宇宙にもうひとつの地球を探そう 国立天文台 成田憲保 2012年8月25日

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Transcript 宇宙にもうひとつの地球を探そう 国立天文台 成田憲保 2012年8月25日

宇宙にもうひとつの地球を探そう
国立天文台 成田憲保
2012年8月25日
北とぴあ プラネタリウム講演会
いのちが育まれるには液体の水が大事
→ 温度が0度~100度じゃないとだめ!
地球はとても「ちょうどよい」場所にある!
このちょうどよい場所を
「ハビタブル」な場所という
太陽のまわりでハビタブルな場所
• 太陽系は10000天文単位以上まで広がっている
• 地球の位置は1天文単位
• ハビタブルなのは0.9~1.1天文単位あたり
地球の位置はまさに奇跡!
宇宙にもうひとつの地球はある?
答えはまだわかりません
だから天文学者はその答えを
探すために研究しています
私が研究しているもの
「太陽系外惑星」=夜空の星の惑星
どうやって探すんだろう?
方法1:星の動きをしらべる
惑星が公転していると、恒星も少しだけ動く
恒星
ドップラー効果を使って
この動きを望遠鏡の装置で測定する
ちなみに
惑星
・太陽は 秒速10m でふらついている
・世界最高の装置は 秒速1m まで測定できる
・将来は 秒速2 cm の測定を目指している
方法2:惑星が恒星の前を通るのを見る
太陽系でのトランジット
太陽系外でも
ちょっとだけ暗くなる
2006年11月9日 「ひので」撮影
水星のトランジット
トランジット探しの様子の例
たくさんの星を
同時に撮影
この中から周期的に
暗くなる星を探す
方法3:恒星を隠す装置を使う
すばる望遠鏡は2009年にこの方法で惑星を発見した
いろんな方法でもう700個以上の
太陽系外惑星が発見されている
どんな惑星が見つかった?
答えは「変な惑星がたくさん」
どんな惑星が見つかったのか?
1995年まで私たちが知っていたのは太陽系の惑星だけだった
最初(1995年)に見つかった惑星
• 公転周期 ~ 4日! (水星でも88日)
• 恒星(太陽)からの距離
= 地球と太陽の距離の20分の1
• 表面の温度 ~ 1000度
• 惑星の重さ → 太陽系の木星くらい
灼熱の巨大惑星
→ ホットジュピター
HD80606bという惑星の軌道
近いところは恒星のすぐそば
遠いところは地球あたり
軌道が細長い惑星
→ エキセントリックプラネット
恒星の自転と逆向きに公転する惑星
→ 逆行惑星
2つの太陽を持つ惑星
→ タトゥイーン(スターウォーズの惑星)
ハビタブルな惑星 ケプラー22b
地球と同じくらいの大きさの惑星
地球とほぼ同じサイズの惑星ケプラー20f
火星とほぼ同じサイズの惑星KOI-961.03
ハビタブルな惑星や
地球くらいの大きさの惑星は
もう見つかっている
「もうひとつの地球」はもうすぐかも
もうひとつの地球のような惑星が
見つかったら、どうする?
その惑星の大気を望遠鏡で調べて
そこに生命がいるのかどうか
調べたい!
将来の宇宙望遠鏡計画
ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡
(2018年以降)
スピカ
(2022年以降)
赤外線を使って水・二酸化炭素・オゾンなどを探す
将来の地上超大型望遠鏡計画
すばるの近くに建設が決まった30m望遠鏡TMT
2021年以降
可視光や赤外線で酸素などを探す
地球以外に生命がいる惑星は
本当にあるの?
答えはまだわかりません
だから天文学者はその答えを
探すために研究を続けます
でも将来計画が実現するのは
10年以上先のこと
今の小学生〜高校生が活躍できる!
日本の将来計画の応援をよろしくお願いします