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高剪断力による含有水分の脱水技術と 予熱噴霧技術の組合せによる 褐炭の高効率利用 株式会社 KEM 1 何故今褐炭の有効利用が必要なのか メリット 1.褐炭の可採埋蔵量は、利用可能石炭量の47% 2.地表近くに賦存するために採掘が容易で安価 デメリット 1.水分を多く含んでいる(30~70%) 2.乾燥すると自然発火する(輸送・貯蔵が困難) 3.30~70%の含有水分のために低い熱効率 2 褐炭の脱水方法(従来技術) 1.高温燃焼排ガスによる乾燥(微粉炭及び粗粒 炭) ドイツ、豪州、USAで実用化 2.200℃以上の加熱下での加圧脱水 豪州で開発段階のプロセス 3.300℃の高温熱水による水分抽出(短い装置寿 命) 1.~3.の技術では、褐炭中の水分残存量は、 依然として30%。(電発・日揮が開発) 4.高温の鉱油による煮沸脱水(100%に近い脱水) 3 褐炭の新しい脱水技術(KEM 法) • 石炭構造に吸着した結晶水の解離 (加熱及び石炭構造に対する強い剪断力に よって水と石炭組織間のファンデェアワールス 結合の解離。) • 石炭の細孔とひび割れ内にある浸透水 の排出 (強い剪断力による石炭の細孔とひび割 れの破壊。) 4 褐炭の有効利用プロセススキーム(KEM法) 5 褐炭からのCWM製造 従来法 ○ 褐炭を粉砕し水を混ぜてスラリーを作る。 この方法では、スラリー製造のために添加される水分に石炭 に含めれている水が上乗せされるために、水分濃度が全体の 50%を超えるので、燃焼効率やガス化効率が著しく低下。 KEM法 ○ 褐炭に含有されている水分を石炭組織外に排出させ、得ら れた水分をスラリー用水として利用するために瀝青炭から作 られるスラリーと同等の水分濃度のスラリーが得られる。 6 褐炭からのCWM製造試験 ー原料インドネシア褐炭の性状ー wt.% (as received) Mois t. Ash wt.% (dry basis) C H O N S Indonesian (ID) Coal 22.2 4.93 66.03 5.19 20.59 1.37 0.39 Loy Yang (LY) Coal 59.0 0.37 67.28 4.97 25.34 0.60 0.28 7 インドネシアの褐炭からのCWM製造 (原料褐炭の概観) 20-150mm 0.5 mm 8 原料褐炭からCWM製造経過 インドネシア褐炭の粉末(Φの0.5mmの下) ゼオライト製造試験用ニーダーを用いての製造実験 始めの状態 終わりの状態 (微粉炭+10%の水) (48.6%水分) 9 熱と剪断応力処理の後の外観 (インドネシア褐炭) (反応状態: 170℃、5時間、剪断力: <0.1MPa、圧力10kg/cm2) 粘度: 680mPa・ s 10 インドネシア褐炭のCWM (48.6%の水分) 11 Loy Yong 褐炭からCWM製造 (原料) 12 スタート時の原料褐炭の外観 Loy Yong褐炭の粉末(Φの0.5mmの下) 13 熱と剪断応力処理の後の外観 (反応条件: 温度 170℃、5時間、剪断力 0.1 Mpa、圧力10kg/cm2) 空気を含んだエマルジョン 脱泡後の粘度: 360 mPa・ s 14 高剪断力粉砕・脱水・スラリー化装置 (内容積200リットル:15KWモーター) (内容積20リットル:5.5KWモーター) 写真 高剪断力・常温・常圧ニーダー 写真 高剪断力・高温・高圧ニーダー 15 高剪断力・常温・常圧ニーダーでのLoy Yong褐炭のスラリー化 ― 処理時間 4時間 ー 水分56%, 粘度 135 mPa・s 空気を含んだエマルジョン 脱泡後の粘度: 135 mPa・ s 16 剪断応力と処理時間との関係 (Loy Yong 褐炭 : 処理温度 170℃) (Loy Yong 褐炭 : 処理温度 170℃, 10kg/cm 2 ) 処理時間 (分) 1000 100 10 圧力 10kg/cm2 1 0 0.2 0.4 0.6 剪断力 (MPa) 0.8 1 17 CWM予熱噴霧装置の必要性 従来法(予熱器無し) ○ ガス化炉内部においてスラリーの水分が蒸発する ために蒸発潜熱が必要で、ガス化炉内部からこの 熱を取るためにガス化温度が低下するのでガス化 効率が低下する(水1kg当り約550kcal)。 KEM法(予熱器有り) ○ ガス化炉の外でスラリーの水分を蒸発させ、微粉 炭と蒸気の気固系でガス化炉に吹き込むために水 の蒸発によるガス化温度の低下が無く、乾式ガス化 (微粉炭を窒素ガスでガス化炉に供給する方法)と 同等かそれ以上のガス化効率が期待できる。 その理由は、高温領域では水蒸気が反応物質とし 18 て働くためである。 