中食の経済

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Transcript 中食の経済

中食の経済
中京大学 経済学部 近藤ゼミ
もくじ

1.中食とは(中食の歴史、市場規模)

2.中食が増加した理由

3.海外の中食事情

4.アンケート結果発表
中食とは

家庭外で調理された食品(中食食品)を持ち帰り家庭内
で食事をする形態(スタイル)を指す造語

中食食品とは主に惣菜(和・洋・中)、給食弁当、調理パ
ン、調理麺(やきそば等)のことを指す

由来は内食と外食の中間だからと言われている
内食と外食

内食とは家庭内で食材を調理をし食べる形態

外食は外で食事をする形態
中食・内食・外食との関係
外食
中食
内食
・レストラン
・弁当
・生鮮野菜
・学校給食
・おにぎり
・精肉
・社員食堂
・調理パン
・鮮魚
・居酒屋
・惣菜類
・豆腐、納豆
・ファストフード
・調理麺
・インスタント食品
・カフェ
・ベーカリー
・その他持ち帰り
食品
・宅配ピザ
・蕎麦屋、うどん屋の出前
・ファストフードのテイクアウト
など
・レトルト食品
・肉屋のコロッケ、とんかつ
・魚屋のお刺身、寿司
など
線引きが曖昧なグレーゾーン






~宅配ピザ、ファストフードのテイクアウト~
⇒調理済みのを家で食べるから「中食」っぽい?
⇒でも、レストランのように注文を受けて作るから「外食」
を家まで運んでいるだけとも見れる!
~肉屋のコロッケ、鮮魚コーナーのお刺身~
⇒調理済みのを家で食べるから「中食」じゃない?
⇒肉屋や魚屋は主に内食を売っているお店だから「内
食」でカウントされる!
曖昧さがあるのが中食の
特徴
中食の歴史



「中食」という言葉が登場したのは1980年代頃だと言わ
れている⇒歴史が浅い
それまで、母親が手作りする「家のご飯」と店で食べる
「お店のご飯」に大きく分かれていた。
元祖は江戸時代の天ぷら。屋台で買って家で食べる習
慣がすでにあった
市場規模の推移
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
中食
外食
市場規模の推移2

1975年に外食全体に占める中食の割合が5%未満だっ
たが、1990年には10%、2000年に17.7%になった

2000年から中食市場規模はあまり増えていないが、
外食の市場規模が縮小傾向にあり、
⇒相対的に中食の市場規模が増加している


外食の売上が減った理由

少子化による人口減少

高齢化による一人あたりの食料摂取量の減少

08年のリーマン・ショックにより、消費者の節約志向が
高まった
もくじ

1.中食とは(中食の歴史、市場規模)

2.中食が増加した理由

3.海外の中食事情

4.アンケート結果発表
中食の増加理由
 単身世帯の増加
 高齢化
 女性の社会進出
単身世帯の増加

2025年には34.6%と更なる増加が見込まれる
特に高齢者の単身世帯が大きく増えると予想される
なぜ中食が増える?
家事をする時間が短い
 調理時間の節約
 食事作りの面倒さ、不経済さ
>>日々の食事を外部に依存する傾向

単身世帯の増加が見込まれることは
中食市場拡大の要因!!
高齢化
なぜ中食が増える?




世帯規模のダウンサイジング(1世帯当たりの人数の減
少)
食料品の買い物、調理作業自体が負担
外食に出かけるのにも労力がいる
今後の高齢化社会の進展とあいまって、
中食には更なる成長の余地が!
女性の社会進出
なぜ中食が増える?


ご飯をきちんと作る時間がない
家庭における日々の食事を簡略化したいというニー
ズの高まり
将来的にも全体の労働力人口の減少が見込まれ
ているので、女性の社会進出はますます必要
今後も働く女性の増加が予想され
中食市場の拡大が見込まれる!
もくじ

1.中食とは(中食の歴史、市場規模)

2.中食が増加した理由

3.海外の中食事情

4.アンケート結果発表
海外の中食事情
Q. 海外における中食文化は
いつ頃からどのような動きを見せていたのか?
日本での
中食産業の隆盛
中食
強い影響
米国
HMR
HMR
HMR(Home Meal Replacement):自宅で作る食事の代替提供
HMR市場の誕生と発展
1.ボストン・マーケット(ボストンチキン社)
ファーストフードチェーンのシステムを参考に
家庭料理のコンセプトを持つ商品を品揃え
HMRのコンセプト確立
HMR市場の誕生と発展
2.イーチーズ(イタリア人シェフ、フィルロマーノ)
調理人(プロ)による調理
注文により本格的な料理を作り上げる
客に興奮させる店造り
HMRという概念を拡大
HMR概念誕生の背景
米国の主婦層は共稼ぎが多く
一食に使える時間は約15分とされている
女性の社会進出
ライフスタイル要因
余暇等に利用する時間の増加
人口の減少
米国市場の構造的要因
所得階層の2極化
高齢化
現在の海外中食事情
海外での日本食ブーム
日本企業が多くの店舗を
海外へ出店
例
持ち帰り弁当のブランド‥ほっともっと
牛丼チェーン‥吉野家
すき家
ほっともっと



