ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴” - 松永研究室

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Transcript ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴” - 松永研究室

ガンマ線バースト観測衛星
東京工業大学
<機械宇宙システム専攻松永研究室>
岡田英人,宮下直己,占部智之,柏宗孝,立川智章,山口伸斉,
尾曲邦之,森田幾太郎
<基礎物理学専攻渡辺河合研究室>
山本佳久
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ガンマ線バーストとは?
ガンマ線バーストとは?
超新星爆発を超える宇宙最大の爆発現象
いまだ正体は謎のままである
ガンマ線バーストの起源を知ることで
フォトン数
宇宙のかなたから数秒から数十秒間に渡って大量の
ガンマ線が降り注ぐ現象.
100秒
宇宙初期の様子が明らかになり,銀河形成に
関する重要な鍵が得られる.
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ガンマ線バースト
• ガンマ線バーストの正体がなぜいまだに解明され
ていないか.(最初の発見は1960年代)
・地球大気での吸収のため地上でのX線,ガンマ線の観
測が難しい.
・いつ,何処で起こるか分からない
・現象継続時間が短い
・宇宙での観測が必須.
・視野の大きい観測機器で常に観測しつづけることが必要.
・高精度でガンマ線発生源の位置を検出することが必要
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
幅広いエネルギー領域での観測
幅広いエネルギー領域での観測の必要性
最近X線領域での放射が卓越している
X線フラッシュが発見された
(GINGA,BeppoSAX,HETE-Ⅱ等の
X線検出器によって観測)
ガンマ線だけでなく
2~10keV
10~15keV
X線の検出器も必要
高精度に位置決定可能な
ガンマ線バースト検出器
X線領域に感度を持つ,広視野
高エネルギー分解能センサ
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ガンマ線バースト観測方法
「ガンマ線」
数秒~数10秒
ガンマ線バースト発生源の位置決定
ガンマ線バースト発生源を衛星
内で計算
ガンマ線バースト発生源位置
情報を世界中に通知
あらゆる波長での観測
「X線残光」 発生後,数時間~十数時間
バースト発生源までの距離および,
発生源の環境が分かる.
「可視光残光」 発生後,数分~数日
15分後に15等くらいで観測可能
ガンマ線バースト発生源までの
距離がわかる.
0.01
Day
1.0
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
バースト観測体制
• バースト観測体制
GRB
HETE-2
X線観測
ガンマ線観測
ガンマ線・X線同時観測
GeV/TeV
発生源位置情報
Site
GS GS
Satellite
GS GS
Titech
GS
GSN
可視光観測Radio Site
GCN
GCN
電波観測
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
小型衛星によるガンマ線バースト観測の意義
大型衛星
メリット
・検出器の有効面積を大きくできる
・電力,スペースなどのリソースが豊富
・広い範囲のサイエンスを行える
デメリット
・開発に時間がかかる
・コスト高
・打ち上げ失敗時のリスク大
小型衛星でも少数のミッションに特
化することで,大型衛星に匹敵する観
測が可能
小型衛星
メリット
開発期間が短期
比較的安価
打ち上げ機会が多い
最新のセンサの搭載が可能
複数の衛星を打ち上げ,運用可能
継続的に宇宙での観測が可能
大型衛星の視野の補完
複数衛星協調による視野の拡大
ガンマ線バースト観測は,小型衛星のメリットがおおきく生きるミッション
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッション機器
小型衛星搭載ガンマ線バースト検出機器制約条件
-小型,軽量であること
-低消費電力であること
-小型衛星であるため,観測機器
の高精度ポインティングは難しい
回転式すだれコリメータ
(HXS)
すだれ
-現象解明には広範囲のエネル
ギー
スペクトルで観測が必要
X線に感度を持つセンサ
(SXS)
SXS(Sensor Part)
HXS
APD
すだれ
NaI+ APD
Electronic
Circuit
ガンマ線バースト発生位置の高精度決定
5~200keV
HXSよりも高いエネルギー分解
能で,X線領域を観測
0.5~15keV
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
アバランシェ・フォトダイオード
• APD
(アバランシェ・フォトダイオード)
APDを使用することの利点
・光電子増倍管の4倍の感度を持つ.
シンチレーションカウンタの読み出しに使用
・単体でX線に感度を持つ
X線検出器として使用.
SXS(Sensor Part)
HXS
APD
すだれ
NaI+ APD
SXS
0.5keV
Electronic
Circuit
HXS
10keV
100keV
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
観測機器配置
観測器
拡大図
全体図
SXS
HXS
衛星のスピン軸から45度傾けて互いに位相角を90度
ずらした4方向に2台ずつ計8台を配置.
