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TX沿線開発におけるみどりに
よる魅力づくり
緑地環境班
飯窪圭司 畠野真一 小谷安矢 福士 愛
鈴木陽祐 小林史嗣 矢内 諒 宗像和史
担当教員 横張 真
TA
寺田 徹
背景
つくばエクスプレス開通
平成17年8月24日 開業
背景
問題
目的
方法
結果
提案
「大都市地域における宅地開発及
び鉄道整備の一体的推進に関す
る特別措置法
(宅鉄法)」
つくばエクスプレス建設と
一体的に沿線開発地区
の区画整理事業
今後、大量の宅地供給
市は10万人の定着人口を計画
背景
問題
目的
方法
結果
提案
茨城新聞より
(2005年5月26日第一面)つくば
守谷
「TX沿線開発地区ごとに異なるテーマを
もち、付加価値を生み出さないと、 買う
側にとっては単に『距離』と『価格』の比
較だけになってしまう。」
東京
背景
問題
目的
方法
結果
提案
人口を定着させるに
は他の地域にはない
緑を取り込む計画
+αの魅力づくり
が必要
つくば市
背景
問題
目的
方法
結果
提案
緑の回廊構想
平成6年
緑の保全
緑の創出
民有緑地
緑道(ペデストリアン)
農地
屋敷林
一体的に進めていく
公園
住宅地における緑
街路樹
開発地区内で、概ね40%の緑被率を確保
背景
問題
目的
方法
結果
提案
『緑の回廊構想』で謳われている緑被率40%の具体的内容
• 公園
• 街路樹 つくば市の面積の
約10%を占める。
• 緑道 など
流山や守谷など、他の沿線開発地域
にも実現されると考えられ、これらで
差異化を図ることは難しい
→ “一般的なみどり”
つくばの大きな魅力として位置付けられている!
市新線推進室 田中千秋室長
• 里山
• 屋敷林
「つくば市内の沿線開発地域には
他地域にない圧倒的なボリュームの
緑がある。これらはつくばの貴重な
財産である。」
など
→ “つくば特有のみどり”
つくばの優位性
背景
問題
目的
方法
結果
提案
里山を住宅に取り込んだ具体的な構想
保全緑地をもつ宅地一体型民有緑地
既存樹を主体に保全する
既存樹林を残す
宅地の50%以上の緑地を確保
接道部に十分な緑化空間を確保し豊かな緑を持つ前庭を創出
背景
問題
目的
方法
結果
提案
問題
背景で挙げたような構想は本当
に実現できるのか?
また、里山は本当に魅力になり
うるのか?
背景
問題
目的
方法
結果
提案
「実現可能性」「魅力創出」の観点から3つの疑問が考えられた
1. 里山の魅力を活かした「緑の回廊構想」や「宅地
一体型民有緑地」は本当に実現可能なのか?
2. 沿線開発地区に移り住む可能性のある人の視点
から見て、里山は本当に魅力となりうるのか?
3. 里山の魅力を損なわないようにするためには管理
が必要であるが、誰が管理するのか?
背景
問題
目的
方法
結果
提案
目的
里山がTX沿線開発地区内において
他地域との差別化が図れる付加価
値として実現できる可能性を探る。
背景
問題
目的
方法
結果
提案
方法
背景
問題
目的
方法
結果
提案
1. 里山の魅力を活かした「緑の回廊構想」や「宅地一体型民有緑地」は
本当に実現可能なのか?
→方法1 開発主体へのヒアリング調査
→具体的な計画の実現可能性を問う
2. 沿線開発地区に移り住む可能性のある人の視点から見て、
里山は本当に魅力となりうるのか?
→方法2 公務員宿舎居住者へのアンケート調査
→緑の写真を見せ、その印象と接する場合のふさわしさを問う
3. 里山の魅力を損なわないようにするためには管理が必要であるが、
誰が管理するのか?
