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USにおける現在のHIVの課題: 長期治療における非AIDS合併症マネージメント ケーススタディ Ann M. Khalsa, MD, MSEd, AAHIVS McDowell (HIV/AIDS) Healthcare Center Maricopa Integrated Health Systems Arizona AIDS Education and Training Center 1 症例: Eduardo R. 51歳、ヒスパニック系MSM、美容師 1993年HIV陽性判明、その後種々の抗HIV薬服用 2007年以前: TDF/FTC+TPV/r治療でVL >10万, CD4値 8/mm3 , 2% 2007年にサルベージ: DRV/r+RAL+ETR+TDF/FTC, VL検出限界未満 合併症: 糖尿病、高脂血症、高血圧 甲状腺機能低下、性腺機能低下 2 症例: Eduardo R. Question #1 サルベージ療法開始直後、血清クレアチニンが上昇。 どんな検査をすべきですか? 1. 随時尿タンパク:クレアチニン比 2. 血清および尿中リン 3. 血清および尿中グルコース 4. 24時間尿クレアチニンクリアランス 5. 1, 2 および 3 6. 1 から 4 3 症例: Eduardo R. Question #1 サルベージ療法開始直後、血清クレアチニンが上昇。 どんな検査をすべきですか? 1.随時尿タンパク:クレアチニン比 2.血清および尿中リン 3.血清および尿中グルコース 4. 24時間尿クレアチニンクリアランス 5. 1, 2 および 3 6. 1 から 4 4 症例: Eduardo R. Question #1 サルベージ療法開始直後、血清クレアチニンが上昇。 どんな検査をすべきですか? 1. 随時尿タンパク:クレアチニン比 2. 血清および尿中リン 3. 血清および尿中グルコース 4. 24時間尿クレアチニンクリアランス 5. 1, 2 および 3 6. 1 から 4 5 症例: Eduardo R. Question #1 - Data 検査 結果 正常値 随時尿タンパク:クレアチニン比 625 mg/g <200 mg/g クレアチニン 随時尿中クレアチニン 145 mg/dL N/A 随時尿中リン 116 mg/dL N/A 血清クレアチニン 1.9 mg/dL ~< 1.5 mg/dL 血清リン酸 2.1 mg/dL 2.5-4.5 mg/dL リン排泄率(FE PO4)* : ( 尿中PO4 x 血清Cr ) x 100 血清PO4 尿中Cr = 72% * 日本では1から上記の値を引いた数値を使用する 解釈: 血清PO4低下 & FEPO4: = 近位尿細管 ファンコニ症候群 6 症例: Eduardo R. Question #2 CKDのマネージメントで重要な事項は? 1. TDFを含まない抗ウイルス療法を考慮 2. 血圧およびタンパク尿のコントロールのために ACE / ARB 阻害薬治療を最適化する 3. CKDに潜んでいる可能性のある他の因子の評価を行う 4. リン補充 5. 上記全て 7 症例: Eduardo R. Question #2 CKDのマネージメントで重要な事項は? 1. TDFを含まない抗ウイルス療法を考慮 2.血圧およびタンパク尿のコントロールのために ACE / ARB 阻害薬治療を 最適化する 3. CKDに潜んでいる可能性のある他の因子の評価を行う 4.リン補充 5.上記全て 8 症例: Eduardo R. Question #2 CKDのマネージメントで重要な事項は? 1. TDFを含まない抗ウイルス療法を考慮 2. 血圧およびタンパク尿のコントロールのために ACE / ARB 阻害薬治療を最適化する 3. CKDに潜んでいる可能性のある他の因子の評価を行う 4. リン補充 5. 上記全て 9 HIV患者における腎疾患 関連する因子 • 急性腎障害 – 入院合併症(IRIS、DIC) – 感染症、薬物療法、肝不全 • 抗HIV薬による腎毒性 – TDF: 近位尿細管障害 – IDV, ATV: 尿路結石、腎結石 • HIV腎症 (HIVAN) – 進行したHIV, 黒人(MYH9遺伝子) • 合併症 – HBV, HCV, 糖尿病, 高血圧 10 症例: Eduardo R. Question #3 今までの経過で何が骨粗鬆症のリスクを高めたでしょう? 