第1章 ネットワーク基礎知識
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Transcript 第1章 ネットワーク基礎知識
1.1 コンピュータネットワーク
登場の背景
4406006
石田 真也
コンピュータの普及
様々な所で活躍しているコンピュータ
オフィス 工場 学校 教育機関 研究所
家庭
技術発展
多様化 高性能化 低価格化 小型化
ネットワーク化
コンピュータの多様化
大型汎用コンピュータ
スーパーコンピュータ
ミニコンピュータ
パーソナルコンピュータ
ワークステーション
ノートブックコンピュータ
スタンドアロンからネットワーク利用
へ
コンピュータを単独で使用
スタンドアロン
複数のコンピュータを互いに接続して使用 ネットワーク利用
•
•
複数のコンピュータとの情報の共有
遠くのコンピュータへの情報の転送
スタンドアロンからネットワーク利用へ
(2)
ネットワークの利用形態
ネットワークの規模によって分類
市街地を越え郊外、県外や国際の範囲 ・ ・ ・ WAN
家庭、企業のオフィスや研究所、工場等 ・ ・ ・ LAN
コンピュータ通信から
情報通信環境へ
初期
私的なネットワーク
1980年代後半
私的ネットワークを相互に接続
1990年代~
インターネットによる世界規模の
情報ネットワーク構築
情報ネットワークの役割
人間の神経のような役割
世界中の情報がネットワークを通じて送られてくる
身近な存在
メーリングリストやホームページ、電子掲示板などで
情報交換
1.2 コンピュータとネットワーク
発展の6つの段階
4406009 伊藤 将章
1.2 コンピュータとネットワーク発展の
6つの段階
バッチ処理(Batch
Processing)
タイムシェアリングシステム(TSS)
コンピュータ間通信
コンピュータネットワークの登場
インターネットの普及
インターネット技術中心の時代へ
すべての鍵を握るTCP/IP
1.2.1 バッチ処理(Batch Processing)
…1950年代
プログラムやデータをまとめて
一括処理する方式
バッチ処理の利点
多くのユーザが利用できる
バッチ処理の欠点
1.値段が高い
一般人ではもてないので、計算機センターに行く
2.操作が複雑
専門家に依頼する必要がある
1.2.2 タイムシェアリングシステム
(TTS)
…1960年代
1台のコンピュータに複数の端末
を接続し、複数ユーザーのプログ
ラムを短い時間で切り替えながら
処理するシステム
複数のユーザが同時に利用できるようになった
仮想的に、一人一台のコンピュータを可能にした
対話的操作を可能にした
対話的プログラミング言語BASICの登場
より多くの人がプログラミング
1.2.3 コンピュータ間通信 …1970年代
コンピュータ間を通信回線で
接続するだけでデータを瞬時
にやりとりするシステム
コンピュータ間でのデータのやりとりが楽に出来る
1.データ転送の手間と時間が省ける
2.複数のコンピュータによる分散処理が可能
値段の急激な低下
会社内の各部署ごとに利用可能になった
1.2.4 コンピュータネットワークの
登場
…1980年代
パケット技術により様々な
コンピュータを相互に接続
できるコンピュータネットワーク
が登場。
ウィンドウシステムが登場
複数のプログラムを同時に実行可能
ウィンドウシステムとネットワークが結びつき
NW上の資源の有効活用
4406011 岩瀬彰宏
1.2.5 インターネットの普及
•
•
•
ダウンサイジング、マルチベンダ接続といった、異なるメーカーのコンピュータを相互に接続し、
安価にシステムを構築するためにインターネット技術が使われはじめた。
WWW(World Wide Web)による情報公開と、そのサービスを受けるwebブラウザ,インターネット
メールが企業や一般家庭に急速に普及し始めた。
パーソナルコンピュータは以前は単独(スタンドアロン)で使う個人の道具だったが、現在ではイ
ンターネットにアクセスする道具として使う人が多い。
14
1.2.6 インターネット技術中心の時代
•
インターネットは別々に発展してきた多くの技術をすべてイン
ターネットに取り込む方向に進んでいる。
•
もともと電話網の上に構築されていたインターネットだが,立
場が逆転し、インターネットの技術を利用したIP網の上に電
話やテレビ放送、インターネットが構築されるようになってき
ている。
•
インターネットにつながれるものだけがいわゆる「コンピュー
タ」だけではなく、携帯電話、家電製品などがつながれるよう
になっていき、今後はありとあらゆる物がつながれるようにな
っていくだろう。
15
1.2.7 すべての鍵を握るTCP/IP
TCP/IP即ち,インターネット技術には、別々に発展してきた
様々な通信技術を一つに統合する応用性がある。
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コンピュータ利用形態の変遷
年
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
内 容
バッチ処理の時代
タイムシェアリングシステムの時代
コンピュータ間通信の時代
コンピュータネットワーク
インターネット、イントラネットの普及
インターネット技術中心の時代
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1.3 プロトコルとは
4406042
杉山廣祐
1.3.1 プロトコルがいっぱい!
