日本劣等

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Transcript 日本劣等

おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
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1
おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
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京大一回生に言う事
今すぐ始めれば、
 2回生で上達の手応えが有り、
 大学院に入る頃には、
 相当出来るようになる。
 しかし、
 本当に出来るのは、
 多分10年後ぐらい。
 卒業後も訓練を続けたとして…

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外国語はこんなにできない
Hakuta博士:小学校1年生に入学する移民の
子供(諸言語→英語)
 Segalowitz教授:海外語学研修(英語→スペ
イン語)
 Georgetown大学:海外研修(英語→諸外国
語)
 Swain教授:カナダ人の外国語漬け(英語→フ
ランス語)

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Hakuta:諸言語→英語
 小1からアメリカの移民の子供
 勉強に十分な英語力(ネイティブ未
満)に、最低4年、時に7年
 中学終了時にやっとネイティブス
ピーカー*レベル*の人多し
 勿論成らない場合も有る
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青谷注

(殆ど高度な言語使用を要しない小学生
だからこそ、4年でも何とか使い物
に成る英語力が達成出来る。大人
が必要とする英語力には10年
は掛かる。)
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Segalowitz:英語→スペイン語
カナダ人がスペインで研修
 週17時間が13週間
 レベル分けは、初級・中級・上級Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ
 ワンレベルしか向上しなかった:中級Ⅰ→Ⅱ
等
 上がらなかった人も居た
 文法の試験:カナダに留まった方が高得点
 国内組の多くは、初めと同レベルの総合力

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青谷注
22人中10人、国内組では18人中
13人が同じレベルに留まった
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Georgetown大学:英語→諸外国語
10%の海外研修者の会話力は低下
 24%は変わらず
 国内では22%が低下、36%不変
 女子学生の進歩がより大きい
 専攻に依る違いは無い

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青谷注

国内で何年も学んでも、中級の
中から上で止まる人が多いが、
海外ではワンレベルくらい上がる
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Swain:英語→フランス語
英・仏二言語政策のカナダ
 英語家庭の子供に仏語で小学校教育
 6,7年後、
 理解力(読・聞)等はネイティブ並み
 作文・会話:ネイティブは決して犯さない文
法・構文の誤り

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青谷注

生徒達が仏語を話す機会は限定的
長いセンテンスを仏語で話す機会無し
長い時間話す機会無し
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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
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青谷正妥(あおたにまさやす)♂









1954年大阪市生まれ、大阪市・南大阪町・南大
阪市・羽曳野市育ち
大阪府立天王寺高校
京都大学理学部(化学専攻)
同大学院(化学)
メリーランド大学(化学)
プリンストン大学(物理)
ニューヨーク市立大学(物理・数学)
カリフォルニア大学バークレー校(数学) Ph.D.
テンプル大学(教育学) Ed.D.
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青谷正妥(あおたにまさやす)♂
 父は高校の国語科教員
 祖父は神主
 血液型:AB
 スケボー
 鴨川で魚すくい(寒中すくいも敢行)
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大学勤務
 アメリカの15の大学で教える
 1998年より京都大学
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企業勤務
 ニューヨークの公文教育研究会
 Geoworks: Silicon Valley (携帯な
どのソフトウェア)
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京大での講義
 現代物理学(Modern Physics)
 確率と統計(Probability and Statistics)
 理系のための英語ディスカッション
 英語の鬼・英語勉強力・英語勉強会
 アメリカの大学院・アメリカ留学百科事典
 日本語中級(『京都大学の挑戦』)
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英語力
 英語検定1級 (1978)
 GRE Verbal 89% (1988)
TOEIC 990, TOEFL CBT 300 (2002)
TOEFL iBT 120 (2006)
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日本に帰って来てから英語力が向上
幅広い英語に接する機会
 英語圏に居るから出来る様になる訳ではない
 英語圏に住まなくても出来る

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英語教育力・研究力
 Temple大学日本校(大阪)英語教育
(TESOL)博士号。
 Listening(最後まで出来ない)を中
心に日本人大学生(現在は京大生
のみ)のProficiency Profileを調べ
ていた。現在はSpeakingも。
 将来は脳を調べたい。
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「出来ると言えば出来る、出来ないと
言えば出来ない」
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「出来ると言えば出来る、出来ないと
言えば出来ない」
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典型的な京大教員の
一億倍
ネイティブスピーカーの
一億分の一
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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
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英語はなぜ大切か
軍事力・経済力・対話力が21世紀の国力
 翻訳や通訳に手間どっていると機会を失う。
 日本が世界に十分に理解されない国に
 アジアは最大の英語圏

