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イスラエル旅行 準備会(第三回)

イエスの時代のイスラエル

旧約時代以後の世界

 ダニエル書とゼカリヤ書に預言という形で現 われる。  ペルシヤ(マラキ書)  ギリシヤ(ダニエル 2 , 7 , 8 , 11 章、ゼカリヤ 9 章)  ローマ(ダニエル 2 , 7 , 11 章、ゼカリヤ 11 章)

メシヤ待望

 バビロン捕囚以後、エルサレムにてユダヤ人 が主権を持たぬ「異邦人の時」が始まる。  異邦人の支配から、神ご自身の支配に移る 神の国をもたらす方が、メシヤ。主が来られる 時には、メシヤ待望が絶頂に達していた。

ヘレニズム(ギリシヤ)化

 イスラエルの地域が、ギリシヤに支配されて いた時、その言語と文化が深く浸透した。  ローマが支配しても、人々はギリシヤ文化と言語 の中に生きていた。これが新約聖書の背景。  ユダヤ人にギリシヤの宗教を強要した、アン ティオコス・エピファネスが「荒らす憎むべき 者」となり、反キリストの型となる。 (ダニ 8 , 11 章)

ハスモン朝 (ギリシヤ時代のユダヤ人)

 ユダヤ人の大虐殺、ギリシヤ化に対抗した戦 い。  マカバイ家の戦い(ダニエル 8:13-14 )  ハヌカー  紀元前 140 年から 37 年までユダヤ人独立の 王朝  徐々にローマの影響力

鉄の足:ローマ

 第四の国は鉄のように強い国です。鉄はすべてのも のを打ち砕いて粉々にするからです。その国は鉄が 打ち砕くように、先の国々を粉々に打ち砕いてしま います。 (ダニエル書 2:40 )  その後また、私が夜の幻を見ていると、突然、第四 の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常 に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、 かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前 に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持って いた。 (ダニエル書 7:7 )

ローマ時代のメシヤ信仰

 鉄の支配のローマにおいて、ユダヤ人はメシ ヤを熱烈に待望していた。  異邦人支配からの解放において、政治的、神 学的違いによる宗派が派生する。  パリサイ派(律法厳守、分離主義)  今の正統派ユダヤ教の源流  サドカイ派(神殿礼拝固持、ローマとの現実主義)  エッセネ派(世を捨て、クムラン等でメシヤ待望)  熱心党(異邦人の支配からの軍事的解放)

神殿礼拝とシナゴーグ(会堂)

 バビロン捕囚によって、神殿を失ったユダヤ 人は、律法の朗読を中心にする礼拝形式を 発明した。  新約時代にも、今もその伝統が受け継がれ ている。  キリスト教会は、シナゴーグ形式を踏襲した。

ヘロデ家

 アンティパトロス(ヘロデ大王の父)  イドマヤ人(エドム人)  ユダヤ教に強制改宗。  ハスモン朝の王の武将  ヘロデ大王  ローマに仕え、ローマから次第に、ユダヤ人の地 への権力を受け取る。  紀元 37 年、ユダヤの王となる。

新約聖書の舞台

 圧政的、多神教のローマ  一神教のユダヤ人の摩擦  ヘロデの支配  神殿などでユダヤ社会に受け入れられようとして も、ユダヤ人側は拒んでいた。

聖書に出てくる主なヘロデ

 ヘロデ大王(イエスの誕生)  ヘロデ・アンティパス(イエスの十字架)  ヘロデ・アグリッパ一世(使徒ヤコブを殺す)  ヘロデ・アグリッパ二世(パウロが弁明した 王)

ヘロデの建造物(ローマ式)

 エルサレムの神殿  カイサリア(ローマ直轄の都市)  マサダ(要塞、熱心党が籠城)  マカリエス(要塞、ヨハネの斬首)  ヘロデウム(ベツレヘムの南)

ユダヤ人被支配の多重構造

    文化、言語 帝国的支配 直接的統治 宗教的支配 → → → → ギリシヤ ローマ ヘロデ ユダヤ人指導者  ギリシヤ、ローマ、ヘロデからの支配を不服とし、ユ ダヤ人の自由のために存在していた指導者たちが、 かえって民を束縛してしまった。  メシヤ的支配 → イエス(山上の垂訓)

支配地域

 初めはヘロデ大王が支配、紀元前 4 年に死後、 息子三人 (アルケラオス、アンティパス、ピリポ) に 分割統治。  アルケラオスは失政のため追放、その後、 ローマの直接統治(ユダヤ属州、カイザリヤ が首都)。  ガリラヤとペレア(ヨルダン中部)はアンティパ ス、ゴラン高原がピリポ、サマリヤとユダヤが ユダヤ属州

周囲の支配

 デカポリス  ギリシアの 10 の植民地の町の総称。「 10 の町」  東方におけるヘレニズム文化の中心。  免税の特権、自治通商のために都市同盟を結ん で、シリヤ総督の支配下。  ベテ・シェアン(スキトポリス)  ナバテア王国(ヨルダン南部)  エドム人の首都ペトラに移住、遊牧民アラビア人 の通商によって栄えた王国。

イエスの宣教

イエス時代のエルサレム

イエスの時代のエルサレム

 神殿の丘  神殿 (神殿再建協会)  西壁 (西壁トンネル、嘆きの壁)  南壁  ユダヤ反乱鎮圧の跡  (礼拝者の入口) 浸礼槽の跡  アントニオ要塞  ダビデの町(元祖エルサレム)

イエスの時代のエルサレム

 下町と上町  上町が裕福なところ、サドカイ派の祭司職が住む。  ヘロデ宮殿  ゴルゴタ(聖墳墓教会)  ゴードンのカルバリー(園の墓)  ベテスダの池

1.

エルサレム入場 2.

宮清め 3.

日毎の出入り 4.

最後の過越の食事 5.

捕えられる 6.

アンナスによる裁判 7.

カヤパとサンヘドリンによる裁判 8.

ピラトによる裁判 9.

ヘロデによる裁判 10.

ピラトによる十字架刑判決 11.

ヴィア・ドロローサ 12.

ゴルゴタと墓

イエス昇天後のエルサレム

 66 年 ユダヤ人反乱(カイザリヤから始まる)  70 年 エルサレム神殿破壊  73 年 マサダ陥落  エルサレムからの残党が篭城

当時の文献

 新約聖書  フラウィウス・ヨセフス  ユダヤ戦記  ユダヤ古代誌  ユダヤ反乱の時の軍人。ローマに降伏。

今回の参考資料

旧新約聖書の間の 400 年 ( 505 頁から) イエスの生涯 ― 概観 ( 530 頁から) ちなみに、第二回目の準備会の情 報もここにあり。 「キリスト時代以後の聖地とユダヤ 人の略史」( 1020 頁以降)

イエス時代の日常生活

これからの勉強

 イスラエル旅行記  聖書

改正された旅程

 2 月 16-18 日 ヨルダン旅行  2010 年イスラエル・ヨルダン旅行記  ヨルダン中部と南部  2 月 19 ‐ 25 日  2013 年イスラエル旅行記  2010 年、 2008 年イスラエル旅行記  旅行記の中に該当する聖書箇所があります。