プロトコルとは、コンピューター同士が通信をす
るために決められた約束事。
いくつもの種類があり、それぞれ目的や役割が
決まっている。
互いに通信するためには両者が同じプロトコル
を処理する必要がある。
例 HTTP IPX DDP DPR FTAM IDP
1.3.2 パケット交換とプロトコル
パケット交換とは大きなデータをパケットと呼ばれる
単位に分割して送信する方法。
ヘッダとは、分割したデータを送る際の荷札の役割
をする物。送信元と宛先のアドレスを書かれて通信
回線に送られる。
通信プロトコルではヘッダに書き込まれる情報や処
理方法が定められている。
正しく通信するためには、送信側と受信側のヘッダ
の解釈や定義が同じになっている必要がある。
1.3.3 プロトコルを会話で考えると
日本語や英語をプロトコル
コミュニケーションを通信
話の内容をデータ
日本語を使う人同士なら会話が成り立つ。
同じプロトコルならばデータを通信することができる。
1.3.4 コンピューターでのプロトコ
ル
人間と違い応用力や理解力がないため細部ま
で約束事を決めておかなくてはならない。
想定される障害についても事前に処理方法など
を記しておく必要がある。
いろいろなメーカーでも通信できるように世界中
で利用される標準を作っている機関がある。
1.4 プロトコルの標準化
4406074
古谷 友磨
1.4.1 コンピュータ通信の登場から標準化へ
コンピュータ通信が始まったころ
・各メーカー独自の規格
・体系化や標準化の重要性の低さ
・プロトコルの機能への意識の低さ
・他社の製品との互換性のなさ
・プロトコルの違いによるネットワークの通信不可
・各社独自のネットワークアーキテクチャの構築
1.4.1 コンピュータ通信の登場から
標準化へ
XNA
B社
DECnet
SNA
A社
C社
FNA
HNA
D社
E社
※各社で方言を使うので、コミュニケーションが成立しない
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1.4.2 標準化
問題解決のために
・ISOがOSIを標準化
・IETFによるTCP/IP普及
・ハードウェアやOSを意識することなく通信が可能
・標準化によりコンピュータネットワークの利便性の
向上
1.4.2 標準化
B社
OSI
A社
C社
TCP/IP
D社
E社
※全員が共通の言語を使うことにより、コミュ
ニケーションの成立
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プロトコルの階層化
通信に必要となる各機能ごと
に階層に分け、機能を分断し
て考える。
すると・・・
各機能を独立したものとして扱うこと
ができるようになる。
そのため、システムの内ある一部分
だけを変更することができ、拡張性
や柔軟性に富んだシステムにするこ
とができる!
