Transcript 検出効率
CALET-IMCプロトタイプのCERN-SPS による性能実証試験 早大理工研, 神奈川大工A, 横国大工B, JAXAC, 東大宇宙線研D 村田彬, 植山良貴,小澤俊介,笠原克昌,片平亮, 九反万理恵,鳥居祥二,中村政則, 仁井田多絵, 吉田圭佑,田村忠久A,片寄祐作B,清水雄輝C, 赤池陽水D,他CALETチーム 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 1 研究目的 フライトモデルの厚みを模擬した試作検出器による CALET-IMCの性能評価と解析手法の確立 研究概要 CALETプロトタイプ検出器を作成し、2011年にSPS加速器にて ビーム試験を実施 シミュレーションとの比較から以下の性能評価を行った - 検出効率 - 粒子数分布 - シャワー横広がり - 角度分解能 - 電子陽子選別性能 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 2 CALET-IMC X,Y2方向に重ねた1mm角のScintillating Fiber(SciFi) と タングステン板(W)を交互に積層したサンプリングカロリメータ 読み出しには64チャンネルマルチアノード光電子増倍管 (64chMaPMT)を用いる 粒子の三次元的飛跡決定とシャワー初期発達の観測を行う SciFiベルト 64ch MAPMT 32mm 448mm 20mm ベルト状のSciFi kuraray SCSF-78 19mm 19mm 191mm CALET-IMC フライトモデル構造図 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 64ch MAPMT HAMAMATSU R11824 3 IMC模式図 SPS2011実験 8層目 1層目 CALET試作検出器 x層のみの構造 ビーム方向に対してフライトモデルを模擬 CHD :プラスチックシンチレータ(32×10×448mm3 ) 4枚 IMC : SciFi(1×1×448mm3 )32本×8層 SciFiベルト タングステン(W) 0.2r.l.×5, 1r.l.×2, 合計 3r.l. W 1r.l.×2枚 W 0.2r.l.×5枚 TASC : PWO(19×20×326mm3 ) 3本×12層 ビーム粒子 ミューオン 150GeV 電子 10,30,100,150,290GeV 陽子 30,100,350GeV CALET試作検出器側面図 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 4 検出効率 検出効率[%] • 検出効率 = IMC各層で検出したイベント数 検出器をミューオンが通過したイベント数 クラッド 1mm コア 1mm 0.96mm 1mm SciFiベルト模式図 1mmおきに検出効率が落ちている部分がある →SciFiのクラッド部分に相当 飛跡通過位置[cm] IMCのある層での飛跡通過位置ごとの検出効率 IMC層番号 1 2 3 4 5 6 7 8 平均 検出効率[%] 94.5 95.0 95.9 95.0 94.5 95.8 95.6 95.5 95.2 有感領域での 検出効率[%] 98.4 99.0 99.9 99.0 98.4 99.8 99.5 99.5 99.2 各層の検出効率はSciFiの有感領域を再現 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 5 IMC中のエネルギー損失(電子100GeV) • IMC各層での粒子分布についてシミュレーションとの 比較を行った Exp Epics Counts IMC 各層での比較(横軸Log) Layer1 粒子数[MIPs] 粒子数[MIPs] Layer5 2012/9/13 Layer2 Layer3 Layer4 粒子数分布の違いから 検出器前方に物質が在ると推定 Layer6 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer8 6 IMC中のエネルギー損失(電子100GeV) • 粒子数分布について実験データを最も良く再現する 物質の厚さを見積もり、検出器前方に0.24r.l.のAlを加えた Exp Epics Epics Al 0.24r.l. Counts IMC 各層での比較(横軸Log) Layer1 粒子数[MIPs] Layer5 2012/9/13 Layer2 Layer3 Layer4 0.24r.l.の物質を加えることで 粒子数分布を再現 Layer6 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer8 7 IMC中のエネルギー損失(陽子350GeV) 陽子についても0.24r.l.のAlを加えたシミュレーションデータ との比較を行った Exp Exp Epics (dpmjet3) (dpmjet3) Epics Al 0.24r.l.