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ミクロ経済学
(10)マクロ経済学とGDP
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2011年7月18日
復習1
 今得たお金を将来のために取っておく
行為を貯蓄という
 複利は前の期の元利合計に利子が付く
 利子率の上昇は来年の消費は今年の消
費に比べ有利になる
 利子率が上昇すると借り入れによる消
費は難しくなる.
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復習2
インフレーションとは複数の財の全般的な上昇.
 インフレ率とは物価の上昇率を表す


将来の消費を考えるには将来の物価と利子率の
両方を考えねばならない

実質利子率は今年の消費を控えて貯蓄したら来
年どれだけ消費が増えるかを表す

日本は現在利子率が低いがデフレなので実質利
子率は他の先進国と比べ高い
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今日学ぶこと
1.
2.
3.
マクロ経済学とは何だろうか
マクロ経済学の目的
GDP
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4
ミクロとマクロ
1.
2.

1.
2.

ミクロは虫眼鏡
マクロは望遠鏡
言い換えると
ミクロ経済学 (microeconomics)-企業や消費
者に焦点を当てる,経済の小さい単位で考える
マクロ経済学(macroeconomics)-経済全体の
動きを分析する,日本経済等
経済全体の動きをどう捕らえるか?
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マクロ経済学の目的
日本経済全体をどう診断するか
経済全体の状態を良くする
1.
2.
産出量,経済成長
失業,
インフレーション
1.
2.
3.

1.
2.
3.
分かり易く言うと
たくさん消費したい=高い経済成長
失業者にはなりたくない=低い失業率
安く買いたい=低いインフレ率
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日本と日本人






日本は先進8カ国の一員,最も評判が高い国
生産のためには労働が不可欠
少子高齢化
2006年に初めて人口が減少
晩婚化で子供を生まなくなった
他の先進国と比べて日本の人口はどのくらい
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日本の人口
2011年の日本人の人口は約127,000,000人
人口推計 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/
 100年前,1910年(明治43年)の日本の人口はど
のくらいだと思いますか?
約4900万人
 日本の人口はこの100年間に2.6倍増えました

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千人
日本の人口
140,000
120,000
100,000
日本
80,000
60,000
40,000
20,000
1820
1827
1834
1841
1848
1855
1862
1869
1876
1883
1890
1897
1904
1911
1918
1925
1932
1939
1946
1953
1960
1967
1974
1981
1988
1995
2002
0
年
出所:Angus Maddison http://www.ggdc.net/maddison/
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5大国の人口(2008年)
千人
350,000
304,228
300,000
250,000
200,000
150,000
127,288
100,000
60,944
82,370
64,058
50,000
0
日本
アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス
出所:Angus Maddison http://www.ggdc.net/maddison/
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5大国の人口の推移
千人
300,000
250,000
200,000
150,000
日本
アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス
100,000
50,000
1820
1828
1836
1844
1852
1860
1868
1876
1884
1892
1900
1908
1916
1924
1932
1940
1948
1956
1964
1972
1980
1988
1996
2004
0
年
出所:Angus Maddison http://www.ggdc.net/maddison/
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国の豊かさを測る
1860年では日英米独仏は同じ人口
 生産できれば豊かになる .どっちが豊か?
1. タイ焼き1000個生産
2. タイ焼き500個生産
 イチローがタイ焼きを作る.生産
↓
 真央ちゃんが食べる
 美味しい=付加価値
 生産と付加価値は表裏一体合計

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生産と付加価値

国の生産力=国内総生産 GDP

一年間である国がタイ焼きを何個生産できるか
=何個食べられるか
ある国のある期間の国内総生産とはその国がそ
の期間内に生み出した付加価値の
 国全体の生産物をどう集計するか?
 タイ焼き 1万個,クルマ800万台,米 10億Kg,かき
氷 1万杯

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国内総生産

タイ焼き,クルマ,米,カキ氷 etc
様々な財(今川焼,クルマ)をどう測る?
最終的な財の金額を合計すればよい
国内総生産 GDP
Gross domestic product
ある国内での一定期間に市場向けに生産された
すべての最終的な財とサービスの総貨幣価値