n層
n層
n-1層
n-1層
・
・
・
・
・
・
1層
1層
物理層
:インタフェース
:プロトコ
ル
電話での会話を階層化してみよう
日本語のプロトコル
2階層のモデル
固定電話機のプロトコル
日本語を英語にしても、問題なく通信できる。
固定電話を携帯電話にしても、問題なく通話できる。
OSI参照モデルとは
OSI参照モデルは通信プロト
コルを階層化する方法の一
つである。
右表のような7層に階層化さ
れており、各層ごとにおおま
かな役割が決められている。
通信プロトコルを学ぶ上での
ガイドラインのような存在で、
TCP/IPを理解するために役
立つ。
アプリケーション層
特定のアプリケーションに特化したプロトコル
プレゼンテーション層
機器固有のデータフォーマットと、ネットワーク共通のデータ
フォーマットの交換。
セッション層
通信の管理。コネクション(データが流れる論理的な通信
路)の確立、切断。
トランスポート層以下の層の管理。
トランスポート層
両端ノード間のデータ転送の管理。データ転送の信頼性
を提供する。(データを確実に相手に届ける役目)
ネットワーク層
アドレスの管理と経路の選択
データリンク層
直接接続された機器間でのデータフレームの識別と転送
物理層
0 と 1 を電圧の高低や光の点滅に変換する。
コネクタやケーブルの形状の規定。
1.6 OSI参照モデルの通信処理の
例
4406006 石田 真也
7階層の通信
OSIの7階層モデルにおける通信の方法
・送信側
データを上位層から下位層へ伝える
(アプリケーション層 → プレゼンテーション層→…)
・受信側
データを下位層から上位層へ伝える
(物理層 → データリンク層 →…)
各階層での処理
送信側
上位層から渡されたデータに自分の階層のプロ
トコル処理に必要な情報をヘッダとしてつける
データ
ヘッダ
→
データ
ヘッダ
受信側
受信したデータをヘッダと上位層へのデー
タに分離してデータを上位層に渡す
各階層の具体的な処理
送信側
受信側
各階層の具体的な処理
7階層は二つに分けられる。
通信を行う前の
準備。
実際のネット
ワークを使って
の送信処理。
アプリケーション層
•
•
•
データを送信する(Aさん)
相手側から送信された情報の分析(Bさん)
アプリケーション固有のエラー処理
ヘッダ:「おはようございます」が電子メールの本文
であるという情報や、あて先はBさんであるという
情報。
プレゼンテーション層
「コンピューター固有の表現方式」
送
信
デ
ー
タ
受
信
デ
ー
タ
「ネットワーク全体での表現方式」
ヘッダ:データの符号化方式を識別するための情報。
セッション層
コネクションを確立するタイミング
や、データを転送するタイミングの
管理。
ヘッダ:データをどのような手順で伝えるか
という情報。
トランスポート層
■
データ転送の信頼性を保証する。
ヘッダ:パケット番号などの情報。
ネットワーク層
ネットワークとネットワークが接続された
環境で送信ホストから受信ホストまで
パケットを配達する。
ヘッダ:アドレス情報など。
データリンク層、物理層
物理的な通信媒体で接続された機器
同士でデータのやり取りをできるよう
にする。
ヘッダ:MACアドレスの情報
まとめ
アプリケーション層 入力したもの
プレゼンテーション層 文字などの整合性
セッション層 通信路の確保・管理
トランスポート層 データ通信の確認
ネットワーク層 通信・配送
データリンク層 通信許可
物理層 接続機器の制御
1.7 通信方式の種類
4406006 伊藤 将章
1.7.1 コネクション型とコネクションレス型
(1)
● ネットワークにおけるデータの配送の種類
(a) 「コネクション型」
(b) 「コネクションレス型」
1.7.1 コネクション型とコネクションレス型
(2)
(a) 「コネクション型」
[特徴]: 通信する前に送り手と受け手の間で
回線の接続を行う
無駄なパケットを送らずに済む
cf. 電話の通信
1.7.1 コネクション型とコネクションレス型
(3)
Image: コネクション型
図1: コネクション型のイメージ
1.7.1 コネクション型とコネクションレス型
(4)
(b) 「コネクションレス型」
[特徴]: 送り手はいつでもデータの送信が可能
受け手はいつ誰からデータを受信するか不明
データの受信の確認が必要
cf. 郵便の配達
1.7.1 コネクション型とコネクションレス型
(5)
Image: コネクションレス型
図2: コネクションレス型のイメージ
1.7.2 ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
(1)
● ネットワーク通信の種類
1. ユニキャスト
