Transcript 民生分野ロードマップ
民生(家庭)
民生(業務)
民生分野ロードマップ(資料2-1)
民生分野の技術スペックの考え方
①ケース、分野共通の条件
■資源制約の条件 :想定した石油ピーク(2050年)、天然ガスピーク(2100年)までに、他のエネルギー源と互換可能な
状態とする
■環境制約の条件 :CO2排出量/GDPを2050年に1/3、2100年に1/10以下とする
②各ケースの技術スペック
■効用はGDPに比例して増大
■ケースA(石炭等化石資源とCO2回収・隔離の最大利用ケース)およびケースB(原子力の最大利用ケース)
転換部門からの電気または水素を100%エネルギー源とする(電気・水素化率100%)
■ケースC(再生可能エネルギーの最大利用と究極の省エネルギー実施ケース)
省エネルギーおよび創エネルギーにより2100年には、外部に依存するエネルギー需要を80%削減。
③ケースCの2030年および2050年の技術スペック
■電化・水素化率(転換部門および民生分野内での創エネルギー)は、2100年で100%とし、創エネルギーの導入可能量、
化石資源制約等を考慮し、2050年および2030年の電化率を設定。
■家庭部門および業務部門におけるエネルギー需要の削減率、その削減率の省エネルギーおよび創エネルギーの内訳は
それぞれのエネルギーの導入の可能性を考慮し、2100年の最終技術スペックからバックキャストで設定。
④各時点の個別条件を満たすために求められる技術スペック、時期等をロードマップとして整理
2000
2030
2050
2100
(家庭/業務)
55%/50%
70%/70%
100%/100%
(家庭/業務)
45%/35%削減
60%/55%削減
80%/80%削減
省エネルギーによる削減の内訳
(家庭/業務)
30%/30%削減
35%/45%削減
40%/50%削減
創エネルギーによる削減の内訳
(家庭/業務)
15%/ 5%削減
25%/10%削減
40%/30%削減
1.9 t-CO2/世帯(1/2倍)
77 kg-CO2/m2(2/3倍
1.1 t-CO2/世帯(1/3倍)
40 kg-CO2/m2(1/3倍)
0 t-CO2/世帯
0 kg-CO2/m2
電化・水素化率
転換分野から供給される
エネルギー量※
CO2原単位
(家庭)
(業務)
3.5 t-CO2/世帯(1倍)
118 kg-CO2/m2(1倍)
※GDPに比例して全必要エネルギー量が増加した場合を基準として、転換分野からの供給が必要なエネルギー(単位当たり)の削減量
民-2
民生分野の技術スペック実現のための技術群の考え方
民生分野における必要エネルギーおよびCO2排出原単位の技術スペック実現においては、「再生可
能エネルギー最大利用と究極の省エネルギー実施ケース」の場合が最も技術的に困難なものとなり、
他のケースの技術開発ニーズもこのケースに包含される。この技術スペック実現のためには、
(1) 今後新たに出現する機器を含めてできる限り省エネを実施
(2) 太陽光等の身の回りのエネルギーを使って創エネを実施
(1)と(2)を究極まで進めることで、転換分野からのエネルギーに頼らない自立化が可能となる。また、再
生可能エネルギーによる創エネ導入量の拡大に伴い、余剰エネルギーをネットワークを通じて融通、さ
らには分散貯蔵して最大限に活用することが可能となる。
①省エネは、トップランナー機器の導入により家庭が先行し業務がこれに続く。これに加えて空調関係
では機器のみならず建物の断熱・遮熱性能の向上が、給湯についてはヒートポンプの導入がそれぞ
れ効果的である。中期的にはエネルギーマネジメントが一定の役割を果たす。生活の質の向上やラ
イフスタイルの変化に合わせ新規に導入される機器も順次省エネが行われる。
②創エネは、太陽光発電を始めとして各地域の特色を活かして様々な種類のものが導入される。設置
機会(スペースなど)やエネルギー価格等の条件により、当初は戸建ての家庭から始まり、順次、集
合住宅、業務ビルに普及する。
③電化・水素化は、家庭および業務とも当初は省エネ機器の導入および高齢化などによるライフスタイ
ルの変化、その後は再生可能エネルギーによる電気および水素の供給増、また外部からの化石エ
ネルギーの減少により、2000年の水準からほぼリニアに上昇する。
④省エネ先行の後、創エネが進み、需給バランスがとれた戸建て等からエネルギーの自立化が始まり、
地域大での創エネルギー普及に伴い、業務あるいは地域大の自立化が普及する。再生可能エネル
ギーの活用による自立化では、エネルギー貯蔵が重要な役割を果たす。
民-3
2000
民生
全必要エネルギー量
2030
2100
1.5倍
2.1倍
45%/35%削減
