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電子技術講座初級編第1回目(8/6)
1.鉱石ラジオからはじめよう!
1.1回路図
1.2放送局の電波?
AM変調(Amplitude Modulation振幅変調 )
AM変調波形をシュミレーションしよう!
搬送波1330kHz信号波1kHzで100%変調のシュミレーション回路&波形
AM変調の理論は?
i  I sin t
搬送波
信号波
im  I m sin pt
i  I sin t を信号波 im  I m sin pt で変調した場合
搬送波
k  I m とすると k は変調率
I
k
k
i  I sin t  cos(  p)t  cos(  p)t
2
2
搬送波
下側波
上側波
周波数帯は3つで、搬送波、上側帯、下側帯とよびます。占有する範囲は最高
音声周波数の2倍(2pmax)です。日本の場合は が530ー1605kHzの範囲で、1局
の占有周波数帯は 9kHzなのですが音声の最大周波数は7.5kHzまでになって
います。
1.3コンデンサーって
記号

0 s S
C
(F )
d
 08.85510 ( F / m)
12
0
s
誘電率
比誘電率
コンデンサーの特性
* 電気を蓄えることが出来る!
Q=CV(q)
1(q)は、1秒間に1Aの電流が移動する量
このコンデンサー Cに蓄えられる静電エネルギーは、
1
C V 2 ( j)
2
* 電流は、流れるの?
交流では!
容量性リアクタンス
1
( )
Xc 
2fC
交流電圧を加えて周波数を変えてみよう(交流解析)
* コンデンサー端子電圧の位相に比べ電流は90°進む
A点
電流
B点電圧
T=CR 時定数(タイムコンスタント)
直流では
v  E (1  

t
CR
)
充電
v  E

t
CR
放電
1.4 コイルって(インダクター)
記号
0
k  0  S n2 S
L
(H )  s
l
n
S
l
透磁率
比透磁率
巻き数
断面積
巻線幅
K=長岡係数
D/l
k
D/l
k
0
1.000
1.0
0.688
0.1
0.959
2.0
0.526
0.2
0.920
3.0
0.429
0.3
0.884
4.0
0.365
0.4
0.850
5.0
0.320
0.5
0.818
6.0
0.285
0.6
0.789
7.0
0.258
0.7
0.761
8.0
0.237
0.8
0.735
9.0
0.219
0.9
0.711
10.0
0.203
コイルの特性
* 電気を蓄えることが出来る!
L
コイル Lに蓄えられる電磁エネルギは
1 2
L i (J )
2
* 電流は流れるの?
交流では
誘導性リアクタンス
X L  2fL()
交流電圧を加えて周波数を変えてみよう!
* コイルの端子電圧にくらべ電流は90°遅れる
直流では
コイルLの端子電圧
コイルLの電流
v  E
R
 t
L
R
E
 t
i  (1   L )
R
1.5 LC共振回路
共振周波数とは、コンデンサーのリアクタンス(Xc)
は周波数が高くなるほど小さくなりコイルのリアクタ
ンス(XL)は大きくなることは、両方のリアクタンス
(Xc=XL)が同じになる点の周波数がある。
この周波数を共振周波数という。
直列共振
並列共振
共振周波数では、直列共振の時は、おのおのの
XC  XL
1
 2fL
2fC
1
f 
( Hz )
2 LC
リアクタンスが相殺され端子のインピーダンスは
0となり並列共振の場合は∞となる。
並列共振の特性を見てみよう!
共振回路のQ
共振曲線は尖鋭になります.この尖鋭さをあ
らわすものがQで,共振回路のQと言われて
います.
Qは Quality factor の頭字をとったもので,英
語でも単にQとよばれています.

0L
Q
R
1.6ゲルマニユムダイオードの特性
1.7鉱石(ゲルマ)ラジオ回路図
1.8動作説明
1.9鉱石ラジオのシュミレーション
本講座専用掲示板 http://bbs.infoseek.co.jp/Board01?user=JA2DNC
第1回の補足説明!
電気の基礎知識に自信の無い人に・・
交流電圧って?
交流電圧は時間について正弦波状にその強
さ(振幅)及び方向を変えるもので時刻tにお
ける電圧eは
2
e  E m sin( t   )
T
 E m sin( 2ft   )
 E m sin(t   )
fは、周波数Hzでありωは1秒あたりのラジアンしたがってΦ
もラジアンで表される。2π(radian)=360°
ωは、電気角速度 Emは、最大値、Φはt=0における位相角 e=0を時刻の原点に
とれば、e=Emsinωtになる。
ラジアン(radian)?
ラジアンは、次式で定義される左図で
AからBの円弧の長さを、OからBの直線長さ
で(半径 r)割ったものすなわち
360°すなわち円弧一周は、2πrであるから
360°は、ラジアンで表すと
ラジアン(360°)=2πr/r=2πとなる
実行値・平均値って?
最大値:半周期の最大の値
平均値:半周期に対する平均値
実行値:1周期に対する平均2乗の平
方根(エネルギ的に直流と
同じ)
平均値は
実行値は
Ia 
Ie 
1