自動車部品,タイ焼き屋への小麦粉は中間財



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生産と支出・所得
所得=100円
↑
 真央ちゃんが食べる.代金の支払い=100円
 総産出量を測るには最終支出を見るのが便利
 タイ焼き 100万円,クルマ10兆円,米 100億円,かき
氷 200万円
 経済全体の総産出量=100万円+10兆円+100億円
+200万円=10兆100億300万円
 2010年の名目GDPは? 479兆円

イチローがタイ焼きを作る.
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10億円
国内総生産(支出側)
500,000
491,312.20
400,000
497,719.70
507,364.80
498,328.40
490,294.00
501,734.40
504,377.60
515,520.40
479,215.30
470,936.70
300,000
200,000
100,000
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
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10億ドル
5大国の名目GDP(2008年,USドル)
16,000.00
14,441.43
14,000.00
12,000.00
10,000.00
8,000.00
6,000.00
4,886.96
4,000.00
2,684.22
3,673.11
2,866.83
2,000.00
0.00
日本
アメリカイギリス ドイツ フランス
出所:IMF World Economic Outlook Database 2010
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名目と実質
タイ焼きを10個生産して価格100円で売れた
名目GDP=10 × 100 =1000円
 値段が110円に上昇した
名目GDP=10 × 110 =1100円
 生産量は変化なし.名目GDPは増加.
 名目=金額で考える,実質=数量で考える

実質GDPは価格変化の影響を取
り除いた本当のGDP 540兆円
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実質国内総生産(支出側)
10億円
500,000
504,047.50
512,513.00
536,762.20
560,650.80
519,299.80
539,899.60
547,709.30
400,000
505,369.40
526,577.70
554,117.60
300,000
200,000
100,000
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010
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国の豊かさを測る
ある国でたくさん生産できれば豊かになる
 人が多すぎると困る.どっちが豊か?
1. タイ焼き1000個生産,人口が12人
2. タイ焼き1000個生産,人口が134人
 1人当たりの生産力=国民1人当たりの実質
GDP
 1人当たりの平均的に利用可能な財とサービス
に注目
 国民1人当たりタイ焼きが何個もらえるか

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人口
120,000,000
100,000,000
127,291,000
127,767,994
127,619,000.00
変わらない?
2010年は注意
127,692,273
128,056,026
80,000,000
60,000,000
40,000,000
20,000,000
0
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1人当たり実質GDP
万円
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
439 434
429
420
407 422
396 397 402 412
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1人当たりのGDP,グラフの工夫
1人当たりの実質GDPで見ると下落は小さい
 実質で測ると回復は早い
 サラリーマンの平均年収は400万円だった
 0から始まると違いが分からない
 様々な工夫が必要

 途中からグラフを書く.例:人口1億人から
 増加率を表示する
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経済成長
前の年より豊かになったかが重要だ
 普通,国の人口は僅かでも増えていく
 経済全体の産出量よりもその増加率が重要な
 成長率=増加率
 毎年2%の増加率は2倍は35年かかる
 毎年1%だと70年かかる
今年のGDP-去年のGDP
今年のGDP成長率=
× 100
去年のGDP

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ドル
国民1人当たりの実質GDP(2007年)
50000
42897.41884
45000
40000
35000
32176.28226 31302.89922
30587.48054
30000
29632.25749
25000
20000
15000
10000
5000
0
日本
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アメリカ
イギリス
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ドイツ
フランス
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45000
5大国の国民一人当たりのGDPの推移
40000
35000
30000
ドル
25000
日本
20000
アメリカ
15000
イギリス
10000
ドイツ
5000
フランス
1970
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
0
年
出所: Penn World Table http://pwt.econ.upenn.edu/
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結婚の経済学
花嫁を売る跡見っ子.王子は花婿を売る
 様々な制約(美貌,性格の良さ,頭の良さ)
 市場(お見合いパティー,合コン)
 家族の時間配分 (働く,家事,子育て)
 一緒に過ごすと楽しい時間=余暇
 結婚と子育ては経済的な行為
 晩婚化,少子化の原因:女性の社会進出→所
得の上昇→結婚の機会費用の上昇
 所得額が高いほど結婚率も高くなる
 老人未婚者の死亡率は既婚者の2倍

