MOIRCS紹介ゼミ - Tohoku University

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MOIRCS Introduction
2003.04.22
小西 真広
Contents
Mechanics
◎MOIRCSの持つ特徴
◎MOIRCS各部の紹介
(MOS,光学系,検出器系)
◎Future Works
Science
◎MOIRCSゼミのテーマ
(補足:すばる望遠鏡の装置)
MOIRCS
Multi-Object InfraRed Camera and Spectrograph
多天体
近赤外線
撮像
分光器
『近赤外線多天体分光撮像装置』
◎MOIRCSグループのメン
バー
鈴木竜二、東谷千比呂
(東北大学/国立天文台)
市川隆、勝野由夏、小西真広、
馬場淳一、吉川智裕
(東北大学)
山田亨
(国立天文台三鷹)
小俣孝司、西村徹朗
(国立天文台ハワイ観測所)
◎MOIRCSの持つ主な特徴
・0.8~2.5μmの近赤外線の波長域
(z,J,H, K’,KバンドとNBフィルター)
・最大4分×7分角の広視野撮像
HAWAII-2
CISCOの7
(すばるの赤外カメラ)
外Φ8分角: z~H撮像
倍!!
すばるカセグレン焦点
HAWAII-2
内Φ6分角:K撮像、z~K分光
・マルチスリットを使った多天体同時分光
約50天
体!!
◎MOIRCSの中身
スリットマスク
交換機構
すばる望遠鏡
焦点面デュワ-
カセグレン焦点面
フィルターターレット
検出器デュワ-
HAWAII-2
◎MOIRCSの中身
1、スリットマスク
交換機構
2、光学系
3、検出器系
1、スリットマスク交換機構(MOS機構)
直線導入器
ロボットアームを動かす.
(0.01mm精度でマスクを操る)
マスクデュワー
スリットマスクが24枚収納出来る.
ゲートバルブ
本体デュワーと切り離す事が出来る.
この下に専用の冷凍機がある.
(熱輻射を抑えるため150Kに冷却される.)
マスク交換時に非常に便
利!
1、スリットマスク交換機構(MOS機構)
◎スリットマスク:直径180mm、厚さ50~70μmの
アルミニウムの板
デュワーの中心部分
上から見たところ.
0.1mm
1mm
磁石でマスクが固定される.
放電加工機(EDM)で加工.
1、スリットマスク交換機構(MOS機構)
◎マスク交換手順
1.観測に必要なスリットマスクを
用意してカルッセルに収納し、
予め真空・冷却しておく。
2.カルッセルが回転し、目的のマ
スクが直線導入器の前に来る。
3.ゲートバルブが開き、直線導
入器がマスクをつかむ。
4.直線導入器がマスクをカセグ
レン焦点面まで引きずり出す。
5.ゲートバルブが閉まったら、
観測開始。
常温での動作は確認済み.
(全行程:約15分)
2、光学系
ウィンドウ
すばるカセグレン焦点面
視野分割鏡(頂角90°)
コリメータ(3 群 4 枚):球面レンズ
フィルター&グリズムターレット, コー
ルドストップ
カメラレンズ(2 群 6 枚):球面と放物
全体が77Kに冷却される.
(それに合わせて設計してい
2、光学系
◎光学系の仕様(目標)
F値(サンプリングレート):3.926(0.117″/pixel)
波長域
:0.8~2.5μm
コリメート光径
:φ50mm
透過率
:50%以上(ただし光学系のみ)
Ensquared Energy:70% in 2pix(視野全域(φ8’)で)
80% in 2pix(最大視野の80%(φ6.4’)で)
軸上色収差:各バンドで140μm以内
倍率色収差:1pixel以内(18μm以内)
2.41μm
2、光学系
◎視野分割鏡
HAWAII-2(後述)の性能とすばる望遠
鏡(口径8.2m)の集光力を最大限に活
かすための仕組みで,1光路の場合よ
り最大2倍程度多くの天体の分光を行う
ことができる。
2、光学系
◎分散素子:グリズム
現在思案or発注中の仕様は、
(slit width=0.5”)
・R~500でz&Jバンド
・R~500でH&Kバンド
・R~1300でJ,H&Kバンド
レンズマウント
アラインメントが終了した
オプティカルベンチ
現在は本体デュワーに組み込んでの冷却テスト待ち.