持ち帰り弁当事業の海外1号店
2010年7月29日北京市に店舗をオープン
日本と同じ販売スタイルを踏襲
中国国内に200店舗の出店。
安心安全な食事を提供。
中国の飲食文化をより
豊かなものすることを目指
す。
すき家


2011年5月28日タイに1号店をオープン
出店場所は首都バンコクにある
「シーコンスクエア」というモール内
※シーコンスクエア:地元住民が集まるモールとして有名
すき家は地域密着で
愛されようとしている!?
今後の展望



日本とアメリカで共通しているのが女性の社会進出と高
齢化である
⇒これらが進んでいく以上は中食需要は増加することが
予想される
ただし、今年に関して言えば日本の場合はデフレ下の価
格競争と震災の影響もあって、ほとんど増加を見込めな
いと考える
もくじ

1.中食とは(中食の歴史、市場規模)

2.中食が増加した理由

3.海外の中食事情

4.アンケート結果発表
アンケートの実施


対象:実家暮らし(男・女)と一人暮らし(男・女)の学生
人数:各100名ずつ、計400名にアンケートを取りました
内容:
①「内食・中食・外食の中であなたは どれを1週間の間
に一番利用しましたか?(朝・昼・夕)」

②「一番何を気にして買い物・食事しますか?(カロリー・
値段・品質の3項目を5段階評価)」
一番多く利用したのは?(実家生)
実家暮らし男性
実家暮らし女性
22人
18人
25人
60人
内食
中食
外食
11人
64人
内食
中食
外食
一番多く利用したのは?(実家生)




実家暮らしが内食が6割以上を占めていた
⇒実家に住んでいる人は両親の手料理が多いと考えら
れる
驚いたことに、外食を多く利用する人が1/4もいた
⇒帰宅時間が遅い人(講座、部活、バイト等)もいるた
め、昼ご飯と晩ご飯を外で済ませる人が多いのでないか
一番多く利用したのは?(一人暮らし)
一人暮らし男性
34人
26人
40人
一人暮らし女性
内食
中食
外食
33人
22人
内食
中食
外食
45人
一番多く利用したのは?(一人暮らし)




内食が2~3割と実家生と比べて少なかった
⇒自炊がめんどくさい、買い物に行かない、一人で食事
をするのが寂しいなどの理由で内食が減ったと考えられ
る
外食と中食で7割以上を占めた
⇒調理の手間が無い、自分の料理よりおいしい、レパー
トリーが多いなどの理由で外食中食を選ぶ人が多いと
考えられる
実家暮らし(男・女)が気にしている所
実家暮らし男性
(外食)
品質
44%
カロ
リー
19%
実家暮らし男性
(中食)
品質
36%
値段
37%
実家暮らし女性
(外食)
カロ
リー
30%
品質
30%
値段
40%
カロ
リー
23%
値段
41%
実家暮らし女性
(中食)
品質
32%
カロ
リー
23%
値段
45%
実家暮らし男性
(内食)
品質
23%
カロ
リー
29%
値段
48%
実家暮らし女性
(内食)
品質
27%
値段
40%
カロ
リー
33%
実家暮らし(男・女)が気にしている所

男性・女性とも値段を重視している

外食に関して言えば、男性より女性の方がカロリーを気
にしている。男性は女性よりも品質を重視している。
一人暮らし(男・女)が気にしている所
一人暮らし男性
(外食)
品質
33%
カロ
リー
27%
一人暮らし男性
(中食)
品質
31%
値段
40%
一人暮らし女性
(外食)
品質
37%
カロ
リー
23%
値段
40%
カロ
リー
28%
一人暮らし男性
(内食)
品質
31%
値段
41%
一人暮らし女性
(中食)
品質
31%
カロ
リー
23%
値段
46%
カロ
リー
26%
値段
43%
一人暮らし女性
(内食)
品質
38%
カロ
リー
17%
値段
45%
一人暮らし(男・女)が気にしている所

意外にも、男性の方が女性に比べてカロリーを特に気に
している

実家暮らしでは女性はカロリー、男性は品質を気にして
いたが、
一人暮らしでは女性が品質、男性はカロリーを気にして
いる傾向が見られた


値段に関しては、実家、一人暮らし、性別問わずとても
重視している
おわり
ありがとうございました
近藤ゼミ