1. 慢性腎疾患(CKD) 2. リン低下 3. 甲状腺機能低下・性腺機能低下 4. TDF治療歴・PI服用歴 5. 長期にわたるHIV感染・CD4最低値 6. 上記全て 11 症例: Eduardo R. Question #3 今までの経過で何が骨粗鬆症のリスクを高めたでしょう? 1.慢性腎疾患(CKD) 2.リン低下 3.甲状腺機能低下・性腺機能低下 4. TDF治療歴・PI服用歴 5.長期にわたるHIV感染・CD4最低値 6.上記全て 12 症例: Eduardo R. Question #3 今までの経過で何が骨粗鬆症のリスクを高めたでしょう? 1. 慢性腎疾患(CKD) 2. リン低下 3. 甲状腺機能低下・性腺機能低下 4. TDF治療歴・PI服用歴 5. 長期にわたるHIV感染・CD4最低値 6. 上記全て 13 症例: Eduardo R. Question #4 骨粗鬆症リスクが上昇した患者に、どのような検査をすべ きですか? 1. 血清 25-OH ビタミンD 2. 血清1,25-OH ビタミンD 3. 腰椎および大腿骨DEXA 4. 腰椎および大腿骨X線 5. 1と3 6. 2と4 14 症例: Eduardo R. Question #4 骨粗鬆症リスクが上昇した患者に、どのような検査をすべきですか? 1.血清 25-OH ビタミンD 2.血清1,25-OH ビタミンD 3.腰椎および大腿骨DEXA 4.腰椎および大腿骨X線 5.1 と 3 6. 2 と 4 15 症例: Eduardo R. Question #4 骨粗鬆症リスクが上昇した患者に、どのような検査をすべ きですか? 1. 血清 25-OH ビタミンD 2. 血清1,25-OH ビタミンD 3. 腰椎および大腿骨DEXA 4. 腰椎および大腿骨X線 5. 1と3 6. 2と4 HIVでは正確に出ない 骨粗鬆症に特異的で はない 16 症例: Eduardo R. Question #4 – データ 骨密度(BMD) 二重X線吸収測定法(DEXA) スコア T-Score 解釈 正面脊椎 (L1-4) -1.8 骨減少症 大腿骨頸部 -2.7 骨粗鬆症 腰椎全体 -1.5 骨減少症 ビタミンDレベル 25-OH ビタミンD 検査値 解釈 14 ng/ml 欠乏症 17 症例: Eduardo R. Question #5 どのような治療を行いますか? 1. 経口ビスホスホネート治療 2. 毎日のカルシウムサプリメント 3. 週1回の高用量ビタミンD治療 4. 毎日の組み換え副甲状腺ホルモン治療 5. 1, 2 および 3 6. 上記全て 18 症例: Eduardo R. Question #5 どのような治療を行いますか? 1.経口ビスホスホネート治療 2.毎日のカルシウムサプリメント 3.週1回の高用量ビタミンD治療 4.毎日の組み換え副甲状腺ホルモン治療 5.1, 2 および 3 6.上記全て 19 症例: Eduardo R. Question #5 骨減少症の治療 1. 経口ビスホスホネート治療 2. 毎日のカルシウムサプリメント 3. 週1回の高用量ビタミンD治療 4. 毎日の組み換え副甲状腺ホルモン治療 5. 1, 2 および 3 6. 上記全て 上記に加え、性腺機能低下、甲状腺機能低下、糖尿病および慢性腎疾 患に対する治療を最適化する必要がある 20 ビタミンD欠乏症 定義と治療 定義 欠乏症: 25 OH ビタミンD <20 ng/ml 不足: 25 OH ビタミンD 20-30 ng/ml ビタミンD補充 エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)を 50,000IU 週2日経口投与、6-12週 (計 600,000IU以上) ビタミンD維持療法 コレカルシフェロール(ビタミンD3) 800-2000IU/日 エルゴカルシフェロール 50,000IU、2-4週毎 21 骨粗鬆症 治療オプション ビスホスホネート 一般名 Alendronate Risedronate Ibandronate Zolendronate 日本の製品 フォサマック/ボナロン アクトネル/ベネット - ゾメタ 投与頻度 毎日 毎週 毎日 毎週 副作用 • 消化器: 胃腸障害、疼痛、嘔気 • 下顎骨壊死(破骨細胞の過剰抑制?) - 