再生医療分野の技術開発に関するロードマップ (1)

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Transcript 再生医療分野の技術開発に関するロードマップ (1)

再生医療分野の技術開発に関するロードマップ (1)
2010年
2005年
生体親和性の向上
バイオ
マテリアル
足場等の
素材
力学的強度の向上
生体吸収性の制御
特異的または複合的な
性質を持つ新規材料の
開発
生
体
材
料
形状の改良、
作製技術・装置の
開発
足場
新しい性質を持った
足場(材料)の開発
リガンドの固定による
高機能足場の開発
細胞の高機能化
組織の二次元化・三次元化
多層化
2015年
2020年
2025年
▲新規の免疫・炎症コントロール方法論の探索と構築→▲確立
▲免疫隔離技術の構築
▲新規の免疫/炎症抑制剤の開発→実用化
▲生体親和性代替材料(Sc合金)の医療用開発研究 (Al等、合金化する金属の探索、加工技術)
▲Mgを使った生体吸収性ステントの開発(高純度化、合金化、加工技術等)
▲サイトカイン、生理活性ペプチド等の活用 ▲組織の要求に応じた活性物質放出技術の開発
▲人工細胞外マトリクスの実用化
▲既存高吸収性材料(コラーゲン、ポリ乳酸、リン酸カルシウム等)の力学的補強手法の研究
▲既存材料の力学的性質の改善
▲高弾性限度(しなり)を有する無機材料の開発
▲外部物理刺激によるコントロールの実用化
▲プログラム制御の実用化
▲表面コーティング技術の確立
▲力学要請に応じて吸収率を変化する新規材料の実用化
▲刺激応答性材料の実用化
▲関節軟骨の代替となるポリマーの実用化(表面加工技術や別素材との接着による摩擦係数の低下)
▲細胞分化、組織再生にともなって表面形状やバルク特性が変化する材料の実用化
▲三次元で機能勾配が変化する材料の実用化
▲自己集合型ペプチドの利用
▲抗血栓性材料 ▲一定期間、力学強度を保持した後、急速に分解消失する材料の実用化
▲力学補強 ▲ラミネート材料の利用
▲ナノファイバーの利用
▲足場表面の精密微細加工技術・装置の開発
▲多孔体開発 ▲足場の極薄シート化技術・装置開発
(強度、気孔率)
▲生体組織材料の ▲足場の三次元成形技術・装置開発
脱細胞化による足場開発
▲細胞の均一な播種が実現可能な足場開発
▲新規材料の探索▲各組織に最適な材料のデザイン技術の開発
▲刺激応答性材料の開発
▲生体注入性の向上
▲幹細胞に対する誘引性の付与
▲細胞の増殖・分化に対応した変化特性
(表面、バルク性質)の開発
各組織に最適な高機能足場の
生体外使用(細胞培養基材)の実用化
2013~2018年
生体内使用(含:体外循環デバイス内) 2015~2020年
▲固定化技術の開発▲三次元固定化・傾斜固定化技術の開発
▲固定したリガンドの徐放化 ▲プログラム徐放の実用化
技術の開発
▲移植する細胞の活性化
(バイアビリティ向上;遺伝子導入、蛋白導入)
▲細胞の機能定義
→
▲移植する細胞の高機能化技術の確立
(バイアビリティ以外の機能)
▲三次元形成技術の向上
▲ナノスケールの三次元形成技術の確立
▲極薄シート化技術開発 ▲細胞接着物質を活用した三次元化・多層化技術の開発
▲細胞表面の精密微細加工技術の開発
【複数種の細胞による組織再構成技術】
▲階層化材料作製技術の確立 ▲複数種の組織層からなる組織の形成技術の確立
▲細胞プリント技術 ▲細胞プリント技術の微細化(ナノスケール)
細胞配置技術
生
体
外
組
織
化
技
術
▲細胞シート作製技術の確立
▲細胞の高密度集積化・コンパートメント化
【足場を使用する場合】
▲足場自体の大型化
再生組織の大型化
小型化
非接触培養容器
モニタリング
細胞培養
システム
自
動
化
▲小型組織の結合による大型化
【足場を使用しない場合】