英語は強い
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英語はなぜ強いか
英語を第一言語とする人は3億7700万人
 英語を第二言語(もはや外国語ではない)と
する人口は3億7500万人
 英語を「外国語」として使える人が7億5000万
人
 英語を話す人口は14,5億人、四人に一人
 60カ国が英語を公用語とする。

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英語はなぜ強いか
世界のGDPの4割は英語を使う国
 20億以上有ると言われるWeb siteの80%は
英語、ユーザーの44%は英語人
 中世の新語は詩人によって生まれたが、現
在の新語の60%は科学技術によって生まれ、
その殆どが英語である

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英語はなぜ強いか
米国の社会と文化の持つ魅力
 フランス語は18,19世紀のエリートの国際語、
英語は大衆の国際語
 エンターテインメントにも進出

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英語はなぜ強いか:まとめ
英語を使う人の数の多さと多様さ
 母語としない人に使われている。
 英語は英国の母語でも米国の母語でもなく、
世界語である。
 言語帝国主義ではない。

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英語はなぜ強い勢力を保つか
英語は若い世
代に支持され
ている。
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最近の動向
人間は英語を話すものである
 企業活動はその典型
 欧州の多国籍企業の社内言語は英語
 国内でも忍び寄る魔手

やらざるを得ない状況
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日本人の英語力
日本人全員が等しく英語力が乏しい。
 読・書・聞・話の四技能全てに欠ける。
 外交官の英作文力は落ちて来ている。
 60年代の日本のTOEFLスコアはアジアで中
位、現在はほぼ最下位。

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基本的には
僕が京大生で
あった30年前と
殆ど変わらない。
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日本人は英語のイン
プット処理(読む・聞
く)が全く出来ないが、
アウトプット(話す・書
く)となるとそれ以上
に問題外である
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英語が読めない
"So much is new and
complex today that looking
back for an understanding
of the past provides little
guidance for living in the
present."
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英語が読めない
"So much is new and
complex today that looking
back for an understanding
of the past provides little
guidance for living in the
present."
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大人の英語学習の最大の特徴
ほぼ全員が失敗する。
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東大生・京大生のスコアの例
R = 28 L = 27 W = 24 S = 15 Total = 94
R = 29 L = 28 W = 29 S = 15 Total = 101
R = 29 L = 28 W = 27 S = 18 Total = 102
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1898年にビスマルクは:
「20世紀を決める最大の要素は英語だ。北米
人が英語を話すからだ。」
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2002年7月12日に文部科学省は:
「英語が使える日本人の育成のための戦略構
想」
を策定した。
一世紀以上の遅れ
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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
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日本と世界
大学教育ランキング
教育に言及する学則
“世界標準”の大学
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日本と世界
日本人の英語力
日本人のSpeaking
京大生のSpeaking
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大学教育ランキング
スイスのIMDのランキングでは、日本の大学
教育は先進47経済圏で単独最下位の47位
 理由は
 講義が出鱈目(教員が最悪)
 学生が鈍ら(学生が最低)
 つまり、
 最凶のコンビネーション

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教育に言及する学則
例えば、アメリカの大学では、成文化された
公式教育方針として、
 「1単位とは週一時間の授業と最低2時間の
自習です」
 等と書いてある。

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“世界標準”の大学
基本的には高校の勉強内容を高めたバー
ジョンが大学
 授業に出るのは当たり前
 毎週宿題が有り、皆がやって来る
 中間試験(普通は複数回)と期末試験が有る
 赤点(不合格)が有る
 外国の多くの大学は高校状態