0 ed 
1


2
E
m
 cos   E m
0 E m sin d 


0

1 2 2
1 2 2 2
d


0 e
0 E m sin d
2
2
2
2
 E m 02 (1  cos 2 )d  E m  E m
4
2
2
Em
2 Em
交流による最大値は、振幅の最大Emそして実行値は、
平均値は
2

である。
交流回路における抵抗、コイル、コンデンサーの動作
1.抵抗
抵抗Rに交流i=Im sinωtを流すに必要な電圧は、
V=Ri=RImsinωt=Vmsinωt
すなわち v と i は同相となり
V=RI
I=V/R
2.コイル
一般的にコイルのインダクタンスLの両端の電圧 v は、電流を i とすると
vL
di
dt
で表される
i  I m sin tとすると
di
d sin t

 L Im
 L I m cos t  L I m sin(t  )
dt
dt
2
=Vmとすると

 V m sin(t  )
vL
2
すなわち vの位相は iより  / 2だけ進み次の関係があ る
V
V
V= LI I

L 2fL
この分母は、I=
V
のRに相当する部分で
R
X
L
 2fLを誘導性リアクタンス
という。
3.コンデンサー
コンデンサ-Cに電流 i= I m sin tを流すとそのコンデン サーCの端子電圧 vは
v
q 1

  idt  I m  sin tdt   I m cost  I m sin(t  )
C C
C
C
C
2
すなわち vの位相は、 iより

2
だけ遅れる。(
iはvより

2
進む)
その結果、次の関係が ある
1
V=I・ I=
C
V
V
=
1
1
C 2 fC
V
I=の式の分母は、抵 抗の場合のI=
のRに相当する値で容 量性リアクタンスとい
R
う
4.R,L、Cの並列回路について
図の回路で電圧Vから 流れる電流


I
0
は、I R , I L , I C のベクトル合成となる


I0  I R  I L  IC
I

0
また
I
I
0
2

(

)
V
I
I
R
C
L
2
1
R
2
 (C 
が Vから進む位相角は
  tan1
I
C
 IL
I
R
 tan1 R(C 
1
)
L
1 2
) L
。よって
AM(振幅)変調の原理
i  I sin tで表される搬送波を
i
m

I
m
sin ptなる信号波で振幅変調 した場合
k
k
cos(  p)t  I cos(  p)tになることを確かめる
2
2
振幅変調は、搬送波の 振幅Iを信号波 I m sin ptで変化させるものであ るから
i  I sin t  I
搬送波の振幅部分は
m
sin pt) k  I m (変調率)とすると
I
I
 I (1  k sin pt) よって変調電
流 i は
I  I m sin pt  I (1 
I
i  I (1  k sin pt) sin t  I sin t  Ik sin pt sin t (1)
ここで三角関数の加法 定理は
cos(   )  cos cos   sin  sin  (2)
cos(   )  cos cos   sin  sin  (3)
上の式で(3)式  (2)式は
2 sin  sin   cos(   )  cos(   )となり
この式より
1式は、
i  I sin t  I
搬送波
k
k
cos(  p)t  I cos(  p)tとなる
2
2
下側波
上側波
下側波 搬送波 上側波
第1回の補足説明2
1.インピーダンス(Z)とは、 交流に対する抵抗をインピーダンスという
この回路の瞬時式は
di
v  Ri  L なる微分方程式で表 される
dt
ここで i  I m sin tなる電流を仮定すると
d
 R I m sin t  L I m cos t  sin t   cos t
dt
R
L

cos

t
) 上式より
2 2
2 2
2
2
R  L
R  L
2 2
2
R   L (sin t cos   cos t sin  )  I m R 2   2 L2 (sin t
I m
ここで三角関数の式 sin(   )  sin  cos   cos sin より
2 2
2
 I m R   L sin(t   )  V m sin(t   )
2 2
1 L
2
V m  I m R   L   tan
R
電流の位相は、電圧よ り だけ遅れる且つ電圧、 電流の実行値は
I
V
V

Z  R 2   2 L2を回路のインピーダン
2 2
2
R  L Z
スという
2.皮相電力(VA)有効電力(W)無効電力(Var)&力率ってなーに?
左記の実際の回路を計算しながら勉強しよう。
普通モータは、図のようにRとLの等価回路で表さ
れる。このモータ仕様は定格電圧100V定格電流
2A、電力が160Wである。
まず電源から流れるIを求めるには
I
V
V
100


