実世界指向の 3D形状データ変換手法の提案

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実世界指向の
3D形状データ変換手法の提案
コンピュータサイエンス専攻 1年
200920741 土肥 雅志
指導教官:三谷 純
福井 幸男
目次





1.研究背景
2.既存研究
3.提案手法
4.結果
5.まとめ
研究背景

近年、3D形状データを扱うことが容易になった


個人が作成した形状データの増加
ウェブ上で3D形状を検索できるシステム
これらの形状を実物として作成することで
更なるデータの有効活用が可能
(http://sketchup.google.com/3dwarehouse/)
これらは、画面に表示することだけを目的としている
3
研究背景

現実世界での作成方法

厚みの無視できる板状の素材を用いる
画面に表示することだけを目的としているため
適切でない形状であることが多い
研究背景

現実世界での作成方法

そのままでは実際に作成できない形状であることが多い
これらの問題を自動的に修復するシステムが必要
5
目次


1.研究背景
2.既存研究





既存研究
既存研究を用いた場合の問題点
3.提案手法
4.結果
5.まとめ
既存研究

問題を解決できるシステムとして
Automatic Restoration of Polygon Models
(Stephan Bischoffら, ACM Transactions on Graphics,2005)




入力形状の意図しない小さな穴や溝を修復
形状の内側にある不要な面を削除
交差した面の解消
形状を位相的に閉じた形状として作り直す
ボクセル化
形状再構築
7
既存研究

Automatic Restoration of Polygon Models
図は Automatic Restoration of Polygon Models より8
既存研究の手法を用いた場合の問題点

Automatic Restoration of Polygon Models


すべての形状を位相的に閉じた形状にしてしまう
1枚の素材で済む形状を、2枚の重複した面で構成してしまう
このシステムを元に上記の問題を解決したシステムの作成
9
目次



1.研究背景
2.既存研究
3.提案手法





ボクセル化、モルフォロジー演算
形状再構築
不要な穴の削除
4.結果
5.まとめ
形状のボクセル化

八分木によりボクセル化



形状全体をルートセルで
囲む
セル内に面が複数ある場
合はセルを8つに分割
形状表面の位相を正し
く取れるように、ボクセ
ルをさらに分割する
ボクセルのモルフォロジー演算

セルのモルフォロジー演算










セルの情報を拡張すること
で、形状の内側と外側を区
別する
青:空セル
青:EMPTY
薄緑:形状を含んだセル
薄緑:FULL
形状の外側から、形状を
白:OUTSIDE
含むセルに当たるまで
深緑:SHELL
モルフォロジー演算
深緑:外形を構成するセル
これらのセル情報を用いて形
状再構築を行う
ボクセル情報からの形状再構築

形状再構築



外側と内側を区別する
SHELLセル同士をつなげる
各セル内で、元の形状に近
くなる位置に頂点を移動
ボクセル情報からの形状再構築

余分な面が発生しないための形状再構築
各SHELLセルに新しい頂点を作成
新しい面に、新しい頂点を参照させ
セル内で頂点の位置を調整し
隣接したSHELLセルの間に
位相的に開いた状態で形状再構築
入力形状に最も近くなる位置に
新しい面を作成
が行われる
新しい頂点を設置する
14
不要な穴の削除

組み立てる上で必要のない穴
15
不要な穴の削除

組み立てる上で必要のない穴
面の交差がない限り、なるべく不要な穴は避けたい
16
不要な穴の削除

組み立てる上で必要のない穴の定義
 組み立てた際に外側から見えない
 展開図上で、一平面上に存在する
 入力形状で、同じ場所に面が存在する

これらの場合のみ、不要な穴として削除を行う
不要な穴の削除




外形の再構築を行う
新しい頂点をFULLセルにも
作成する
FULLセル同士、もしくは
FULLセルとSHELLセルが
隣接するセルエッジ上に、
新しい面を作成する
余分に穴の修復を行ってい
る
不要な穴の削除

正しい穴の修復の選択
FULLセルで発生した頂点
をSHELLセルで分割する
分割された頂点群が、平面
を形成しているかを以下の
数式により求める。


Cov v 
v a vvivn vv i , vv
L a v 
2
i
i

T
i
i
i
2
 a v v
i
i
i
 a v 
i
i
nを法線とし、平面からの
頂点の共分散行列を求め、
その最小固有ベクトルを形
二乗距離の和を誤差関数
成する平面の法線とする
とする
19
目次




1.研究背景
2.既存研究
3.提案手法
4.結果


評価実験
5.まとめ
評価実験

出力された形状を実際に作成し評価

展開図を印刷して組み立てる
21
評価実験

提案したシステムによる出力
22
評価実験

展開図を作成し、紙を用いて作成
23
評価実験

問題点の解消(面の交差)
24
評価実験

問題点の解消(重複面の解消)
25
評価実験

不要な穴の修正
26
評価実験

複数の形状による出力結果
27
評価実験

複数の形状による出力結果
28
目次





1.研究背景
2.既存研究
3.提案手法
4.結果
5.まとめ
まとめ

3D形状を板状の素材を用いて実体化した




不適切な形状を自動的に修正した
面の重複を回避した
組み立てる際に不必要な穴を修正した
今後の課題

修正できる穴のバリエーションの増加

ありがとうございました
評価実験

複数の形状による出力結果
処理前面数 処理後面数 最大セル分割レベル
290
14994
8(128^3)
139304 57124
9(256^3)
3856
349684 10(1024^3)
32
Automatic Restoration of Polygon Models

Automatic Restoration of Polygon Models
形状を八分木でボクセル表現
隣接したセルの情報から
新しく面と頂点を作成
ボクセル表現の細密化
新しい頂点の位置決定
モルフォロジー演算による
穴の修復、内外の判定
スムージングフィルターや
ファイル出力の後処理
ボクセル化
形状再構築
33
八分木細分化の基準

隣接したセル内に異なる面が存在しないようにする
34
ボクセルのモルフォロジー演算

モルフォロジー演算により穴や溝の修復、内外の判定を行う

前段階により、形状はボクセル表現されている
ボクセル全体の外側から
境界のボクセルから
形状がボクセル表現されて
外側セルから拡張された形
いる状態
モルフォロジー演算を行う
空のセルに対して
状に対して指定回数の
モルフォロジー演算を行う
水色:
空ボクセル
緑色:
形状を含むボクセル
オレンジ:形状の境界
ピンク: 拡張されたボクセル
白:
形状の外側
35
ボクセル情報からの形状再構築

ボクセル情報を元に、新しく面と頂点を作成
繋いだpiercing
形状の内側と外側が分かれている状態
各セル内のpiercing
point毎に新しく頂点を
pointを、セル内で
外側セルに隣接した内側セルグリッドの
辺ごとにpiercing pointを作成
反時計周りの順になるように並び替える
作成する
piercing pointをつなげ、面の隣接情報
pointは新しい面の基準となる
この時点で頂点の詳細な位置は決定し
を作成する
ない
この時点で余分な面が発生している
(1枚で構成されるべき面が重複している)
白四角:形状の外側
緑四角:形状の内側(外側セル以外のセル)
赤点:piercing point
ピンク線:新しい面の隣接情報
青点:新しい頂点
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