3、検出器系
◎搭載される検出器:HAWAII-2(Rockwell社)
(HgCdTe Astronomical Wide Area Infrared Imager-2)
(http://www.rockwellscientific.com/)
◎仕様(公表値)
素子数
:2048×2048 pixels
Pixel size
:18.0μm/pixel
量子効率
:約60%(@0.8~2.5μm)
Readout noise:<10eDark noise :0.03e- /pixel/sec @78K
高い量子効率、低いdarkとreadout noiseを持つ
世界最大の赤外センサー.
デュワーに搭載した様子→
3、検出器系
◎HAWAII-2の構造
天体光
2048×2048 pixel HgCdTe array(検出器部)
インジウム粒
ユニットセル
Motohara 2000 PhD
2048×2048 ユニット・セル シリコン マルチプレクサ
(読み出し部:通称MUX)
・マルチプレクサ(読み出し部)とHgCdTe(検出器部)を インジウムの粒で
貼り合わせた構造.
・マルチプレクサは4象限(1象限は1024×1024 pixels)が独立に駆動する.
・マルチプレクサの駆動テスト 終了
・エンジニアリンググレードの駆動テスト及び性能評価 終了
3、検出器系
◎TUFPAC ( Tohoku University Focal Plane Array Controller)
Correlated Double Sampling法
Direct Read Out 方式
signal
signal
clock
Linux&DSPボード
clock
フロントエンド回路
検出器
◎MOIRCSの最新のレイアウト
Slit mask exchange unit
Main dewar
optics
detector
Support structure
Peripherals
2002年すばるUM(鈴木)より
◎MOIRCS各部の名称
ゲートバルブ
スリットマスク
交換機構
直線導入器
スロート部
焦点面
デュ
ワー
マスクデュ
ワー
冷凍機
オクタゴン1
オクタゴン2
本体デュ
ワー
ファットセクション
オクタゴン3
検出器
デュ
ワー
冷凍機
◎Future Works
各部
・MOSの冷却駆動実験.
・サイエンスグレードの駆動・性能評価.
(・32チャンネル化への改良)
全体
・予冷配管、MLIなどの組み込み
・本体デュワー内に光学系(レンズは無し)を組み込んでの
冷却テスト.
・レンズをインストールして常温時、冷却時の 光学性能評価.
2003年秋 ファーストライト予定
◎これまでに行なったMOIRCSゼミのテーマ
撮像・分光
・近赤外でのLyα輝線天体の検出
分光
・High-zの渦巻き銀河のrotation curve
撮像
・銀河のバルジ・ディスク分離
・渦巻き銀河のバルジの構造と形成
・ERO観測
・遠方銀河の形態ー密度相関
・銀河の光度関数
・銀河団の近赤外光度関数
・CISCOのdeep survey
・バイアスパラメタ(質量分布と銀河分布)
補足
◎現在すばる望遠鏡に備わっている装置
(第1期共同利用観測装
置)
・Suprime-Cam・・・大型望遠鏡唯一の主焦点カメラ.Φ30分の広視野を持つ.
・FOCAS・・・可視光での分光撮像偏光装置.
マルチスリット多天体分光モードを持つ.
・CISCO/OHS・・・近赤外線でのOH夜光除去分光器.CISCOはそのカメラ部.
・COMICS・・・中間赤外線での分光撮像装置.
・CIAO・・・コロナグラフを持つ.分光・偏光も出来る.
・HDS・・・可視光での高分散分光装置.大型望遠鏡の中では最高分散.
・IRCS・・・近~中間赤外線での分光撮像装置.
・AO・・・波面補償光学装置(補助装置).
以上7+1台.
補足
◎これからすばるに加わる観測装置
(第2期共同利用観測装
置)
・MOIRCS・・・近赤外線でのカセグレン焦点撮像、
スリット多天体分光.
・FMOS・・・近赤外線での主焦点撮像、
ファイバー多天体分光.
MOIRCS intro(2003/04/22) 訂正資料
◎すばるカセグレン視野とHAWAII-2の位置関係
下側の検出器が
使っていない部分
0.5分角
4分角
1分角
上側の検出器が
使っていない部分
0.5分角
4分角
4分角
Imaging mode
4分角
Imagingでは
使わない所
中心の0.5分は
2分割される。
0.5分寄せる
Spectrograph mode
4分角