▲細胞シートの大型化・積層化
▲酸素・栄養伝導路を持つ材料
▲小型冷蔵庫サイズ培養装置(研究機関向け)の商品化 →普及は2010年~
▲ 小型冷蔵庫サイズ培養装置(病院向け)の商品化 →普及は2012年~
▲デスクトップサイズ培養装置の実用化
▲カセット型培養容器の実用化
▲その他の密閉容器の開発
▲自動モニタリングシステムの技術開発
→▲実用化(評価基準の明確化が条件)
▲培養器へのモニタリング機能の追加
プロセス一体化に
関する開発
▲バリデーション機能の追加
▲単離機能の追加
▲分化・誘導機能の追加
autoの場合:小型装置
alloの場合:大型設備
(細胞バンクのイメージ)
▲ナノフィルターを利用した閉鎖系培養装置の技術開発
▲同一インキュベータ内でも検体同士を完全隔離
できる培養フローの確立
閉鎖系の確立
培養期間の短縮化
1週間以内に各部位再生に必要な
細胞数が、完全な自動化装置で
安全に培養できる装置
《3週間~1か月》 → 《2~3週間》
▲成長・増殖等を促進する各種因子の研究開発・検討
▲物理的刺激を用いた短縮化の研究開発
大量化
(注)下線は、ナノバイオテクノロジー関連技術・機器・材料。
▲大量培養装置開発
0
再生医療分野の技術開発に関するロードマップ (2)
2010年
2005年
培
地
安全性確保
(
シ
ス
テ
ム
内
設
置
)
生
体
外
組
織
化
技
術
(
続
き
)
高効率化
低価格化
感染・汚染評価
同一性の確保
細胞培養
システム
(続き)
評
価
技
術
・
装
置
腫瘍化(形質
転換)に関する
評価
純度評価
細胞の機能評価
生
体
内
高
次
組
織
構
築
技
術
血管新生/導入技術
神経新生/導入技術
生体内における組織再生促進
のためのリガンドや薬剤の
徐放・ターゲティングシステム
治
療
用
シ
ス
テ
ム
低侵襲化
組織の
機能回復
を目指す
システム
自己組織化
心筋再生デバイス
▲画像処理技術応用のバイアビリティのモニタリングシステムの実用化開発
▲増殖能の予測機能の付加
▲磁気ビーズを用いて単離する臨床使用可能なセルソータの技術開発
評
価
技
術
搬
送
技
術
▲形状・ ▲臨床研究用
素材開発 プロトタイプ完成
高機能細胞のデバイスへの▲
導入技術の開発
移植後モニタリング
治療効果の評価技術
再生細胞・組織の輸送システム
高機能細胞を導入した
▲ハイブリッド人工肝臓の
実用化、研究用として普及
▲小型化
▲効果の高いサイトカインの選別
▲最適なサイトカインの組み合わせ の確立
▲内皮・周辺細胞の構築技術の確立
▲方向を制御できる血管新生技術の確立
▲血流を確保した血管構築技術の確立
▲血管三次元プリント技術の確立
または自己組織化による三次元血管網構築技術の確立
▲神経新生効果の高いサイトカインの選別
▲伝達物質を適切に放出・受容する神経網確立ための
▲血管リモデリン
▲神経三次元プリント技術の確立
最適なサイトカインの組み合わせの確立
グを誘導する基本
または自己組織化による三次元
メカニズムの解明
▲方向を制御できる神経新生・導入技術の確立
神経網構築技術の確立
▲新規DDS材料の探索
▲体内での薬剤・リガンド固定化技術の実用化
▲プログラム徐放の実用化
▲徐放化の実用化
▲ナノキャリアを利用した薬剤徐放システムの実用化 ▲ハイブリッドDDS技術の実用化
(予防-診断-治療などの複数のプロセスをカバー)
【生体内における生理活性物質等のターゲティング・徐放化】
▲増殖・分化誘導効果の高い生理活性物質の選別 ▲高機能生理活性物質のデザイン技術開発
▲免疫抑制効果、炎症コントロール効果の高い生理活性物質の選別
▲細胞の初期化効果のある生理活性物質の探索
▲生体内における病変部位への生理活性物質のターゲティングによる体内での組織再生
▲病変部位の診断が可能な物質の探索 ▲生体内における病変部位および再生部位への診断薬のターゲティング
