう考えればいいの? 利用開始3週目に、「自分の適職は、印刷物の帳合揃えや数の確認ではなく、印刷 機を使った業務に向いている」「機械操作は得意であり、◯◯の印刷機の構造はネッ トで先週から調べており熟知している」と管理者に直談判。 支援員の会議では、機械操作の熟達者を育てることが課題となっていることもあり、 現在の作業の正確さや生産性では、心配もあるが本人の意欲を買って、次週から印 刷機担当業務に配置した。 工程毎に直接指示がなくては仕事が出来ていない3週間後、再度配置換えの要望 が管理者にあり。「大学も出ているので、原稿作成・校正の業務が向いている」・・・

事例④ 高齢の母が通所することを渋るように

事例の概要      旧授産施設から続けて20年以上通い続けている、40代中頃の女性。 現在は、就労継続支援事業B型に通っており、ダンボール紙器組立と洋菓子の包装 作業を主に行なっている中度の知的障害。 働きぶりも真面目で、穏やかな人柄。ただし、体力面や健康管理に若干の課題があ り、年間240日の運営日数のうち、ここ3年程は概ね80日程欠席していた。 また、内科、皮膚科、整形外科、歯科と定期的に通院している病院も多く、出席して いても、通院のための遅刻や早退が頻繁にあった。 現在、母親とふたりで生活しており、母親はすでに80歳を超えており高齢である。     どう考えればいいの? 先月から1ヶ月半通所していない。毎朝、欠席の電話をかけてくる。 相談支援員とサービス管理責任者が、2度家庭訪問を行ったが、本人の体調は問題 無さそう。また、「元気になったら通いたい」とか親しかった「◯◯さんは、●●さんは どうしている?」と他の利用者のことを気にかけていた。 母親との会話で、「この子がいてもらって本当に助かる」「昼も一人になると心配なん です」との発言が気にかかる。 母親が子どもの通所を止めている、といった明確な根拠は無いが、その可能性は高 そうだと推測された。

A型事業所の30%が株式会社の時代だから 本人中心の支援が身体に染み付いている 福祉系人材 目標とする収益のためにチームの活力・がんばり を当然とする企業系人材

就労支援におけるサービス提供の基本姿勢

  

本人中心の考え方のおさらい

 初任者研修の内容は確実に!

働くことの意義

   労働は、賃金を得るだけでなく、個性を活かす(自己実現)こと、 社会の役割を担う(社会連帯)ことも含まれる 日本国憲法第27条をどのようにあなたは理解しますか? 障害者の希望を実現し、権利を擁護する等だけでなく、活力あ る社会づくりに就労支援は貢献する

職業リハビリテーションの意味も知っておこう

  ILO第 159 号条約「障害者の職業リハビリテーション及び雇用 (障害者)に関する条約」( 1983 年) 「すべての障害をもつ人々が適当な雇用に就き、それを継続し、 かつ、それにおいて向上することができるようにすること、なら びに、それにより障害者の社会への統合又は再統合を促進す ること」 (少々古い表現ですが)