→方法3 住宅展示場来訪者へのインタビュー調査
→里山管理に市民がどれだけ関わることができるのか問う
背景
問題
目的
方法
結果
提案
方法1 開発主体へのヒアリング調査
1.茨城県つくばまちづくりセンター( 5月26日(金)、6月2日(金) )
目的:どのようにして緑被率40%を確保するのか?
2.積水ハウス( 6月3日(土) )
目的:宅地一体型緑地の実現可能性について探る。
背景
問題
目的
方法
結果
提案
方法2 公務員宿舎居住者へのアンケート調査
調査対象
つくば市の公務員宿舎の300世帯
(今後現在の住まいから移住する可能性のある人々を想定)
吾妻1丁目、2丁目、4丁目、竹園3丁目の公務員宿舎に
住む1300世帯から300世帯をランダムに抽出
調査方法
留め置きアンケート:訪問しアンケートをお願いした後、
用紙を置いていき、後日回収 (不在時にはポストに投函)
日 時
背景
問題
配布:6月4、5、6日 16:00~19:00
回収:6月6、7、8日 夕方
目的
方法
結果
提案
問は大きく2問
つくば市にある緑地環境の写真8枚を見せる
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
背景
問題
目的
方法
結果
提案
(1)それぞれの写真に対しての印象を形容詞対(6種類)で五段階に分けて聞く。
背景
問題
目的
方法
結果
提案
(2)それぞれの写真に対して「毎日目にする緑・週末や休日に訪れる緑」のどちらに
ふさわしいかを三段階(ふさわしい・ふさわしくない・どちらでもない)で調査を行い、
定量的に評価してもらった。
背景
問題
目的
方法
結果
提案
方法3 住宅展示場来訪者へのインタビュー調査
調査対象
調査方法
日 時
背景
ハウジングギャラリーの来場者で世帯主、もしくはそれに準ずる人
(移り住む可能性というのを正確に図ることはできないので
TX沿線開発地区に移り住む可能性の高い人々を住宅購入の
意識が高い人、ということで位置付けた)
ハウジングギャラリーの来場者に対して聞き取り形式で
アンケートを実施した。来場者にパネルを用いて写真や
図を提示しながら質問をし、調査員が自ら回答を記入した。
6月10日(土曜日)及び11日(日曜日)
12時~16時
問題
目的
方法
結果
提案
はじめに以下の三つの情報を回答者に与える。
①新しく移り住む先から徒歩20分の距離のところに里山がある。
②この里山は現在人の手が入らず荒れている。
ゴミの不法投棄も見受けられる。
③しかし、人の手が入ればレクリエーションの場や教育の場、
また、生態系維持においても重要な場となる。
これを共通の情報として与えた後、以下の質問を行った。
1.里山保全の意志があるか
2.金銭援助に関する質問
3.活動援助に関する質問
4.里山をどのように利用したいか
背景
問題
目的
方法
結果
提案
金銭援助に関する質問
里山保全にかかる維持費用の支払い意思額を簡易的に求めた。
1.
0円
2.
500円
3. 1,000円
4. 2,500円
5. 5,000円
6.10,000円
活動頻度に関する質問
里山保全に対し草刈りや間引きといったことが必要である。
このような活動についてどのくらいの頻度で参加できるか尋ねた。
1.なし
2.週1回
3.月1回
4.年2,3回
背景
問題
目的
方法
結果
提案
結果
結果1 里山の魅力を付加した「緑の回廊構想」や「宅地一体型民有緑地」は
本当に実現可能なのか?
事業主体である県(つくばまちづくりセンター)にヒアリン
グ
→ 「公共部分における公園・緑道・街路樹などの緑は実現される」
→ 「住宅地にどのような緑が実現
されていくかというところは、
「開発地区内で緑被率40%という緑の量は達成させる
ディベロッパーが施行主体で 」
あるためディベロッパー次第
である。」
背景
問題
目的
方法
結果
提案
施行主体であるディベロッパーにヒアリング
積水ハウスつくば支店 須藤支店長
宅地一体型民有緑地について
既存樹林を残す
宅地の50%以上の緑地を確保する
「市の考える宅地一体型民有緑地を実現しようとすると、余裕の
ある宅地を確保するならば結果的に広い面積の土地の購入
が必要。土地、住宅を合わせた価格に見合う年収を考えるとま
だつくばでは需要を見出すことは難しい。 」
人々のニーズ・コストの面から実現は難しい
背景
問題
目的
方法
結果
提案
Q.では、実際に住宅地区内にどのような緑が実現されるのか?
