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2004年5月31日(月)
情報コミュニケーションIII A
第6回
IPネットワーク(パケット交換、経路制御)
今日の講義内容
インターネットにおける通信のしくみ
パケット交換
IP(Internet Protocol)
経路制御(ルーティング)
PCを使った演習
ipconfig (前回の復習)
ping
netstat
traceroute (tracert)
前回の復習
IPアドレスとは
インターネットに接続されている機器の識別番号
(これがないとインターネットに接続できない)
2進数32ビットで表現(IPv4)
8ビットずつ分けて4つの10進数(0~255)で表す
(例) 202.255.229.102
「ネットワーク部」(そのネットワークの識別)
「ホスト部」
(そのネットワークに接続される機器の識別)
に分かれる
前回の復習(2)
IPアドレスのクラス
「ネットワーク部」と「ホスト部」の長さでクラス分け
ネットマスク
IPアドレスのネットワーク部の長さを表すもの
ネットワーク部のビットを全て1にしたもの
クラスA 11111111 00000000 00000000 00000000
クラスB 11111111 11111111 00000000 00000000
クラスC 11111111 11111111 11111111 00000000
前回の復習(3)
クラスA 、クラスB をそのまま利用する
→ 一つのネットワークに 1000万、6万台の機器を接続
→ 通常はありえない(アドレスの無駄が多い)
サブネットマスク
ネットワーク部を拡張して利用
(例)10000010 10000000 00000000 00000000 (132.128.0.0)
11111111 11111111 00000000 00000000 (クラスB の ネットマスク)
11111111 11111111 11111111 00000000 (サブネットマスク)
10000010 10000000 00000000 00000000 (132.128.0.0)
10000010 10000000 00000001 00000000 (132.128.1.0)
:
:
10000010 10000000 11111111 00000000 (132.128.255.0)
ネットワークの数を増やすことができる
前回の復習(4)
ホスト名
人間にとって覚えやすい接続機器の名称
階層構造 www.kyoto-wu.ac.jp
(ホスト名) (ドメイン名)
IPアドレスと 1対1 で対応
202.255.229.102 ⇔ www.cs.kyoto-wu.ac.jp
DNS(Domain Name Service)
「IPアドレス」と「ホスト名」の対応付けを管理
各階層のドメインごとに管理
リゾルバ
ネームサーバ(DNSサーバ)に問い合わせを行う
電話とインターネットの違い
電話では通信中に回線を占有
回線交換方式
話していない時間は回線の無駄に使用することに
たとえ数秒でも積み重なれば大きい
通信できない
.....
インターネットにおける通信
パケット交換
回線を占有しない
データを細切れのパケット(packet)に分割
他の通信のパケットも混ぜて流す
分割
再構成
再構成
分割
同じ回線上を流れる
パケット交換
データを小さな単位パケットに分割
それぞれのパケットに宛先が書かれている
配送は他の通信と混ぜ合わせて行われる
回線を占有しない
届いた先でパケットをデータに再構成
IP(Internet Protocol)
インターネットは,IP(Internet Protocol)に
従って通信している(パケット交換)
IP(Internet Protocol)とは?
インターネット上のデータ送受信のための規則
IPアドレス
パケットの宛先
通信経路の決定
パケットをどのように中継するか
IPパケット
パケットの長さなどのフォーマットの定義
IP パケットの特徴/問題点
IP パケットには以下のような特徴がある
構造が簡単なため,実現しやすい
一般的に使われているパケットの大きさは
1500 byte(バイト)
配送途中で紛失する可能性がある
再送して解決
送信順と受信順が異なる場合がある
元通りに並べる
⇒TCP(Transmission Control Protocol)で解決

再送を行ったり,順序の並び替えをする
ゲートウェイ
インターネットは,ネットワークの集まり
ネットワークの接続点:ゲートウェイ
インターネットは,ゲートウェイによって相互接続され
