近赤外線観測技術

Download Report

Transcript 近赤外線観測技術

GUNDAMのための
近赤外線観測技術
本原顕太郎@東京大学天文学教育研究センター
近赤外線(<2.5mm)による観測

技術的に難しいものではない



「枯れた」技術:検出器、光学系
実績も多い:HST/NICMOS+WFC3, JWST
いくつか気をつけないといけないポイント


Thermal Background
衛星ならではの問題など(あまり知りませんが)
検出器


Photo-voltaic Detector
III-V族orII-VI族



HgCdTe : Tunable Cutoff Wavelength
InSb : 5mm cutoff
Large Format Array

HgCdTe


HAWAII2-RG (Teledyne)
VIRGO (Raytheon)
のみ
Hybrid Array Detector
http://www.ee.ucla.edu/~leosla/documents/James_Beletic_IEEE_Photonics.pdf
HAWAII2-RG



Teledyne社製
5.3mm, 2.5mm, 1.75mm cutoffから選択可能
2k x 2k format (4k x 4kも開発中)
SIDECAR ASIC



H2RG読み出し用Integrated Circuit
A/D変換までを行う
低消費電力
VIRGO





Raytheon社製
HgCdTe
2k x 2k
ASIC読出しシステムはない
それ以外の基本性能はほぼ同じ
光学系

解像度はdiffraction limitで決まる。




𝜆
𝜃~
𝐷
口径1m ⇔ 0.4arcsec @ 2mm
Larger is better
光学系

Ritchey-Chretienが主流




双曲面主鏡、副鏡
Coma Free
像面湾曲は残るのでField Flattner を入れないといけない
3枚非球面光学系




WISH光学系
焦点面がドーナツ
像面湾曲なし
広視野
限界感度

ノイズ=背景光のPoisson Noise

黄道光





Scattered light
Thermal emission
Dark Current
Thermal emission from
the telescope
Out-of-band leak of filters
Leinert+98
宇物の矢部くんが色々と
計算をしているはず
WISH estimate (Yamada et al. 2008)
冷却

基本的にはThermal Backgroundを減らすため

望遠鏡本体(鏡面を含む)


Greybody 近似
𝐵′ = 𝐵 𝑇, 𝜆 × 1 − 𝑟




𝐵 𝑇, 𝜆 : Blackbody
𝑟 : 反射率
Thermal Background以外が
支配的になれば十分
温度Tのexpで効く
Detector Dark Current


Band-gapを飛び越えるThermal electronを減らす
Cutoff波長が短いほど小さい


2.5mm : <110K
1.7mm : <150K
Filters


誘電体多層膜コーティングによる干渉
バンド外でも1e-5位の透過率は残る


長波長側からのthermal emissionがリークとして残る
なので、視野内に高温物質があれば遮断しきれずに
background源になりうる
分光:スリットレス分光

HST-WFC3にも搭載 (R~130)
F150W and IR G141 with M51 image, galaxy images and
Gaussians (for HII regions and stars)
Simulated direct image
Simulated dispersed image
分光:スリットレス分光

グリズムを用いると多数の高次光が出る
WFC3-IR G141
Ground calibration; simulated single point source
detector defects
Combined white light + direct image
Target position
on direct image
0th order
+1st order
Science
+2nd order
1.1 -1.7mu
1014 pixel (full size)
~130 arcsec
+3rd order
どうやって冷やすのか?

Passive Cooling


宇宙3K放射に排熱
望遠鏡本体を80-100Kくらいまで
は冷やせそう
(@ES-L2;WISH検討)
主鏡
予測温度
79K
要求温度
~100K
132K
副鏡
FPI BOX 95K
~100K
FPA
~40K
91K *
~80K
WISH estimate (Yamada et al. 2010)
どうやって冷やすのか?

機械式冷凍機



スターリング冷凍機
冷凍能力は検出器部分だけを
冷やすのであれば十分だろう
(SPICAで>0.3W@20K)
運用期間が問題


あかりで1.5yr
SPICAは>5yrを目標としている
軌道


宇宙だと冷える、というものではない
HST


地球周回軌道 (高度600km)
赤外線衛星




いかに太陽、地球から隠して冷やすか。
太陽同期極軌道 (高度750km, あかり)
Earth Trail Orbit (Spitzer)
Earth-Sun L2 point (150万km, Herschel)
望遠鏡が冷えない場合:ザクHST相当


Direct ImagingだとThermal Emission が大量に入ってくる
観測波長を1.7mmまでで切る


1.7mm cut-off HgCdTe 検出器(HST-WFC3)
OH夜光がないので、地上に対するゲインは非常に大きい
(というか、冷却望遠鏡と性能的にはほとんど変わらない)
UKIRT/IRCAMの背景放射スペクトル(McCaughrean88)
望遠鏡が冷えない場合:地上望遠鏡/HST

冷却瞳を作って余分なThermal を切る




地上望遠鏡
>2mmでの感度は地上と大きく変わらない(望遠鏡温度次第)
シーイング、大気吸収がないのが利点となるが…
地上大口径望遠鏡の方がマシ
(望遠鏡温度をある程度(~200Kくらい)下げない限り)
スペックをどうするのか?

波長レンジ




視野、ピクセルスケール?



検出器の個数
望遠鏡のサイズ
望遠鏡の口径は?



1.7mm cutoff? 2.5mm cutoff?
望遠鏡、検出器の温度決定
フィルター製造の問題
大きいと重くて高い
小さいと感度が下がって解像度も落ちる(GRBに関係ないか)
JANUSは口径0.55m (0.8arcsec resolution), 1.7mm cutoff