2年サイクルでの治療/中断を考慮 毎日 年1回(IV) 毎月 四半期毎 (IV) 組み換え副甲状腺ホルモン Teriparatide • 骨芽細胞性骨形成を刺激 • 用法:毎日皮下注、最長2年まで • ビスホスホネート投与中に骨折した患者または骨減少が持続する患 者のために温存する 22 症例: Eduardo R. Question #5 – フォローアップ 更なる介入: 禁煙 アルコール摂取量を減らす ウエイト負荷のエクササイズを増やす ステロイドの使用を最小限に抑える 性腺機能低下/閉経に対する治療を考慮 TDFあるいはPIを含まない抗HIV療法を考慮 毎日 1000-1500 mgのカルシウムの摂取 ビタミンD 800IUをルーチンに摂取 1年後にBMD DEXA再検査 改善が見られなければ Teriparitide 治療を考慮 23 Case Examples - Karla and Miguel Karla: 26歳メキシコ人女性、幼児期に輸血でHIV感染 多剤耐性でサルベージ療法中: VL = 10,000, CD4 = 21 7歳の息子の空手キックの練習を受けて手首を骨折 T-score -3.1, 25-OH ビタミンD3 = 9 Miguel: 38歳メキシコ人ヘテロ男性 、HIV感染歴15年 2NRTI + PI+RTVレジメンを継続中 VL <48, CD4 = 328 縁石でつまずき、長期にわたる鎖骨骨折 Z-score -2.7, 25-OH ビタミンD3 = 15 24 症例: Jose U. 38歳 ラテンアメリカ系 MSM, HIV診断 1995 1995-2005年 2005年 アドヒアランス不良, CD4=16, VL=292,000 2005-2010年 2010年 PI/r + TDF/FTC, CD4 >400, VL <48 HIV診断時、HBV陽性、 HCV陰性 HBV: eAg陽性 TDF/FTC2年服用 (2007年) でeAg陰性 2004年 パートナーが HCV陽性 URAI*により2006年にHCV陽性 病歴: 治療で甲状腺機能低下安定、精神症状なし 社会的背景: 前妻 HIV-, HCV感染後にアルコール中止 * URAI:Unprotected Receptive Anal Intercourse(非防御の肛門性交を受ける側) 25 症例: Jose U. Question #1 HCV治療の必要性を評価するためにどのような検査を 行なうべきですか? 1. HCV RNA定量 2. HCV ジェノタイプ 3. 肝生検 4. 血清トランスアミナーゼ 5. 1 と 3 6. 1, 2, 3 および 4 26 症例: Jose U. Question #1 HCV治療の必要性を評価するためにどのような検査を行な うべきですか? 1. HCV RNA定量 2. HCV ジェノタイプ 3.肝生検 4.血清トランスアミナーゼ 5. 1 と 3 6. 1, 2, 3 および 4 27 症例: Jose U. Question #1 HCV治療の必要性を評価するためにどのような検査を 行なうべきですか? 1. HCV RNA定量 2. HCV ジェノタイプ 3. 肝生検 4. 血清トランスアミナーゼ 5. 1 と 3 6. 1, 2, 3 および 4 28 症例: Jose U. Question #1 – データ HCV 評価 HCV VL 3.7 million ALT 140/147 (治療の必要性を決定しない) 肝生検 (実施できない) HCV ジェノタイプ1a (治療の必要性を決定しない) 活動性の HCV 治療候補 進展リスク 治療の緊急性 治療反応性の予測 29 症例: Jose U. Question #2 肝生検しない場合、それ以外のどの情報が 肝疾患のステージを示しますか? 1. 血清アルブミン 2. 血清総ビリルビン 3. プロトロンビン時間 / INR 4. 血清マーカースコア 5. 上記すべて 30 症例: Jose U. Question #2 肝生検しない場合、それ以外のどの情報が 肝疾患のステージを示しますか? 1.血清アルブミン 2.血清総ビリルビン 3.プロトロンビン時間 / INR 4.血清マーカースコア 5.上記すべて 31 症例: Jose U. Question #2 肝生検しない場合、それ以外のどの情報が 肝疾患のステージを示しますか? 1. 血清アルブミン 2. 