60%/55%削減
80%/80%削減
1.9 t-CO2/世帯(1/2倍)
77 kg-CO2/m2(2/3倍)
1.1 t-CO2/世帯(1/3倍)
40 kg-CO2/m2(1/3倍)
0 t-CO2/世帯
0 kg-CO2/m2
1倍
転換分野からの供給が必要な
エネルギー量※ (家庭/業務)
CO2原単位 (家庭) 3.5 t-CO2/世帯(1倍)
(業務) 118 kg-CO2/m2(1倍)
省エネ
2050
※GDPに比例して全必要エネルギー量が増加した場合を基準として、転換分野か
らの供給が必要なエネルギー(単位当たり)の削減量
使用機器の効率向上
熱を発しない照明
熱を発しない機器
→
住宅・建築物の断熱効率向上
効率の良い加熱
→
能動的な日射・入熱の調整
効率の良い熱の移動、未利用エネルギーによる予熱
電力変換効率向上
ロスのほとんどない電力変換
→
自立化
食品を冷温保存しない技術
微少エネルギーの利用
(微小な圧力、温度、振動、電波等の利用)
微少エネルギーで作動可能を実現する省エネ
微少エネルギーを利用した創エネ
太陽光発電
設置容易化
創エネ
0 t-CO2/世帯
ペンキのように塗るなどあらゆるところに設置できる技術
窓にも設置できる技術
曲面にも設置できる技術
0 kg-CO2/m2
効率向上・耐久性向上
エネルギーマネージメント
BEMS・HEMS
需要のマネージメント
【建築物・住宅の自立化】
→ 需要と創エネのマネージメント
→ 余剰エネルギーを地域で融通
(地域でのエネルギー供給) → 地域での供給、貯蔵マネージメント
→
地域の需給マネージメント
TEMS
【地域の自立化】
民-4
概要
2000
2030
2050
2100
省エネ
照明
高効率LED
高効率照明
自然光利用技術
空調・給湯
住宅・ビル用高性能建材
高効率空調システム
有機EL照明
低熱損失高効率照明
高度太陽光利用照明 (高効率集光・伝送)
蓄光、生化学発光
高断熱化、室内空気質改善、快適性向上
能動調整機能付き建材
高効率ヒートポンプ、蓄熱空調、太陽熱・排熱等未活用熱源利用
燃料電池コジェネ
ハイブリッドシステム(業務用)
(水素利用超高効率燃料電池)
化石燃料利用分散電源
高効率給湯
厨房
高効率調理
動力・その他
情報家電
高効率ヒートポンプ給湯
真空断熱貯湯
高効率調理器
新調理加工技術
(食品) 長期品質保持
省エネPDP・LCD、大容量光通信・ストレージ
LED、ELディスプレイ
(大型ディスプレイ等)
共通技術
高効率デバイス
長期常温保存
(高精細、大型、低消費電力)
45nmプロセス
SiC
GaN、AlN等 CNTトランジスタ/ダイヤモンド半導体
単電子トランジスタ
(電力変換等)
創エネ
熱電変換
未利用エネルギー
を電力等に変換
太陽光発電
薄膜型
圧電変換、磁歪変換、バイオ光電変換
色素増感型、有機薄膜型等
超高効率新型
低コスト化、高効率化、設置容易化
エネルギーマネージメント
HEMS・BEMS
TEMS
モニタリング
ネットワーク化による連携制御
エネルギー融通
需要予測
(ライフスタイルや快適性を取り入れた制御)
エネルギー貯蔵との連携制御
系統との連携制御
(地域でのエネルギー・マネジメントシステム)
エネルギー貯蔵・ネットワーク リチウム電池
(電気・熱・水素)
新型二次電池、蓄熱
ローカル・エネルギー・ネットワーク(LEN)
水素利用燃料電池
分散エネルギー貯蔵
民-5
省エネ
■
■
■
■
省エネはトップランナー機器の導入により家庭が先行し業務がこれに続く
これに加えて空調関係では機器のみならず建物の断熱・遮熱性能の向上が、給湯についてはヒートポンプの導入がそれぞれ効果的である
中期的にはエネルギーマネジメントが一定の役割を果たす
生活の質の向上やライフスタイルの変化に合わせ新規に導入される機器も順次省エネが行われる
省エネ率
2000
2030
2050
2100
家庭 0%
30%
30%
35%
45%
40%
50%
(GDPの伸びに比例して増えると想定 業務 0%
した必要エネルギー量からの削減率)
照明技術
■ 主照明用として、現在の蛍光灯の熱損失を低減した高効率蛍光灯および高効率化白色LED等の技術開発を推進し、省エネ技術スペックとして、 2030年で30%、2050年で35%
以上の削減率を達成する。
■ 環境性にも配慮した無水銀蛍光灯の効率改善を進め、2050年以降に高効率蛍光灯としての置き換えを図る。
■ 演色性の高い高効率白色光源を開発し、熱損失の大きな白熱電球に置き換えるとともに積極的に自然光利用を促進する。
■ 蓄光を含む新しい照明技術を開発し、2050年頃、補助照明としての一部実用化を図る。
熱損失低減技術
高効率蛍光灯
