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東京大学博士論文最終審査会
多様なデータを用いた実世界の再構成
手法に関する基礎的研究
工学系研究科社会基盤工学専攻
関本義秀
1
本研究の構成
1.
2.
3.
4.
5.
6.
背景と目的
様々な時空間データの構造化
ダイナミックに変化する地物の再構成
精度向上と計算時間の効率化の検討
大規模問題への適用に関する考察と試算
結論
2
1. 背景と目的
3
背景~実世界に関して
より詳細に知りたいというニーズ
ITS
マーケティング
実空間
防災
(目黒研究室提
供)
1000人
非集計行動データのニーズ
1人
集計行動データのニーズ
4
背景~多様な時空間データの取得
既存の
データ
非集計データ
集計データ
GPS、PHS、ジャイロ+加速度計
によるトラッキング、チケット予
約データ、クレジットカード情報、
携帯・PHSのログ情報…
自動改札データ、トラフィックカウ
ンタデータ、監視カメラ、 POSデー
タ、パーソントリップ、国勢調査、イ
ベントデータ…
将来利 シュードライトや電子タグによる 列車搭載重量データ、成層圏プ
用可能 トラッキングデータ、自動車の稼 ラットフォームからの画像データ
働状況データ(プローブカー)… (人、車の流れ)、情報家電の稼
性のある
働状況データ
データ
実世界から断片的に
得られたデータ
人や車の流れや分布等,
全体像を把握するためには
つなぎ合わせる必要あり 5
現状

取得された様々なデータが統合されているか
観測データ
計算機
?
?
人や車,家屋など
知りたい地物
地物(Feature):実世界の現象の抽象化
動くものも含む
6
GISの一つの目指すべき方向

取得された様々なデータを統合する!
必要なものは
断片的に次々得られる多種多様なデータ
から、地物に関する連続的(稠密)な時空
間データベースを再構成するシステム
7
本研究の目的
多様なデータを用いた実世界変化
の再構成手法に関する基礎的研究
8
ダイナミックに再構成できない理由


データベース格納時に様々な観測条件が失われやすい
動的な更新に対して自動的に再構成する方法がない
観測条件失われやすい・・・
毎回、再構成手作業・・・
観測データ
計算機
地物DB
9
本研究のアプローチ

観測データを構造化し、地物を再構成する機構
を含んだ、「拡大」時空間データベースを目指す
構造化+再構成機構
観測データ
地物時空間DB
10
「拡大」時空間DB
全体の枠組み


様々なデータの構造化
地物の再構成
11
2. 様々な時空間データの構造化
12
データの構造化~標準化の現状


ISO/TC211では地物の時間・空間の概念スキーマを提案
動的システム実現のためには地物以外の要素も必要なので
は?
Time
Y
Time
Y
滅失
B地点
A地点
D地点
C地点
X
地物例1)
ある人の時空間位置(軌跡)
建築
家屋D
家屋B 家屋C
家屋A
X
地物例2)
家屋の異動状況
13
データの構造化~外的要素の導入
Event
Observation
Feature
Feature



外的要素の導入

Interaction
Change
…


Observation
Featureを観測した条件
Featureに影響を与える現象
などが必要
観測するもの
影響を与えるもの
地物の変化を
再構成するには十分!
14
データの構造化~FEOモデルの提案
イベントモデル
Observation
Event
観測モデル
Feature
Interaction
Change
Feature
Observation
15
観測モデルによるobserveメソッド
1.
2.
観測モデルは対象時空間範囲を持つ
観測モデルは誤差モデルを持ち計測を行う
対象時空間範囲
Time
例:航空写真計測
1.地域Aを半年ごとに計測
Y
2.家屋Cのみ取得
家屋D
家屋B 家屋C
家屋A
X
※航空写真計測の場合は時空間
位置の誤差はほとんどないものの,
IDが計測後に特定できなくなる
16
イベントモデルによるimpactメソッド


