Transcript 7/25のPPT

ミクロ経済学
(11)就業と実質賃金
丹野忠晋
跡見学園女子大学マネジメント学部
2011年7月25日
復習1

マクロ経済学は経済全体の動きを分析する

その目的:高い経済成長,低い失業率,低い
インフレ率
国内総生産 GDP
Gross domestic product

2011/7/25
ミクロ経済学 11
2
復習2





ある国内での一定期間に市場向けに生産され
たすべての最終的な財とサービスの総貨幣価
値
消費 consumption
C
投資 investment
I
政府購入 government
G
輸出 export
X
2011/7/25
ミクロ経済学 11
3
復習3

輸入 import

GDP=C + I + G + X – M
2011/7/25
M
ミクロ経済学 11
4
今日学ぶこと
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
労働供給
実質賃金率
雇用
有効求人倍率
就職活動
失業と失業率
失業のコスト
2011/7/25
ミクロ経済学 11
5
働く事の経済学的な意味
イチローや真央ちゃんが家でゴロゴロはも
ったいない
 余暇時間と労働時間はトレードオフの関係
24時間

余暇
労働
 働かざる者食うべからず!
 労働して得たお金(所得)で消費ができる
2011/7/25
ミクロ経済学 11
6
余暇時間とうまい棒の選択
真央は24時間を余暇か労働に振り向ける
 労働1時間当たり1000円の報酬を受け取る
 所得で価格10円のうまい棒を買える
 16時間を余暇,8時間を労働
 所得 8×1000 円=8000円
 うまい棒は 800 本買える 8000/10=800
 余暇と労働と同様に,

余暇と消費はトレードオフの関係にある
2011/7/25
ミクロ経済学 11
7
うまい棒の量(本)
2400
C
-100は余暇を1時間増
やすにはうまい棒を100
本犠牲にしなければなら
ない
24 時間働い
てうまい棒を
食べる
2400-0
傾き=
0-24
=-100
B
800
労働時間
=8時間
一日をすべて余暇
A
16
2011/7/25
ミクロ経済学 11
余暇(時間)
24
8
余暇とうまい棒の選択

一日を全て余暇=消費ゼロ(A)

一日中働く場合の消費(C) 24×1000=24000

予算線の傾き: –100
その絶対値: 100
余暇一時間につき時給 1000 円諦める
→余暇の価格は 1000 円
 うまい棒の価格は 10 円
予算線の傾
余暇の価格
1000
きの絶対値
=
= 100
は価格比を
示す
うまい棒の価格
10

2011/7/25
ミクロ経済学 11
9
労働市場
みなさんは労働サービスを供給
 アルバイトの時給が価格 (生産物価格一定)

賃金率は時間や一日当たりの労働時間で測っ
た賃金
 賃金は英語で wage
 価格は賃金率 w
 労働は英語で labor
 数量(何時間あるいは何日働く)は L
 賃金=賃金率×労働時間= wL

2011/7/25
ミクロ経済学 11
10
労働市場の均衡
w 賃金率
D
S
労働供給曲線
w*
労働需要曲線
L
L*
2011/7/25
ミクロ経済学 11
11
実質賃金
真央はうまい棒を買うために働いた
 生産物価格 p も労働供給にとって重要
 24時間働いて得られる所得: 24w
24w
 所得 24w で購入できる財の数量:
p
 デフレーションでうまい棒の価格が8円になった
 最大限買えるうまい棒の個数
24w
24000
= p =
=3000 (個)
8
 最初の2400個よりも多くのうまい棒が買える
 1時間働いて購入できる財の数量を実質賃金率

2011/7/25
ミクロ経済学 11
12
消費財の量
24w
p’
24w
p
デフレーションが起こった
p’ < p
C
•予算線の傾きの絶対値=実質賃金率
•賃金率変化せず物価下落で得をする
傾き=-
=-
A
24w
p
w
p
÷ 24
余暇(時間)
24
2011/7/25
ミクロ経済学 11
13
実質賃金

単位時間働いて得られる賃金を名目賃金率
一方,単位時間働いて購入できる財の数量を
実質賃金率という.
名目賃金率
実質賃金率=
物価水準
 名目賃金率が変わらず,物価が下落すると労
働者は得をする(前の図)


しかし,物価と名目賃金率が同じだけ下落する
と状態は変わらない.賃金と物価が半分へ.
0.5w
w
実質賃金率
=
0.5p
p
は変化なし
2011/7/25
ミクロ経済学 11
14
労働市場の均衡
w 実質賃金率
p
D
本当は実質賃金率
が労働の価格
S
労働供給曲線
w*
p*
労働需要曲線
L
L*
2011/7/25
ミクロ経済学 11
15
所得
平成 21 年 の給与所得者数は5,388 万人
 1年を通じて勤務した給与所得者数は 4, 506 万人
 平均給与は406 万円 (同5.5%減,237 千円の減少)
 最も高い:電気・ガス・熱供給・水道業の 630 万
円,次いで金融業,保険業の 625 万円
 最も低いのは宿泊業,飲食サービス業 241 万円,
農林水産・鉱業,サービス業と続く

