1. 講義概要

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Transcript 1. 講義概要

計測情報処理論
システム科学領域 日浦 慎作
この講義について

対象
システム科学領域
 社会システム数理領域
 未来物質領域


基盤専門科目
境界専門科目
学際選択科目
目的
画像センサについてその原理や仕組みを理解する.
 画像センサが持つ特性や限界を知ることで,より優
れたパターン処理やロボット応用システムなどの構
築に役立たせることを目指す.

講義について
連絡先
システム科学領域 助教授 日浦慎作
[email protected]
内線 6371
部屋番号 D552
 単位について
期末に試験予定
 教科書
特に指定しない.プリント,PowerPoint 等
数式などは少ないため,講義を
良く聴いて理解して欲しい.

講義の関連と位置づけ
各種センサ
センシング工学
(音声,移動,etc.)
B3 佐藤・井上
複雑システム論
M佐藤
複雑システム
離散システム
知的学習制御
信号解析論
信号処理 パターン処理論
M溝口
知能システム
M飯國
M谷内田・岩井
パターン認識
計測情報処理論
撮像技術
画像処理
M
日浦
HI特論
画像センサ
画像圧縮
M西田
画像システム論
ヒューマンIF
M佐藤
メディア工学

その他の関連分野:コンピュータ,CG,
ロボット,制御工学,最適化等
講義予定

画像センサそのものに関する講義
画像センサはどのように出来ているのか
 画像センサに要求される性能とは?
 画像センサの構成要素の理解

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光学系
撮像素子
映像信号処理
知覚,計測,認識
講義を通し解決できるように
なって欲しい問題(1)
焦点距離 50mm のレンズを 5mm 繰り出し
たとき,おおよそ何mm 先にピントが合うか
 このときレンズのF値が2であれば,無限遠
の物体はどの程度ボケるか
 無限遠から1mの範囲全てに事実上ピントが
あったように見せるためには,どのような設
定にすればよいか

講義を通し解決できるように
なって欲しい問題(2)

対象物体を斜めに捕らえるとき,全体にピントを
あわせるにはどのようにすればよいか
講義を通し解決できるように
なって欲しい問題(3)

Hyper Omni Vision の球形風防の半径を20cm,
厚みを 2mm とする.材質の屈折率を1.5とした
とき,風防そのものの焦点距離はいくらか.
コレ
講義を通し解決できるように
なって欲しい問題(4)

50mm
50mm
?
図のように半径 50mm の
ガラス半球を紙の上から
50mm 離して設置し観察
したとき,紙は本来の位
置よりどれぐらい深い位
置に見えるか.ただしガラ
ス半球の屈折率は 1.5 と
する.
(昨年の試験問題の1つ)
講義を通し理解して欲しい
言葉(1)
レンズ収差(コマ収差,色収差,etc..)
 レンズティルトとシャインフリューク
(Scheimflüg)の法則
 被写界深度,焦点深度,
過焦点距離,許容錯乱円径
 解像力,MTF,回折限界
 口径蝕,cos4則

講義を通し理解して欲しい
言葉(2)
CCD, CMOS
 フレーム・インターライントランスファ
 スミア,ブルーミング
 ベイヤ配列,3板式,光学ローパス
 NTSC, カラーサブキャリア,YC分離
 表色系,条件等色,色度図,色空間

講義予定(1)

画像センサの概要
画像センサの歴史
カメラ・写真の歴史
放送・ビデオの歴史
デジタル化
 画像センサの構成要素
光学系,撮像素子,信号系,キャプチャ
 画像センサの近似的表現
ピンホールカメラモデルとカメラの数理

講義予定(2)

光学系の基礎
光学系の機能
幾何学的条件と測光学的条件
 レンズの構成要素
レンズ系,絞り,フォーカシング系
 光学ガラスについて
屈折率と分散,二次分散

講義予定(3)

レンズの基礎
理想レンズとは
 レンズの諸パラメータ
焦点距離・F値・開口数・口径
 レンズの効果
パースペクティブと像の大きさ
レンズのシフトとイメージサークル

講義予定(4)

フォーカシングとデフォーカス
ニュートンの結像公式とデフォーカス
被写界深度,許容錯乱円,過焦点距離
 ニュートンの公式の利用
実際の問題とその演習
 スイングと結像面のコントロール
シャインフリュークの法則

講義予定(5)

レンズ系の設計と計算



3次収差(ザイデルの5収差)について


レンズ系における焦点距離の計算
近似と収差について
球面収差,非点収差,コマ収差,
像面湾曲,歪曲収差
色収差について


倍率色収差,縦色収差
色収差と分散・色消しレンズと異常分散ガラス
講義予定(6)

レンズ性能の表現と評価



波動光学



F値と解像限界
コヒーレント光
結像とフーリエ変換



解像度
MTF/OTF
デフォーカスの空間周波数応答
波動光学的影響
ぼけ現象の計測への応用
講義予定(7)

その他のレンズの特性

周辺光量低下
cos4則・口径蝕と開口効率について
ズームレンズについて
 付加的な光学系

クローズアップレンズ
 テレコンバータ

講義予定(8)

その他の撮影技法
パノラマカメラについて
 スリットカメラについて


ピントあわせの技術と発展
目視によるピント合わせ
一眼レフ方式,距離計連動方式
 オートフォーカス方式
パッシブ方式,アクティブ方式

講義予定(9)

撮像素子
銀塩写真の発展とカラー写真
 電子撮像の発展と歴史
撮像管と固体撮像素子
 固体撮像素子
CCD と CMOS

講義予定(10)

CCD
CCD の動作原理
 CCD の種類と特徴
 CCD のアーティファクト
スミア・ブルーミング


CMOS
CMOS の動作原理
 CMOS の特徴と応用分野

講義予定(11)

カラー撮影技術
1板式と3板式について
 1板式について
カラーフィルタ(補色系と原色系)
カラーフィルタの配置
色の復元方法
 3板式について
構造と特徴
レンズ系の制約など

講義予定(12)

表色系について
人間の色知覚の測定と定量化
人間の色の知覚とその性質
CIE1931 XYZ 色表系の考え方について
 その他の表色系について
RGB, HSV, L*A*B* など
 色の計測と表現
色域と gamut について

講義予定(13)

映像信号
白黒映像方式と放送方式
 カラー方式について
NTSC, PAL, SECAM


NTSC カラー方式
NTSC カラー方式の原理と問題点
 YC分離の各方式

講義予定(14)

画像入力系
キャプチャカードの構造と動作原理
ADコンバータの方式と構造
YC分離のデジタル化等
 その他の映像伝達・取り込み方式

その他の内容

特殊な画像センサ
遠赤外線,紫外線等
 高速度カメラについて


距離画像センサ
距離計測の各種原理と実際の構造
 距離画像センサの現状

画像センサの性質と情報処理

画像センサの幾何的性質
キャリブレーション
 エピポーラ幾何
 幾何学的不変量と射影幾何学


物理法則に基づく計測

Physics-based Vision