-15°
+X
-30°
+15°
-X
+Y
+30°
-Y
4方向のすだれはそれぞれ異なるピッチと回転角を持つ
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
観測機器スペック
• 他のガンマ線バースト観測衛星とのスペック比較
HETE-2
BATSE
本衛星
構成
CCD+PC+NaI
NaI(Tl)
APD+NaI
視野
~1str
0.5~400keV
観測エネルギ範囲
全天
半天
25k~10MeV 0.5~200keV
有効面積(マスク込
み)
18/115/160cm2
2025cm2
96/192cm2
位置決定精度
< 11'
< 1ms
2~5°
64ms
<5'
1ms
時間分解能
全重量
120kg
16000kg
広い視野(サイズ比を考慮)
高い位置決定精度
広いエネルギー領域での観測
50kg
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
バースト警報手段
• ガンマ線バーストの発生情報(バースト警報)の伝達方法
-データ中継衛星の使用
TDRS
商用衛星
複数衛星打ち上げ
通信距離
長距離
短距離
中距離
データレート
高
コスト
高
中
中
通信時間
常時
断続的
断続的
GRB警報ネットワーク
構築済み
なし
なし
低(衛星による) 低(各衛星の負荷大)
コスト高,技術的課題が多い
今回は採用しない.
-多数の地上局の設置
極軌道をとるため,多数の地上
局を設置が必要
ガンマ線バーストの研究を
行っている大学・研究機関
に地上局の設置を依頼.
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
地上局構成
• メイン地上局
地上局名
緯度,経度
東工大
139.7E,35.6N
Cayenne
51.9W,4.9N
Kwajalein
167.7E,8.7N
Singapore
103.8E,1.3N
• Sバンドでの観測データ受信
• UHFによるプログラムアップ
ロード等コマンド操作
• UHFによるHKデータ,ガンマ
線バースト警報受信
通信時間
1300秒/Day
• サブ地上局
• UHFによるHKデータ,ガンマ
線バースト警報受信
(簡易設備で可)
通信途絶時間
一日通信可能時間
平均約9分
平14.1時間
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッション要求
・
観測機器の位置検出制度は5分角
• 高精度姿勢決定
・
太陽は巨大なX線発生源
• 観測機器の反太陽指向制
御
・ 回転すだれコリメータを使用
・
・
• 観測機器の回転
すだれコリメータによる観測
• 姿勢安定
地上での残光観測により位置決定
制度の向上
• 地上への迅速なバースト
発生源情報の通知
・ 観測機器の温度特性
• 観測機器の熱制御
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
打ち上げ手段・時期
H-2Aロケットのピギーバック衛星
主衛星の軌道に大きく左右される.
時期
衛星・ミッション
運用軌道
H14
ADEOS-Ⅱ
太陽同期準回帰軌道
H15
MTSAT-1R
静止軌道
H16
ALOS
太陽同期準回帰軌道
H16
ETS-Ⅶ
静止軌道
H17
HTV
宇宙ステーション軌道
H17
超高速インターネット衛星
静止軌道
太陽同期軌道もしくはGTO軌道の可能性大
GTO軌道・・・バンアレン帯を通過するため,観測に支障が出る.
太陽同期準回帰軌道を選択
ALOSとの相乗りを想定
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッションシーケンス -Phase:A打ち上げ(H-2Aロケット)
ALOS分離
スピンアップ
or
デスピン
ニュー テー ションダンピング
初期姿勢制御,姿勢決定
フェーズ(スピン安定化)
ロケットからの放出直後.
衛星は不規則な運動.
ALOS分離確認
衛星分離
スピン安定
太陽電池パドル未展開.
太陽センサ,太陽電池電圧か
らの太陽位置推定
通信リンク確立
(コマンドアップリンク)
Phase B
使用機器
粗太陽センサ,3軸アナログジャイロ,
3軸磁気センサ(磁気トルカ用),
OBC,テレメトリ送信機,コマンド受
信機
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッションシーケンス -Phase:BPhase A
反太陽方向へスピン軸変更
太陽電池パドル展開
• プリセッションマヌーバ
(反太陽指向)フェーズ
・スピン安定状態
・スピン軸を反太陽方向に向ける
充電モー ド
スピン軸計測
・太陽電池パドルは未展開
消費可能電力小.
