Transcript 白血病細胞 白血病細胞
Slide 1
FISH・PCR
Terra Khan
Slide 2
“悪性疾患”って何で起きるの?
DNAが傷つく
•化学物質
•ウイルスの一種
•加齢…
細胞の分裂・分化を調整
正常な細胞の分裂・成熟
細胞の分裂・分化を調整
無秩序に増える
=悪性疾患
Slide 3
“DNAが傷つく”とは
塩基配列の異常
A
T
A
T
C
G
T
A
G
C
G
C
C
G
C
G
T
A
T
A
A
T
塩基置換
欠失
G
C
C
G
T
A
染色体の異常
転座
挿入
欠失
DNAが傷つく
•化学物質
•ウイルスの一種
•加齢…
Slide 4
染色体の異常
挿入
転座
逆位
欠失
Slide 5
染色体の異常と遺伝子異常
A遺伝子
転座
A-B融合遺伝子
本来別々の機能を担う遺伝子が結
合し、異常な機能を持った遺伝子
が出来上がる
B遺伝子
A’遺伝子
逆位
•分化の能力を失う
•細胞分裂のシグナルが止まらない
•分裂をStopできない
A#遺伝子
⇒これが細胞のがん化
A’-A#融合遺伝子
Slide 6
血液疾患と染色体異常
• 特定の染色体異常がある血液疾患は、それが
ないものと治療方針や予後が異なる
– 特に白血病においては、「特定の遺伝子異常がある
白血病」としてひとつのカテゴリーを形成する
• t(9;22): CML, Ph1(+)ALL
• t(8;21): AML M2(AML1-MTG8)
• t(15;17): APL
– リンパ腫・多発性骨髄腫でも特定の遺伝子異常があ
ると治療の反応が良い、あるいは悪い(治療抵抗性)
であることが示されている
• Cyclin D1[11q13]欠失: 多発性骨髄腫
• IgH-BCL2 [ t(14;18)]: 濾胞性リンパ腫
Slide 7
G-Band法
…
短腕
(「p」と記載)
21
13
12
11
動原体
[centromea]
11
12
…
長腕
(「q」と記載)
• 染色体を文字通り「染色」す
る。その結果染色体が縞状
に分染される。染色体の大き
さと縞により染色体を同定す
る方法。
• 縞の位置で染色体の場所が
決定されている。
• 染色体に異常があった場合、
「何番染色体のどの位置で異
常が生じているか」を同定で
きる。
Slide 8
正常核型
Slide 9
G-Band 染色体記載方法
48 XX, t(8;20)(p21;p11.2), +del(20)(q11;q13.1), +r(8)
性染色体
•男性XY
•女性XX
染色体数
正常: 46
過剰染色体: +
欠失染色体: -
染色体異常の記載
•t…転座
•(8;20)…8番染色体と
20番染色体
•(p12;p11.2) 8番染色
体短腕12領域と20番
染色体短腕11.2領域
で転座
染色体異常の記載
•+…付加染色体
•del…欠失
•(20)…20番染色体
•(q11;q13.1) 20番染
色体長腕の11領域
から13.1領域の間が
消失している
染色体異常の記載
•+…付加染色体
•r…環状染色体
•r(8)…8番染色体の
長腕・短腕の両端
が結合し環状になっ
ている
Slide 10
FISH法
• 特定の遺伝子を蛍光させることで目的の遺伝
子を検索する方法
Slide 11
FISH法による融合遺伝子の検出
A遺伝子結合
プローブ(緑)
B遺伝子結合
プローブ(赤)
A-B融合遺伝子があると同
じ場所から緑・赤が光るの
で黄色く見える
転座
+
=
Slide 12
症例: CML CP
47XY, t(1;11), +19
Slide 13
FISH法による逆位の検出
A’遺伝子の外半分に
結合するプローブ(赤)
+
正常なA’遺伝子は同じ場所から
赤・青が光るので紫色で見える
=
A’遺伝子の内半分に
結合するプローブ(青)
逆位
逆位によってA’遺伝
子が分断されてしまう
ので、赤・青の信号が
分離して見える
Slide 14
症例: AML M5a MLL
47XY, t(1;11), +19
Slide 15
FISH法による欠失・染色体数異常の検出
染色体トリソミー
欠失
Slide 16
G-Band法とFISH法の比較
G-Band法
FISH法
長所
•1回の検査ですべての染色体の
異常がわかる
•FISH法に比べて安価
•特定の遺伝子異常の検出を迅速かつ
定量的に検出できる(検査細胞数が
100~1000個. 専門機器さえあれば翌
日にも結果は判明する)
欠点
•検査結果判明に時間がかかる
(最速で1週間、外注なら3週間)
•分裂中の細胞でしか検査できな
い(分裂の遅い細胞では検査でき
ない)
•複雑な遺伝子異常(Bandの判別
しずらい)の検出はできない
•プローブのない遺伝子異常の検査は
出来ない
•オーダーした遺伝子異常以外の遺伝
子異常は分からない
•G-BAND法に比べて高価
Slide 17
PCR法
目標遺伝子
プローブ
×2
DNAポリメラーゼ
×22
以下反応を繰り返す毎に目標遺伝子はどんどん増える
Slide 18
PCRによる異常遺伝子の検出・定量
白血病細胞
白血病細胞
2×230
腫瘍の量は
わずかでも
PCRで増幅した
遺伝子産物量は
雲泥の差
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞 白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
9×230
PCRの検出率は極めて高い
FISH・PCR
Terra Khan
Slide 2
“悪性疾患”って何で起きるの?