イベントモデルは対象時空間範囲を持つ
地物そのものに変化を与える
対象時空間範囲
Time
1.ある地域で地震発生し,
その後火災が延焼
Y
焼失
家屋C
家屋A
例:地震
2.家屋Cが焼失
X
17
イベントと観測のシステム的側面
Event
A-1.インパクト
時空間範囲指定
A-2.地物の実体の
一部を変化させる
Feature
B-1.観測
時空間範囲指定
Observation
B-2.地物の実体の
一部をうつしとる
⇒観測データ
18
FEOモデルによる観測データの構造化例
駅改札による人数把握 GPSによる位置座標
オブザベーションの概念スキーマ
始電・終電
+<オブザベーションの開始・終了>
観測開始・終了
-<オブザベーションのふるまい>
+<オブザベーション自身の変化> とくになし
とくになし
-<観測モデル>
改札間で1時間ごと等 電波範囲でいつでも
+<観測時空間範囲>
-<観測対象>
人間
+<フィーチャーのタイプ>
特定の人間
+<フィーチャー関係のタイプ>なし
なし
+<フィーチャー属性のタイプ>存在
位置座標
人数集計
+<観測方法>
GPS機器による計測
120人(10時から11時) X=200,Y=238
+<観測データ>
2~3人程度
+<観測誤差>
数m
とくになし
+<オブザベーション間の関係>
とくになし
メーカー、鉄道会社
+<オブザベーションの属性>
メーカー
19
FEOモデルによるイベントデータの構造化例
地震による家屋倒壊
イベントの概念スキーマ
地震発生瞬間
+<イベントの開始・終了>
-<イベントのふるまい>
とくになし
+<イベント自身の変化>
-<インパクトモデル>
震源から数十~百km
+<インパクト範囲>
-<インパクト対象>
家屋
+<フィーチャーのタイプ>
+<フィーチャー関係のタイプ>なし
+<フィーチャー属性のタイプ>形状
ある震度で倒壊させる
+<インパクト方法>
+<インパクト誤差>
家屋の構造による
とくになし
+<イベント間の関係>
震度,震源
+<イベントの属性>
交通事故での渋滞
交通事故発生瞬間
とくになし
近隣道路で数時間
車両
なし
速度
速度を減少させる
とくになし
とくになし
とくになし
20
FEOモデルの意義

再構成を行うために必要なデータを記述する基
本的概念モデルとなる。

観測モデル


様々な観測の時空間的特徴が記述可能になり,
必要な時に観測状況を再現できる。
イベントモデル

様々なイベントモデルをライブラリ化しておくことにより,
観測データからイベントの抽出が可能になる。

例:感知器のデータ等から少し前に発生した渋滞の抽出
21
3. ダイナミックに変化する地物の再構成
22
再構成の基本的枠組み

本研究での再構成:「いくつかの観測データからあ
る地物の真の時空間位置や状況を推定すること」
観測データ
観測データの真値に
対する尤度計算
真値の候補
合計適応度が
最も良くなる
真値を推定
地物に関する知識に基づく
真値の生起確率計算
地物に関する知識
23
本研究での再構成アプローチ

最適化基準:観測データと地物モデルに最も
適合するように


観測データだけでなく,地物に関する知識も適用し
やすい
解探索法:遺伝的アルゴリズム



解空間が広くてもグローバルな解を見つけやすい
解表現が配列状なのでシンプルで適用しやすい
そのため多様な観測や知識と比較もしやすい
24
遺伝的アルゴリズム
~時空間位置の遺伝子表現
Time
Time
D
Y
D
C
C
B
A
B地点
A地点
D地点
C地点
A B C C D D
X
ある人の時空間位置を
離散的に表現したもの
時空間位置を
遺伝子表現したもの
他にもいくつかの表現が可能
25
遺伝的アルゴリズム~手順
初期生成
適応度評価
適応度:0.6
適応度:0.9
適応度:0.1
淘汰選択
交叉
突然変異
26
観測データに対する遺伝子の適合度評価

適合度評価のために観測データと解候補
をつき合わせる必要
観測データ(例:GPS)
Time
Y
B地点
A地点
解候補
D地点
C地点
X
時空間表現された観測
データと解候補
1. 観測データを含む観測オブ
ジェクトによる擬似観測
2. 擬似観測データと観測デー
タの間の尤度計算
27
観測データとの適合度評価~擬似観測

Time
解候補として表現された地物の状態を観測オブ
ジェクトの持つ時空間範囲に応じて取得
Time
Y
B地点
A地点
この観測データを
得た時のGPS観測
が持つ時空間範囲
Y
D地点
C地点
X
解候補として表現された
ある人の時空間位置
X
擬似観測
された
地物の位置
例:GPSによる擬似観測
28
観測データの適合度評価~適合度評価