・スピン軸変更後,太陽電池パドル展開
スピン軸微調整
使用機器
スピン軸決定
マグネトルカ,磁気センサ, 3軸アナログジャイロ,
OBC,テレメトリ送信機,コマンド受信機,太陽
センサ,GPS受信機,OBC,パドル展開機構
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッションシーケンス -Phase:C日照時
地球からの太陽光反射より,SXS観測
機器観測不能
地球からの太陽光反射より,恒星センサ
動作難
観測一時停止
• 日照フェーズ
・大電力発生可能
・地球からの太陽光反射により,恒星
センサ動作不可
・日陰後,速やかに観測ミッションへ
移行し可能な限り高精度で制御可能
にするため姿勢決定を継続
充電モー ド
GPS,太陽センサ,ジャイロ
を使っての姿勢決定
使用機器
マグネトルカ,磁気センサ,IMU,テレメトリ
送信機,コマンド受信機,太陽センサ,
GPS受信機,OBC,Sバンド送信機
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
ミッションシーケンス -Phase:D日陰時
(アラインメント調整前)
恒星センサ,観測機器とのア
ライメント調整
観測機器キャリブレー ション
アラインメント調整後
観測開始
• 日陰フェーズ
・日照時との電力収支が取れてい
るため,日陰時でも十分な電力
の使用が可能.
・恒星センサを使った高精度姿勢
決定
・ガンマ線バースト観測
使用機器
マグネトルカ,磁気センサ,IMU,テレメトリ
送信機,コマンド受信機,太陽センサ,
GPS受信機,OBC,恒星センサ,Sバンド送信機
HXS,SXS,スタートラッカ
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
衛星サブシステム
• サブシステム構成図
Atittude Determination
and Control
CMD
MAC
MAC
C&DH
C&DH
ADC
Attitude
Angle
Attitude
Angle
GYRO2
CMD
CMD
CMD
TLM
C&DH
Memory
Memory
Memory
Controler
Controler
Controler
Attitude
Angle
CMD
Multiple
IF
unit
SDRAM SDRAM
SDRAM
SDRAM
SDRAM
SDRAM
SDRAM
SDRAM
ECC SDRAM
ECC
ECC
ECC
ECC
C&DH
ASC-CHU
ASC-DPU
FSSA
MPU
MPU
MPU
C&DH
S-NUT
SSW
SXS x4
CMD
TLM
GYRO1
UDIP
C&DH
CMD
TLM
TLM
ASC-DPU
CMD
MAC
CMD
TLM
CMD
TLM
STX
GPS
UTX
URX
MOD_TLM
CMD,DATA
TLM
C&DH
Instrument Subsystem
GRB Data
Shunt
Solar
Array
SN
HXS
HXS
S-NUT
CMD
C&DH
CMD,DATA
STX
C&DH
Structure and Mechanism
C MD
HXS x4
CMD
TLM
Loads
Battery
SSW
ModTLM
Electrical Power Subsystem
Battery
Charger
UHYB
MAM
FSSA
Star Tracker
Sun Data
S-ANT
GYRO2
MUX
Voter
C&DH
GYRO1
U-ANT
TS
Magnetic Field Data
MAM
Communuication Subsystem
Command & Data Handling
HXS
HXS
HXS
HXS
CMD
C&DH
Thermal Control
Structure
C&DH
GRB Data
SXS
HXS
HXS
SXS
C MD
C&DH
Harness
TLM
C&DH
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
姿勢制御方法の選定
太陽同期軌道
観測機器の反太陽指向
スピン安定方式
三軸制御
姿勢制御精度要求 低
姿勢安定性要求 高
姿勢決定精度要求 高
姿勢制御機器の簡略化
スピン安定方式
重力傾斜安定 など
スピン安定方式 (3rpm)
姿勢決定精度,決定周期
:
1分角以下,5Hz
スピン軸変動
:
3.3×10-2 deg/s
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
姿勢決定・制御機器構成
・機器構成
姿勢制御機器
磁気トルカ ×4 (Magnetic Torquer, Microcosm)
-放出後のプリセッションマヌーバ,デスピン,スピンアップ,デタンブリング.
姿勢決定機器
2軸粗太陽センサ
(2-axis sun sensor, SSTL)
-初期姿勢決定, スタートラッカ使用不能時の姿勢決定.
ジャイロ
(低分解能)
(QRS11-0100-101,BEI Tech. Inc.)
-初期スピンレート測定(低消費電力).
3軸IMU (ジャイロ+加速度計) (Digital Quartz IMU ,BEI Tech. Inc.)
