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気象庁極座標レーダーデータの活用方法
-沖縄糸数レーダーとCOBRAのdual-Doppler観測-
31AUG2010,15:00JST
22OCT2010, Uruma, Okinawa
20:30JST
20:40JST
HEIGHT (km)
20:20JST
佐藤晋介、花土弘、川村誠治、杉谷茂夫(NICT)、
上田博(名大HyARC)、石原正仁(気象研)
気象学会2010年度秋季大会@京都テルサ
スペシャル・セッション「気象情報・知識の伝達・普及(Ⅱ)」
2010年10月29日
はじめに
集中豪雨、局地的大雨(いわゆる
ゲリラ豪雨)の実況監視および短
時間予測/ナウキャストには気象
レーダーはかかせない。
Q. 気象庁レーダーによる 1kmメッ
シュ・
高度2kmの降水分布で十分か?
10秒間で100mメッシュの3次元降水観測
が可能なフェーズドアレイ気象レーダー
(開発中、H23年度完成、吹田設置予定)
災害・危機管理ICTシンポジウム2009
気象業務支援センターからオンライ
ン配信が始まった「気象庁極座標
レーダーデータ(エコー強度GPV、
ドップラー速度GPV)」とは?
⇒ 3次元レーダーデータ
⇒ ドップラー速度データ
新しい役にたつ防災情報を目指し
て!
「竜巻・突風・ゲリラ豪雨の観測を目指して」
平成21年2月6日@パシフィコ横浜 参加者数:約200名
主催: 次世代安心・安全ICTフォーラム、情報通信研究機構
<プログラム>
開会挨拶 情報通信研究機構 理事長
宮原 秀夫
来賓挨拶 総務省 総務副大臣
石崎 岳
内閣府 総合科学技術会議 議員 奥村 直樹
10:15- 近年の豪雨災害の実態
山田 正 (中央大学)
10:55- 降雨情報システム「東京アメッシュ」 久野 清人(東京都下水道局)
11:35- 竜巻・突風災害について
小林 文明 (防衛大学校)
13:30- 気象災害情報について
植松 久芳 (気象予報士)
14:10- フェーズドアレイレーダへの期待
石原 正仁 (気象研究所)
15:10- パネルディスカッション:ユーザが必要とする情報について
パネリスト: 五道 仁実 (国土交通省河川局) 細川 直史 (消防庁)
井上 潔 (東京都下水道局)
植松 久芳 (気象予報士)
楠 研一 (気象研究所)
和田 将一 (東芝)
会場風景、パネルディスカッション
3次元ボリュームスキャンと空間分解能
高度 (km)
(気象庁沖縄糸数レーダー、ドップラー観測の例)
14
12
10
8
6
4
2
0
EL=25.0
EL=19.0
EL=14.0
EL=10.0
EL=7.0
EL=5.0
EL=3.3
EL=1.8
EL=0.4
0
20
40
60
80
100
視線方向距離 (km)
0.8 km
距離分解能
0.5 km
1.7 km
120
140
4/3 等価地球半径から計算
2.5 km
@40 km
@80 km
@120 km
0.5 km
1.0 km
1.5 km
@40 km
@80 km
@120 km
レーダービームの広がりと方位角・仰角方向の分解能
ビーム幅
~1.2°
方位角分解能
(データ)~0.7°
沖縄県うるま市で小学生が局地的大雨で
増水した側溝に流され死亡(10月22日夜)
10 月22 日20 時00 分のレーダー画像
1つの格子は約1km×1km
沖縄気象台発表 「平成22年10月22日うるま市の気象状況」より
・ 14 時06 分に大雨、雷、波浪、洪水注意報
・解析雨量では20 時30 分までの1 時間に事故現場周辺で50 ミリの降水
レーダーエコー時間変化(水平+鉛直断面)
東西鉛直断面
(下図)
沖縄本島上にはほとんどエコーなし
First Echo発生
停滞したまま発達
エコー頂 3km
事故発生
(予想時刻)
一旦エコー弱まる?