解に対する観測データの尤度を計算

Time
Y
GPSの位置座標の尤度
観測オブエジェクトが
元々持っていた観測データ
観測オブエジェクトの持つ誤差モデル
(正規分布等)に基づき尤度を計算
X
遺伝子から擬似観測
したデータ
29
地物に関する知識との適合度評価

解の生起確率を知識から計算


例1:人は1分間に100m以上移動しない
例2:人は壁を通過しない(後述)
130m
×
○
例1
30
GAを用いた解の探索

交叉,突然変異のみでは最適解近傍から最適解
には近づきにくい

解周辺で山登り法(Hill Climbing:HC),シミュレー
ティッドアニーリング法(SA)などで解を改善する
HC:近傍を全探索し
最良解と置換する
SA:ランダムに選択した一点と置換した
値と比較してある程度よければ置換する
31
再構成した解の評価

<真値との非集計的比較>



<真値との集計的比較>


一定時間ごとの位置ずれの平均値(例:平均5.3mなど)
所属する時空間ブロックの一致度
時空間ブロックに所属する人数の比較
<真値がない場合>

何回か再構成を行い,分散等の解の求まり方を示す統計
量から評価
32
FEOモデルに基づく再構成システム
event
TrainAccident
Fireworks
observation
GPSTracker
PHSStation
feature
Station
Road
実世界生成
knowledge
MaxSpeedLimitation
ODKnown
feature
Station
Road
Observation
Data
実世界再構成パート
ga
GAManager
GAIndividual
observation
GPSTracker
PHSStation
33
簡単な実験
実験の諸元

50m四方の空間
10分間のある人の時空間位置を観測データ
から再現



観測条件
1.
2.
3.
非集計データがかなりある場合
非集計データがあまりない場合
集計データや知識を補う場合
34
非集計データが多く得られる時
真の時空間位置と
GPSデータ
(1分間隔・標準偏差2m)
GPSデータから時空間位置を
再構成したもの
(精度:3.8m, 計算時間41s)
35
非集計データがあまり得られない時
真の時空間位置と
GPSデータ(3分間隔)
GPSデータから時空間位置を
再構成したもの
(精度:9.9m, 計算時間20s)
36
集計データや地物の知識を使用した時
真の時空間位置と
GPSデータ(3分間隔),
トラフィックカウンタデータ(1分間
隔)
観測データや地物に関する知識
から時空間位置を再構成したもの
(精度:6.2m, 計算時間1358s)
37
問題点

対象規模の拡大への必要点



計算時間の効率化
精度向上
観測データの有効な利用
38
4. 精度の向上と計算時間の効率化
39
各ステップでの改善ポイント
地物
知識
評価
遺伝子
観測データ 実世界での様々な情報と
地物へのニーズ
4-1
•地物の表現
4-2
•観測の表現
•知識による地物の表現 4-3
再構成問題
•地物の遺伝子表現
•個体数・世代数決定法
GAによる最適化問題
•高速機の選定
•分散処理
計算機による処理
40
4-1. 地物の表現

オブジェクトの記述法



時間の記述法



ラグランジェ型 (例:人の軌跡)
オイラー型
(例:ある場所の人数)
ベクター型(例:OD到着時刻記録)
ラスター型(例:定期的に位置を観測)
空間の記述法


ネットワーク制約型(リンク上のみ移動可能)
自由空間型
41
空間
時間
自由空間型
ネットワーク制約型
例:10分ごとの人数を記録
ラス
オイ ター
ラー
8 7
10 3 …
0:00
8 12
8 3 …
0:10
7
8
10
3
8
3
8
0:00
12
0:10
例:ある場所で10人を超えた時刻を記録
ベク
ター
8 7
10 3 …
0:00
8 12
8 3 …
0:54
7
8
10
3
0:00
8
8
12
3
0:54
例:10分ごとのAさんの滞在場所を記録
ラグ
ラン
ジェ
ラス
ター
A
…
A
0:00
A
…
0:10
A
0:00
0:10
例:Aさんの出発到着時刻を記録
ベク
ター
A
…
A
0:00
A
0:54
…
A
0:00
0:54 42
4-1. 比較実験
ネットワーク略図

