Transcript 日本企業の海外進出
~The Case of Advance Into Brunei Darussalam~ ブルネイ・ダルサラーム 首都 バンダルスリブガワン 面積 5,765km² 人口 42.3万人 公用語 マレー語(英語) 国教 イスラム教 BRUNEI DARUSSALAM KEY INDICATORS 2011 名目GDPの推移 単位:10億ドル 18 16 14 12 10 8 6 168億ドル 4 2 0 IMF - World Economic Outlook Databases 主要貿易品目 輸出 (156.5億ブルネイドル) メタノール 1% その他 6% 天然ガス 45% 48% 原油 BRUNEI DARUSSALAM KEY INDICATORS 2011 主要貿易相手国 輸出 1. 日本(45.7%) 輸入 1. ASEAN(54.7%) 2. 韓国(16.8) 2. 米国(12.5%) 3. ASEAN(14.7%) 3. EU(9.9%) BRUNEI DARUSSALAM KEY INDICATORS 2011 ブルネイ進出 エネルギーコストが安い 180 ハイオク小売価格(US-cents/L) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 ブルネイ 中国 タイ 2010年10月時点 シンガポール 日本 giz International Fuel Prices 2010/2011 国名 電気料金 (KWhあたり) (円) ブルネイ 中国 タイ 0.63~7.65 ※ 7.8 7.05~9.40 シンガポール 17.82~17.97 日本 17.05~22.52 ※家庭の電気料金から算出 JETRO DEPARTMENT OF ERECTRICAL SERVICES カントリーリスクが少ない 政情 (犯罪率統計-ICPO調査) ブルネイの犯罪率⇒0.74%(※日本⇒2.3%) 災害 (総務省「防災システム分科会」) 過去40年間主要な災害による死者、停電が少ない 労働者 (人間開発報告書2007~2008) 教育・医療水準は30/177位、識字率93.7% 政府の投資優遇政策 税制 所得税、輸出税、販売税、給与税、製造税なし パイオニア産業認証 法人税の免除、部品輸入税の免除、 原材料輸入税の免除など 市場規模が小さい ASEAN加盟国の名目GDP(2011年) インドネシア タイ 単位 億ドル マレーシア シンガポール ASEAN最少クラスの 人口・経済規模 フィリピン ベトナム ミャンマー ブルネイ カンボジア ラオス 0 2000 4000 6000 8000 World Bank, World Development Indicators database 10000 人件費が高い 公務員が労働者の60%以上を占めている 東南アジア最高水準の給与 民間企業で働くインセンティブが低い 産業基盤の偏り 天然資源依存の経済構造 輸出の90%以上を石油と天然ガスに依存 国内産業を支える企業 BMC、ロイヤルブルネイ航空 ブルネイ進出 現地調査の目的 ブルネイにおける ビジネスの可能性を探るため • 訪問日(2012年 8/21~25) 澤田コンサルタント、在ブルネイ日本国大使館、 三菱商事、元駐日ブルネイ大使、王宮 工場進出のパターン 原料立地型 良い原料を安く 調達できる 市場立地型 良い販路がある 工場進出 現地調査で分かった問題点 <ブルネイへの直接投資の難しさを痛感> 宗教厳格 高人件費 少人口 資源依存 →コスト高 日本から東南アジア諸国への直接投資額 3500 3000 2500 ブルネイ 2000 インドネシア マレーシア 1500 シンガポール フィリピン 1000 500 0 2006 2007 2008 2009 2010 出所:外務省( http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/asia.html) 日系企業の参入 2004 伊藤忠商事・三菱ガス化学 出資のメタノール製造事業 →プラント建設に飛島建設 大企業向けのビジネスチャンス 国家開発 5カ年計画 682の 65億ブルネイドル 65億ブルネイドル プロジェクト 石油化学装置 製油所の建設 アンモニアと 尿素関連製品 ヘリコプター 訓練ハブ 他 日系企業の参入 2011 三井物産と三井化学出資の アンモニア製造販売事業 ※アンモニアはメタンを原料とする 今後期待されている事業 2012 ブルネイで採れる 珪砂(ガラスの原料)の コンサルタント業務の入札が発表 ブルネイへの工場進出 原料立地型 良い原料を安く 調達できる 市場立地型 良い販路がある 工場進出 成功の条件 ニッチ 高付加価値 教育水準の高い労働者の活用 電気 政府の支援 ハラル製品とは イスラム教徒にとって 許された製品のこと 例)食品、医薬品、化粧品などがある イスラム市場拡大の傾向 イスラム人口は2030年に約22億人になる →世界人口の4人に1人がイスラム教徒に! 