血清総ビリルビン 3. プロトロンビン時間 / INR 4. 血清マーカースコア 5. 上記すべて 32 症例: Jose U. Question #2 – データ HCV 評価: 血清アルブミン 4.2 血清ビリルビン 0.8 プロトロンビン時間 / INR 正常 腹水 陰性 脳症 陰性 血清マーカースコア: 利用できない 例:HepaScore, FibroTest, など: – ハプトグロビン -2-マクログロブリン, 総ビり ルビン, ALT, アポリポタンパク A1などを組み Child-Pugh スコア: 5 = 軽度 軽度または重度 の疾患と関連 合わせて評価する 33 症例: Jose U. Question #3 HCV治療開始前に行なうべき検査はどれですか? 1. ヘモグロビン, 白血球, 血小板 2. 血清クレアチン 3. 甲状腺刺激ホルモン 4. うつスコア 5. 1 と 4 6. 1, 2, 3 および 4 34 症例: Jose U. Question #3 HCV治療開始前に行なうべき検査はどれですか? 1.ヘモグロビン, 白血球, 血小板 2.血清クレアチン 3.甲状腺刺激ホルモン 4.うつスコア 5.1 と 4 6. 1, 2, 3 および 4 35 症例: Jose U. Question #3 HCV治療開始前に行なうべき検査はどれか? 1. ヘモグロビン, 白血球, 血小板 2. 血清クレアチン 3. 甲状腺刺激ホルモン 4. うつスコア 5. 1 と 4 6. 1, 2, 3 および 4 36 症例: Jose U. Question #3 – データ HCV 評価: ヘモグロビン 15.5 絶対好中球数 1,200 血小板数 109,000 血清クレアチニン 1.05 甲状腺刺激ホルモン 1.5 うつスコア (CES-D) 5 妊娠(催奇形性) N/A HCV治療が 安全にでき ると予測さ れた 37 症例: Jose U. 治療成功の予測 HCV ジェノタイプ 2 or 3 NO: ジェノタイプ 1a HCV RNAウイルス量低値 NO: 3.7 百万 線維形成がないあるいは最小 YES: “軽度” 若年 (<40) YES: 38 歳 低BMI YES インスリン抵抗性なし YES CD4数高値 (>350) YES: >400 HIV VL低値 YES: 検出限界未満 現在の飲酒なし YES 現在の精神症状なし YES 38 症例: Jose U. Question #4 HCV ジェノタイプが分かったら(GT 1a) どの治療レジメンが推奨されますか? 1. 定用量リバビリン と PegIFN、24週間以上 2. 定用量リバビリンと PegIFN、48週間 3. 体重換算用量リバビリンと PegIFN、24週間以上 4. 体重換算用量リバビリンと PegIFN、 48週間 39 症例: Jose U. Question #4 HCV ジェノタイプが分かったら(GT 1a) どの治療レジメンが推奨されますか? 1.定用量リバビリン と PegIFN、24週間以上 2.定用量リバビリンと PegIFN、48週間 3.体重換算用量リバビリンと PegIFN、24週間以上 4.体重換算用量リバビリンと PegIFN、 48週間 40 症例: Jose U. Question #4 HCV ジェノタイプが分かったら(GT 1a) どの治療レジメンが推奨されますか? 1. 定用量リバビリンと PegIFN、24週間以上 2. 定用量リバビリンと PegIFN、48週間 3. 体重換算用量リバビリンと PegIFN、24週間以上 4. 体重換算用量リバビリンと PegIFN、 48週間 41 症例: Jose U. Question #4 – データ ジェノタイプ 1に対する持続的ウイルス学的著効率(SVR) (HCVのみの単独感染) リバビリン 固定用量 24週間以上 48週間 リバビリン 体重換算 高 VL 低 VL 高 VL 低 VL 16% 41% 26% 51% 53% 46% 29% 61% 35% HIV-HCV重複感染の場合 42 症例: Jose U. 