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日本人の英語力
 1996年にはアジアで最下位
(TOEFL PBT)
– ライバルは北朝鮮・タイ・モンゴル
 2007年にはアジアで下から二番
目(TOEFL iBT)
– ライバルはカンボジア
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日本人のSpeaking
2007年TOEFL
iBTに於ける
Speakingのスコアは30点中15
点で日本が単独世界最下位
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京大生のSpeaking
読む
書く
聞く
話す
総合点
日本人
16
18
16
65
京大生
23
22
19
15
15
78
単独世界最下位
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日本人とSpeaking
東大生・京大生を例に取ると
 帰国子女や留学生以外で20点を取る人すら
極少数(つまり、Speakingで10点は落とす)
 MITの建築史学科は115点、UCLAは
Speaking 24点を要求、Johns Hopkinsの地球
惑星科学科は各セクションで25点を希望
 つまり、Speakingの不出来だけで、留学でき
ない

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最大の問題
受験勉強に含まれていない
 東大理科III類でも京大医学部でも関係無し
 全国模試一位でも関係無し
 英語の音を出す事自体が苦手

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Writing
18点
世界最低より1点上
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Listening
16点
世界最低より3点上
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Reading
16点
世界最低より5点上
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にほんれっとう
||
日本劣等
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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
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A) 大人の英語習得は勉強である。
B) 大人の英語学習の最大の特徴は「ほぼ全
員が失敗する」事である。
C) 自分でやらなければ絶対に出来る様になら
ない。
1. 自らの学びを作る。
2. 講義だけでは、圧倒的に量が不足。
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D) 宿題をやるのはあたりまえ。(一回でもやら
ない人は破門。)
1. 最低限毎週の課題作文(*15分*で100語、15分で
見直し。< 60分の筈。)
2. Reading/Listeningを自分で多量にやらなければ、出
来る様にならない。
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E) 無断欠席者は自動的に破門。(*具体的に
*理由を書いたemailを*事前*に送る。
[email protected] サークルやバイトは理
由にならない。病気・怪我・身内の不幸等の
み。「都合により欠席します」は駄目。38度
の熱、骨折、父が死亡等と書く。)
1. 小・中・高の生徒・学生や、社会人がやってはいけな
い事は、大学生もやってはいけない。
2. 体育実技と同じで、出ないと意味が無い。
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F) 居眠り禁止。立って下さい。
G) 自分でやっても簡単に出来る様にはならな
い。蓄積が大切。
1. 自転車に乗る練習や逆上がりの練習の様に、往々
にして長い間全く出来ないが、出来ない間の練習の
継続が大切。
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H) 潜伏期間:練習時間に比例して出来る様にはならない。進
歩は階段状である。
1.
2.
ある日突然乗れる自転車と同じ。今日5メートル、明日10メートルと言う
様に、徐々に進歩するのではない。潜伏期間に耐える力が必要。
熟成=練習をしていない時にも上達が続く事がある。
『熟成』から『覚醒』へ
3.
新一回生に言う事
–
–
–
–
–
–
–
–
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今すぐ始めれば、
2回生で上達の手応えが有り、
卒業する・大学院に入る頃には、
相当出来るようになる。(*日本人としては*一流:TOEIC 950点等)
しかし、
本当に出来るのは、(例:Outputが英語なら英語で考える。)
多分10年後ぐらい。
卒業後も訓練を続けたとして…
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I) 従って、授業中は集中し、講義外でも懸命
の努力を重ねても、学期終了時に、体感・
実感・実証出来る英語力の向上が見られな
いのは想定内である。
J) 精と多(形式と慣れ)の学習が必要。
1. 精:宣言的知識の蓄積と間違った知識・技能の修復
2. 多:流暢さの養成
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K) 大人の運用力養成は『勉強』:英語圏に住んでも、
意識的な勉強が無ければ英語が出来る様にはな
らないし、日本に居ても、意識的・組織的・形式
的・計画的・多角的・本格的学習(カクシキを重ん
じる学習)をすれば英語が出来る様になる。
L) 青谷が出来るからと言って、秘策や秘伝が有る訳
ではない。但し、効果と効率は追求し、効果の上
がらないやり方(例:CNN聞き流し)等も説明する。
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M) 学部生の場合、4年間やり続ける人は、
TOEICでよければ上級と見做される950点
は取れます。(但し、TOEICは実用英語力を
測るには易し過ぎます。)
N) 他の勉強・研究・技能習得、更には人生そ
の物、と同じで長丁場です。太く・長く・多く・
厳しく
O) 講義は何コマ取っていますか?この講義の
当日はどうですか?
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P) 今週は何度夜に外出しましたか?
Q) 口だけでは駄目です。本当に勉強を生活の
中心に置いて下さい。
R) 教員の言う事よりも、先輩や友人の言う事
を信用する馬鹿にならない!
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S) 京大生の教育には一人頭毎年197万円掛
かります。この内、国や大学の負担分は133
万円です。*僕の考えでは*、勉強・研究
に励むのは皆さんの義務です。
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ところで
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専門英語の運用力 = 英語の運用力 + 専
門の知識
 一般的な専門用語や表現(単位・数式の読み
方等を含む)は学部で、専攻分野に特化した
用語や表現は研究室で学びます。しかし、こ
れらは特別な努力をしなくても覚えられる筈
です。

