動線解析プラットフォームの状況

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動線解析プラットフォームの状況
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動線解析プラットフォームの狙い
• 効率的な動線解析の共通基盤としてニーズの
高そうな処理をWebAPI化し,実用可能なレベル
なものを構築.
• 具体的には,「人の流れプロジェクト」の中で提
供している「時空間データクリーニングサービス
」「時空間データ提供サービス」を動線解析プラ
ットフォームのWebAPIとして2008年から提供
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動線解析プラットフォームの概略構成
ユーザーが持
つ人々の位置
情報
時空間データクリー
ニングサービス
(マップマッチング
や経路探索)
人の流れ
データ
申請
時空間データ提供
サービス
(人の流れデータ
の検索・提供)
動線解析プラットフォーム
※人の流れデータについては,各人
の時間解像度を1分としている
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WebAPIの主な仕様
• WebAPI仕様書は公開されている
マップマッチン
グ
経路探索
時空間内挿
データ検索
API
任意点の道路近傍点取得
【GetNearestRoadPoint】
道路の経路探索(点座標指定)
【GetRoadRoute】
鉄道の経路探索(駅指定、点座標指
定【GetRailRoute】
機 能
任意の点座標より、道路ネットワークにおけるその位置の近
傍座標を、ネットワークの補間点レベルで取得する。
任意の点座標(起点、終点、経由点)より、それら地点を結ぶ
道路上の最短経路を取得する。
任意の駅(起点、終点、経由点)より、それら地点を結ぶ鉄道
上の最短経路を取得する。
鉄道の経路探索(鉄道駅までの道
路の経路探索含む)
【GetMixedRoute】
時空間内挿の実施
【GetSTInterpolatedPoint】
時空間検索に該当するPIDリストの
取得【GetPIDList】
任意の点座標(起点、終点、経由点)より、それら地点を結ぶ
道路及び鉄道経路を取得する。
PIDに該当するオブジェクトデータの
取得【GetFlowData】
時空間位置情報の取得
【GetDistributionData】
時空間位置画像の取得
【GetDistributionImage】
時空間内挿済みの登録PTデータから、PIDを指定し、該当す
るPIDの指定時間範囲分のデータセットを取得する。
時空間内挿済みの登録PTデータから、指定した検索条件と
一致する人々の時空間位置に関する情報を取得する。
時空間内挿済みの登録PTデータから、指定した検索条件と
一致する人々の時空間位置に関する情報について、ネット
ワークデータを背景とした画像として取得する。
任意の時空間位置(起点、終点の時空間位置)より、それら
を内挿する時空間位置を取得する。
時空間内挿済みの登録PTデータ、検索条件に一致するPID
リストを取得する
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必要なインフラデータ
時空間内挿
(幾何構造を利用)
出発点11:42
到着点11:50
■11:42 (Lat, Lon)
■11:43 (Lat, Lon)
■11:44 (Lat, Lon)
■11:45 (Lat, Lon)
■11:46 (Lat, Lon)
■11:47 (Lat, Lon)
■11:48 (Lat, Lon)
■11:49 (Lat, Lon)
■11:50 (Lat, Lon)
経路特定
(位相構造を利用)
時空間内挿の仕組み
( GetSTInterpolatedPoints)
必要なインフラデータ
都市圏
東京都市圏
ハノイ都市圏
道路
位相構造
約133万ノードと約
191万リンク(DRM)
約 5,600ノード と
3,600リンク(OSM)
鉄道
幾何構造
約 678万補間点
(DRM)
約2.4万補間点
(OSM)
位相構造
幾何構造
1,455 駅(DRM)
約5万補間点
(DRM)
---
---
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GetPIDList利用イメージ
検索のタイプ
利用イメージ
GetPIDListの挙動
(タイプ1)
時間断面での人の分布状 ・時間ごとに検索テーブルがあるので時間の
時間を限定して時空間 態を求める
特定は容易.
検索する
・空間範囲が全域の場合は特定は不要であ
るが結果出力に時間がかかる.
(タイプ2)
ある場所を通過・滞在する ・時間範囲が長期にわたる時は複数のテー
空間を限定して時空間 人をカウントする (来街者 ブルをあたるので,その分時間がかかる.
検索する
調査やセンサス観測地点 ・空間範囲がピンポイントであれば,2次メッ
でのカウントなど)
シュレベルで少数に特定できるので早い.
・それなりに広域を対象とするとやや時間が
かかる.
(タイプ3)
属性による検索
ある属性の人を取り出す
・各属性で絞っている
(タイプ4)
少しでも通った人をカウント ・滞在の場合,全ての時間範囲内で存在して
通過と滞在を区別して (通過),常にいた人をカウ いることを確認するため時間がかかる.