治療経過 Baseline Week 4 Week 8 Week 12 VL 3.7 mill -- -- 5.0 mill ALT/AST 140/147 117/129 91/100 80/89 Hgb 15.4 13.8 13.0 13.4 ANC 1.2 0.9 1.1 0.7 体重(kg) 78.5 - 75 2 - - うつ* 治療 23 ウイルス学 的効果なし 治療中止 * うつ CES-D: ( 9, 軽度 16, 中程度 24, 重度>24) 43 症例: Jose U. Question #5 治療失敗の場合、 今後何をモニタリングしますか? 1. 血清αフェトプロテイン 2. 肝超音波検査 3. 血清トランスアミナーゼ 4. 血清アルブミンとプロトロンビン時間/ INR 5. 上記すべて 44 症例: Jose U. Question #5 治療失敗の場合、今後何をモニタリングしますか? 1.血清αフェトプロテイン 2.肝超音波検査 3.血清トランスアミナーゼ 4.血清アルブミンとプロトロンビン時間/ INR 5.上記すべて 45 症例: Jose U. Question #5 治療失敗の場合、 今後何をモニタリングしますか? 1. 血清αフェトプロテイン 2. 肝超音波検査 3. 血清トランスアミナーゼ 4. 血清アルブミンとプロトロンビン時間/ INR 5. 上記すべて 46 症例: Jose U. Question #5 – データ HCV 評価: 年1または2回の血清αフェトプロテイン 年1または2回の肝超音波 血清トランスアミナーゼ (非特異的) 血清アルブミン プロトロンビン時間 肝細胞癌 スクリーニング 肝線維症 モニタリング 47 症例: Jose U. Question #6 もし肝疾患が進行し本人が治療再開を希望したら、 どのような治療を勧めますか? 1. 前回と同様Peg-IFN + RBVを前回と同様48週 2. 前回と同様Peg-IFN + RBVを72週 3. 将来PIが利用可能になるまで待つ 4. 2か3 48 症例: Jose U. Question #6 もし肝疾患が進行し本人が治療再開を希望したら、 どのような治療を勧めますか? 1.前回と同様Peg-IFN + RBVを前回と同様48週 2.前回と同様Peg-IFN + RBVを72週 3.将来PIが利用可能になるまで待つ 4.2か3 49 症例: Jose U. Question #6 もし肝疾患が進行し本人が治療再開を希望したら、 どのような治療を勧めますか? 1. 前回と同様Peg-IFN + RBVを前回と同様48週 2. 前回と同様Peg-IFN + RBVを72週 3. 将来PIが利用可能になるまで待つ 4. 2か3 50 症例: Jose U. Question #1 – データ 1. 将来のPIの可能性 を待つ GT-1 単独感染における 72週間 PegIFN-RBV投与 再発前: N = 107 2. Peg-IFN + RBV 72週間 3. Peg-IFN + RBV 48週間 SVR = 51%: RVRを示した27%のうちの97% が生存 EVRを示した43%のうちの93% が生存 全再発率 36% (48週間での再発率 20-30%) S Kaiser AASLD 2008 症例: Jose U. Question #1 – データ 今後の HCV治療 : 3-4 剤の抗ウイルス薬治療 (≒ HIV) 薬剤 (GT 1 のHCV単独感染) 状況 RVR SVR 再発 標準 PegIFN + RBV SOC 10-13% 41-48% 20-23% PI: Telaprevir II. B 69-81% 61-68% 2-14% PI: Boceprevir II. B 39-60% 55-57% -- Pol: Nucs: R7128, R1626 II. A 85% 84% -- II 64% 79% -- Thiazolide: NTZ 52 Case: Ernesto R. 40歳ヒスパニック系MSM 2004年にHIV診断。CD4最低値290 LPV/RTV + TDF/FTCを診断時より継続、ウイルス量 は検出限界未満、CD4は600超 病歴: 特になし、HPV疾患なし PSH: 過去に軽度うつ HCV: 2004年に診断 ジェノタイプ3e, VL 900K ALT上昇 CBC正常, アルブミン (4.3), ビリルビン (0.9) 53 症例: Ernesto R. 