 2( A)
2
2
2
2
1600  908.7
R  (L)
R  (2fL)
このとき負荷(モータ)に流れる電流 I は、2Aであるそうすると、電源側から
供給される電力は、P=V×I=100V×2A=200VAであるこれを皮相電力と
いい単位はVAで表す。
次に、抵抗の両端の電圧VRは、R×I=40Ω×2A=80Vでありその電力は、
V×IであるからPR=VR×I=80V×2A=160Wである。これを有効電力と
いい単位はWである。
さらに、コイルLの両端の電圧VLは、ωL×IでVL=2πfL×I=2×3.14×60
×0.08H×2A=60Vその電力はPL=VL×I=60.2×2=120Varとなる
これを無効電力といい単位はVarで表す。
これをベクトルで表すと下図のようになる。 力率とは
力率=有効電力/皮相電力
でCOSΦ=PR/P=160/200=0.8こ
のように、LとかCが負荷にはいる力率は1
以下になり、無効電力が生じ電力の無駄と
なる。家庭などについてる積算電力計は有
効電力を表示しこの場合160W分しか料
金徴収ができない。実際には200VA送っ
てるのに、そこで電力会社は、需要家の力
率が0.85以下は割増料金が請求できる。
よって需要家は力率改善用コンデンサー
など入れてL成分を相殺させることにより
力率改善をおこなっている。
電子技術講座初級編第2回目前半(8/20)
1.電子回路シミュレータ CircuitMaker Student V6を使ってみよう。
そのほかにSpice、Micro-Cap,CircuitViewerなどがあります。
技術者は常にStudentである
好奇心をもって前進しよう!
Student版で充分使えるぞ!
簡単な回路からCircuitMakerを、はじめよう!
1.1まずは、オームの法則・抵抗回路!
シミュレータは正確かな? デジタルマルチメータを使おう。
この回路をシミュレーションしよ
う!
理屈を理解したうえで使うべきである!
手計算でまずは、各部の電圧、電流、電力を求めよ
う!
手計算の1例です。やっぱ自分で確かめなくちゃ!
電池V 1からみた合成抵抗
1
R R 
0
1
1
R

2
0
 R 4= R1 
1
R
Rは
1


R3  R 2 R 4
RR
3
2
R
1
RR 
R
R R
2
3
3
4
2
3
この式に各数値を入れ ると
100 50
R0=100  100  50  50  183.333
従って
I
0
 V1 
R
0
10
 0.054545 54.545(m A) V 2  V 1  I 0 R1  10  0.054545 100  4.5455(V )
183.333
V  R I  0.054545 50  2.72725(V )
V  V  V  4.5455 2.72725 1.81825(V )
V 1.81825
I   50  0.036365( A)  36.365(m A)
R
V 1.81825
I   100  0.0181825( A)  18.1825(m A)
R
3
4
4
2
0
3
4
1
2
4
2
3
次に各抵抗の消費電力は
R  (0.054545)  100  297.5(m W)
R  (0.036365)  50  66.120(m W)
R  (0.0181825)  100  33.060(m W)
R  (0.054545)  50  148.757(m W)
回路全体の消費電力( 電池で消費される) P は
P  P  P  P  P  545.437(m W)
P
P
P
P
R1
R2
R3
R4

I
I
I
I
2
0
2
1
2
1
2
2
2
2
2
3
2
0
2
4
0
0
R1
R2
R3
R4
回路を書こう!操作手順の1例
メニュ&アイコン
Major Device Cl
Minor Device Cl
備
Device Symbol
考
新規ファイルオープン
General
Sources
Battery
10Vに書き換え place
General
Resistors
Resistor
100に書き換え place
General
Resistors
Resistor
50に書き換え
General
Resistors
Resistor
100に書き換え place
General
Resistors
Resistor
50に書き換え
General
Sources
Ground
place
place
Place
配置した部品を接続します。
回路をカッコよく修正する。線の上にあわせクリックして(赤になる)引っ張る
Simulation
Simulation
Analog Mode 選択する
Analyses Setup選択 □Always set defaults のチェックを外す。
□Multimaterにチェックを入れる[Multimeter]を選択して
□Enabledにチェック○DC(Operating Point)にチェック[OK][EXIT]
シミュレーション開始
シミュレーションが開始されデジタルマルチメータが表示
され図は、R2の電力を測定している。
プローブは、P(電力)、V(電圧),I(電流)と触る場所により変化する。
計算値とシミュレーション結果と比べてみよう!
1.2 RとLの交流回路をシミュレーションしよう!
RとLの回路のシミュレーションの前に
まずは、手計算!
電源Vから供給される電流 Iは
I
V