空間表現:ネットワークVS自由空間
ネットワーク型
(100ノード)
自由空間型
(1mメッシュ:3600グリッド)/
(3mメッシュ:400グリッド)
長所・短所 ○移動空間をリンク上に制限 ○どのグリッド間も移動可能とする
しているので精度向上
×評価時にネットワーク内挿
をするので時間がかかる
10人の時空 計算時間:9.5時間
間位置再現 精度:4.9m
時
ことにより表現の自由度向上
×グリッド数が多すぎてもローカル
ミニマムに陥る可能性あり
計算時間:17.1時間/4.1時間
精度:5.5m/5.5m
43
4-2. 観測方法



観測オブジェクトの増加
時間間隔の拡大に伴う,擬似観測時の内挿方法
誤差分布の仮定
44
4-2. 観測方法
~擬似観測時の地物の内挿

そもそも地物を離散的に表現しているので擬似
観測がうまく出来ない場合がある

地物を部分的に時空間内挿し連続化
通った???
6:20-6:40
p1=0.75
7:00
6:00
直線内挿
ネットワークに沿った
最短経路内挿
確率的経路選択内挿
p2=0.25
内挿機能により,時間間
隔を大きくできる
⇒計算時間短縮化 45
4-2. 観測方法
~擬似観測時の内挿
内挿なし(精度:8.2m)
内挿あり(精度:5.2m)
内挿により,観測データ通りにトラフィッ
クカウンタを通過するようになった 46
4-3. 地物に関する知識の表現と工夫

対象地物


記述対象


非集計/集計
状態/変化
記述範囲

ローカル/グローバル
例1:「Aさんは足が悪く走れず,
1分間に30m以上移動しない」
非集計・変化・ローカル
例2:「ある場所の総人口は
5000人を超えない」
集計・状態・グローバル
類似した知識でも上記の分類に応じて効率的な表現を選ぶこ
とが可能になるが定量的な比較は今後の課題
47
4-3. 知識の表現と工夫
~移動空間制約がある場合

「人は壁を通過しない」という知識を用いる
と精度はかなり良くなる
知識なし
(精度:10.7m, 計算時間396s)
知識あり
48
(精度:5.8m, 計算時間:500s)
4-3. 知識を評価時以外に用いた時


評価のみに用いた時
さらに遺伝子生成に用いた時



例:ODに関する知識を使用
例:移動距離制約に関する知識を使用
さらに遺伝子交叉に用いた時

同じ時空間位置を持つ遺伝子同士の交叉で
経路が途切れることなく交換可能
49
4-3. 知識を遺伝子生成時に用いた時

良い初期値を生成できるので最適解に近づきやすいが初期値
生成に時間がかかる
時空間位置の初期値
ランダム生成
精度:5.5m,
計算時間:487s
移動距離制約で生成
精度:6.1m,
計算時間:490s
OD既知で生成
精度:3.8m,
計算時間:766s50
5. 大規模問題への適用に関する
考察と試算
51
大規模問題への適用に関する考察

最適解に収束するまでの計算時間を把握するこ
とが一つの目標
収束に必要な観
測オブジェクト数
?
? 一世代一個体の評価
計算時間把握
規模
最適解収束に
必要な計算時間
?
?
収束に必要な
世代数
?
規模
?
収束までに必要な
世代数把握
規模
52
規模の定量化

解空間の広さにより問題の規模を定量化
非集計行動再構成時
Time
Y
6
46
4
9
39 7
3 7
Aさん
Bさん
X
解空間=(空間メッシュ数
^時間メッシュ数)^人数
Time
集計行動再構成時
存在人数
Y 6 9 10
46 39 710
10465398710
84 73 97
6 9 8
X
上限が100人で
5人単位ならば
20ステップ
解空間=(人数ステップ数^
空間メッシュ数)^時間メッシュ数
53
問題の規模と解空間の比較

規模が大きくなると非集計の方が解空間の広が
りは爆発的に増える
対象人数
非集計時
解空間
1day/
10min
1
1,000
1,000,000
10^576
10^576,000
10^576,000,000
10^50,000
10^4,320,000
10^8,640,000
1day/
10min
1
1,000
10^576
10^576,000
10^50,000
10^4,320,000
1hour/
1min
1
100
10^78
10^7800
10^360
10^2400
テスト用の実験 50m/1m 10min/
1min
1
10
10^30
10^300
10^150
10^500
対象空間
/解像度
対象時間
/解像度
都市圏におけ
る人々の一日
の活動
10km/
100m
ある駅周辺の
一日の活動
1km/
10m
規模レベル
あるフロアの一 100m/
5m
時間の状況
集計時
解空間
54
規模との相関関係