エコー頂 5km
エコー頂 7km
エコー頂 9km
レーダーエコー時間変化(拡大)
20:20JST
20:30JST
20:40JST
HEIGHT (km)
HEIGHT (km)
事故発生
場所(予想)
500 mメッシュ
・ 10分毎デー
タでは急激な
発達を調べる
には不十分
糸数レーダーとCOBRAのdual-Doppler観測
25
20
仰角(deg)
470/320/260/150/75 km range
COBRA
ITOK(Ze)
ITOK(Vr+Ze)
400/250 km range
150 km range
15
10
ITOK 400km range
400km range
5
0
R
0
60
R
120
R
180
240
300
360
R
420
R
480
各スキャンの観測開始時間 (sec)
ITOK Ze
ITOK Vr
540
600
Dual-Doppler
area (β>20deg)
沖縄偏波降雨レーダ(COBRA)
COBRA Vr
台風7号(KOMPASU)のdual-Doppler解析
HEIGHT (km)
2010/08/31,15:00JST
2010/08/31,15:00JST
風速 [SQRT(U2+V2)] の水平分布
・ 進行方向の右側で強風
・ 風速45~50m/s以上の強風域は
南北に広がっている
まとめ
気象業務支援センターからオンライン配信されている「気象庁の
極座標レーダーデータ」を用いて、3次元データおよびドップラー
速度データの活用例を示した。
3次元レーダーエコーの解析例として、局地的大雨をもたらした
積乱雲の急激な発達を鉛直断面図で示した。ただし、500 mメッ
シュ、10分間隔の観測データでは、時間・空間分解が不十分。
●
ドップラー速度データの活用例として台風1007号のdualDoppler解析結果を示した。風速ベクトルや風速分布情報は、
一般ユーザにも分かりやすく有効であると考えられる。
●
⇒ 新しい気象情報を有効に活用するためには、分かりやすいデータ作成(3次元
可視化など)や伝達方法(GPS携帯の利用など)の工夫が必要であり、気象情報
伝達のプロの方々からのご意見をいただきたい。
気象庁極座標レーダーデータおよび読み込みプログラム公開(試験運用中)
http://www3.nict.go.jp/y/y222/JMA-PolarCoordsRadar/
謝辞:科研費基盤A「局地豪雨予測… (代表:斎藤和雄)」の援助を受けました。また,沖縄気象台の方々に感謝します。
BACKUP
(続)エコー時間変化(水平+鉛直断面)
高度0.5kmと2kmのエコーの違い
ドップラー速度によるメソサイクロン検出
2007年3月15日、沖縄本島中部に突風被害をもたらしたF1スケール
の竜巻発生時の偏波ドップラーレーダ(COBRA)による観測結果
約1時間半の間に複数
のメソサイクロンが観測
された
1458JST, 15MAR2007
B
E
D
A
F
G
このMCからF1スケールの
竜巻が発生したと考えられる
Doppler Velocity (m/s)
被害発生場所及び周辺の状況
平成19年3月15日に沖縄本島中部で
発生した突風について(速報)
平成19年3月15日15時ごろ、沖縄本島の中部
(読谷村、沖縄市、うるま市)で突風による被害
が発生しました。
現地調査の結果、読谷村付近の突風は竜巻に
よる可能性が高いと考えられ、竜巻の強度を
示すFスケールは1と推定されます。
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の「数値地図50m メッシュ(標高)」を複製
したものである。(承認番号 H17総複、第650号)
沖縄気象台広報資料より
http://www.okinawa-jma.go.jp/new/2007/joho070316.pdf
HIGHT (km)
レーダビーム高度(COBRA)
18
14
10
6
2
-2
EL=0.9
EL=0.5
EL=0.0
EL=-0.5