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この教室を一つの経済と考える
イチローがタイ焼きを作る
生産
 イチローが真央ちゃんにそれを販売
 真央ちゃんの支出
支出
 イチローの収入
収入
生産=支出=収入

借金も同じ!真央がマツイから金を借りる
 真央の借金=マツイの資産

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支出アプローチ
最終財に対する需要を金額で表示して合計
 モデルで簡単化
1. 日本の住民,外国の住民

 国内需要,外国需要,内需と外需
2.
民間と政府
 民間需要,公的需要
3.
消費と投資
 今満足を得て無くなる財(タイ焼き)
 将来の生産に役立つ財(タイ焼き用焼き物機)
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生産をブレイクダウン
供給=需要 ← これは成り立っている
 国内総生産=内需+外需
 内需=民需+公需
 民需=
個人消費+住宅投資+設備投資+在庫投資
 公需=政府消費+公共投資
 外需=輸出ー輸入

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最終財アプローチ

1.
2.
3.
4.
主体を考える
消費者
民間部門
企業
政府
公的部門
外国
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日本
世界
31
最終財アプローチ
1.
2.
3.
4.
5.
6.
消費(consumption)
C
投資(investment)
I
政府購入(government)
G
輸出(export)
X
輸入(import)
M
純輸出:X-M
GDP=C+I+G+X-M
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消費
consumption
 この消費は民間消費
 個人消費はGDP全体の55%程度を占める
 変動が経済全体に及ぼすインパクトは大
 個人消費(日本全体)の決定


現在の所得のうちどのくらい消費にまわす
か=貯蓄の決定

所得から所得税や社会保険料を除いた可処
分所得が大きな要因
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投資
Investment
 将来の生産能力(=資本)を増加させる.
 生産設備,機械購入,土地,教育投資
 投資をすると将来の供給が増える
 多額の資金が必要,企業は借金をする
 利子が下がれば投資は増進
 激しい変動は企業の将来の見通しに関連

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政府購入
政府の支出
 公共財の供給
 公務員の給与,社会保障費
 政府最終消費支出+公的固定資本形成
 政府の消費と政府の投資

政府購入というと公共投資(道路,ダム)
のイメージが強い
 2005 年度において一般政府の最終消費支出
は総固定資本形成の約5 倍である

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輸出と輸入
輸出は外国からの需要
 消費や投資には外国の財の支出も含む
 真の支出側のGDPを測るにはそれを差し引く

輸出ー輸入を純輸出という

民間(=消費+投資),政府(=政府購入),
外国(=純輸出)
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外国との関わり
外国との関わりはどの程度
 ある国で一年間に作られたタイ焼き1000個
のうち何個が輸出されているか?

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単位:100万円
90,000,000
80,000,000
貿易黒字は
日本の輸出入額 (2008年)
2,063,338百万円
81,018,088
70,000,000
78,954,750
60,000,000
50,000,000
40,000,000
30,000,000
20,000,000
10,000,000
0
輸
出
輸
出典:総務省 統計局http://www.stat.go.jp/data/sekai/09.htm
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入
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政府購入,
87,403
日本のGDP
消費,
284,543
投資,
119,505
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純輸出,
6,197
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日本のGDP
GDP(2002年)項目
金額(10億円)
消費
284000
投資
119000
政府購入
87000
純輸出
6000
GDP
497000
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復習1

マクロ経済学は経済全体の動きを分析する

その目的:高い経済成長,低い失業率,低い
インフレ率
国内総生産 GDP
Gross domestic product

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復習2





ある国内での一定期間に市場向けに生産され
たすべての最終財とサービスの総貨幣価値
消費 consumption
C
投資 investment
I
政府購入 government
G
輸出 export
X
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復習3

輸入 import

GDP=C + I + G + X – M
M
GDPは三つの側面が常に等しくなる
最終支出,付加価値,所得

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