た,大きなネットワーク
ゲートウェイは,ルータと呼ばれるハードウェア
京都大学
奈良先端大
gateway
gateway
gateway
大阪大学
gateway
京都女子大
gateway
東京大学
経路制御(ルーティング)
インターネットの通信はバケツリレー
次にどこに送ったらいいかのみがわかればよい
⇒ まずは最寄のゲートウェイに送り、
次のゲートウェイに送ってくれる
次に送るべき通信先の対応表(テーブル)をもつ
経路制御(ルーティング)テーブル
効率のよい行き先を選ぶ
行き先(ネットワーク,ホスト)とゲートウェイの対応表
経路制御(つづき)
GW : ゲートウェイ
ここや
こっちやな
GW
GW
GW
こっちでええのかな
こっちか
GW
ここやね
GW
ゲートウェイが,パケットに書かれた
宛先を見て転送先を決定
経路制御テーブル を管理
経路制御の例 終点ホスト:192.168.16.10
192.168.12.10 → 192.168.16.10
ゲートウェイ2
始点ホスト
終点
gateway
終点
gateway
192.168.16/24
192.168.12.2
192.168.16/24
192.168.16.1
192.168.12/24
192.168.12.10
192.168.12/24
192.168.12.2
default
192.168.12.1
default
192.168.12.1
192.168.12.10
192.168.12.2
192.168.12.1
ゲートウェイ1
192.168.12.0
192.168.16.1
192.168.16.0
経路制御の例(つづき)
ゲートウェイ2
終点ホスト
終点
gateway
192.168.16/24
192.168.16.1
192.168.12/24
192.168.12.2
default
192.168.12.1
192.168.12.2
192.168.12.0
終点
192.168.16.1
192.168.16.0
gateway
192.168.16/24 192.168.16.10
default
192.168.16.1
192.168.16.10
経路制御テーブルの確認
netstat –rn
UNIXのコマンド
ネットワークに関する経路情報を表示可能
Windows NT, 2000, XP でも使用できる
% netstat -rn
Routing tables
Destination
default
127.0.0.1
163.221.164/24
163.221.4/24
163.221.8/24
Gateway
163.221.164.1
127.0.0.1
163.221.164.21
163.221.164.1
163.221.164.1
Flags
UG
UH
U
UG
UG
Refs
Use Interface
2
15293 tu0
14 9906286 lo0
3 584268 tu0
0
74 tu0
0
0 tu0
経路制御テーブルの見方
% netstat -rn
Routing tables
Destination
default
127.0.0.1
163.221.164/24
163.221.4/24
163.221.8/24
宛先
Gateway
163.221.164.1
127.0.0.1
163.221.164.21
163.221.164.1
163.221.164.1
Flags
UG
UH
U
UG
UG
ゲートウェイのアドレス
Refs
Use
2
15293
14 9906286
3
584268
0
74
0
0
Interface
tu0
lo0
tu0
tu0
tu0
送り出すインターフェイス
163.221.4/24へ送るときは163.221.164.1がゲートウェイで,
送り出すインターフェイスはtu0
ループバック用アドレス(自分自身に送る)127.0.0.1は常に自分自身
テーブルに見つからない宛先に送る場合
経路制御プロトコル
経路制御を自動的に行うためのもの
内部経路制御
組織内(AS:Autonomous System)の経路制御
RIP(Routing Information Protocol)
OSPF(Open Shortest Path First)
外部経路制御
組織間の経路制御
BGP(Border Gateway Protocol)
EGP(Exterior Gateway Protocol)
演習
自分のIPアドレスは何か?(前回の復習)
経路制御テーブルはどうなっているか?
終点ホストまでパケットは届くか?
終点ホストまでの経路はどうなっているか?
自分のIPアドレスは何か?