 標本調査結果|統計情報|国税庁
 民 間 給 与 実 態 統 計 調 査
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2009/pdf/001.pdf
2011/7/25
ミクロ経済学 11
16
日本の労働市場

乳幼児・学生→ 就業者→引退

日本の女性は子供を産み育てるため一旦労
働市場から退出
子育てが終わるとまた労働市場へ.非正規
が多い.
 労働参加率がM字型

2011/7/25
ミクロ経済学 11
17
失業

職がないと給与が貰えない

失業とは,就業する意思と能力がある人が生産
活動に従事していない状態

経済的困窮,生活水準の低下,自尊心を傷つ
ける

若者の失業:人的資源の喪失,将来の労働生
産性の低下

中高年の失業:病気や怪我をしやすい,家族へ
の影響
2011/7/25
ミクロ経済学 11
18
労働市場での失業
w 名目賃金率
D
財の価格は一定とし
て名目賃金率を採用
S
労働供給曲線
失業
w**
w*
労働需要曲線
L
L*
2011/7/25
ミクロ経済学 11
19
子供の効用,子育ての経済学

1.
2.
3.

1.
2.
3.
4.
なぜ子供を産み育てるのか?
消費効用(子供そのものが満足)
労働効用(子供が働いて稼いでくれる)
生活保障効用(年老いた親の面倒を見る)
子供の教育水準を高める方法
親の社会・経済的地位が高い
良い住宅地に引っ越した
家に本がたくさんある
親が毎日本を読んでくれる
2011/7/25
ミクロ経済学 11
20
子育てで一番重要な事
5.
6.
7.
親がPTA活動をしている
ヘッドスタートプログラムに参加した
親が子供を美術館へ連れて行く

親が社会的な地位が高く,家に一杯本があ
り,PTA活動をしていればその親の子供の
試験の点数は良くなる

一言でいうと親がどんな人かが重要!何を
やったかは余り関係がない.大事な事は子
育てをする前に決まっている.ヤバい経済学
2011/7/25
ミクロ経済学 11
21
失業統計



失業も率で測る
失業率(unemployment rate)とは就業しておらず求
職活動をしている人数の労働力人口に対する比率
労働力人口=就業者数+失業者数
失業者数
失業率=
× 100
労働力人口

2011年5月の日本の就業者数が6019万人,失業
者数が293万人
http://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou2/tsuki/index.htm 出典(総務省「労働力調査」)
2011/7/25
ミクロ経済学 11
22
万人
12000
就業状態別15歳以上人口 - 全国 2009年
11050
働く意志のある人
10000
働く意志がない:老人,学生
8000
6617
6000
4430
4000
2000
0
15歳以上人口
労働力人口
非労働力人口
出所:総務省 労働力調査
2011/7/25
ミクロ経済学 11
23
労働力人口
万人
7000
336
6000
働きたいけど
働き口がない
5000
4000
3000
完全失業者
就業者
6282
2000
1000
0
2011/7/25
(2009)
ミクロ経済学 11
24
2011年日本の失業率

失業者数
失業率=
× 100
労働力人口
失業者数
=
× 100
就業者数+失業者数
293
=
× 100
6019 + 293
293
=
× 100
6312
29300
=
≒ 4.64
6312
2011年の失業率は4.6%
2011/7/25
ミクロ経済学 11
25
(1
99
6)
9
(1
99
7)
10
(1
99
8)
11
(1
99
9)
12
(2
00
0)
13
(2
00
1)
14
(2
00
2)
15
(2
00
3)
16
(2
00
4)
17
(2
00
5)
18
(2
00
6)
成
8 平
%
日本の失業率
6.0
5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
2011/7/25
ミクロ経済学 11
26
労働力人
口に対す
る失業者
の割合
10
9
8
7
6
パーセント(%) 5
4
3
2
1
0
5大国の失業率
9.39
9.28
7.46
7.44
イギリス
ドイツ
5.08
日本
アメリカ
フランス
出典:IMF-World Economic Outlook (2010年4月版)
2011/7/25
ミクロ経済学 11
27
労働環境
労働市場で賃金が高いのが失業の一要因
 日本は先進国の中で最も失業率が低い
 なぜフランスは失業率が高いのか

労働規制により硬直的な労働環境で雇用が
増えない
 失業によるコスト
 失業率を低める政策は?

