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第31回日米HEP研究計画委員会
峠 暢一(KEK加速器)
日米LC加速器R&D研究

KEK加速器、素核研
名古屋大、東北学院大、横浜国立大、東京都立大、京都大、東京大、埼玉大、
放医研
SLAC, LBNL, LLNL, FNAL, BNL

主要研究項目






LC ISG (International Study Group)会合年二回


主線形加速器のためのマイクロ波技術の開発
KEK ATFにおける低エミッタンスビーム生成技術の開発
上記二点を軸として、LC開発全般に関する意見交換
うち一回は日本(KEK)で、一回は米国(SLAC)で
米国訪問:約40人・週+常駐1名
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GLCレイアウト
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略語参照リスト

TRC-II (第二次Technical Review Committee): 2001年ICFAの
もとに結成。最近のLC設計スキーム、開発状況についてとりまと
め(2003年初め、SLAC-R-606)。






R1 : TRC-II 報告書のなかでLCのための「R&D needed for feasibility
demonstration of the machine」とされた開発項目。
R2 : 「R&D needed to finalize design choices and ensure reliability of
the machine」
R3 : 「R&D needed before starting production of systems and
components」
R4 : 「R&D desirable for technical or cost optimization」
ILCSC (International LC Steering Committee): ICFAの下に
2002年終わりに設置されたLC国際協力にかんする協議機関。
ITRP (International Technology Recommendation Panel ):
ILCSC が2003年初めに設置した、「Technology Decision」にか
んする諮問機関。
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2003年の主要な展開

TRC-II 報告のR1, R2 項目について日米で共同開発。




ATFでのビーム制御技術開発にSLAC/LBLチームが引き続き参
加。


一部R1, R2項目は目標達成。一部積み残しあり。開発研究は2004年も継
続。
2004年中に、この進捗結果ほかを考慮して、ILCSC/ITRPによる
「Technology Decision」の見込み。
それを受けて、2005年あたりに、LC加速器の開発設計に関する「国際」
チーム編成の可能性大。
2004年度も継続
ISG (International Study Group)会合を二回行い、上記諸点ほ
か(含:入射器部の課題、IR, 地盤安定性など)について研究開発
方針を協議。


最新情報の一部はISG-11資料を参照:http://lcdev.kek.jp/ISG/ISG11
2004年度も継続。とくに、Technology DecisionにかんするILCSC/ITRPへ
の対応について、適宜共同歩調を取っていく。
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GLC-X/NLC主線形加速器の基本ユニット
56MW
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TRC R1#1 (加速管R&D)
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

TRC-II報告書抄訳:「これまでに、低群速度加速管試作機で得ら
れている加速勾配およびトリップ頻度にかんする性能を、LCで求
められるアイリス径、ダイポールモード離調、減衰などを備えた加
速管で実現すべし」
目標パラメータ:60cm長、Unloaded 加速勾配 65MV/m、400ns
パルス、繰り返し60Hzでトリップ頻度1時間あたり0.1回以下。
2003年結果:



数本の加速管で60MV/mでは目標のトリップ頻度をクリア。
しかし、65MV/m では目標トリップ頻度の 2-3倍に留まる場合が多い。
ただし、Pulse Profileとして矩形波(実験上単純)でなく、Beam Loading
Compensation の実際を考慮した台形状の入力を入れた場合、0.1 BD/hr
をクリアできている最新結果あり。
Field
Time
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試験加速管
 加速セル (KEK製作)
試験加速管 (SLAC組み立て)
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高電界試験まとめ(2002-2003)
H60シリーズは2002-2003の製作、
試験。
トリップ頻度は加速勾配のExpで
増加。
60MV/mならacceptableの見込
み。
65MV/mで多くまだ目標をクリア
せず。ただし、「台形波」入力による
最新データポイント有望か。
加速管ごとの性能のばらつき:製
造時の工程管理、組み立て後の
Baking環境管理にばらつきあり。
同型加速管の複数運転による
データ信頼性の確保が急務。
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2004年の加速管開発方針(R1#1)



「H60VG4S17」タイプの試験加速管の追加製作(KEKは加速管4
本分程度のディスクを切削)と追加試験により、高電界試験におけ
るデータの統計的、系統的信頼度の確保を図る。
複数加速管の高電界試験の同時並行実施については、夏ころよ
り旧NLCTAからSLED-II試験スタンド(後述)への展開を図る。
その結果をにらみ2004年後半には、



加速管設計の再最適化(シャントインピーダンスの改善など)、もしくは
GLC/NLC全体パラメータの修正(加速勾配65MV/m  60MV/mなど)
についての可能性も検討しうる。
並行して、国内での加速管製作運転能力の育成に努める:


60cm加速管の純国産化を加速(一部は2003年に実施)
GLCTA施設(KEK)の設備拡充と運転
ただし、これの経費には多くは国内予算を充当。
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TRC R1#2 (SLED-II R&D)