⇒ “1対1”通信
2. マルチキャスト
⇒ “1対複数”通信
3. ブロードキャスト
1.7.2 ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
(2)
1. ユニキャスト
⇒“1対1”通信のこと
Ex. 電話
図3: ユニキャスト
1.7.2 ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
(3)
2. マルチキャスト
⇒“1対特定多数”通信のこと
Ex. ビデオ会議システム
図4: マルチキャスト
1.7.2 ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
(4)
3. ブロードキャスト
⇒“1対不特定多数”通信のこと
Ex. テレビ放送
図5: ブロードキャスト
1.7.2 ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
(5)
図6: ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト
1.7.3 回線交換とパケット交換 (1)
● 通信回線を利用して通信する方法
1. 回線交換
⇒従来からの電話で利用されてきた方式
2. パケット交換
⇒ 1960年代後半から必要性が認められ始めた方式
※ TCP/IPはパケット交換方式を採用
1.7.3 回線交換とパケット交換 (2)
1. 回線交換
図7: 回線交換
1.7.3 回線交換とパケット交換 (3)
2. パケット交換
図8: パケット交換
1.8 ネットワークの構成
要素
4406011
岩瀬
彰宏
接続するためのハードウェア
通信媒体
1.同軸ケーブル
2.ツイストペアケーブル
3.光ファイバーケーブル
ネットワーク機器
1.ネットワークインタフェース
2.リピータ
3.ブリッジ
4.ルータ
5.ゲートウェイ
LANに使われるケーブルの特徴
同軸ケーブル
最大速度
伝道距離
適用LAN
数M~数百Mビット
/秒
比較的大規
185m~数十km
模
ツイストペアケーブ
100Mビット/秒
ル
数百m程度
光ファイバーケー
ブル
大規模、高
最大100km程度
速
数百Mビット/秒
小規模
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ネットワークインターフェイス
コンピュータをネットワークに接続するための装置
10BASE-T 100BASE-TXのポート(LANポート)(備え
付けられてない場合、イーサネットのNIC (Network
Interface Card)を拡張スロットに増設)
ノートブックタイプのPCの場合はPCカード形式の
NICが利用される
リピーター
OSI参照モデルの第一層の物理層でネットワークを延長する機器
減衰したデータを増幅・復元して送り出す装置
転送中にエラーが発生しても、そのままデータは流れる
伝送速度の異なる媒体間を接続することはできない
ネットワークの構成要素
4406042
杉山廣祐
1.8.4 ブリッジ・レイヤ2スイッチ
ブリッジはデータリンク層でネットワーク同士を接続する装置であり、デー
タリンクのフレームを蓄積し新たなフレームとして送出する。
データリンクのフレームには、フレームが正しく届いたかを検査するため
のFCSと呼ばれるフィールドがあり、ブリッジはこれをチェックして壊れた
フレームは伝えないようにする働きがある。
アドレスの学習機能によりホストAとブリッジ間にだけフレームが流れれ
ば済む。
OSI参照モデルでは第2層のデータリンク層に位置づけられるため、例
や2スイッチとも呼ばれる。
ラーニングブリッジとは、パケットを隣のセグメントに流すかどうかの判断
を行う機能を持っているブリッジのことである。
スイッチングハブもこのブリッジの一種である。
1.8.5 ルーター・レイヤ3スイッチ
OSIモデルの第3層、ネットワーク層の処理を行
う。つまり、ネットワーク同士を接続してパケット
を中継する装置のことである。
ブリッジは物理アドレスで処理を行うが、ルータ
ーはネットワーク層のアドレスで処理をする。
最近では家庭やオフィスでインターネット接続を
するときに使用される。
ネットワークの負荷を仕切ったり、セキュリティ機
能を備えたものもある。
1.8.6 ゲートウェイ
ゲートウェイとは、OSI参照モデルのトランスポ
ート層からアプリケーション層までの階層で、デ
ータを中継する装置である。
ゲートウェイは、互いに異なるプロトコルの翻訳
作業を行い、通信を可能にする。
携帯電話とPCでメールを通信する際に用いられ
る。
プロキシサーバーもゲートウェイの一種。