-観測時の姿勢制御,姿勢決定時使用.
3軸磁気センサ
(3-axis fluxgate Magnetometer,SSTL)
-初期姿勢制御,姿勢決定時使用.運用時の姿勢制御時にも使用.
スタートラッカ
(Advanced Stellar Compass,
-観測時の姿勢制御,姿勢決定時使用. Technical Univ. of Denmark)
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
C&DH機器構成
・MPU
データ処理,テレメトリコマンド処理,姿勢制御・姿勢決定
Command
-高機能,低消費電力,低コスト(INDEXにも使用)
Telemetry
(Sensor Data)
×6
民生品(SH-3)を使用
32bit Bus
32bit Bus
Command
32bit Bus
Telemetry
(Sensor Data)
Command
Unit Cell
Unit Cell
Multiple I/F
Unit
3重冗長
Unit Cell
Voter
Telemetry
(Sensor Data)
B
×4
SXS
×4
DQ_IRU
ASC
GPS
Magnetic
Torquer
×3
Telemetry
各MPUにつき3つのSDRAM (32MByte)
(2つをデータ用としてミラーリング,1つは誤り訂正符合用)
・放射線対策
Transponder
Command
FPGA
SDRAM
32M B
多数決を用いた3重冗長
3重冗長の処理結果の判定等は,宇宙用FPGAを使用
・データ量
観測機器 8.03Mbyte/day
C&DH
0.41Mbyte/day
EPS
1.04Mbyte/day
Command
C
A
HXS
32bit Bus
32bit Bus
・メモリ
Command
Telemetry
(Sensor Data)
32bit Bus
32bit Bus
Telemetry
(Sensor Data)
ADCS 1.94Mbyte/day
Comm.0.62Mbyte/day
STM 1.73Mbyte/day
SDRAM
32M B
1 6 b it P a r a lle l B u s
SDRAM
32M B
ECC
M e m o r y C o n t r o lle r
FPGA
Magnetometer
Sun Sensor
ADC
(16bit)
Command
民生品リアルタイムOS(e-Cos)使用
×3
Multiplexer
(16ch)
Telemetry
(Sensor Data)
・OS
QRS11
Telemetry
(Sensor Data)
3 2 b it M e m o r y B u s
M a in
C o n tro l S H 3
U n it C e ll
3 2 b it
I/ O B u s
12.33MByte
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
通信系機器構成
• 通信系システム
• S-band 送信機 (サイエンスデータ)
• UHF 送信機 (テレメトリ)
• UHF 受信機 (コマンド受信)
PSK
120kbps
GMSK 2400bps
GMSK 2400bps
(プログラム書き換え時は9600bps)
• S-band アンテナは切り替えて使用,UHFはアンテナ4本
U-ANT
(Dipole Antenna)
UHYB
URX
UDIP
UTX
GRB Burst Alert,
HK Telemetry
ModTLM
Control Command,
UHF system Program Update
S-ANT
(Patch Antenna)
SSW
STX
SHF system
Mission
Telemetry
アンテナ配置
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
電源系
Power Initial Attitude Precession On-Orbit On-Orbit
[W]
Control
Maneuver Day light Eclipse
AD&C
Magnet Meter
0.047
Gyro (IMU)
17.0
Gyro (QRS)
1.1
Star Tracker Camera 0.6
Star Tracker Circuit
7.0
Magnetorquer
6.0
Sun Sensor
0.1
Mission (GRB)
HXS
SXS
9.75
10.05
on
off
on
off
off
on
on
on
off
on
off
off
on
on
on
on
off
off
off
on
off
on
on
off
on
on
on
off
off
off
off
off
on
on
on
on
• 消費電力見積もり
初期姿勢制御時
反太陽指向時
日照時(観測不可)
観測時
Batt[%]
:33.3W
:41.0W
:81.1W
:89.4W
100
C&DH
OBC
9.9
on
on
on
90
on
80
Power
Solar Pan el
Battery Heater
デスピン
0.75
3.0
0.077
7.0
0.13
off
on
on
off
on
off
on
on
on
on
on
on
on
on
on
on
on
on
on
on
60
反太陽指向
50
40
30
20
10.0
Not Active
on
Active
on
Active
on
Active
on
10
0
0
Total (10% margin)
日照時/日陰時
70
Battery[%]
Communication
STX
UTX
URX
GPSR
Modem TLM
3 3.3
41.0
8 1.1
89.4
0
20000
40000
60000
80000
100000
Time[s]
Time[Sec]
電力プロファイル
120000
140000
140000
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
電源系搭載機器
• 搭載機器
• 太陽電池セル発生電力制御方式
シーケンシャルシャント方式
• バッテリバス電力制御
非安定化バス方式
• 太陽電池
マルチジャンクションGaAs太陽電池
マルチジャンクションGaAs太陽電池セル(SpectroLab ) 効率26.5%
セル面積
0.612m2 (2cm×3cmセル,15直列18並列のパドル
×4)
(メインバス28V,ダイオードロス1.4V,ハーネスロス1.0V,パッキング効率 95%)
発生電力 151.4W
• バッテリ
リチウムイオン2次電池
小形高容量,メモリ効果少ない,過充電や熱的安定性が高
3.8V,1130mAh
8直列16並列
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
–構造-
衛星外観
・パドル先端にUHFアンテナとGPSアンテナを設置
・マルマンバンドが取り付けられている面,および天井面にSバンドアンテナを配置
・粗太陽センサ用のスリット
・観測機器が太陽電池パドルの陰になるため,太陽光の観測機器への入射
を避けることが可能.また,温度上昇も避けることが可能.