Z
V
R
2
1
L)
2
1
100


 (2f
2 2  (2  3.14  60  5.3  103 ) 2
100
 35.385( A)
2.826
次に、V 1は、V 1  I R1  35.385 2  70.77(V )
V
2
 I L1  35.385 2  3.14  60  5.3  103  70.66(V )
ベクトル図は左図とな り電流 Iは電源電圧V
に対し だけ遅れる
  tan
1
 L1
R
1
2  3.14  60  5.3  103
 tan
 44.95
2
時間に換算すると
1
t 
1 44.95

 2.08m S
f
360
さあ回路を書こう! 操作手順の例
メニュー&アイコン
Major Device Cl
Minor Device Cl
備
Device Symbol
考
新しいファイルを開く(前あった回路はセイブしておく)
まずは回路図に使用する部品を配置する
General
Instruments
Signal Gen
とりあえずそのままPlace
先ほどのシンボルにマウスを当てクリックすると赤に反転するこれをダブルクリッ
クすると
の画面が出るここで電源電圧は実行
値で100Vであるから最大値141を
設定、周波数は60Hzで出力は電圧と
する左図の値をセットし[OK]を押す
2ΩにしてPlase
General
Resistors
Resistor
General
Inductors
Coil 3T
[Rotate90][Mirror]
Multimeter
5.3mHにして Plase
Plase すると次の画面が開く
General
Instruments
交流電圧計 V用
Voltage,ACRMSを選択
General
Instruments
Current,ACRMSを選択
Multimeter
交流電流計 I 用
General
Instruments
Voltage,ACRMSを選択
Multimeter
交流電圧計 V1用
General
Instruments
Voltage,ACRMSを選択
General
Sources
Multimeter
交流電圧計 V2用
Ground
Place
全体の回路を接続する
Simulation
Analog Modeにする
Simulation
Analyses Setupを選択
□Always set difaultsのチェックを外す
[Transient/Fourier] にチェック[Multimeter]のチェック外す
[Transient/Fourier]釦を押す
と次のメニューが出る
Enabledにチェック
Stat time =0
Stop time=100mS 表示時間長さ
Step time= 10uS 計算の間隔時間
Max step=10uS
でOK
シミュレーション開始
さあ!計算結果とシミュレーション結果と比較してみよう!
V,I、V1,V2を比較
する。
次にφをオシロスコー
プで2つ以上の波形
を見るのは、プローブ
を当てる際に、Shift
キーをおしながら見た
い場所にクリックする。
電流を見る場合はR1
の抵抗の中にプロー
ブをあてプローブの表
示がIになったときが
電流であるまた、電圧、
電流の位相φはa、b
のカーソルを動かして
a-bを読む
2.トタンジスタの動作!まずは原子って?
2.1電子のエネルギーはとびとびの値
1
w   me v 2
2
z e2