治療成功の予測因子 HCVジェノタイプ2 or 3 YES: 3e HCV RNA量低値 YES: <100万 YES: “軽度” YES: 40歳 YES 繊維化なしもしくは最低限 若年 (<40) BMI低値 インスリン耐性なし CD4高値 (>350) HIVウイルス量低値 YES YES: ~600 現在飲酒なし YES: 検出限界未満 YES 現在精神症状なし 現在なし 54 症例: Ernesto R. Question #1 HCV遺伝子型を考慮すると どんなレジメンを勧めますか? 1. リバビリン標準用量+PegIFN 24週以上 2. リバビリン標準用量+PegIFN 48週 3. 体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 24週以上 4. 体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 48週 55 症例: Ernesto R. Question #1 HCV遺伝子型を考慮するとどんなレジメンを勧めますか? 1.リバビリン標準用量+PegIFN 24週以上 2.リバビリン標準用量+PegIFN 48週 3.体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 24週以上 4.体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 48週 56 症例: Ernesto R. Question #1 HCV遺伝子型を考慮すると どんなレジメンを勧めますか? 1. リバビリン標準用量+PegIFN 24週以上 2. リバビリン標準用量+PegIFN 48週 3. 体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 24週以上 4. 体重に応じたリバビリン用量+PegIFN 48週 57 症例: Ernesto R. Question #1 – データ 遺伝子型2および3の単独感染の場合の生存率 リバビリン 固定用量 リバビリン 体重換算 24週以上 78% 78% 48週 73% 77% • 重複感染の患者において、ジェノタイプ2/3に対して24週のみの治療 では高率の再発が認められている • 48週の治療をルーチンにすべきという提言が多い • 24週時点での検出限界未満に注目する場合もある 58 症例: Ernesto R. 治療経過 Time: BL Wk 4 Wk 8 Wk 12 Wk 18 Wk 48 Yr 3 VL 900K -- -- <10 -- <10 <10 LFT 73/183 30/42 36/64 40/49 31/41 23/23 35/23 Hgb 16.5 13.2 14.2 13.5 12.8 12.6 15.4 ANC 1.1 0.4 2.2 1.7 2.0 1.6 -- 体重 (kg) 82 78 77 75 71 69 83 うつ 8 7 12 13 6 7 2 治療 終了 SVR その他 Neupogen EVR (G-CSF) うつ CES-D: ( 9, 軽度 16, 中等度 24, 重度 >24) 59 症例: Ernesto R. Question #2 ErnestoはHPVの既往歴なし、肛門症状なし。しかしルーチ ンの肛門PapでASCUS*との結果が返ってきた。 次に何を すべきですか? 1. Papスメアを1年後に再度実施 2. 高感度肛門内視鏡検査と生検を勧める 3. 結腸内視鏡検査を勧める 4. ランダムな生検とanal mappingを勧める * ASCUS:atypical squamous cell of undetermined significance 意義不明異型扁平上皮細胞 60 症例: Ernesto R. Question #2 ErnestoはHPVの既往歴なし、肛門症状なし。しかしルーチン の肛門PapでASCUS*との結果が返ってきた。 次に何をすべ きですか? 1. Papスメアを1年後に再度実施 2.高感度肛門内視鏡検査と生検を勧める 3.結腸内視鏡検査を勧める 4.ランダムな生検とanal mappingを勧める 61 症例: Ernesto R. Question #2 ErnestoはHPVの既往歴なし、肛門症状なし。しかしルーチ ンの肛門PapでASCUS*との結果が返ってきた。 次に何を すべきですか? 1. Papスメアを1年後に再度実施 2. 高感度肛門内視鏡検査と生検を勧める 3. 