TRC-II報告書抄訳:「2-モードのSLED-IIパルス圧縮シス
テムの開発がGLC-X/NLCにおける最優先課題。所要レ
ベルのRF電力とエネルギーの取り扱い能力にかんする
試験は2003年に計画の由」
目標パラメータ:475MW、400nsをパルス圧縮系出力に
おいて生成。
2003年結果:
 475MW、400ns出力を12/4/2003に達成、100時間運転した。
繰り返しは30Hz。
 最大出力は580MW、400nsをマーク。
 RF電力源には4本のソレノイド収束タイプクライストロンを使用。
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R1#2の範囲
2003年は、ソレノイド収束
タイプ4本を使用
56MW
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SLED-IIパルス圧縮系試験施設概観
構成図(2003年秋、冬)
D ualm ode R eso nant D elay lines ~ 30m
O utput L oad T ree
T E 02
C o m pressed outp ut > 600
M W 400 ns.
T E 01
T E 01
T E 02
D ual m ode w aveguide
carrying 200 M W
R F Input to the 4
50 M W klystrons
S ingle m ode w av eguide input to
the pulse co m pression system ;
100 M W /L ine fo r 1.6  s
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SLED-II入力・出力パルス
Input
Output
600
500
Power (MW)
400
300
200
100
0
0
0.5
1
Time (s)
1.5
2
Sami Tantawi (1/27/2004)
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2004年のSLED-II開発方針(R1#2)
R1#2はクリアしたので、この部分の作業は終了。
 R2#2項目の研究開発に移行。

 SLED-II出力の加速管への分配
 60Hz繰り返しでの長期間運転
 クライストロンについて、最終的にPPM(永久磁石収
束)タイプで置き換え
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TRC R2#1 (PPMクライストロン開発)



TRC-II報告書抄訳:「JLC-X PPM クライストロンの繰り
返し120 – 150 Hzでのフル試験を行なうべし」
目標パラメータ:出力75MW、パルス長1.6s、繰り返し
120Hz以上の同時実現。
2003年の成果:
 SLAC
XP3-3クライストロンが2003年秋に上記パラメータ目標
を同時に実現。
 この前に、65MW、1.6s、30Hzで一週間連続運転に成功。
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R2#1の範囲
56MW
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SLAC XP3-3
7 5 M W , 1 2 0 H z , 1 .6 u s o p e ra tio n (5 1 1 k V , 6 % c o lle c to r
n o tc h , 5 3 % e ff, 5 6 d B g a in , n o t s a tu ra te d )
80
10's o f W an d M W
70
60
50
10's of W in
40
M W out
30
20
10
0
-0.5
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
us
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R2#1 PPM Klystron 関連成果

GLC-X PPM#2 (SLACで試験):


75MW, 1.7s, 50Hz 実現
68MW, 1.7s, 120Hz 実現


GLC-X PPM#4 (KEKで試験):

75MW, 1.7s, 50Hz 実現


このあと電子銃放電頻発。日本に持ち帰り、修理方針検討中。
RF窓故障がありその修理後、現在も試験続行中。
NLC XP3-3a (SLACで試験):

R2#2 クリア(前出)


その後、ビームによる躯体内のガス放出と思われる問題あり。
XP3-5として再建中。
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2004年のPPMクライストロン開発方針
(R2#1R2#2)

現存ないし製作中クライストロン
 PPM#4:KEKで試験後、春にSLACへ。
 PPM#5:2003年度製作。2004春にKEKで試験ののち、SLAC
へ。
 PPM#2:修理後、春に#5に続いてKEKで試験。
 PPM#4, #5, (#2), XP3-4, XP3-5のうちのいずれか2本を
NLC/GLC仕様の「2-pack変調器」に装着して120Hzでの長期
運転試験。R2#2の項参照(後出)。

高繰り返し、大出力PPMクライストロンの開発続行
 冷却系の安定信頼性、電子銃の耐性など
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TRC R2#2 (加速器RFユニットの系統的
長期試験)



TRCテキスト抄訳:「これらのクライストロンはフル仕様の
NLC変調器で駆動し、以下の運転に供すべし:2-モード
SLED-II、加速管への電力分配系、数本の加速管、含
ビーム加速試験…」
目標パラメータ:SLED-II出力 475MW、400ns、当初
60Hz。60cm加速管最大8本。Unloaded加速勾配
65MV/m。
2004年1月現在の状況:
 準備中
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R2#2の範囲
PPMクライストロンへの
切り替えは別途
Phase 2追加分
Phase 1
56MW
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2004年のR2#2開発方針

Phase-1(2004年春):







Phase-2 (2004年夏・秋)




クライストロンは当面、ソレノイド収束式4本のまま。
SLED-II出力を加速管4本に分配
KEK製の電力分離用 hybrid素子を使用
既存の試験済み加速管を使用
のちに、2003年度後期、2004年度前期製作の加速管で置き換え
60Hzでの長期運転
SLED-II出力を加速管8本に分配
KEK製作予定の電力分離用hybrid素子を使用
60Hzでの長期運転
クライストロン(2004年春・夏)


専用、独立変調器にてPPM クライストロン2本の長期120Hz運転試験
時期をみて、適宜SLED-II用RF源をこれで置き換え
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LC関連その他の活動予定(案)

X-band RF系関連の国内 Infrastructure整備




ATFにおける低エミッタンスビーム開発





IGBTタイプ変調器試験。
100Hzの繰り返しで運転可能なクライストロン試験施設整備。
加速管の量産加工、接合、RF計測装置に関する研究。
ウィグラー磁石によるダンピング時間短縮とビームへの悪影響の有無にか
んする検証。
ダンピングリングからのビーム引き出し用キッカー磁石系の安定性改善。
RF電子銃によるGLC仕様ビーム生成に向けた発振器試作開発。
ITRP/ILCSC対応にかんする意見、活動調整:随時
ISG会合:2004年6月(SLAC)、12月(KEK)


現在進行中の開発作業の検証、方針確認。
2004年以降のLC中・長期開発展望に関する意見交換。
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まとめ
 要望物件費
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




クライストロン関係
変調器関係
SLED-II関係
加速管関係
ATF関係
その他
1億5500万
6000万
5100万
1億3700万
8000万
700万
合計
4億9000万
 要望旅費
 ~40往復、のべ480日
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980万
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