8  0 r
2 4
  me2 z 2e 2 ( j )
8 0 n h
エネルギー準位
0
2.2 まとめ
* 原子のもつエネルギーは、連続した値ではなく、その原子特有なとびとびの値、W1、
W2・・・だけが許される。この状態では、原子は光の吸収や放射を行わない。
この状態を原子が定常状態にあると言いとびとびのエネルギーの値をエネルギー準位
という。
* 原子が光の吸収や放射を行うのは、原子が1つの定常状態W1からもうひとつの定常状
態W2へ移るときでこれを遷移という
hv  W 1  W 2 ( J )
を満足するだけの振動数
v
の単色光を吸収または放射する。
* これは、運動している電子が光と同様な波動性をもっていることである。要するに、波動
と粒子の性質を同時にそなえていることであり、これを物質の2重性という。
しかし、この事実は、同時に観測されることは無く、これをハイゼンベルクの不確定原理
という。
2.3エネルギー帯
伝導帯
2.4 まとめ
絶縁体は、エネル
ギーギャプが大きく
伝導帯に電子が移ら
ない半導体は、手ご
ろなエネルギーギャ
プのため少々の電界
で伝導帯に電子が移
る。金属は、エネル
ギーギャプが0で電
子が自由に移動でき
る。
2.5 N型半導体
ゲルマニウムGeは、エネルギーギャプが約0.7e
Vと小さく加熱するだけで価電子帯の電子は伝導
帯に移動し導電性を生ずる。このような固体を真
性半導体という。Geを99.99999999%の高純度に
精製するとその固有抵抗は、常温で0.6Ωていど
で半導体である。
この真性半導体に不純物として最外殻電子5個を
もつ5価のひ素Asをいれると4個は、共有結合し、
残された1個は、原子核にクーロン力で拘束され
るがこの過剰電子は容易に伝導電子になる。
負電荷の電子が導電性を生む原因となることから
N型半導体という。Asのような不純物をドナーとい
う。この過剰電子はドナー準位と呼ばれるエネル
ギー準位を作り伝導帯に電子を供給する。
2.6 P型半導体
正孔
最外殻電子3個をもつ3価のインジウムInを不純
物としてGeのなかにいれると、電子1個が不足す
る。Inは、近くのGeの原子から1個の電子を奪って
陰イオンとなり、共有結合を完成する。電子を奪わ
れたGe原子はその隣のGe原子からふたたび電子
を奪うこうして、価電子帯には、部分的に電子の空
席ができ、電子は、この帯内で移動が可能になる、
これらの電子の空席を正孔と呼び電子とは逆の電
荷をもった粒子と考えることができる。正孔も一定
のエネルギー準位を生みこれをアクセプタ準位と
いう。
3価の原子を不純物としていれた半導体は、正の
電荷をもった正孔が導電性を生む要因となること
からP型半導体という。
N型半導体の電子やP型半導体の正孔はどちらも
電荷の運搬者という意味でキャリヤという。
理論的には、N型半導体のキャリヤは電子、P型
は正孔だけでこれを多数キャリヤといい、実際には
N型でも正孔、P型でも電子が存在しこれを、少数
キャリヤという。
2.7 トランジスタ動作
小さなベース電流IBを
流すことにより大きな
コレクタ電流ICを流す
極めて薄
い層
コレクタ電流とベース電流の比を
直流増幅率といい。
h fe 
I
I
C
B
3.トランジスタ回路
3.1 トランジスタのデータシートの見方
2SC1815の電気的特性(Ta=25℃)
項目
記号
測定条件
最小
標準
最大
単位
コレクタしゃ断電流
ICBO
VCB=60V,IE=0
0.1
uA
エミッタしゃ断電流
IEBO
VEB=5V,IC=0
0.1
uA
直流電流増幅率
hFE
VCE=6V,IC=2mA
コレクタ-エミッタ間飽和電圧
VCE
IC=100mA,IB=10mA
ベース-エミッタ間飽和電圧
VBE
IC=100mA,IB=10mA
トランジション周波数
fT
VCE=10V,IC=1mA
コレクタ出力容量
Cob
VCB=10V,IE=0,f=1MHZ
2.0
ベース拡がり抵抗
rbb
VCE=10V,IE=-1mA,f=30MHz
50
雑音指数(NF)
F
VCE=6V,IC=0.1mA,f=1kHz,
