Transcript ソフトウェア概論
CG基礎理論
松下孝太郎
東京情報大学 総合情報学部
学校法人 東京農業大学
東京農業大学 東京情報大学 附属第一高等学校・中等部 附属第二高等学校 附属第三高等学校・中等部
連絡先
■Tel/Fax 043-236-1349(研究室直通)
■E-mail [email protected]
■URL http://www.tuis.ac.jp/~matusita/
学習の目標
CGの基礎理論の概要を理解することを
目指します。
CGとは
CG(Computer Graphics)とはコンピュータによって描画
される画像や映像である。映像に関してはCGアニメー
ションと呼ぶことがある。CGは描画処理に時間がかか
るため、以前は専用のWS(WorkStation)で処理されて
いたが、近年はPC(Personal Computer)の高性能化に
より、PCでも容易に処理できるようになった。
CGの作成手順
モデリング
レンダリング
モデリング
モデリングとは物体の
位置、光源の位置、視
線の位置を指定する
ことである。一般に、
三次元座標により指
定する。
モデリングの例
モデリングの種類
ワイヤーフレームモデル
サーフェイスモデル
ソリッドモデル
ワイヤーフレームモデル
ワーヤーフレームモデル(Wire-frame model)は
立体の骨組みのみを表示したものである。また、
三角メッシュにより立体を表現する方法もある。
サーフェイスモデル
サーフェイスモデル(Surface model)、立体の表
面のみを表示したものである。地形の表示など
に使用される。
ソリッドモデル
ソリッドモデル(Solid model)、立体の内部まで全
て表示したものである。処理するデータ量が多く
なる。
レンダリング
レンダリングとは、モデリングした位置情
報によりCGを描画することである。
レンダリングの種類
正射影
透視投影
正射影
正射影(Orthogonal transformation)は近くのものでも、遠くの
ものでも同様に投影する方法です。
視点
投影面
透視投影
透視投影(Perspective transformation)は近くのものは大きく、
遠くのものは小さくなる投影方法です。私たちの日常的な感
覚と同じ投影方法です。
投影面
視点
立体の表現の種類
CSG(Constructive Solid Geometry)
メタボール
ボクセル
CSG表現
CSG(Constructive Solid Geometry)表現は、立体の基本構成
要素(プリミティブ)による空間的集合演算による表現方法で
ある。
結合
交差
差
併合
メタボール
球の集合体により立体を表現し、色調も立体の重なり方から
算出し表現する方法である。
ボクセル
3次元立体画素による表現である。ボリュームデータを扱うこ
とから、画素(pixel)にならいボクセル(voxel)と表現している。
医療分野におけるCTやMRIによる3次元再構成などに利用
されている。
http://www.voxelcg.com/showreel/
http://softwarecommunity.intel.com/articles/eng/2354.htm
光源の種類
平行光源
点光源
光の種類
反射光
透過光
環境光
陰影付け
陰影付け(Shading)とは、物体の形状や光の
あたり方による物体上の濃淡付けのことです。
CG製作
~CG開発言語POV-Ray~
POV-Rayとは
POV-Ray(Persistence of Vision Ray Tracer)とはモデリングから
レンダリングまでを行うCG開発用のフリーソフトウェア(CG用
言語)である。記述形式はC言語と類似している。
POV-Rayの統合開発環境
POV-Ray公式サイト http://www.povray.org/
シーンファイルの基本構造
#include “colors.inc”
#include “shapes.inc”
camera{
視点
location<3, 3, -10>
look_at<0, 0, 0>
angle 30
}
light_source{
<-3, 5, -5>
color White
}
ライト
物体
object{
Sphere
pigment{color Orange}
}
シーンファイルの基本構造(背景付)
#include “colors.inc”
#include “shapes.inc”
camera{
視点
location<3, 3, -10>
look_at<0, 0, 0>
angle 30
}
light_source{
<-3, 5, -5>
color White
}
ライト
物体
object{
Sphere
pigment{color Orange}
}
plane{y, -100 pigment{Plum}}
背景
※背景に光が反射し全体が明るくなる。
基本図形
基本図形の書式
彩色の書式
マッピング
:
#include “textures.inc”
:
:
object{
Sphere
texture{DMFWood4}
}
テクスチャマッピング
:
:
object{
Sphere
normal{agate 0.9}
}
バンプマッピング
スポットライト
Light_source{<x, y, z> color 色名*光の強さ
spotlight
point_at<xp, yp, zp>
radius 角度
falloff 角度
}
アルファ値による透過
object{
Cube
pigment{rgb<1.0, 0.65, 0, 0.9>}
}
大気効果
:
:
Sky_sphere{S_Cloud5}
座標変換の書式
並行移動
回転
拡大/縮小
立体演算の書式
立体演算
結合
交差
差
併合
立体演算(例)
union
object{
Sphere
pigment{color Orange}
}
cylinder{
<0, -1.5, 0>, <0, 1.5, 0>, 0.5
pigment{color Orange}
}
}
アニメーション作成
プルダウンメニューから「Render」「Edit Setting/Render」の
順で指定し、「Render Setting」ダイヤログボックスの
「Command line options」に+KFF数値を入力する。最後に
「Set but don’t Render」ボタンをクリックするとアニメーショ
ンが表示される。
object{
Sphere
pigment{color Orange}
translate<0, 0, 5*clock>
}
シーンファイルの例
CG作品
~CG開発言語POV-Ray~
静止画例(1)
松下研究室学生作品(2007年,3年生製作)
静止画例(2)
松下研究室学生作品(2007年,2年生製作)
静止画例(3)
松下研究室学生作品(2007年,2年生製作)
静止画例(4)
松下研究室学生作品(2007年,2年生製作)
静止画例(5)
※絵をクリックすると関連ページが表示されます(インターネットへの接続が必要です)。
POV-Rayコンテストより http://www.irtc.org/
アニメーション例(1)
※絵をクリックすると動画が再生されます(インターネットへの接続が必要です)。
松下研究室学生作品(2007年,4年生製作)
アニメーション例(2)
※絵をクリックすると動画が再生されます(インターネットへの接続が必要です)。
POV-Rayコンテストより http://www.irtc.org/
参考
(Flashアニメーション)
※絵をクリックすると動画が関連ページが表示されます(インターネットへの接続が必要です)。
学生作品(2007年度)
参考ホームページ(1)
松下研究室(研究分野)
– http://www.rsch.tuis.ac.jp/~matusita/study.html
松下研究室(基礎演習II)
– http://www.edu.tuis.ac.jp/~matusita/kisoenII.html
参考ホームページ(2)
POV-Ray開発環境ダウンロード
– http://www.povray.org/
POV-Rayコンテスト
– http://www.irtc.org/
世界規模で行われている
POV-RayによるCGコンテストです。
参考文献(1)
教養の情報科学
– 松下孝太郎、他、共著
– 北大路書房
– ISBN:4-7628-2519-0
※第11章 CGにおいて解説
参考文献(2)
POV‐Rayで学ぶ実習コンピュータグラフィックス
– 小室日出樹著
– アスキー
– ISBN:4-7561-3367-3
3次元CGの基礎と応用
– 千葉則茂、土井章男共著
– サイエンス社
– ISBN4-7819-0826-8
Tokyo University of Information Sciences
Lab. Homepage
http://www.rsch.tuis.ac.jp/~matusita/