年間のハラル製品国際貿易額 約2兆1000億ドル アグロテクノロジーパーク ハラル食品企業や製薬会社、化粧品会社などを 誘致して形成される一大工業団地 港から2km ワンストップでの操業が可能 ハラルサイエンスセンター 世界のハラル製品市場 加工食品だと・・・ ・ブルネイは食料の8割が輸入 ・農林水産業の対GDP比…0.7% ブルネイには加工食品の製造に 必要な原料がほとんどない ハラル食品に マレーシアが力を入れている →加工食品で市場を狙うのは厳しい 出所: Euromonitor reports; FAOSTAT ハラル医薬品の市場動向 (億ドル) 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 2006年 2013年 2020年 出所:Frost & Sullivan Market Insight ,PricewaterhouseCoopers Report 2010年=100 (2010年=100) 医薬品市場成長率 250 200 新興国 (BRICsなど) 150 100 日本 50 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 生物資源利用の可能性 約5000種の ボルネオ島 植物種が生息 6000種の固有種を含む 15000種もの植物が 確認されている 世界で最も生物多様性に 新たな微生物 恵まれた地域の一つ 発見の可能性? エネルギー 農業 生物資源 食品 医薬品 微生物利用の医薬品のメリット • 短期間で大量に製造が可能 一度収集してしまえば大量に培養できる • 長期間の保存が可能 医薬品は研究・開発~製造まで時間がかかる • 多様な化学構造 人間の知識を超える可能性 医薬品の優位性 電力 • 製造過程において機械を多用 政府の支援 • パイオニア産業の優遇措置 教育水準が高い • 優秀な労働者を雇うことができる ハラル • 医薬品の製造ガイドラインが整備済み 高付加価値 • 一つ一つが高価なので利益率が高い データセンター Keyword 「クラウド」 個人用 法人用 データセンター 3つのメリット ① •電気料金 ② • 良質な労働者 ③ •リ ス ク ① 電気料金 ブルネイでは 電気料金が安い 電気料金が安いと何がいいのか? サーバー データ • “24時間、365日” 動かし続けなければならない • 大量の電力を使用する センター 重要! ②良質な労働者 サーバー数百台を 1人で管理可 出所:パナソニック エコソリューションズ電路株式会社 ②良質な労働者 データセンター事業は 教育程度の高い 資本集約的な産業である 現地エンジニアの活用 ③ リスク 大地震 停電 国内情勢 データ消滅などの リスク対応のコストが リスクが少ない 安く済む データセンターの優位性 電力 人件費 • 大量の電力の安定供給が不可欠 • 人件費は問題にならない 教育水準が高い • 良質な現地のエンジニアと教育 リスク 政府の支援 • リスクが低い⇒コスト低下 解決しなければならない課題 通信インフラ 海底通信ケーブル網 Brunei Darussalam 出所:ブルネイ経済開発庁 ブルネイは国際ケーブルで 世界と繋がっている 通信面での心配も ないように思われる 回線速度比較 200分の1 0 200 400 600 800 1,000 出所:TelBru, NTT西日本 1,200 Mbps ブルネイ国内の通信事情に課題 この課題を解決しなければ データセンター事業の成功は見込めない データセンター 通信インフラ整備 データセンターの優位性 電力 人件費 • 大量の電力の安定供給が不可欠 ブルネイは • 人件費は問題にならない 情報のハブに なりうる 教育水準が高い • 良質な現地のエンジニアと教育 リスク 政府の支援 • リスクが低い⇒コスト低下 • インフラ整備が必要 他にも政府のインフラ整備により ブルネイが「ハブ」となりうる産業がある 航空産業 (空港整備事業) 現在のブルネイ国際空港 14都市に就航 インフラ整備が整うと・・・ チャンギ国際空港(シンガポール) ↓ ↓ ブルネイ国際空港 未来のブルネイ国際空港 このような可能性もある! 60カ国220都市に就航 まとめと提案 短期 •ハラル医薬品事業 中期 •データセンタ事業 長期 •空港整備事業 ~The Case of Advance Into Brunei Darussalam~ End…