RG=10kΩ
1
hFE分類 O:70-140 Y:120-240 GR:200-400 BL:350-700
70
700
0.1
0.25
V
1.0
V
80
MHz
3.5
PF
Ω
10
dB
コレクタしゃ断電流ICBO
エミッタを開放状態でコレクターエミッタ間に電圧をかけた時流れる電流、この値は、小さいほ
ど良い。
エミッタしゃ断電流IEBO
コレクタを開放にしてエミッターベース間に逆方向の電圧を加えたときに流れる電流、小さい
ほど良い。
直流電流増幅率hFE
ベース電流とコレクタ電流の比、Ic/IBでhFEまた、変化分ΔIC/ΔIBをhfeと区別する
コレクターエミッタ間飽和電圧VCE
トランジスタを完全ONにしたときのコレクターエミッタ間電圧です。これは、小さいほど消費電
力が少ない
トランジッション周波数fr
hfeが1になる周波数でこの値が大きいほど高い周波数で使用できます。Icにより大きく変わ
る。
コレクタ出力容量Cob
コレクターベース間の静電容量でこの値の大きいトランジスタは、高い周波数で増幅度が低
下するので使えない。
雑音指数F(NF)
出力信号と入力信号における信号雑音比(SN比)をデシベルで表したものです。値が小さい
ほど低雑音です。
2SC1815の最大定格(TA=25℃)この値を超えて使用すると破壊する
項目
記号
定格
単位
コレクタ-ベース間電圧
VCBO
60
V
コレクタ-エミッタ間電圧
VCEO
50
V
エミッタ-ベース間電圧
VEBO
5
V
コレクタ電流
IC
150
mA
ベース電流
IB
50
mA
コレクタ損失
PC
400
mW
接合温度
TJ
125
℃
保存温度
Tstg
-55~125
℃
コレクタ-ベース間電圧 VCBO
コレクタ-ベース間電圧を上げていくとなだれ降伏現象で急にIcが流れ出す電流をいう。
の半分程度で使用する。
コレクタ-エミッタ間電圧VCEO
コレクタ-エミッタ間の耐圧を表す。
エミッタ-ベース間電圧VEBO
エミッタ-ベース間PN接合ダイオードと考え、ダイオードの逆耐電圧に相当する。
この耐圧は、低く6~9Vでツナーダイオードとしても使用できる。
コレクタ電流Ic
コレクタに流すことのできる直流の最大電流値、または、交流の平均値、使用時の最大電流
の1/2に選ぶ。
コレクタ損失Pc
コレクタ-エミッタ間電圧VCEとコレクタ電流Icの積で、Pc=VCE・Ic
接合温度Tj
トランジスタを正常動作させることができる接合部(ジャンクション)の最大温度です。
Tj=TA+RθjA・PC
TA:周囲温度(℃) RθjA:大気ー接合間の熱抵抗(℃/W)
PC:コレクタ損失(W)
3.2 まず、低周波増幅器を理解しよう!
3.2.1 使用するトランジスタ(2N2369)の静特性
IcーVCE特性を見よう
まず、回路を書こう!
General  BJT NPN TransB
2N2369 Plase
GeneralSourcesI Source
Rotate90(2回)Plase
をダブルクリックしてIBと
する
General SourcesV SorcePlace
をダブルクリックして10V、Vceとする
GeneralSourcesGroundPlace 3点
回路を接続する。
Analog Modeにする
Analyses Setup・・を選択
DCにチェックをいれ
て、DCをクリック
DC Analysis Setup画面で
Vce 初期値 0 最大値10V ステップ 10mV
IB
初期値 0 最大値60uA ステップ 5uA
をセットする。OKを押す。
シミュレーション開始させ
プローブを電流Iにすると
右の静特性を得る。
3.2.2 静特性から動作点(バイアス点)を求める。
直流負荷線と交流負荷線の書き方
電流帰還バイアス
直流のV CE から見た負荷は
黄色枠のR1とR2で
ある
したがって、 V CE =0の時
V1 =2mAで
I C=
R1 +R2
C点が求まります。ま
た
I C=0の時は V CE =10V
でB点が求まりこの2
点
を結ぶ直線が直流負荷 線
になります。