収束に必要な観測オブジェクト数




同じ規模でも観測の質と量に依存する
同じ規模でも知識の質に依存する
現時点では経験的にしか把握できていない
収束に必要な世代数・個体数


同じ規模でも最適化問題の性質に依存してしまう
現時点では経験的にしか把握できていない
55
展示会場を想定した人の流動再現
~シミュレーションデータから大規模人数を再現

様々な規模で行った実験結果のまとめ
観測条件
(TC12箇
所)
GPS10個
収束世代数
計算時間
(合計/1世
代)
推定150時間
/ 4.5分
精度
(非集
計)
10.1m
精度
(集計)
30人
GPS30個
/GPS10個
約1000世代 10時間 / 36s
5.8m
/11.0m
0.8人
10人
GPS10個
約500世代
5.5m
0.6人
100
人
-----(右の計算時間は
2000世代と仮定
時)
4.1時間/
30s
4.6人
56
展示会場を想定した人の流動再現
~シミュレーションデータから大規模な人数を

100人の動きをシミュレーションし,
10分間の非集計的時空間位置を再現

<共通条件>時間空間ラスター(3mグリッド)
 真の時空間位置
 再現した時空間位置
 ブースごとに集計して人数で評価したもの
57
都市圏における人々の一日の行動再現
~適用可能性の検討



ネットワークで移動空間を制限するするのが妥当
ある場所の滞在人数・通過人数といった集計行動の
ニーズの方が多いので非集計行動が再現できなくて
もよい
それでも規模が非常に大きく困難

人数100万人,ノード数1000程度を想定した場合


1000人ずつが同じ時空間ノードを持つと想定すれば1000人分に。
1時間ごとの位置を求めるのみにすれば時間メッシュ数は24に。
⇒展示会場の計算結果から行動再現に要する時間を試
算すると,1年くらいかかる
58
6.結論と今後の課題
59
結論





再構成を前提にFEOモデルに沿って時空間データを整理
し構造化する方法を示した。
観測データや地物に関する知識から地物の時空間的状
態を再構成する手法を提案した
大規模な問題でも,より効率的に解が得られるように,地
物の表現や観測オブジェクトとの適合度の算定方法,知
識の表現・利用方法など基本的枠組みを整理して,どの
ような効率化手法があり得るか示した。
上記のFEOモデルフレームワークに即して時空間情報を
表現し,再構成するシステムを構築し,シミュレーション実
験を多数行った。
シミュレーション実験を通じて,再構成の効率向上や精度
向上の工夫の効果を確認した。
60
今後の課題~短中期的な課題





問題に応じて,必要最低限な観測オブジェクトを
システマチックに把握できること
アルゴリズムの見直しや探索の効率化で,計算
効率を1~2桁上げること
並列化導入により,ハード面からの効率化もはか
ること
オイラー型についても詳細に実験を行うこと
イベントモデルに関しても実験を行うこと
61
今後の課題~長期的な課題

集計
地物
非集計地物と集計地物を混合することで,人の相
互作用を考慮に入れ,ボトムアップ的なアプロー
チを保ったまま,より大規模な問題を効率的に解く
30人
100人
例:あるフロアにおける人の挙動
Aさん:混雑している所は通りたく
ない
5人
非集計
地物
20人
8人
B A
Bさん:人の多そうな所に寄りつ
つ行ってみたい
62
終わり
63
以下,予備
64
再構成の手順
関連モデル収集
最適化基準決定
例:人間の時空間位置の再構成
人間の行動モデル,各種計測モデル
各モデルと観測データを
尤度最大基準で推定
解探索法決定
遺伝的アルゴリズムによる解探索
検証法決定
統計的検定など
65
観測における工夫~オブジェクト
の増加