DNAが傷つく
•化学物質
•ウイルスの一種
•加齢…
細胞の分裂・分化を調整
正常な細胞の分裂・成熟
細胞の分裂・分化を調整
無秩序に増える
=悪性疾患
Slide 3
“DNAが傷つく”とは
塩基配列の異常
A
T
A
T
C
G
T
A
G
C
G
C
C
G
C
G
T
A
T
A
A
T
塩基置換
欠失
G
C
C
G
T
A
染色体の異常
転座
挿入
欠失
DNAが傷つく
•化学物質
•ウイルスの一種
•加齢…
Slide 4
染色体の異常
挿入
転座
逆位
欠失
Slide 5
染色体の異常と遺伝子異常
A遺伝子
転座
A-B融合遺伝子
本来別々の機能を担う遺伝子が結
合し、異常な機能を持った遺伝子
が出来上がる
B遺伝子
A’遺伝子
逆位
•分化の能力を失う
•細胞分裂のシグナルが止まらない
•分裂をStopできない
A#遺伝子
⇒これが細胞のがん化
A’-A#融合遺伝子
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血液疾患と染色体異常
• 特定の染色体異常がある血液疾患は、それが
ないものと治療方針や予後が異なる
– 特に白血病においては、「特定の遺伝子異常がある
白血病」としてひとつのカテゴリーを形成する
• t(9;22): CML, Ph1(+)ALL
• t(8;21): AML M2(AML1-MTG8)
• t(15;17): APL
– リンパ腫・多発性骨髄腫でも特定の遺伝子異常があ
ると治療の反応が良い、あるいは悪い(治療抵抗性)
であることが示されている
• Cyclin D1[11q13]欠失: 多発性骨髄腫
• IgH-BCL2 [ t(14;18)]: 濾胞性リンパ腫
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G-Band法
…
短腕
(「p」と記載)
21
13
12
11
動原体
[centromea]
11
12
…
長腕
(「q」と記載)
• 染色体を文字通り「染色」す
る。その結果染色体が縞状
に分染される。染色体の大き
さと縞により染色体を同定す
る方法。
• 縞の位置で染色体の場所が
決定されている。
• 染色体に異常があった場合、
「何番染色体のどの位置で異
常が生じているか」を同定で
きる。
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正常核型
Slide 9
G-Band 染色体記載方法
48 XX, t(8;20)(p21;p11.2), +del(20)(q11;q13.1), +r(8)
性染色体
•男性XY
•女性XX
染色体数
正常: 46
過剰染色体: +
欠失染色体: -
染色体異常の記載
•t…転座
•(8;20)…8番染色体と
20番染色体
•(p12;p11.2) 8番染色
体短腕12領域と20番
染色体短腕11.2領域
で転座
染色体異常の記載
•+…付加染色体
•del…欠失
•(20)…20番染色体
•(q11;q13.1) 20番染
色体長腕の11領域
から13.1領域の間が
消失している
染色体異常の記載
•+…付加染色体
•r…環状染色体
•r(8)…8番染色体の
長腕・短腕の両端
が結合し環状になっ
ている
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FISH法
• 特定の遺伝子を蛍光させることで目的の遺伝
子を検索する方法
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FISH法による融合遺伝子の検出
A遺伝子結合
プローブ(緑)
B遺伝子結合
プローブ(赤)
A-B融合遺伝子があると同
じ場所から緑・赤が光るの
で黄色く見える
転座
+
=
Slide 12
症例: CML CP
47XY, t(1;11), +19
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FISH法による逆位の検出
A’遺伝子の外半分に
結合するプローブ(赤)
+
正常なA’遺伝子は同じ場所から
赤・青が光るので紫色で見える
=
A’遺伝子の内半分に
結合するプローブ(青)
逆位
逆位によってA’遺伝
子が分断されてしまう
ので、赤・青の信号が
分離して見える
Slide 14
症例: AML M5a MLL
47XY, t(1;11), +19
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FISH法による欠失・染色体数異常の検出
染色体トリソミー
欠失
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G-Band法とFISH法の比較
G-Band法
FISH法
長所
•1回の検査ですべての染色体の
異常がわかる
•FISH法に比べて安価
•特定の遺伝子異常の検出を迅速かつ
定量的に検出できる(検査細胞数が
100~1000個. 専門機器さえあれば翌
日にも結果は判明する)
欠点
•検査結果判明に時間がかかる
(最速で1週間、外注なら3週間)
•分裂中の細胞でしか検査できな
い(分裂の遅い細胞では検査でき
ない)
•複雑な遺伝子異常(Bandの判別
しずらい)の検出はできない
•プローブのない遺伝子異常の検査は
出来ない
•オーダーした遺伝子異常以外の遺伝
子異常は分からない
•G-BAND法に比べて高価
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PCR法
目標遺伝子
プローブ
×2
DNAポリメラーゼ
×22
以下反応を繰り返す毎に目標遺伝子はどんどん増える
Slide 18
PCRによる異常遺伝子の検出・定量
白血病細胞
白血病細胞
2×230
腫瘍の量は
わずかでも
PCRで増幅した
遺伝子産物量は
雲泥の差
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞 白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
白血病細胞
9×230
PCRの検出率は極めて高い