交流に対する抵抗は緑枠のR1とR5の並列 R= R1 R5 =2.3k となりVCE=0の時
R1 +R5
4.35mA、A点となり、IC=0の時は、VCE=10V、B点となる。これが交流負荷線であり
動作点は、このABの直線の2等分した点から座標0のD点に直線を引いたとき、直流負荷
線との交点が動作点であり、A,Bの直線を平行移動させて動作点まで移動させたときの
直線a、bが交流負荷線である
次に、R2の両端の電圧を計算する。
V1  V CE =10  3.1  1.38mA
V R2 =I c R2 =2.76v I c I E
I C=
3+2
R1 +R2
バイアス電圧を求める。
ベース、接地間の電圧は、VR2+VBEであるので
また、VBEは、0.6Vから0.7V程度であるので2.76+0.7=3.46V
この電圧をR3、R4の分圧で作るものとすると次式が成り立つ

3.46  V 1 R4
R3  R4
上の式より、R4=6.35kΩとなる通常は、R4に流れる電流はIBの20倍以上を選ぶ
また、一般にトランジスタのVBEは、温度変化にたいして-0.25mV/℃の変化があり温度
上昇とともに、VBEが下がりIBが増加するIBが増加するとICが増加しR2の両端電圧があ
がりIBの増加を減らす動作をして温度補償的動作を行う。よってこのバイアス回路を電流
帰還バイアスという。
3.2.3 1石低周波増幅回路のシミュレーションをしよう。
出力電圧
入力電圧
GeneralSources+V 10V Place
GeneralInstrumentsSignal Gen
10mVPlace
以下省略
Analyses Setup
シュミレーションで電圧増幅度は
いくつぐらいか確かめよう!
3.2.4 周波数特性を見よう
Anaiyses Setup選択
ACチェックをいれACをクリ
ツク
スタート周波数1Hz 最終周波数100KHz
Octaveにチェック OK
をクリックして右のLog
にチェック
3.3 トランジスタ回路例
移相発振器
出力の位相を120度づつ3段にずらし入力で
同相になり信号が成長し発振する。
発振周波数は
1
f 
2 6RC
シミュレーションでは、発振電圧が成長
しているのが理解できる。
わりと綺麗な正弦波である。
マルチバイブレータ
矩形波の発生回路で手軽に電源電圧に、等しい
振幅の出力が得られる。
T=0.7C1・R3
C1=C2 R3=R4
モノステーブルマルチバイブレータ
入力のトリガ信号(この回路の場合立ちあ
がり)に同期して一定の幅のパスルを出力
する回路
出力パルス幅は、T=0.7・R3・C1である
フリップフロップ(双安定マル
チ)
この回路は、2個の安定点をもち、2進カウン
タおよび1ビットのメモりーの基本である
4.FET(Field Effect Transister)電界効果トランジスタ
電気伝導に関与するのが、Nチャンネル型は、電子だけ、Pチャンネル型の場合
は正孔(ホール)だけよってユニポーラトランジスタともいう(電気伝導が、正孔と
電子の双方のものをバイポーラトランジスタ)
ゲート構造による分類
1.接合型 2.ショットキー型 3.MOS型
記号の矢印の向きは電流の流れる方向(順方向バイアスの方向)しかしFETはゲート
に電流が流れない領域で使うデバイスなのでゲートーソース間に加える電圧は逆バイ
アスで使うのである。
4.1伝達特性の違いによる3つの動作モード
4.2データシート
2SK30ATMの電気的特性(Ta=25℃)
項
目
記号
測定条件
ゲートードレインじゃ断電流
IGSS
VGS=-30V VDS=0
ゲートードレイン間降伏電圧
VGDS
VDS=0 IG=-100uA
-50
ドレイン電流
IDSS
VDS=10V VGS=0
0.3
6.5
mA
ゲートーソース間しゃ断電圧
VGS
VDS=10V ID=0.1uA
-0.4
-5.0
V
順方向伝達アドミタンス
|Yfs|
VDS=10V VGS=0 f=1KHz
1.2
入力容量
Ciss
VGS=0V VDS=0 f=1MHz
8.2
pF
帰還容量
Crss
VGD=-10V VDS=0 f=1MHz
2.6
pF
雑音指数
F
VDS=15V VGS=0
TG=100kΩf=120Hz
0.5
IDSS分類 R:0.30-0.75
O:0.60-1.4
Y:1.2-3.0
GR:2.6-6.5
最小
標準
最大
単位
-1.0
nA
V
mS
5.0
dB
●ゲートードレインしゃ断電流IGSS
ソースドレインを接続し、ゲートーソース間に逆方向電圧としてVGSを加えたときに、ゲートー
ソース間に流れる電流
●ゲートードレイン間降伏電圧V(BR)GDS
ゲートとソースを接続し、VGS間に逆方向に電圧を加えていきゲート電流が例えば、-100
uA流れた時の電圧
●ドレイン電流IDSS
ゲートとソースを接続し(VGS=0V)ドレインーソース間に、例えば10V加えたつきに流れ
る電流、非常にバラツキが多いのでランクに分けられている
●ゲートーソース間しゃ断電圧VGS(OFF)
ドレインーソース間に電圧VDS(この例では10V)加えた状態で、ゲートーソース間に逆方
向電圧を加え、IDが例えば0.1uAとなるゲートーソース間の電圧、ゲート・ピンチ・オフ電
圧とかカットオフ電圧と呼ばれることもある。
●順方向伝達アドミッタンス|Yfs|
FETの電圧増幅率を計算するのに重要なパラメータです。相互コンダクタンスgmとも呼び
ます。単位はS(ジーメンス)です。ゲート電圧の変化に対するドレイン電流変化の割合を表
すもので次式でしめされる。
Y
fs
=
I
V
D
GS
VDS=一定
●入力容量Ciss
ソース共通回路におけるゲートーソース間の静電容量です。
●帰還容量Crss
ソース共通回路における、ドレインーベース間の静電容量、この値が大きいFETは、高い周
波数で増幅度が低下するので、高周波用には適しません。
●雑音指数F(NF)
出力信号と入力信号における信号雑音比(SN比)を表したもの、値が小さいほど低雑音増
幅器ができます。
4・3 電圧のかけ方(接合型FET)
Nチャンネル
Pチャンネル
4.4 3種類の基本増幅回路
項目
ソース共通回路
ドレイン共通回路
ゲート共通回路
約1
Z in  RI
大きい
回路図
電圧利得
大きい
A
V
入力イン
ピーダンス
出力イン
ピーダンス
備考