トラフィックカウンターの個数
なしVS5箇所VS25箇所
66
観測における工夫~サンプリン
グ時の内挿

内挿タイプの比較

内挿なしVS直線内挿VS最短経路内挿(?)
67
観測における工夫~誤差分布
の仮定

空間的な誤差分布の比較

正規確率分布VS等確率分布
68
地物表現の工夫~オブジェクト
数の増加

1人VS10人VS100人など
69
地物表現の工夫~表現方法の
比較

空間ラスターVS空間ベクター


どちらもラグランジェ型で時間ラスター
空間ベクターの方が制限されており,精度は
上がるはず
70
知識の表現と工夫~最短経路情
報を用いた場合
×
例:「最短経路の
5mバッファに
必ず包含される」
○
71
並列化法


分散処理による計算時間の効率化
各サーバーで出した解を初期値としたGA
をもう一度行う
72
地物の遺伝子表現法


時間解像度
空間解像度
73
最適化法


GAのみ VS GA+HC VS GA+SA
個体数の比較(50 VS 200 VS 500)
SAHC50>SAHC200>SA
HC500>SA200>GA200
SAHC50>SAHC500≒SA2
00>SAHC200>GA200
最終的にはSAHC500が
一番評価値良い
SAHC500>SAHC50>SA
200>GA200>SA200
74
今日(1/24)13:30~17:30まで,
博士論文の副査打ち合わせのために
使用させていただく予定です。
(和田・平野・榊原・関本・田中)
75
展示会場における人の流動再現
~実データからある人の非集計行動再現
集計行動に関しては
観測数が足りずに現
段階では最適解にた
どりつかなかった
展示会場における,
人の流動再現実験
の結果
←これをムービーで
76
再構成した解の評価
位置誤差
一定時間ごとの真値と再構成解
77
観測と地物の組み合わせに応じた評価法

組み合わせに応じた評価法が可能


さらに非集計評価・集計評価が可能
ただし,集計観測や集計地物の場合は非集計評価はできない
非集計評価
非集計地物
非集計観測
集計評価
集計地物
集計観測
例1:ある人のGPSデータは,ある人々の時空間位置評価に使えるか?
例2:あるトラフィックカウンタの人数データは,ある人の時空間位置評価に使えるか?
78
観測
評価
非集計観測
集計観測
地物オブジェクト 観測オブジェクト
Aさん
Bさん
非集計
非
評価
集
計
地
物 集計
評価
Aさん
Bさん
10人
サンプリング
5人
評価
10人
2人
10人
非集計
集 評価
計
地 集計
物 評価
Aさん Bさん
地物オブジェクト 観測オブジェクト
Aさん
Bさん
10人
8人
6人
8人
10人
2人
6人
79
集計評価での集計単位のそろえ方

観測と地物オブジェクトの間で集計単位をそろえ
る必要あり
ラグランジェ型地物
ここにいる人が全部
で10人とは言えな
い!
4人
10人
6人
7人
オイラー型地物
10人
6人
観測データ
3人
母集団からのサンプル率
が分かれば比較評価可能
母集団A
母集団B
4人
3人
母集団に関する知識で
比較評価可能 80
非
集
計
集
計
対象
範囲
状態
ロー
カル
ある人のOD情報
グ
ロー
バ
ル
経路が最短経路
バッファに包含さ
れる
変化
ある時のターン角度
毎回のターン角度
ロー
カル
渋谷にある時間にいる人数
渋谷である時間帯
に変化した人数
グ
ロー
バ
全体の総人口のような
コントロールトータル
全体で見た時の変化率など
81
本研究で想定する問題例



都市圏における人々の一日の行動再現
あるフロアにおける人々の人数分布再現
ある地域の数年間における家屋の異動再現
82
改善に関する留意点


精度向上と計算時間短縮はトレードオフ関
係を明確にする必要がある
問題の性質をいくつかに分類し,それぞれ
の性質にあった改善方法を用意する

分類可能なもの

地物の表現,観測の表現,知識の表現など
83
6.ケーススタディ
84
ケーススタディ

展示会場における人の流動再現



実データよりある人の非集計行動再現
シミュレーション実験により人々の集計行動再現
都市圏における人々の一日の行動再現

問題の規模や性質を把握し適用可能性を検討
85
展示会場における人の流動再現
~実データからある人の非集計行動再現

東京ビッグサイトにおける測量技術展での
計測実験(2001年6月)


PEAMON,トラフィックカウンタ,レーザー,熱赤
外カメラ等で人の流れの断片的な情報取得
今回はPEAMONデータからある人の非集
計行動を再現
86