▲ DDSによる繊維化した組織の分解技術の確立
(繊維化組織の分解による自然再生)
▲内視鏡を利用した患部への細胞貼付システム
▲経血管的に全身に存在する臓器(筋肉など)への
幹細胞導入技術の開発
▲マニュピュレータを使用した治療法
▲自己組織化素材の開発
▲実用化
▲幹細胞誘導因子研究
▲生成
その他システム
・デバイス
術前診断/計測技術
2025年
【政府による環境整備】 培養細胞に関する安全性(形質転換の否定)、機能等の評価項目・基準の作成・改定
各評価系の構築 → 確立
データ収集のための共通プロトコル作成
→ 評価制度の確立 → 培養細胞評価システムの開発 → 実用化
臨床データの収集 → DB構築
“標準細胞”の認定
評価手法の検討・開発 →高度化
▲OCTの実用化 → ▲組織の機能的情報の取得可能
(非破壊による組織の構造検査・評価)
▲未分化細胞のスクリーニングを目的としたマーカ開発
他の培養関連技術
体外循環型
ハイブリッド人工肝臓
2020年
▲検査キット・オールインワン装置の研究開発 →検査時間の短縮、低価格化
形態等で生命体特性
《~数時間、価格1/3以下》
を捉えて多様なウイ
▲ナノフィルターを利用した閉鎖系培養装置の研究開発(再掲)
ルスが検出できる
▲培養器内で検体同士を完全隔離できる培養フローの確立(再掲)
画期的手法
▲バーコード、ICチップ利用による取り違え完全防止が可能なプロセス管理システムの実用化
バイアビリティ評価
ハイブリッド
人工臓器
2015年
▲現行の無血清培地の大学における利用
▲角化細胞用低血清培地の商用化
▲骨・歯用低血清培地の商用化
▲血清培地と同様の生育性・付着性の実現
▲再生医療産業における無血清培地・無蛋白の普及 他の素材との組み合わせによる
新しい材料の開発
▲alloに対応するヒト細胞
(幹・ES)用培地の開発
▲高効率な成長因子の探求と検証
→多品種化
▲動物由来材料の代替物の研究と検証
▲量産技術開発
臨床研究用
▲プロトタイプ ▲製品化
完成
▲DDSを利用した血管内手術デバイス
▲炎症抑制+細胞培養が可能なシステム
▲生存細胞の選択的体内導入システム
▲微細血管測定装置(再生過程の追跡装置としても利用)
▲低侵襲な局所心機能測定装置
▲失われた細胞の質と
量を診断する装置の開発
▲生着率等の効果判定が可能なマーカの探索
▲移植細胞の画像追跡装置 ▲体内の再生過程の追跡装置
(神経、できはじめの骨、軟骨)
▲細胞・再生組織のラベリング/トレーシング技術の実用化(生体内外使用)
【政府による環境整備】 治療効果の評価項目・基準の作成・改定
データ収集のための共通プロトコル作成
臨床データの収集 → DB構築
→ 評価制度の確立 → 治療後評価システムの開発 → 実用化
評価手法の検討・開発 →高度化
▲温度調整機能つき細胞品質保持・輸送装置
▲高性能保存液
▲凍結しない細胞保存技術(氷温保存技術等)
▲allo対応・大型の細胞バンキングシステム
(注)下線は、ナノバイオテクノロジー関連技術・機器・材料。
1
再生医療研究及び実用化に関するロードマップ
2010年
2005年
2015年
細胞の実用化
2020年
2025年
ES細胞利用の実
自己細胞の初期化
現
▲無血清化
▲無蛋白化(リガンドによる培養)
▲培養のパッケージ化
▲自己細胞培養法の進化
関連研究
細胞
試験管内で調製可能な細胞
血液 肝臓
膵臓 腎臓
▲刺激因子の ▲合成足場素の確立
▲ゲル状軟骨
▲再生椎間板の実用化
▲椎間板への応用
確立
▲荷重部軟骨の実用化
▲インプラント型軟骨(顔面)の実用化
▲ゲル状軟骨
▲成長・老化対応型再生軟骨の開発
軟骨
骨・軟骨複合組織
▲細胞導入
三次元人工皮膚
▲成長因子他導入
真皮
▲皮膚幹細胞の応用
▲新規足場材料の開発