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
–構造2-
• 内部構造
・機軸方向に2層となる構造
・常に太陽光があたるマルマンバンド側には,バッテリ等,低温
での動作に問題があるものを配置
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
–構造3-
• パドル展開機構
分離ナット(非火工品) Mini QWK NUT(STARSYS Research )
Specifications:
• 構造材料
外壁
パドル
支柱
Mass:
Release Load:
10 grams
111 N
Time for Release:
30 seconds
Envelope:
Power:
0.570" x 0.560"
2-5 watts
>100 full load
releases
Operating Life:
アルミハニカム[10mm]
アルミハニカム[5mm]
アルミニウム合金
強度が足りない部分はステンレスで補強
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
熱解析条件
・軌道高度 700km 太陽同期軌道
(日照時(4000秒),日食時(2000
秒))
・太陽指向のスピン安定
・シミュレーション時間
定常運用状態に入った際の85000秒
(地球14周回分:84000秒
+ 初期1000秒)
• 搭載機器温度要求
動作時許容温度範囲(℃) 設計要求温度範囲(℃)
~0
~-10
観測機器
HXS
~0
~-10
SXS
‐ 5~
電源系
Battery
5~50
~60
~30
Solarcell
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
–熱解析-
• 熱解析結果(定常運用時)
測定点
日照時平均 (℃)
日食時平均 (℃)
HXS
-4.37
-17.63
SXS
-1.79
-16.04
Battery
11.14
9.2
Solarcell
marumanband
39.42
39.18
25.12
22.38
各機器とも要求温度
範囲内であることを確認
マルマンバンド
40
°
20
0
バッテリ
°
SXS
°
-
HXS
2
00
°
時間[s]
100000
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
熱・構造系
–熱解析2-
• 結合リングにおける表面状態のばらつきを考慮した解析
表面状態
Al (普通研磨面)
Al (高度研磨面)
Al (酸化面)
Ti (普通研磨面)
Ti (高度研磨面)
Silvered Teflon coating
HXS 日照時(℃)
-7.13
-9.48
-3.75
-4.37
-6.08
-1.85
HXS 日食時(℃)
-21.94
-23
-18.29
-17.63
-20.78
-16.6
Battery 日照時(℃)
3.16
1.21
9.94
11.14
5.32
11.01
Battery 日食時(℃)
1.69
-0.33
8.09
9.2
3.67
9.01
Solarcell 日照時(℃)
37.75
35.99
41.24
39.42
39.13
42.54
Solarcell 日食時(℃)
22.65
15.8
24.5
25.14
23.52
24.67
• 初期姿勢制御フェーズ での熱解析
• (衛星の上板側が太陽を指向していると仮定 )
バッテリ温度
各機器とも
要求温度範囲内
であることを確認
20
°
10
°
0
バッテリ
時間[s]
2000
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
アニメーション
ガンマ線バースト観測衛星 “風鈴”
まとめ
• 小型,低消費電力で,広視野・広エネルギ領域
観測かつ高精度位置決定を可能とするガンマ線
バースト観測機器を設計した.
• ミッション要求をみたす,スピン安定方式のピ
ギーバック衛星の概念設計を行った.
• ガンマ線バースト早期警報のための地上局シス
テムの検討を行った.
本衛星を実現させることにより,ガンマ線バース
ト現象の解明,ひいては宇宙開闢の謎を解明す
る貴重なデータを取得することが期待できる.