検索する
ントする(滞在)
(タイプ5)
サン プ ル 抽出し た 人の 挙 PIDをランダムにしている
ランダムに人を取り出 動を見る
す
GetFlowData
• 以下のデータの並びがPID単位、時刻単位で並ぶ
PID,トリップ番号,サブトリップ番号,日時,経度,緯度,性別,年齢,住所
コード,職業,移動の目的,拡大係数,拡大係数2,交通手段
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GetPIDList+GetFlowで逆引き
渋谷駅
渋谷の来街者サンプル538人の1日の経路を描いたもの.
(平成10年の人の流れデータ72万人に対し,朝9時に渋谷駅を中心に1km四方に存
在した人を抜き出した.青:鉄道,黄緑:個人車両,紫:商業車両,赤:徒歩)
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GetDistributionImageで時間断面の分布把握
GetDistributionImageを用いて渋谷駅周辺の5km四方
の朝9時の分布状況を描いたもの(赤色の点)
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物理的な構成
etc ...
連携AP( 利用側)
HTML
ActiveX
Java
etc ...
HTTPレスポンス
(text/xml)
HTTPリクエスト
(Postメソッド )
HTTPレスポンス
(text/xml)
(
経
コ路
ア探
モ索
、
ジ座
ュ標
ー変
ル換
等
)
Windows Server 2003
動線解析プラットフォーム
DBサーバ
Oracle 10g
Standard Edition
DB/IF
Java
WEB API
HTML
ActiveX
HTTPリクエスト
(Postメソッド )
Web Server (Apache+Tomcat)
連携AP( 利用側)
動線解析プラットフォーム
WEBサーバ
DB
Windows Server 2003
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基本機能の処理速度
各WebAPI
GetNearestRoadPoin
t
GetRoadRoute
GetRailRoute
GetMixedRoute
GetSTInterpolatedP
oints
GetPIDList
GetFlowData
テスト内容
秒数
0.79s
/ 0.49s
5.83s
一次メッシュ内(5339:関東/5033:四国)にラン / 2.73s
ダムに1000回の点(あるいは起終点)をとり実
施
1.67s
/ 3.00s
15.35s
/ 19.97s
15.35s
/ 16.33s
(駅の通過人数を想定するようなもの)
※
・時間検索(10分) ・空間検索(駅周辺など)
PIDを指定して24時間分のトリップを取得する
0.56s
備考
1km以内に近傍点が見つからない
ケースがある (1000回中233回/
771回).
ルートが見つからない(起点または
終点の1km以内に近傍点が見つか
ら な い ) ケ ー ス が あ る ( 1000 回 中
302回/651回).秒数はルートがあ
る時の平均.
ルートが見つからないものはなかっ
た
-
ルートが見つからないケースがあ
る(1000回中2回/6回).
※詳細は表-8を参照
インデクス作成時の値
GetDistributionData
一次メッシュ内(5339,98TKY/5033,97KCH) 0.36s
にランダムに1000回の中心点をとり実施
/ 0.16s
5km四方のデータ取得
GetDistributionImage
一次メッシュ内(5339,98TKY/5033,97KCH) 142.5s
にランダムに10回の中心点をとり実施
/ 139.8
5km四方のデータ取得
実用上,差し支えないレベル
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時空間検索(GetPIDList)に関する
処理速度と時空間範囲の関係
時間範囲
空間範囲
一次メッシュ
(5339)
二次メッシュ
メッシュ
(533945)
三次メッシュ
(53394525)
上段:検索結果の人数(人),下段:検索秒数(秒)
2分
1時間
24時間
(8時~8時1分59秒)
(8時~8時59分)
(0時~23時59分)
通過
滞在
通過
滞在
通過
滞在
551,956
551,518
561,935
546,619
タイムアウト
/ 9.02
/ 13.22
/ 132.18
/ 169.58
36,609
35,577
64,942
27,625
タイムアウト
/ 0.58
/ 1.14
/ 24.00
/ 23.02
763
574
7,212
371
23,818
19
/ 0.05
/ 1.02
/ 4.56
/ 1.70
/ 111.05 / 108.48
空間範囲をかなり広くしても検索時間は実用的な範囲
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人の流れデータの作成例
東京PTデータの処理工程
各工程
マスターデータからゾーンをジオコーディングして緯度経度に変換やイレ
ギュラーデータ除外
処理日数
数日
(手作業有)
ジオコーディング済みPTデータから時空間内挿による人の流れデータの
作成(約72万人分)※
84日
ワークテーブルの作成
14日
時空間検索用テーブルの作成
(1440つのテーブル)
7日
時空間検索用テーブルへのインデックスの作成
0.5日
オブジェクトテーブルの作成
(2つのテーブル)
7日
チェック用テーブルの作成
7日
※ただし,ネットワークを介さない内部関数としてAPIを利用
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まとめ
• 人の流れプロジェクトでは,都市空間における効率的
な動線解析の共通基盤として,動線解析プラットフォ
ームを構築し,共用性が高いと思われる処理関数を
WebAPIとして定義・実装を行っている.
• 実際にこれらは2008年から使われ,現在は登録ユー
ザーが約150名いて,改良等も重ねられているが,今
後とも負荷分散対策等も重点的に行う予定である.
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