EL=-0.9
0
100
200
300
400
SLANT RANGE (km)
Beam width
(0.91°)
4.8 km
@300 km
500
600
using 4/3 equiv earth radius
7.2 km
@450 km
9.5 km
@600 km
COBRA long range 観測試験
+0.3deg
+0.1deg
- 0.1deg
- 0.3deg
- 0.5deg
- 0.7deg
- 0.9deg
- 1.1deg
明らかに -0.9°以下にすると、海面にあたるビームが多くなって遠距離まで届かなくなる。
最低仰角は -0.1 ~ -0.5°程度が適当か? EL< -0.1°だとAZ=300°方向が本部半島
のシャドーになる。近距離の海面エコーを減らすには +0.1°以上が望ましい。
⇒ 結局、降雨観測の最低仰角は EL=0.0°がもっとも使いやすいと考えられる
COBRA long-range 観測
deg
deg
600 km range
(EL = -0.5°)
●やはり、最大400
~450 km レンジまで
しか、観測できない…
●近傍の海面エコー
を除けば、仰角が
-0.5°でも 0.0°
でも、その違いは
少ない
450 km range
(EL = 0.0°)
(左) 台風1004号の事例
(右) 散在エコーの事例
deg
deg
次世代ドップラーレーダー技術の研究開発
【概要】 突発的、局所的気象災害の予測や災害対策のため、その原因となる
局地的大雨、集中豪雨、竜巻突風等を10秒以内に100 m以下の分解能で
立体的に観測可能なフェーズドアレイ・ドップラーレーダーの研究開発を行う。
高速スキャンを実現するフェーズドアレイ
レーダーのアンテナ部外観
10~30秒毎に空間的に抜け
のない3次元観測が可能
(降水強度、ドップラー速度)
大阪大(吹田市)
に設置予定
開発スケジュール
2008(H20)
・ 概念設計(システム
検討)
・ 素子部分試作
NICT委託研究 ⇒東芝・大阪大が受託
2009(H21)
・ 予備設計(主に空中線部)
・ 送受信モジュール試作
・ 性能評価シミュレーション
2010(H22)
・ 基本設計(主に信号処理
部)
・ 空中線部の製作
・ クラッタ除去技術の開発
2011(H23)
・ 詳細設計(解析処理部)
・ 信号処理部の製作
・ 観測運用技術の開発
完成
2012(H24)
・ 実証実験・評価
・ データ解析処理部の
開発
開発状況、産学官による利用検討
小型軽量化・低コスト化を目指した部分試作
災害・危機管理ICTシンポジウム2009
「竜巻・突風・ゲリラ豪雨の観測を目指して」
平成21年2月6日@パシフィコ横浜 参加者数:約200名
主催: 次世代安心・安全ICTフォーラム、情報通信研究機構
アンテナパターンの評価
GaN送受信ユニットの
試作・評価
<プログラム>
開会挨拶 情報通信研究機構 理事長
宮原 秀夫
来賓挨拶 総務省 総務副大臣
石崎 岳
内閣府 総合科学技術会議 議員 奥村 直樹
10:15- 近年の豪雨災害の実態
山田 正 (中央大学)
10:55- 降雨情報システム「東京アメッシュ」 久野 清人 (東京都下水道局)
11:35- 竜巻・突風災害について
小林 文明 (防衛大学校)
13:30- 気象災害情報について
植松 久芳 (気象予報士)
14:10- フェーズドアレイレーダへの期待
石原 正仁 (気象研究所)
15:10- パネルディスカッション:ユーザが必要とする情報について
パネリスト: 五道 仁実 (国土交通省河川局) 細川 直史 (消防庁)
井上 潔 (東京都下水道局)
植松 久芳 (気象予報士)
楠 研一 (気象研究所)
和田 将一 (東芝)
会場風景、パネルディスカッション
次世代安心・安全ICTフォーラム
センシング技術部会 フェーズドアレイレーダSWG
● 高速3次元観測データの利用方法について
産学官のメンバーで検討中
スロットアンテナの試作・評価
周波数変換ユニットの
試作・評価