ipconfig
Windows環境でのネットワーク設定コマンド
コマンドプロンプトから
N:\>ipconfig
Windows NT IP Configuration
Ethernet adapter E100B1:
IP Address. . . . . . . . . : 192.168.157.3
Subnet Mask . . . . . . . . : 255.255.255.0
Default Gateway . . . . . . : 192.168.157.254
default経路のゲートウェイのアドレス情報も表示されている
経路制御テーブルを調べる
netstat
ネットワークに関するさまざまな情報を得るコマンド
「netstat –rn」で経路制御テーブルが確認できる
N:\> netstat -rn
===========================================================================
Interface List
0x1 ........................... MS TCP Loopback interface
0x2 ...00 aa 00 a8 d0 66 ...... Intel EtherExpress 16 Miniport
===========================================================================
===========================================================================
Active Routes:
Network Destination
Netmask
Gateway
Interface Metric
0.0.0.0
0.0.0.0
163.221.164.1 163.221.164.58
1
127.0.0.0
255.0.0.0
127.0.0.1
127.0.0.1
1
163.221.160.0
255.255.225.0 163.221.164.58 163.221.164.58
1
163.221.164.58 255.255.255.255
127.0.0.1
127.0.0.1
1
163.221.255.255 255.255.255.255 163.221.164.58 163.221.164.58
1
224.0.0.0
224.0.0.0 163.221.164.58 163.221.164.58
1
255.255.255.255 255.255.255.255 163.221.164.58 163.221.164.58
1
===========================================================================
終点ホストへの到達性を調べる
ping
到達性を調べたいコンピュータへパケットを送る
ICMPパケット
受け取ったコンピュータはその返事を返す
返事が返ってきた場合

パケットを送ってから返ってくるまでの時間が表示される
一定時間経っても返事が返って来ない場合


Request timed out. という表示が
ネットワークの経路の途中で障害がある可能性
pingコマンドの実行例(1)
db.kyoto-wu.ac.jp から
% ping www.cs.kyoto-wu.ac.jp
Pinging ponto.cs.kyoto-wu.ac.jp [202.255.229.102] with 32 bytes of data:
Reply
Reply
Reply
Reply
from
from
from
from
202.255.229.102:
202.255.229.102:
202.255.229.102:
202.255.229.102:
bytes=32
bytes=32
bytes=32
bytes=32
time=60ms
time=50ms
time=50ms
time=40ms
TTL=242
TTL=242
TTL=242
TTL=242
反応した時間がわかる
いろいろなホストへの到達性を調べてみよう
www.aist-nara.ac.jp, www.yahoo.co.jp
pingコマンドの実行例(2)
反応がない場合の例
% ping www.excite.co.jp
Pinging www.excite.co.jp [210.150.160.234] with 32 bytes of data:
Request
Request
Request
Request
timed
timed
timed
timed
out.
out.
out.
out.
終点ホストまでの配送経路を調べる
traceroute
WindowsNT,2000,XPでのコマンド名はtracert
経路(route)を辿る(trace)
始点ー終点間にどこで中継されたかの情報を調べる
どのゲートウェイを通ったか?
それぞれのゲートウェイとの通信に要した時間

ping コマンドと同様の時間計測
tracerouteコマンドの実行例
% traceroute www.aist-nara.ac.jp
traceroute to wakakusa.aist-nara.ac.jp (163.221.80.28), 64 hops max, 52 byte packets
1 s029-sw1 (192.168.151.254) 0.558 ms 0.401 ms 0.388 ms
2 fwi (192.168.110.1) 0.716 ms * 0.671 ms
3 hanase (202.255.229.253) 2.714 ms 2.552 ms 2.614 ms
4 210.224.127.133 (210.224.127.133) 22.797 ms 22.499 ms 22.277 ms
5 210.224.121.169 (210.224.121.169) 22.040 ms 22.264 ms 22.592 ms
6 omp-osk-gw2-GE3-0.omp.ad.jp (210.159.0.241) 22.670 ms 22.225 ms 21.894 ms
7 foundry2.dojima.wide.ad.jp (203.178.138.52) 22.181 ms 23.095 ms 22.039 ms
8 cisco-gsr1.nara.wide.ad.jp (203.178.138.42) 22.043 ms 22.101 ms 21.866 ms
9 juniper1.nara.wide.ad.jp (203.178.140.234) 21.777 ms 22.205 ms 22.580 ms
10 163.221.21.129 (163.221.21.129) 22.856 ms 22.816 ms 23.130 ms
11 juniper-dmz.aist-nara.ac.jp (163.221.24.1) 22.752 ms 22.123 ms 23.487 ms
12 wakakusa.aist-nara.ac.jp (163.221.80.28) 22.882 ms 22.500 ms 22.579 ms
%
課題
(1)~(3)について、メールで送信すること(〆切 6/6)
題名:0531
送信先 : [email protected]
学生番号、氏名は必ず書くこと
(1)自分が使用したWindowsNT端末で以下のコマンドの実行結果
netstat –rn で調べた結果
defaultゲートウェイのIPアドレスは?
(2)UNIX(db.kyoto-wu.ac.jp)で以下のコマンドを実行し、
ping で調べた出力結果
dbが属するネットワークのdefaultゲートウェイへのpingの結果
traceroute で調べた出力結果(2ホスト程度)
長い結果なら1ホストでもよい
(3)今日の講義、演習に関する感想、コメント、質問、苦情等
おまけ
Windows NT のコマンドプロンプトに表示される
文字のコピーのやり方
1. 左上のアイコンをクリックしてメニューを出す
(タイトルバーのところで右クリックでも可)
2. 「編集」→「範囲指定」を選択
3. コピーしたい部分をマウスでドラッグしてから,
あとはコピーする部分にはりつける(ペーストする)