=0.053m.f.p. Counts IMC 各層での比較(横軸Log) Layer1 Layer2 Layer3 Layer4 陽子は相互作用長が長いため、 検出器前方の物質の影響は小さい 粒子数[MIPs] Layer5 2012/9/13 Layer6 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer8 8 角度分解能 8層目 Counts • IMCの最下層でのエネルギー重みづけ 重心をフィットすることで、シャワー軸 を決定 電子データについてシャワー軸 再構成を行い、角度分布から 角度分解能を求めた Exp Epics 位置補正前 Epics 位置補正後 *Al 0.24r.l.を加えてある 1層目 再構成したシャワー軸 𝜃𝑥 ビームは検出器に 対して垂直に入射 Angular Resolution[°] • IMC図 Exp Epics 位置補正前 Epics 位置補正後 *Al 0.24r.l.を加えてある 68% 𝜃𝑥 [°] 再構成したシャワー軸の角度分布(e+100GeV) 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Energy[GeV] 電子の角度分解能 𝜎𝜃𝑥 9 シャワー横広がり(電子100GeV/c) j番目のファイバーに対する出力 各層での再構成したシャワー軸の位置 j番目のファイバーの中心位置 i層目でのシャワー横広がり i層目でのファイバーの合計出力 IMC全8層でのシャワー横広がり Counts IMC 各層でのシャワー横広がり Layer1 横広がり[cm] Layer5 2012/9/13 Layer2 ExpExp Epics Epics Epics Al 0.24r.l. Layer3 Layer4 0.24r.l.の物質を加えることで シャワー横広がり分布を再現 Layer6 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer8 10 TASC中でのエネルギー損失 ±2𝜎 Counts 電子・陽子選別 電子 100GeV,陽子 350GeVを用いた 電子 100GeV/c 陽子 350GeV/c TASCでのエネルギー損失が同程度のイベント 電子陽子選別結果 について、以下の二つのパラメータ用いて 選別をおこなった 実験 電子 陽子 電子 陽子 IMC中でのシャワー横広がり(実験) 10000 399854 Counts ①IMCでのシャワー横広がりによる選別 46931 379739 全イベント ②シャワー発達点による選別 31019(100%) 352340(100%) 入射位置選別 シャワー軸周りの粒子数が最初に大きく 7593(21.6%) エネルギーカット 30110(97.1%) 変化した点をシャワー発達点とする 29882(96.3%) 5137(14.6%) シャワー軸カット シャワー発達点が2r.l.以降にあるイベント 28583(92.1%) 829(0.24%) ①IMC横広がり を陽子イベントとみなす ②シャワー 発達点 27967 (90.2±1.1*%) Epics(dpmjet3) エネルギー損失[MIPs] 523 (0.148±0.013*%) 9856(100%) 9680(98.2%) 383893(100%) 電子 100GeV/c 7923(2.1%) 陽子 350GeV/c 9644(97.8%) 除去 9823(94.6%) 5474(1.4%) 9170 (93.0±1.9*%) 536 (0.140±0.012*%) 854(0.22%) *誤差は±2σ シャワー横広がり[cm] 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 11 まとめ • IMC各層での検出効率がSciFiの有感領域を再現しており、有感部での検 出効率は99.2%であった • シミュレーションデータの検出器前方に0.24r.l.の物質を仮定することで、 実験データの粒子数分布・シャワー横広がり分布とほぼ一致した • 電子のX方向に対する角度分解能は、100GeVで𝜎𝜃𝑥 =0.21°であった • IMCでのシャワー横広がりとシャワー発達点の違いから、電子・陽子選別 を行った 実験データで電子残存率90.2%,陽子残存率0.148%であり、Epicsによる シミュレーションと矛盾のない結果を得た 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 12 END 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 13 Back UP 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 14 シャワー軸再構成方法 ①. 7、8層目での最大発光ファイバー(>0.1MIP)の周り5本でのエネルギー 重みづけ重心を求め、この2点を直線でフィッティングする。 ②.6層目で、フィットした直線と交わるファイバーを選び、そのファイバーの 周り3本のうち最大発光ファイバー(>0.1MIP)を候補点とし、7,8層目の エネルギー重みづけ重心を加えた3点でフィッテイングする。 候補点がない場合はフィッティングしない。 ③. ②を5層目から1層目について繰り返す。 ④.1層目までの全ての候補点を使ってフィットした直線をシャワー軸とし、 候補点が3点未満の場合はシャワー軸決定できないものとする。 エネルギー重みづけ重心 𝑋𝑖 = ΣΔ𝐸𝑗 𝑥𝑗 ΣΔ𝐸𝑗 x𝑗 [cm]: j番目のファイバーの位置 Δ𝐸𝑗 : j番目のファイバーでのエネルギー損失 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 15 検出器前方の物質厚さ • Radiation length,nuclear interaction length(非弾性散乱の平 均自由行程) 24.01 gcm−2 , 8.897[cm, ] 107.2 𝑔𝑐𝑚−2 , 39.7[𝑐𝑚] 検出器前方の物質Al 2.12cm = 0.238 r.l.=0.0534m.f.p. • Wの放射長、原子核相互作用長 6.76 gcm−2 , 0.3504[cm], 191.9 gcm−2 , 9.946[cm] 0.7008cm = 2r.l. = 0.07m.f.p. 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 16 IMC中のエネルギー損失(電子100GeV) • 粒子数分布について実験データを最も良く再現する 物質の厚さを見積もり、検出器前方に0.24r.l.のAlを加えた Exp Geant4 Al 0.24r.l. Counts IMC 各層での比較(横軸Log) Layer1 粒子数[MIPs] Layer5 2012/9/13 Layer2 Layer3 Epicsと同様、Geant4についても 0.24r.l.の物質を加えることで Layer6 粒子数分布を再現 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer4 Layer8 17 シャワー横広がり(電子100GeV/c) j番目のファイバーに対する出力 各層での再構成したシャワー軸の位置 j番目のファイバーの中心位置 i層目でのシャワー横広がり i層目でのファイバーの合計出力 IMC全8層でのシャワー横広がり Exp Gean4 Al 0.24r.l. Counts IMC 各層での横広がり Layer1 横広がり[cm] Layer5 2012/9/13 Layer2 Layer3 Layer4 Epics同様、Geant4についても 0.24r.l.の物質を加えることで シャワー横広がりを再現 Layer6 Layer7 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 Layer8 18 検出効率 検出効率[%] • 検出効率 = IMC各層で検出したイベント数 検出器をミューオンが通過したイベント数 クラッド 1mm コア 1mm 0.96mm 1mm SciFiベルト模式図 1mmおきに検出効率が落ちている部分がある →SciFiのクラッド部分に相当 飛跡通過位置[cm] IMCのある層での飛跡通過位置ごとの検出効率 IMC層番号 1 2 3 4 ※1,7層目にはそれぞれ2chずつDead ch有 5 6 7 8 平均 Dead ch層を 除いた平均 検出効率[%] 92.1 95.0 95.9 95.0 94.5 95.7 93.1 95.4 94.6 95.3 有感領域での 検出効率[%] 96.0 99.0 99.9 98.9 98.4 99.7 96.9 99.4 98.5 99.2 2012/9/13 各層の検出効率はSciFiの有感領域を再現 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 19 検出効率 検出効率[%] • 検出効率 = IMC各層で検出したイベント数 検出器をミューオンが通過したイベント数 クラッド 1mm コア 1mm 0.96mm 1mm SciFiベルト模式図 1mmおきに検出効率が落ちている部分がある →SciFiのクラッド部分に相当 飛跡通過位置[cm] * 7層目には2ch、Dead ch有 ** 7層目は除いてある IMCのある層での飛跡通過位置ごとの検出効率 IMC層番号 1 2 3 4 5 6 7 8 平均 検出効率[%] 94.5 95.0 95.9 95.0 94.5 95.7 89.6* 95.4 95.1** 有感領域での 検出効率[%] 98.4 99.0 99.9 98.9 98.4 99.7 99.5 99.4 99.2 各層の検出効率はSciFiの有感領域を再現 2012/9/13 日本物理学会 2012秋季大会@京都産業大学 20