 RL
(1
)
gm RS
大きい
A
V

R
(1
S
)
gm RS
1
小さい
Z
in
 RI
Z
O
 RL
最もよく使われる
V

R
(1
L
)
gm RS
小さい
Z
小さい
ほぼRL
A
in
Z in 
 RI
R ( 1 gm)
Z  ( 1 )
R
gm
S
O
S
ソースフロワと言われバッ
ファ回路に使われる
RS 
1
gm
ほぼRL
Z
O
高周波特性良好
 RL
4.5 ミラー効果
増幅器が理想増幅器ならばその入力インピー ダンス
コンデンサー
I
v
v

i
in
C
に流れる電流
io
I
in
Z
out
は0ですから
は
 j C io (vi  v0)          (1)
o
1
j C io
つぎに反転増幅器の増幅度を Aとすると入力電圧
v
o
in
i
  A vi                      (2)
これを(1)に代入す
I
v と出力電圧 v の関係は
ると
 j C io (vi  A vi )              (3)
したがって入力インピ
Z in 
v
I
i
in

ーダンス Z inは
1
           (4)
j C io (1  A)
は C io の(1  A)倍になる
と表せるので入力容量
C
これをミラー効果とい
い、高周波特性を悪化 させる。
M
o
4.6 ソース共通回路で増幅器を設計しよう
まずは、ID-VDS特性を把握
Active Components JFETsN-JFET
2N5457を選択
GeneralSourcesV sourcePlace
GeneralSourcesV sourcePlace
次のような静特性がでる
4.7 設計は黒板で説明
4.8 回路シュミレーションしよう
部品部分は省略
入力信号の設定
この部分はAC解析に必要
Analyses Setupでの設定は次の3を選択
AC解析(周波数特性)の
縦軸は、増幅度(入力に
たいする倍率)を表してい
る
シミュレーションの結果
4.9 計算してみよう
電圧利得 AV は
A
V

 RD
(1
)
gm R S
                 (1)
ただし、 R D :ドレイン抵抗 [] R S :ソース抵抗 [] gm : 相互コンダクタンス [ S ]
で表されます。交流信 号に対しては
R はC
S S
によりバイパスされる
S
 0となり
V
  gm R D                    (2)
R
A
となる。
シミュレーションと計算値とで確か
めてみよう!
まずgmから求めよう?
ので実質
補足説明:直流負荷線と交流負荷線について
次の回路を例に、直流負荷線、
交流負荷線について、考えても
よう。まず、直流が流れるのは、
電源V1からR4トランジスタQ
1R3の径路である。Q1コレ
クターからのC1の径路には、
直流は流れない。
したがって、直流負荷線は、R4
とR3の抵抗回路となる。
次に、交流負荷は、C3コンデン
サーは、このコンデンサーの抵
抗成分である容量性リアクタン
ス(単一の場合はインピーダン
スと呼ばないことが多い)
は、0Ωに近いので、交流的には、R3は、C3により短絡(ショート)されるのでR3は、含まない。
次に、同様に、C1も、交流的には、短絡(ショート)されると過程し、電源V1も交流的には、短絡
と考える。(実際電源には、並列に大容量のコンデンサーがはいっている。)
Q1から見た場合、R4とR5の並列回路となる。
1.直流負荷線
について
上図、右側は、直流負 荷線を書く場合の回路 を抽出し
たものである
この回路において V CE とI C について考慮するに
I
=
C
V1-
CE
CE
R4+R3
1式より
V
V
V
CE
9- V CE 9- V CE
=
=
       (1)
3+2
5 K
が、9Vの時
が、0Vの時
I
C
I
C
=0
=1.8m A
となり右の直線が引け る。この直線の傾きは
R 4, R3の直列抵抗(この場合 5k )を
I
V
C
CE
=
1.8
1
1

=
となり
9 5k  R DC
傾きとしては
1 1
= tan
となる。
R
DC
R
DC
よすると
2.交流負荷線
について
上図、右側は、交流負 荷線を書く場合の回路 を抽出し
たものである
この回路において
V と I について考慮するに
交流コレクタ電流 I は,V は電源電圧V1より上がらないから
V1 V
9 V
I  R R  1.2k                (1)
R R
1式より V が9 Vの時 I  0
CE
C
C
CE
CE
CE
C
4
5
4
V
CE
5
CE
C
が0Vの時 I C 
9
 7.5m A
1.2k
となり右の直線が引け る。この直線の傾きは
R 4, R5の並列抵抗(この場合 1.2k)を
I
V
C
CE
=
7.5
1
1

=
となり
9
1.2k  R AC
傾きとしては
1 1
= tan
となる。
R
AC
R
AC
よすると
3.実際の交流負荷線と動作点
2で求めた交流負荷線(緑)から実際の交流負荷線を
求めるには、まず、動作点(バイアス点)を決める必要
がある。動作点は、交流負荷線(緑)の2等分した点か
らグラフ0の点まで直線を引き、その線と直流負荷線と
の交差する点が動作点である。
実際の交流負荷線(ピンク)は、交流負荷線を平行移動
させ動作点と交わるまで移動させた線が実際の交流負
荷線である