CWM予熱噴霧の効果(1) 予熱による含水分の蒸発効果の差による火炎の差異 (ノズル φ6mm) エチレングリコール水系の 直接噴霧 エチレングリコール水系の 270℃予熱噴霧 19 CWMのガス化(予熱噴霧なし) 水分50%のCWM ノズル φ2mm 20 CWM予熱噴霧の効果(2) Cool gas efficiency, % 冷ガス効率 100 90 lines; simulated plots; experimental values pressure; 0.05~1 MPa CWM; 270℃ preheating case 80 Ethylene Glycol + Water; preheating case 70 60 50 CWM; no preheating case 40 Ethylene Glycol + Water; no preheating case 30 0 5 10 15 20 25 30 35 40 Heat loss, % ヒートロス Relation of cool gas efficiency and heat loss 21 CWM予熱噴霧の効果(3) 酸素消費量 Oxygen Consumption, % 150 Ethylene Glycol + Water 140 ReactionTemperature; 1300℃ 130 no preheating 120 110 100 preheating (270℃) 90 80 0 5 10 15 20 25 Heat loss, % ヒートロス Relation of Oxygen Consumption and Heat Loss 22 CWM予熱噴霧装置概要図 4t/day CWM噴霧 第2加熱器最初の 加熱管内径= 2mm 蒸発部位の流速 第二,第三加熱器内 Max.= 30 m/sec Min.= 10 m/sec 23 CWM予熱噴霧装置の写真 24 Loy Yong 褐炭CWMの予熱噴霧状況 25 インドネシア褐炭のガス化(計算値) CWM水分含有量と酸素供給量の関係 必要酸素量(O2/coa l) スラリー水量と必要酸素量 1.1 1 通常のスラリー製造法 (原炭(含有水)+水) 0.9 高剪断力ニーダー法によるスラリー製造 (乾炭ベース+水) 0.8 0.7 高剪断力ニーダースラリー化法とスラリー予熱噴霧の組合せ (乾炭ベース+水) 0.6 0.5 38% 40% 42% 44% 46% 48% スラリー水量(wt.%) 50% 52% 26 インドネシアの褐炭のガス化 CWMの水分含有量と冷ガス効率の関係 スラリー水量と冷ガス効率の関係 90 冷ガス効率(%) 85 高剪断力ニーダー法とスラリー予熱噴霧の組合せ (乾炭ベース+水) 80 75 高剪断力ニーダーによるスラリー製造法 (乾炭ベース+水) 70 65 従来のスラリー製造法 (原炭+水) 60 55 38% 40% 42% 44% 46% スラリー水量(%) 48% 50% 52% 27 褐炭スラリー利用石炭ガス化におけ る経済性比較(褐炭スラリー化と予熱噴霧) 28 まとめ ○ (株)KEMの高温・高圧・高剪断力ニーダーによって、 褐炭に含まれている水を使用できるので、瀝青炭のCWM と対等の水分の含有量のスラリーを作ることができます。 ○ (株)KEM所有のスラリー予熱噴霧装置を褐炭スラリー のガス化や燃焼に使用すると、熱効率は大いに向上します。 ○ 高温・高圧・高剪断応力ニーダーによるスラリー化と、ス ラリー予熱噴霧装置を利用することによって、今まで利用が 制限されていた安価な褐炭を瀝青炭並みに使用することが でき、且つ二酸化炭素の排出量を、瀝青炭並みに削減でき ます。 29 参考資料 含水率90%の製紙スラリーの予熱噴霧燃焼の状況 製紙スラリー噴霧燃焼状態写真(120kg/時運転) (スラリー粘度 13mPa・s、固形分含有量 約10%) 30 CWM利用石炭ガス化における開発項目 既存技術名 本システム構成上の問題点 提案技術名 技術開発項目 問題解決の方法 微粉炭気流輸送にN2を使用 ①ガス化炉入り口前までに ①予熱CWMを模すエチレングリ ↓ CWMの固液を気固に変換 コール水系での実験を行いシミュ (蒸発潜熱のガス化炉外供給) レーター計算で予測された予熱効 乾式酸素吹き 窒素分離にエネルギーを大量消費 果確認を行い、予熱により水を蒸 ↓ 石炭ガス化法 石 メタノールコスト上昇 ②水生ガス反応が生じるガス 発させた後に、ガス化炉に吹き込 炭 化炉の開発(反応時間/温度 む事ができれば,冷ガス効率が ガ 10%以上上昇し、酸素消費量が の適正化) CWM中の水分の蒸発潜熱 ス 10%以上減少することがシミュ (ガス化炉全体として冷ガス ↓ 化 レーター及び実験で確かめた。 効率の乾式酸素吹きガス化法 ガス化反応温度の低下 設 CWM予熱式酸素 ②CWM予熱フラッシュ蒸留後再 並以上、且つ合成ガス中の窒 ↓ 備 吹き石炭ガス化法 加熱し,ドライ状態でガス化炉に 素含有量及び消費酸素量最少 の 炭素転換率の悪化 吹き込む技術を確立した。 のガス化方式の確立) 開 湿式酸素吹き ↓ ③石炭ガス化時に水生ガス反応を 発 石炭ガス化法 平行して起こす事ができれば酸素 酸素吹込み量のアップ 項 消費量の削減が証明された。 ↓ 目 ④CWM予熱噴霧装置が完成し、 冷ガス効率の低下 CWMを蒸気と微粉炭の状態でガ ↓ ス化炉に噴霧できることが確かめ メタノールコスト上昇 られた。 31 従来技術でのCWM予熱噴霧概念図(実用化になら ず) フラッシュ蒸発器 CWM製造 32