▲弾性線維導入
皮下組織
▲弾性線維産生
三次元皮膚実用化
血管
血管床再生
冠動脈
完全な付属器導入
三次元皮膚
▲皮下脂肪組織導入 ▲皮下神経網 ▲皮下脂肪血管網付三次元皮膚
▲人工実質の作製
▲小口径長寿命
血管作製技術の開発
▲血管新生因子デリバリーによる血管新生療法臨床試験
▲非ウイルスベクターによる遺伝子デリバリーの応用
▲筋芽細胞・細胞シート移植臨床試験
▲シート製品化(auto)▲シート製品化(allo)
▲三次元化技術の付加 ▲幹細胞ソースからの分化誘導技術の確立
刺激伝導系
▲刺激伝導系細胞の細胞ソース確保
▲再生伝導系埋め込み研究
▲三次元化技術の開発
肝臓
腎臓
血管を備えた
グラフト
▲抗血栓性
▲凍結保存心臓弁産業化
▲脱細胞心臓弁
心臓弁開発
臨床試験
▲内皮細胞でコートされ抗血栓性・
抗感染性を持った心臓弁実用化
▲脱細胞心臓弁
▲フリーズドライ
実用化
心臓弁開発
▲感染抵抗性心臓弁開発
心臓弁
再生細胞
高機能・長寿命再生臓器
の
実用化
▲血管床誘導足場材料の
▲血管床再生を基盤とした組織再建技術の開発・実用化
開発
▲局所酸素濃度に応じて分泌される ▲再生臓器への栄養血管誘導
血管新生因子デリバリー技術の付加 技術の開発
心筋
幹細胞ソース
▲人工角膜の作製
▲小口径高機能血管の製品化
▲人工血管自己組織化
▲抗血栓性・感染抵抗性の付与(制御)
技術の開発
▲弾力性・強度の高い
▲動脈用血管の製品化
血管構築技術の開発
心臓
血液
再生人工関節の
実用化
▲皮膚付属器導入
▲血管壁構造再構築技術の開発
高機能化血管
(人工/再生/ハイブリッド血管)
血管を備え、円板や複雑な形状を
再現した軟骨(耳介の再生など)
▲多数の毛根の同時再生
▲角膜上皮シート実用化 ▲角膜上皮シート製品化(auto)
▲角膜上皮シート製品化(allo)
▲角膜内皮移植の実用化 ▲角膜内皮の大量生産
体制確立
角膜
血管を備えた
大型の骨
▲骨・軟骨複合化 ▲脊椎可動セグメントへの応用
(軟骨をインターフェイスに持つ軟骨)
表皮
皮膚
皮膚
神経
筋肉
心筋
▲人工骨の
▲骨微小エレメントによる再生骨構築 ▲細胞導入骨の大量生産
三次元造型
▲成長因子 ▲患者由来細胞導入
▲荷重骨の実用化
導入
骨
骨・
軟骨
皮膚 リンパ球
DC 骨・軟骨
角膜 内皮
▲臍帯血
▲骨髄
▲末梢血
▲ ES
▲臍帯血由来造血幹細胞増幅技術の確立
▲赤血球の大量産生
技術の確立
▲増幅臍帯血移植の確立
▲血小板の大量産生
技術の確立
▲核移植によるES
▲培養顆粒球輸血体制の確立
▲培養血小板による
輸血体制の確立
▲培養赤血球による
輸血体制の確立
▲ES由来造血幹細胞の体外誘導技術の確立
▲組織幹細胞からの効率的分化誘導
▲肝幹細胞からの分化誘導
▲ES細胞からの増殖・分化誘導
▲肝細胞の増殖法
▲肝細胞移植の臨床研究
▲他症例での実用化
▲1遺伝子疾患での
研究
▲幹細胞の体外循環デバイスでの臨床研究
実用化(製品化;auto) (製品化;auto)
▲高機能化幹細胞の体外循環デバイスでの臨床研究 細胞移植 ▲
▲肝細胞の機能定義 ▲高機能化幹細胞作製 ▲高機能化細胞移植の臨床研究
療法の普及
のための機能特化
▲細胞移植先、移植方法の研究
▲腎臓体性幹細胞の
▲腎臓体性幹細胞の前腎再構成▲Epoを備えた補助腎による透析患者への応用
FACS分離
(Epo等腎臓ホルモンの細胞治療) ▲携帯可能な透析装置の実現
▲腎臓体性幹細胞の
▲ Epoを備えた補助腎による
薬物による活性化
自己移植に向けた基礎研究
▲腎臓体性幹細胞の
▲再生前腎による自己移植に向けた前臨床研究
分化誘導条件確立
肝細胞の
大量生産
旧細胞
との交換
細胞移植
療法の
普及
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