新たに植えることを計画しています。
A.住宅と調和した緑を
写真のようなみどりは実現する
背景
問題
目的
方法
結果
提案
量的に緑被率40%は実現される
同じ40%でもつくば特有のみ
どりの規模縮小?
公共空間のみどり
つくば特有のみどり
住宅地区内のみど
り
実現困難
背景
問題
目的
方法
結果
提案
結果2
沿線開発地区に移り住む可能性のある人の視点から見て、
里山は本当に魅力となりうるのか?
公務員宿舎居住者へのアンケート調査
<サンプル数>
300世帯に配布し、そのうち182の有効回答を得た。
現在、住宅購入の意思がある人
将来、住宅購入の意思がある人
住宅購入の意思がない
22
116
44
住宅購入意思がある(現在・将来)と
答えた138を対象
身近の緑・周辺の緑としてそれぞれの写真の緑がふさわしいか
どうかをまとめると次のグラフのようになる
背景
問題
目的
方法
結果
提案
身近の緑としてふさわしい (住宅購入意思がある人)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
背景
問題
道
緑
路
樹
園
街
公
垣
生
山
里
屋
敷
林
木
古
農
地
どちらともいえない
ふさわしくない
ふさわしい
目的
方法
結果
提案
周辺の緑としてふさわしい (住宅購入意思がある人)
背景
問題
目的
緑
道
樹
街
路
公
園
生
垣
里
山
屋
敷
林
どちらともいえない
ふさわしくない
ふさわしい
古
木
農
地
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
方法
結果
提案
写真の印象
250
200
150
自然な
一様な
伝統的な
整然とした
変化のある
重厚な
100
50
0
-50
-100
-150
-200
3古木
5公園
6街路樹
緑道・公園・街路樹
里山・古木
背景
問題
目的
7緑道
8里山
整然とした・人工的な
自然な・伝統的な
方法
結果
提案
アンケートの結果から
人々は
開発で整備され
るであろう緑
毎日目にする緑として
公園・街路樹・緑道
週末・休日目にする緑として
つくば特有の緑
古木・里山
背景
問題
目的
方法
結果
提案
結果3
里山の魅力を損なわないようにするためには管理が必要であるが、
誰が管理するのか?
金銭面の援助
有効回答数70から
平均支払い意思額を算出
支払意思額
25
22
20
人数
16
里山保全のために一世帯あたり
15
13
10
10
年間1550円負担してもよい
7
5
2
0
0円
500円
1,000円
2,500円
5,000円
10,000円
島名・福田坪地区では、4,900世帯を計画している
地区全体での里山保全予算=平均負担金額×世帯数
=1550×4900
=7595000
年間約760万円の予算が期待できる
背景
問題
目的
方法
結果
提案
金銭面の援助
一般的な里山の年間維持管理費用(コナラ林の場合)
年平均維持管理費用(円/ha)が約32万円
(国土技術総合研 緑化生態研 藤原 2005)
島名・福田坪地区の里山の総面積が14ha
年間維持管理費用=32×14=約448万円
よって、年間維持管理費用÷支払意志額=448 ÷760≒0.589
⇒1,500円の保全管理費を少なくとも約60%の世帯
から得ることが必要
背景
問題
目的
方法
結果
提案
労働力の提供
『一年間里山を保全するのに必要な人員は
10人/ha(各々月1回程度活動)である。』
(中川重年 2004)
島名・福田坪地区の
里山の面積
年最低限必要人数=10×14 ×12=1680人
⇒1年間で少なくとも1680人が保全活動することが必要
背景
問題
目的
方法
結果
提案
労働力の提供
保全活動にどのくらいの頻度で関わるか?