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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
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確実で広範な宣言的知識
(chunksを含む)
例えば1万語の語彙(典型
的京大生は4000語以下)
03/13/2009
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自動性:やめられない、と
まらない。並列処理。走り
ながら考える。
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英語で完結
= 脳内も英
語:英語で考える。Input処
理も英語。
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Inputの内容・要点が頭に
残る。(話が分る)
–Input → Idea/Summary/Main
Points (I to I: eye to eye)
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TOEFL iBT -Speaking-
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内容・要点からOutputを構
築する。(話が出来る)
–Idea/Summary/Main Points
→ Output/Full Story (I O U:
I owe you.)
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造表現力:見た事も使った
事も無い表現を作る。
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TOEFL iBT -Speaking-
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造表現力
さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く
澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締
めつけるから、(綿矢りさ 『蹴りたい背中』)
井戸のつるべじゃあるめえし、あげた
りさげたりしてもらうめえぜえ(式亭三馬)
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TOEFL iBT -Speaking-
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おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking
概念・考えの構築
語彙・表現の検索・取り出し
文法に適った構文
音の検索・取り出し
発話
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking
概念
単語
構文
発音
発話
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
80
Speaking
概念 → 単語 → 構文 → 発音 → 発話
ほぼすべての矢印(→)で躓(つまず)く
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
82
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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「英語で考える」への第一歩
英語を喋れるから英語で考えられる
 英語で考えられるから英語が喋れるのでは
ない
 最初は「脳内の日本語」の内容を英語で言う

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking

その言語を真に自分の物にする事
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking
言語の進化は「話す・聞く」活動から始まった
 世界には文字の無い言語の方が多い
 聞けて喋れる人が読み書きを習うのがネイ
ティブの言語能力(国語力)養成・完成

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking
明らかに「書く」力を下支え
 「読む・聞く」力の横支え
 「書く・聞く・読む・考える」力を支える
 Listeningは言語習得のインフラだが、
 Speakingは習熟する為のインフラ

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speakingと「書く」力
テキストを見ずに脳内作文
 立ち止まれない
 行ったり来たり
 受験型の構文解析・文の構築が困難
 どんどん書く力=流暢さ=習熟

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speakingと「読む・聞く」力
自らが意味のアウトプットに使う言語なので、
インプット(=他人のアウトプット)も良く理解
出来る
 例えば聞くとは、予測・聴取・理解(expecting,
listening, digesting)を含む活動であるが
 予測・理解にはSpeaking力が不可欠
 因みに、母語でも「理解」は単語的・意味的な
穴埋め活動であり、Speaking力が必要

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
89
Speakingと「考える」力
本来は言語を介さない思考が可能だと言わ
れる
 実際には、反芻・検討・校正過程等では言語
が介在する
 このレベルの思考は自分との会話・対話=
Speaking力

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
90
二つの問題
Speaking力が無いと、100%日本語で考えてし
まう:源流の場所が違う
 つまり、ステップゼロ=思考構築で

– 翻訳・変換に労力
– 正確さの消失
プロセス全体がスムーズではない
 つまり、下流でも労力要求
 思考に割ける脳資源の制約+正確さの欠如

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
91
Speakingを並行させれば

英語学習も捗(はかど)る
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
92
Speakingと英語運用力養成
間違いや問題点の前景化
 実験室としてのSpeaking:正か誤か?
 アウトプットの量を稼ぐ