結腸内視鏡検査を勧める 4. ランダムな生検とanal mappingを勧める * ASCUS: 意義不明異型扁平上皮細胞 62 上皮内癌の模式図 ASCUS(意義不明異型扁平上皮細胞) コンジローマ 正常 空胞細胞 LSIL:低悪性度扁平上皮内病変 HSIL:高悪性度扁平上皮内病変 AIN:肛門上皮内癌 微小浸潤性腫瘍 63 症例: Ernesto R. Question #2 - Data 1. Papスメアを繰り返す (プライマリーケア) 2. 生検を伴う高解像度肛門鏡 検査 異形成の段階では感度 が低い 推奨される標準法 (婦人科) 3. 結腸内視鏡検査 (消化器内科) 4. ランダム生検を伴うAnal mapping (消化器外科) 肛門端部の前癌病変に は感受性低い 高解像度肛門内視鏡検 査で肉眼的に異常が認 められた部位を狙って生 検を行う 64 症例: Ernesto R. Question #2 – データの続き 高解像度肛門内視鏡検査の結果、粗い赤点班を伴う 酢酸処理により白色調を呈する部位が多数見つかっ た。生検の結果、AIN* IIIと判定。 CA * AIN:anal intraepithelial neoplasia(肛門上皮内腫瘍) 65 症例: Ernesto R. Question #3 AIN IIIに対して次に何をすべきか? 1. 凍結療法による治療 2. 電気高周波療法による治療 3. 80%トリクロロ酢酸による治療 4. 赤外線凝固による治療 5. 1 または 3 6. 2 または 4 66 症例: Ernesto R. Question #3 AIN IIIに対して次に何をすべきか? 1.凍結療法による治療 2.電気高周波療法による治療 3. 80%トリクロロ酢酸による治療 4.赤外線凝固による治療 5.1 または 3 6. 2 または 4 67 症例: Ernesto R. Question #3 - Data 1. 凍結療法による治療 2. 電気高周波療法による治療 3. 80%トリクロロ酢酸による治療 コンジローマ 4. 赤外線凝固による治療 5. 1 または 3 6. 2 または 4 AIN II-III 68 “InfraRed Coagulation” (IRC:赤外線凝固療法) 2-4 か月ごとに 2-4 回治療 1年無病率 65% 69 症例: Ernesto R. フォロー AIN II-IIIのフォロー: 1. Papスメアを6か月以内に再度施行 2. Papスメアを1年以内に再度施行 3. 4-6か月以内に生検を伴う高解像度肛門鏡検査 (HRA)を再度施行 4. 結腸内視鏡検査を再度施行 70 Case Example - Myles 46歳メキシコ人MSM, AIDS進展例 (多剤耐性, CD4 <50, VL >100万) 肛門HSVに対し院外で治療を受けた(治療失敗) 初回Papおよび生検で侵襲性SCC判明 慢性貧血および好中球減少症が あったため、化学療法に対する 忍容性が低かった 放射線療法後の後遺症は高率 (失禁を伴う委縮性瘢痕) 2年後に再発 71 Case Example - Gloria 49歳メキシコ人女性, HIV感染歴23年, CD4 400, VL U/D コンジローマ再発歴およびCIN III 凍結療法 その後 Loop Electrical Excision Procedure(円錐切除術), その後 全腹式子宮摘出術 引き続き: 膣Pap: ASCUS*と判明、高度は除外された (VAIN III) 肛門Pap: AIN III * ASCUS: 意義不明異型扁平上皮細胞 72 Case Example - Christopher 38歳白人MSM, 無症候性HIV コンジローマ経験なし, 肛門症状なし 側壁に平滑な圧痛のない触知できる隆起あり ルーチンのPapスクリーニング = ASCUS*, ハイリスクHPV陽性 HRA: 隆起部位に粗い点斑を伴う 酢酸処理により白色調を呈する領域 生検により微小浸潤性 高分化型 SCCを認めた 局所切除術成功: 2mmの浸潤病変, 転移なし * ASCUS: 意義不明異型扁平上皮細胞 73 長期HIV感染症の合併症 ケーススタディ Ann M. Khalsa, MD, MSEd, AAHIVS McDowell (HIV/AIDS) Healthcare Center Maricopa Integrated Health Systems Arizona AIDS Education and Training Center 74