2011/7/25
ミクロ経済学 11
28
09年度の有効求人倍率0.45倍

asahi.com(朝日新聞社):09年度の有効求人倍率、過
去最悪の0.45倍 - ビジネス・経済 www.asahi.com 2010
年4月30日http://www.asahi.com/business/update/0430/TKY201004300080.html
3月の完全失業率(季節調整値)は5.0%で、
前月より0.1ポイント悪化した。
 09年度有効求人倍率平均では0.45倍で、前
年度を0.32ポイント下回り過去最悪。有効求
人倍率はハローワークで仕事を探す人1人に何
件の求人があるかを示す。
 完全失業者数は350万人で、前年同月より15
万人多い。

2011/7/25
ミクロ経済学 11
29
職種によって求人倍率が違う

【東京】職種別有効求人・求職状況(一般常用)
2010年4月 (単位:人、倍) http://www.tokyohellowork.go.jp/chingin_toukei/tokyo1.html

職業計 0.45
• 医師,薬剤師等 3.84
• 一般事務員
0.13,会計事務員
• 接客・給仕の職業
1.88
• IT技術関連 1.04
• 福祉関連の職業 1.55
2011/7/25
ミクロ経済学 11
0.16
30
就職ランキング2005文系
1.
2.
3.
4.
5.

日本航空 → 経営破綻
電通 → 赤字
全日本空輸 → 原油高で利益が圧迫
JTB → 旅行代理店
サントリー → 酒を作って売って
就職ランキングに出ている企業が良いと思う人
は自分自身を良く考えた方が良い
2011/7/25
ミクロ経済学 11
31
アメリカの就職 Teach For America
アメリカは日本以上の競争社会.
 しかし,格差や貧困を是正する活動も盛ん.
 Teach for Americaは,有名大学の成績優秀者
が卒業後2年間,貧困地域の公立小中学校教
師となるプログラムを提供するNPO団体


貧困などの問題に対して営利と福祉の両立す
る優秀な人材が集まっている
2011/7/25
ミクロ経済学 11
32
アメリカの就職ランキング
Teach For America Named Top 10 Entry-Level
Employer by 'BusinessWeek'
In BusinessWeek's annual list of "best places to
launch a career," Teach For America jumped to
No. 7, up from No. 11 last year. Teach For
America--which surpassed Microsoft, GE, and
IBM in the new rankings--is the only nonprofit or
government organization, aside from the State
Department, in the top 20. Learn more and view
the full list
2011/7/25
ミクロ経済学 11
33
女性の社会進出と電化製品

1950年代後半、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵
庫の家電3品目が『三種の神器』
電化製品によって家庭労働から女性は解放
された
 1960年代半ばのいざなぎ景気時代には、カ
ラーテレビ(Color television)・クーラー
(Cooler)・自動車(Car)の3種類の耐久消費財が
新・三種の神器として喧伝
 頭文字が総てCであることから3Cと呼ばれた

2011/7/25
ミクロ経済学 11
34
失業の形態

1年以上失業している長期的失業は深刻
夏の北海道の牧場で働くような季節性のある労
働がある.
 季節によって変化する失業は季節的失業という
 世の中には成長する産業と衰退産業がある


ある職業から他の職業へ移るときに起きる失業
を摩擦的失業という.
2011/7/25
ミクロ経済学 11
35
構造的失業
失業者がどれくらいの期間失業するのか?
 失業期間をみると2001年には全体で4.3か月、
男性5.6か月,女性3.1か月となっている
 長期的失業は構造的要因.


構造的失業とは労働需要と供給の間で労働者
の質や地域にミスマッチがあるために起こる失
業

景気後退期に増加して,好況期に減少する失
業は循環的失業という
2011/7/25
ミクロ経済学 11
36
非正規雇用
非正規雇用と期間を定めた短期契約で職員
を雇う.パート,アルバイト,派遣社員
 正規雇用は期間を定めない=終身雇用

2011/7/25
ミクロ経済学 11
37
非正規雇用と失業率
日本の景気回復と非正規労働
In countries that implemented large
short-time work programs (Germany, Italy,
Japan, Netherlands), the rise in unemployment
was less than predicted by these factors.

http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2010/01/pdf/t
ext.pdf WORLD ECONOMIC OUTLOOK IMF

柔軟な雇用調整が失業率を低めている
2011/7/25
ミクロ経済学 11
38
デフレで有利な人

労働者.ただし,賃金が消費者物価よりも
下がらなければ.

貯蓄者.名目利子率は低くても消費者物価
が下落すれば有利.今諦めている財の数量
以上に将来貰える

債務者(借金している人)は不利.今得ている
物以上の物を返済する必要.
2011/7/25
ミクロ経済学 11
39
復習

働く事は労働サービスを供給

単位時間当たりで測った賃金である賃金率が
労働の価格

有効求人倍率はハローワークで仕事を探す人1
人に何件の求人があるかを示す。
就業する意思と能力がある人が生産活動に
従事していない状態を失業という
 失業率=失業者数/労働力人口


構造的失業とは労働需要と供給の間で労働者
の質や地域にミスマッチがあるために起こる
2011/7/25
ミクロ経済学 11
40