– ツール無しで出来る
– 単位時間辺りのアウトプットが多い
– 実は体力の消耗も少ない

Creative Use of English(CUE=合図、ヒント:
創造的言語使用)
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
93
Creative Language Use in English
CLUE=手がかり、ヒント、糸口
 人生で初めて使う言語表現
 日本語の例(造表現力)
 さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ
鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、

(綿矢りさ 『蹴りたい背中』)

Speakingは普通interactiveで、即時フィード
バックが有る
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
94
Listening:習得のインフラ
例えば、ネイティブの英語から新しい単語・表
現を学ぶ
 勿論Readingも

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
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Speaking:習熟のインフラ
習熟=自動性の獲得
 自動性とは?

–
–
–
–
意識的努力無し
止められない
負荷が無い
並列処理が可能
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
96
Speaking:習熟のインフラ
リアルタイム:Real-time/On-line Processing
 流暢さ・自動性を窮極的に要求する
 「英語で考える」への近道

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
97
手軽な多量練習の好例
TOEFL-タイプの多量練習
 課題を見て15秒考え、45秒喋る

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
98
課題の例 (1)

Choose a teacher you admire and explain why
you admire him or her. Please include specific
examples and details in your explanation.

敬服する先生に付き、その理由を具体例を含
め詳細にわたって説明せよ。
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
99
課題の例 (2)

Some students study for classes individually.
Others study in groups. Which method of
studying do you think is better for students and
why?

一人で勉強する人も、グループで勉強する人
も居る。どちらが学生にとってより良いと思う
か。根拠は何か。
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
100
多様なアプローチ
いきなり15秒/45秒は先ず出来ない
 足場を作って登って行く(Scaffolding)
 A. 15:45 B. 30J:15:45 C. 30N:30J:15:45 D.
30/60N:15:45 E. 90/120
 その他、各自で工夫

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
101
足場の内容


A. 15:45
B. 30J:15:45
– 30秒日本語でしゃべり、その後15/45

C. 30N:30J:15:45
– 30秒でノート作りをし、30秒日本語でしゃべり、その後
15/45

D. 30/60N:15:45
– 30から60秒でノートを作り、その後15/45

E. 90/120:15:45
– 90秒から120秒英語でしゃべり、その後15/45
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
102
Topics
【TOEFL Speaking Task 1, Task 2 練習用ファイル】
http://aoitani.net/TOEFL_Speech/TOEFL_Speaking.doc
(1200くらいトピックが有ります。恒常的・向上的にupdate中。)
【TOEFL Writing Topics:エッセイ用トピック群】
http://aoitani.net/TOEFL_Speech/TOEFL_Writing_Topics.doc
(TOEFLのWriting SectionのIndependent Taskの練習用トピック。)
【青谷のSpeakingサンプル群】:この説明ページにtranscriptsや音源へのアクセス法有り。
http://aoitani.net/TOEFL_Speech/README.doc
(間違いだらけですが、こう言うレベルでSpeakingは満点(近傍)。御参考までに。)
【Free Conversationのトピック群】
http://aoitani.net/TOEFL_Speech/Conversation_Questions.doc
(授業で使って居るペアでの練習用トピック。)
【作文の間違いから学ぶ】:青谷正妥(あおたにまさやす)の作文をネイティブスピーカーが添削
した物も有り。
http://aoitani.net/Essay_Corrections.html
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
103
日本人の弱点
圧倒的に『英訳』のプロセス
 発話その物:TOEFLのSpeakingのみに関して
言えば、発音ではない
 スピードの欠如
 並列処理の欠如
 手続き的知識・自動性の圧倒的欠如
 基本的な宣言的知識の欠如
 高度な宣言的知識の欠如

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
104
スピーキングを困難にする物
宣言的知識の不足
 宣言的知識の不足を補う力の不足
 特に
 『英訳』のプロセス:英作文に非ず
 スピード
 並列処理

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
105
語彙
7,000から10,000語
 丸覚えが必要不可欠
 「JACET8000英単語」:大学英語教育学会
 TOEFL用の単語
 英和タイプの辞書・書物で覚える
 実際の生息環境を多読・多聴等で学ぶ