アンケートより
年平均活動可能回数≒5.49(回)
年2,3回
41%
(29人)
1年間活動を行う延べ人数
=世帯数×年平均活動可能回数
=26901(人・回)
0回
0回 30%
(21人)
週1回
3%(2人)
月1回 26%
(18人)
週1回 月1回 年2,3回
最低限必要な活動人数の割合
=(1年間で最低限必要活動人数÷ 1年間活動を行う延べ人数)×100
=(1680÷24598)×100
≒7.0
⇒4900世帯のうち少なくとも約7%の協力が必要!!
背景
問題
目的
方法
結果
提案
以上のことから
里山保全への住民参加の意向
OK
金銭面の援助
OK
労働力の提供
どちらの側面からみても十分里山保全が可能
背景
問題
目的
方法
結果
提案
以上の結果より
結果1
宅地一体型民有緑地は、コストの面からみて需要が望めず、
開発者としては実現困難
結果2
より積極的な魅力づくりに向けては、里山の持つ非日常性や
自然性を考慮した整備が必要
結果3
市民による里山管理は、金銭的な支援、労働力の提供の
どちらから見ても実現可能
つまり
里山の魅力を高めるためには、
①里山の持つ非日常性や自然性を考慮した整備
②市民参加の里山の管理
の2点が、可能性を持つと言えた。
背景
問題
目的
方法
結果
提案
提案
以上の結果を踏まえ
自然性があり・非日常性が求められる里山を、市民参
加という形で管理しながら、週末にレクリエーション活
動の場を提供出来るような里山の活用を提案する!
背景
問題
目的
方法
結果
提案
(STEP1)どのような空間をつくるのか
家を作る際、材料は行政に
負担してもらい、市民の手で
作り上げる
土地・家を
行政が買収する
なぜなら
行政は里山をつくば固有の緑で
あり沿線開発における+αの魅
力と考えているから
背景
問題
目的
方法
結果
提案
(STEP2)資金調達・資金運用
・資金をどう集めるか
レクリエーションの費用(自治会費)として徴収
レクリエーションする=保全になる
・資金をどう使用するか
レクリエーション活動
広報活動
専門家への協力の依頼
背景
問題
目的
方法
など
結果
提案
(STEP3)里山の活用方法
週末
として利用
活動する
料理提供
エネルギー=木を利用する
食材=里山で取れる山菜etc…
自治会の集会所として利用。同時に
この場で里山の保全活動について学ぶ。
また、他の地区の自治体とのネットワーク
によって住民相互の意見を交換し交流を
図る。
日常的
背景
問題
目的
方法
結果
提案
この構想のイメージ
参考文献
中川重年(2000)『里山の手入れ図鑑』信山社出版株式会社
重松敏則(1991)『市民による里山の保全・管理』社団法人 全国林業改良普及協会
環境研究部 緑化生態研究室『生物生息環境保全のための里山保全制度に関する研究』
中川重年(2004)『森づくりテキストブック』株式会社 山と溪谷社
志賀和人(2001)『21世紀の地域森林管理』社団法人 全国林業改良普及協会
亀山章(1996)『雑木林の植生管理~その生態と共生の技術~』
株式会社ソフトサイエンス社
参考資料
・つくば市(H17.3)『つくば市緑の基本計画』
・茨城県つくば市(H13.3)
『つくばエクスプレス沿線開発地域土地活用等具現化方策検討調査 報告書』
・つくば市新線推進室、茨城県企画部つくば・ひたちなか整備局 新線沿線整備課、
茨城県県南都市建設事務所、独立行政法人都市再生機構茨城地域支社ニュータウン業
務部(2004)
『つくばの新しいまちづくりNewConseptCityTSUKUBA』
・つくば市都市建設部都市整備課
『つくばエクスプレス沿線開発地域のまちづくりに向けて
島名・福田坪地区地区計画によるまちづくりガイド』
・つくば市(H17.11)
『島名・福田坪地区における用途地域および地区計画の変更に伴う都市計画案』