国土地理院 - 国立天文台 水沢

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国土地理院の測地VLBIの歴史と
今後の観測計画
-川口教授との関連事項を中心に-
国土交通省 国土地理院
福﨑 順洋
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はじめに
• 国土地理院では、1981年より、測地VLBI観
測装置の開発を開始し、現在まで、計7基
のアンテナ(電波望遠鏡)を製作した
• これまでに、川口教授には、多大なご助言
・ご協力を受けている
• 今までを振り返るとともに、新アンテナの
受信性能についても報告する
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国土地理院における
VLBI観測の歴史(1)
移動観測の時代
• 1981~86年
• 1986~95年
• 1995年
移動型VLBI装置の整備
移動システムによる観測
宮崎、父島等、9ヶ所
日韓観測
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初代移動型5mアンテナ(1981年~)
二代目移動型3.8mアンテナ(1995年~)
電波研(当時)の川口則幸氏による
検討の結果、「口径5m」に決定!
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鹿島26mアンテナ(2002年に解体)
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移動観測によるプレート運動の検出
1987年および1989年に行った
5mアンテナの移動観測により、
父島の移動速度を検出!
↓
フィリッピン海プレートのプレート
運動の、実測による初検出
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国土地理院における
VLBI観測の歴史(2)
固定局観測の時代
• 1992年
鹿島26mアンテナ移管
国際観測への参加
• 1995年
新十津川局(北海道)の完成
• 1997年
姶良(鹿児島)、父島局の完成
• 1998年
つくば局の完成
• 2014年
VGOS対応新アンテナ完成
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父島10mアンテナ(1997年~)
新十津川3.8mアンテナ(1995年~)
(姶良10mアンテナも同型)
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つくば32mアンテナ(1998年~)
2GHz帯/8GHz帯に加え、22GHz帯も受信可能
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光結合リアルタイムVLBIの導入
最初は、川口教授のゴリ押しで、
高エネ研→地理院間の光ファイバを
設置
↓
今では、準リアルタイムでのUT1観測が、
国土地理院の売りの1つに!
(国立天文台ホームページより)
川口教授の先見性の賜です!
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地球自転速度(UT1)の即時導出
観測局A
観測局B
データサンプリング
相関局+解析局
リアルタイム
データ変換
リアルタイム
データ転送
リアルタイム
データ転送
2分
0分
データサンプリング
0分
自動相関処理
2分
自動解析
2分
2分+2分+2分=6分
約6分後に
UT1解算出
石岡13mアンテナ(2014年~)
2GHz~14GHzの広帯域受信、高速駆動
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石岡アンテナの外観
光学系
(Ring Focus タイプ)
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石岡VLBI観測施設の概観
アンテナ側
観測局舎側
3. 周波数変換装置
2. フロントエンド装置
4. 信号処理・記録装置
1. アンテナ装置
5. 精密周波数標準装置
(水素メーザー)
(6. 観測局舎)
(当面)仮観測室 13
1. アンテナ装置 (1基タイプ)
口径 : 13.2m
受信周波数 : 2G-14GHz
開口効率 : ≥ 50%
アンテナ光学系の設計は、Eleven feed を仮定
アンテナ駆動速度
Az 駆動速度 : 12 deg/sec
El 駆動速度 : 6 deg/sec
Az 加速度、 El 加速度 : どちらも、3 deg/sec2
光ファイバーケーブルを、
アンテナから観測局舎まで敷設
(RF信号のまま、観測室へ)
これが、広帯域受信には難しい・・・
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2. フロントエンド装置
アンテナの光学系の設計は、
Eleven feed を採用することが前提
・受信周波数 : 2G-14GHz
・両直線偏波受信
Developed by Chalmars University of Technology
Quadruple-Ridged Flared Horn (QRFH)
も併せて調達
・受信機雑音温度 : ≦ 30K
・システム雑音温度 : ≦ 40K
(大気の寄与を除く)
Developed by Caltech
従来型観測との互換性を確保するため、
S/X/Ka帯受信器も併せて導入
都合、3種類のフィードシステムを購入した。
・当面、S/X/Ka帯受信器で従来型観測。
・将来は、Eleven feed か QRFH のどちらか性能の良い方を採用
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広帯域受信
Eleven feed or QRFH
川口教授の予言
「QRFH」にしなさい!
こっち!
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受信機雑音温度(フィード込)
水平偏波成分出力
垂直偏波成分出力
物理温度
LNA:9.7K
フィード:21.5K
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広帯域受信の難しさ
2155MHz
6880MHz
8989MHz
2960MHz
広帯域受信の場合の、光送受信装置を
介しての出力
10800MHz
11220MHz
6460MHz
8630MHz
2575MHz
広帯域受信の場合の、冷却アンプの直接
出力
混信のため、容易にアンプが飽和!
信号レベルの調整の難しさ
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First Light!
μW
320
310
300
290
280
S/X/Ka帯受信器を使って、
Xバンドで
Taurus-Aを十字スキャン
(BW:900MHz)
270
260
250
240
230
220
Yファクターから、SEFDを換算すると、1,300Jy
システム雑音温度を50Kと仮定すると、開口効率は、78%!
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まとめ
• 国土地理院では、1981年より測地VLBI観測
装置の開発を行ってきたが、今までに、川口
教授からは、多大なご支援をいただいた
• 特に、「移動型5mアンテナ」と「光結合VLBI」
• 石岡VLBIアンテナが完成。性能確認中。
2015年~ 定常的な、つくば局等との並行観測
2017年~ 広帯域受信観測開始?
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川口教授の多大なる
ご助言、ご協力に
感謝申し上げます
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