詰将棋の自動生成

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Transcript 詰将棋の自動生成

最長手数豆腐図式への挑戦
A0878357 馬屋原剛
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 私は詰将棋作家である。
 詰将棋創作にコンピュータを用いること
に抵抗がある方も少なからずおられるが、
私は利用できるものは貪欲に利用してい
くべきだと思う。
 本研究では、攻方完全限定豆腐煙全検を
行った。
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 将棋を用いたパズル

基本的なルールは将棋と同じ
 王(玉)を詰める(捕まえる)のが目的

王手の連続で詰ます必要がある
 はじめは練習問題的な役割

将棋の終盤力をつけるためには必須
 現在では芸術的な価値

鮮やかな技に魅了されることも
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局面
▲は攻方
△は玉方
作意 の指し手
を表す。
▲1三飛
△同桂
▲ 2五角
△同桂
▲ 1五銀上
迄5手詰
詰将棋は局面(問題図)と作意(解答)の
2つからなる。
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
攻方は作意と違う手を指すと必ず失敗する。す
なわち、作意は唯一解でなければならない。
▲C2→・・・→不詰
▲A→△B→▲C→ △ D→▲ E→詰
作意
▲C3→・・・→詰 余詰
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 ただし、詰将棋全体の芸術性が損なわれ
なければ、部分的な余詰は慣習的に認め
られる。
 本研究では、どれほど軽微な余詰も許さ
なかった。→攻方完全限定
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 王1枚
 歩最大18枚
 歩はと金として置いてもよい
北原義治氏作
詰将棋パラダイス
1959年9月
71手詰
豆腐図式の最長手数
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 初期局面では全ての駒が配置されていて、
詰上がり(最終局面)では、必要最低限
の駒配置になる詰将棋
 煙のように駒が消えてゆき美しい
 豆腐煙

初期局面では王1枚と歩(又はと金)が18枚
配置されていて、詰上がりでは盤面配置が4
枚になる詰将棋
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岡村孝雄氏作
詰将棋パラダイス2009年3月号
「海雪」
69手後
初期局面
詰上がり
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本研究では、
 攻方完全限定

攻方の非限定を一切認めない
 豆腐煙

豆腐図式でかつ煙詰
 全検

ある条件を満たす詰将棋を調べ尽くす
を行った。
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 解答
ほぼ全ての詰将棋を解くことができる
 しかも、人間とは比べられない程速い

 創作
人間が創作した詰将棋の完全性を確かめるた
めに利用
 自動生成された詰将棋は面白みのない(=価
値がない)ものがほとんど

 ↑コンピュータが人間が言う「面白み」を理解する
ことは難しいから
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人間トップ
コンピュータ
馬屋原
※あくまで馬屋原の主観です
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 最も評価の高い詰将棋解答アルゴリズム
 深さ優先探索でありながら、閾値をうま
く設定することにより、最良優先探索と
同様の振る舞いをみせる。
 攻方も玉方も、相手の選択肢を狭める局
面を優先的に選ぶという、シンプルな概
念で成立。
 本研究でもこのアルゴリズムを使用し
た。
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 代表的な詰将棋創作法の一つ
 元になる詰将棋を用意し、それを前の局
面に戻して手数を伸ばしていく。
逆
算
1手詰
逆
算
(2手詰)
3手詰
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 本研究では創作法として逆算を用いた。
 逆算は駒の配置から機械的に行うことが
できるのでプログラムが容易に組める。
 本来は、元になる詰将棋選びや逆算の方
向性を考えることは、大変なセンスを必
要とするのだが、全検するのであれば問
題なし。
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 1.元になる局面を用意
 2.逆算プログラムで逆算
 3.解答プログラムで判定
 4.一手の逆算に成功
 5.逆算に成功した図を元にし、更に逆算
元
逆算
プログラム
候
補
候
補
候
補
解答
プログラム
O
K
N
G
N
G
新た
な元
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 生成された詰将棋の中で最長のものは5
1手詰であった。
 下図は、51手詰76局の内の一つであ
る。
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局数
12000
31手10082局
10000
8000
6000
4000
2000
51手76局
手数
0
21
23
25
27
29
31
33
35
37
39
41
43
45
47
49
51
53
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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 従来研究では、豆腐煙を調べ尽くそうと
しても、局面数が爆発し、全検には至ら
なかった。
 攻方完全限定という制限を入れることに
より全検に成功し、質のよい詰将棋を抽
出することができた。
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 はじめに
 詰将棋
 コンピュータ将棋
 創作アルゴリズム
 結果
 まとめ
 余談
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詰将棋マニア向けの月刊同人誌
昨年12月号
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背表紙の裏は「詰将棋デパート」と
いうコーナーが掲載されている。
ところで、4問目(左中段)を見て
みると?
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なんと、列挙した51手詰76問の
内、1作が左図と一致。
岡村さんは列挙したわけではな
く、詰将棋作家の経験と勘と柿木
将棋を駆使し創作したらしい。
本研究で生成された詰将棋は専門
誌入選レベルであると言えるので
はないか。
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 ご清聴ありがとうございます。
 これより質疑応答に移ります。
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