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
106
この図式で十分
日本語で表されたアイデア
英語で表されたアイデア
スピーチ
ほとんどの日本人学習者
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
107
「最初から英語で考える」
 のではなく、
 「脳内の日本語を和文英訳する」
 のでもなく、
 「脳内の日本語の内容を英語で表す」
 意訳・略訳・概訳・ズレ訳
 逐語訳ではない

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
108
決定を保留した。
 We did not make a decision right away.
 山のように問題が有った。
 There were many problems.
 英語の“It all came down to this.”を「それが全
部ここに降りて来た」と言う日本語にしないの
と同様、
 「つまるところ」を“where it gets stuck”と言わ
ないのと同様

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
109
おしながき
0. できない英語
1. 青谷正妥(まさやす)について
2. 英語は何故大切か
3. 日本人・京大生の英語:日本劣等
4. 英語学習事情と学習の心構え
5. 英語が本当に出来るとは
6. 授業内容: Speakingの役割
7. 更に一言
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
110
大人の英語学習の最大の特徴
ほぼ全員が失敗する。
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
111
大人の英語習得は勉強である

計画的・多角的・本格的・意識的・形式的・組
織的学習が肝要(カクシキを重んじる)
– 形式的=形式に関する様(広辞苑)
漫然と学んでも駄目!
 納得尽くで学ぶ

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
112
流暢さ養成の四要素
確実で広範な宣言的知識(chunksも学ぶ)
 量をこなす(Time-on-Task)
 反復(Repetition)
 時間制限(Time Pressure)
 多く・何度も・速く

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
113
『カク』・『シキ』を重んじる

計画的・多角的・本格的・意識的・形式的・組
織的学習が肝要
– 形式的=形式に関する様(広辞苑)
漫然と学んでも駄目!
 納得尽くで学ぶ

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
114
大人の英語習得は勉強である
京大生は、一般人より得意な筈。
 やって下さい。
 そして、
 出来て下さい。
 なぜなら、
 『京大生が出来なかったら誰も出来ない』
 と言わざるを得ないからです。

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
115
青谷の経験
TOEFL PBT 620点, 英語検定1級でアメリカ
へ
 最初の3年間全く進歩無し:苦しいだけ、下手
なまま
 3年半くらいで開眼:勿論ネイティブには程遠
い。Quantum Leapが有っただけ。

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
116
交換留学帰国者の相談
「英語力が伸びなかった」がダントツで1位
 TOEFLのスコアが出発前より下がる人まで居
る
 計画的・意識的・本格的・組織的・多角的・形
式的学習が無ければ大人は英語力が付かな
い

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
117
母語話者と日本人
母語話者:小学校入学までに17,000時間以
上の英語に触れる
 日本人:中高で3,000時間の英語に触れる

『中・高6年間もやったのに英語が出来ない』
のではなく、『6年間しかやらなかったから英
語が出来ない』
 因みに数学等も同じ。

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
118
更に一言
自転車に乗る練習:ある日急に乗れるし、一
旦乗れたら【イッパイ】乗れる。
 英語等の技能系は大体こんな形:step
functionの様に進歩する。
 決してlinearではない。
 熟成=練習をしていない時にも上達が続く事
がある。又、時間を掛けないと出来ない。
 何れにせよ、時間が掛かる。

03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
119
英語習得の難しさ

源流の違う川をもう一本手掘りで“作る”感じ
– そもそも源流をどうする?

鰓呼吸から肺呼吸に変わる感じ(4000万年)
– 4億年前、人類に連なる祖先の魚類(ユーステノプテロン)
は、肺を進化させ始めた。
– 3億6000万年前、肺を進化させた最初の両生類(ペデル
ペス)が出現、水辺で陸上生活を始めた。
– http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=126715
– http://www.ne.jp/asahi/tk/7777/creatures/evolution.htm#③
海や大気の維持

『英語で考える』とはこんな感じです。
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
120
日本の大学教育
先進47経済圏で最
下位の47位
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
121
京大生・日本人の英語スピーキング
単独世界最下位
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
122
国民の血税
京大生一人あたり
年間
03/13/2009
133万円
TOEFL iBT -Speaking-
123
渾身の努力が実を結ばない時
人はどうするか
 人は
 努力を続けます

 努力を続けて下さい
努力を続け続けて下さい
03/13/2009
TOEFL iBT -Speaking-
124