「公共管理コース」におけるアジア諸国の公務員育成協力プロジェクト

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国際協力活動推進プラットフォーム報告
「公共管理コース」による
アジア諸国の公務員育成協力
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経済学部
2012.05.30
土生 英里
今津 武
「公共管理コース」概要
山口大学では2002年に、無償資金協力による留学生(JDS留学生)の受入の
ためにJICAの要請を受け,経済学研究科に「公共管コース」を開設し,2011
年入学者を含め37名の学生を受け入れて来ている。本コースは全ての授業を
英語で提供しており英語のみで学位を取得できる修士課程である。
「公共管理コース」では,JDSの目的である途上国の公務員のために必要とな
る経済,財政,公共管理の分野の科目を開講し、バングラデシュ,インドネシ
ア,
フィリピンからJDS留学生を受け入れ、2010年からは日本政府の円借款による
留学生(インドネシア),一般留学生(サウジアラビア政府奨学金)も加わり
2011年からはJICA技術協力による長期研修生(研究生)も加わっている。
現在の「公共管理コース」在籍者の内訳は以下の通りである。
(1) 2年生:バングラデシュ2名(JDS),インドネシア2名(円借款),
サウジアラビア1名(サウジ政府奨学金)
(2) 1年生:バングラデシュ2名(JDS),インドネシア6名(円借款)
(3) 研究生:アフガニスタン1名(技術協力)
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なお,東アジア研究科(博士課程)にも「公共管理コース」と同じプロフラム(円
借款)により,1名のインドネシア留学生が在籍中である。
BCS(BANGLADESH CIVIL SERVICE)
ADMINISTRATION ACADEMY
BCS Administration Academyは、このBCS
Administration Cadre(行政職)を対象にした公務
員研修所であり、1987年に設置された公務員研修
所である。この公務員研修所では、国家公務員に
なったばかりの新人職員から課長補佐級、課長級、
課長級より高い職位を対象にした様々な研修プログ
ラムが提供されている。
 Administration Cadreは、バングラデシュの様々な
中央省庁及び地方行政機関を異動し、次官、次官
補といった各省のトップには、このAdministration
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Cadreに属する国家公務員が多く就任する。
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BCS ADMINISTRATION ACADEMY
への講義提供講義
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
JDS留学生の多くはAdministration Cadreに属して
いて、BCS Administration Academyにて様々な研
修を受けている。そこでPAコースがJDS留学生に対す
る教育経験を踏まえ、バングラデシュの若手国家公務
員に公共管理や財政に関する講義を提供することによ
り、当PAコースに対する認識が深まり、PAコース応募
のきっかけになる。
2010年2月8日にBCS Administration Academyと
MoUを結び、Intermediate Course on Public
Administration and Public Financeといった講義プ
ログラムの提供を行うこととなり、以降毎年実施してい
る。
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講義提供の今後の展開
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
経済学研究科教員だけでなく、山口大学が提供可能
な英語での講義を提供し、本学への留学を勧奨する。
(2012年2月には、工学部朝位准教授が「日本の防災
行政とハザードマップ」につき講義。)
他国においても同様の試みを開始する。(2012年3月
にはインドネシア国家開発庁(Bappenas)研修所で、
MOT福与教授の模擬授業を実施)
今後、カンボジア、ベトナム等でも同様の講義提供を
計画し、留学生の勧誘に努めたい。なお、インドネシ
アでは世界銀行の留学プログラムとの連携も模索して
いる。
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「日本理解のための特別科目」
(SPECIAL SUBJECT FOR UNDERSTANDING OF
JAPANESE SOCIETY AND ITS EXPERIENCES)

2012年1月に、他研究科(農学研究科、理工学研究科、教育学
研究科、MOT)教員の協力を得て、以下の英語による特別授業
を実施した。
01 The History and Innovation ofPetrochemical Complex in Japan
02 History of Sustainable Energy Policies and Development of
Green Energy Technologies in Japan
03 Re-defining “Results”in the context of development cooperation
04 Japan’s experience in the field of health and medicine
05 Overviews of Japan's Education
06 Japanese Beef Cattle, Wagyu
07 The postwar problems of agriculture and agro-politics in Japan
08 Natural disaster prevention public administration in Japan
and hazard map
09 Environmental Restoration in Sea and River
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受講学生の評価

「公共管理コース」学生以外に、農学、理工学、東アジア各研究
科から25名の留学生が受講し、以下の評価があった。
01 非常に重要で有益なプログラム
02 多くの留学生が日本について学ぶことを望んでいる。
03 今後も継続され、毎学期定期的に開講されることを希望する。
04 日本を簡潔に知る意味で大変興味深いものであった。
05 日本の経験を主として、新たな知識を得る事の出来た大変興味深い授業。
それ故、もっと頻繁に、また常磐キャンパスでも実施して欲しい。
06 次回に、日本経済と関連させて社会基盤開発に関する知識を学びたいと。
07 日本の経験を多角的に学ぶ機会で、次回も必ず参加したい。
08 全学の留学生を対象に、より多くの研究科教員による授業となることを期待
09 日本をより理解するために大変有益
10 より多くの研究科から、中国、韓国、マレーシアからの留学生、日本学生の
参加を促すことを提案したい。
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「日本理解のための特別科目」開設
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単位授与科目として、体系的な日本理解のための
科目の準備を進める。
当面、次の6科目を想定している。
01 日本の行政の仕組み
02 日本の社会システム
03 日本の環境と防災
04 日本の経済・産業政策
05 日本の近代化と戦後復興
06 地域社会の経験
「公共管理コース」では、今年度より単位科目とし
て2科目の開講準備を進めている。(他研究科学
生の受講も可とする。)
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「研究科横断型英語による授業」への展開
「公共管理コース」現行カリキュラム
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研究科共通の英語授業カリキュラム表の作成
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各研究科が英語コースを開設する場合の研究
科独自の必須科目の検討。
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「公共管理コース」拡充カリキュラム
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経済学研究科以外からの提供が望まれる科
目の追加。
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Me
Me
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Ed
Ed
Ed
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遠隔教育により国内外の大学、研究機関等
からの提供科目の追加。
: 必須科目
: 選択科目
Ec: 経済学研究科提供科目
Ag: 農学研究科提供科目
SE: 理工学研究科提供科目
Ed: 教育学研究科提供科目
Me: 医学系研究科提供科目
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