発光効率 80-100 lm/W
>150 lm/W
高効率蛍光材料
高効率無水銀蛍光灯
(低環境負荷光源)
高効率LED照明
200 lm/W
80-100 lm/W
50 lm/W
150 lm/W
100 lm/W
GaN、AlN製造技術
>150 lm/W
200 lm/W
LED光源の高輝度・低熱損失化(含近紫外高効率発光半導体)
高効率LED(光源)
白色LED用蛍光材料
有機EL照明
高効率近紫外励起蛍光材料
高輝度白色EL
30 lm/W
蛍光材料の改良
補助・特殊照明(高演色性)
100 lm/W
主照明
200 lm/W
民-6
自然光利用技術
自然光利用設計技術
高反射・長寿命光ダクト、低価格光ファイバー
高効率光伝送技術
高効率集光技術
次世代照明技術
高効率高演色白色光源
汚れ防止技術
自動追尾型受光部
タングステンに代わる高融点長寿命材料、微細加工技術
低損失家庭用高演色白色光源
(マイクロキャビティー、クラスター発光等)
蓄光技術(含生化学的、電気化学的)
蓄光・その他新技術
高輝度発光可能な燐光材料
生化学発光(冷光等)材料
補助照明
補助照明
技術以外の要因
● 省エネラベリング制度等によるトップランナー機器の導入普及施策
民-7
空調・給湯技術
■ 家庭部門の消費エネルギーの約30%および業務部門の約40%を占める空調エネルギーを建物高断熱化、空調機器効率化で削減
■ 家庭部門の約30%、業務部門の約20%を占める給湯用エネルギーを高効率ヒートポンプの導入により削減
■ 熱需要とのバランスにより、化石燃料利用分散電源、将来的には水素利用燃料電池の導入により省エネが図られる
2000
2030
2050
2100
空調エネルギーの削減
空調エネルギーの削減率 40%
50%
住宅・ビル用高性能建材
■ 高気密・高断熱化により室外との熱の出入りを少なくして空調エネルギーを削減するとともに、計画換気により健全で快適な空気環境を保つ
■ 簡便かつ高精度な住宅性能設計技術、住宅性能評価技術による高性能住宅の普及
■ 断熱材料、調湿材料、蓄熱材料等の材料技術開発および建材への適用
高断熱化技術
・低熱伝導率断熱材【材料】、断熱工法
・低熱貫流率窓ガラス・高気密窓サッシ【材料】
・屋上緑化、壁面緑化工法
熱伝導率 ▲50%
室内空気質改善技術
・VOC低減(吸着・分解)建材開発による冬季・夏季の換気量削減【材料】
・調湿(湿度調整)建材【材料】
外ブラインドなどの外部可動日射制御システムの開発・低価格化
能動調整技術
住宅性能評価技術
▲75%
・住宅性能設計技術
・住宅性能評価技術
・非破壊型断熱性評価技術
その他
技術以外の要因
● 住宅性能表示制度の拡充と高性能住宅の普及施策
・光触媒による自浄性高光反射建材【材料】
・親水性蒸散冷却促進建材【材料】
・パッシブソーラー効果を高める潜熱蓄熱建材【材料】
民-8
高効率空調システム
■ ヒートポンプ暖房の普及、トップランナー・省エネラベリング底上げにより2030年までに省エネ率40%達成
■ 機器の省エネに加え、未利用エネルギー・熱源の利用技術開発・商品化・普及により2050年までに省エネ率50%達成
■ 健康・快適(ウエルネス)と省エネを両立した技術でライフスタイルに応じた空間の質を向上
2000
2030
2050
2100
高効率空調システム
50%
省エネ率 40%
省エネ換気・空調、自然通風併用ハイブリッド空調システム
高効率換気・空調
高効率ヒートポンプ
定格COP・部分負荷効率向上による年間消費電力低減
・寒冷地対応ヒートポンプ(低温暖化係数冷媒・代替技術)
・除湿モードの改善
・潜熱・顕熱分離空調
・ファン・ポンプ用高効率インバータ【業務】
・冷凍・空調併用ヒートポンプ【業務】
COP 4~6
COP 5~7
・蓄熱空調(日・季節)
・太陽熱・排熱利用空調
・地中熱利用ヒートポンプ
未利用エネルギー
・熱源の利用
ウエルネス空調
COP 5~8
・被服・繊維による温熱制御
・放射冷房システム
・タスクアンビエント空調システム【業務】
・快眠、調湿エアコン、全館空調システム【家庭】
空調エネルギー診断
技術以外の要因
● 省エネラベリング制度等によるトップランナー機器の導入普及施策
民-9
化石燃料利用分散電源技術
■ 熱の有効利用のため、2050年までは化石燃料利用コジェネの効率化、2050年以降はエネルギー貯蔵としての水素の利用のためコジェネを普及
■ 家庭用:ガスエンジンコジェネ→低温形燃料電池、高温型燃料電池→水素利用高効率燃料電池
■ 業務用:ガスエンジン等コジェネ→高温形燃料電池コジェネ→(GT等とのハイブリッドシステム)→水素利用超高効率燃料電池
2000
2030
2050
2100
発電効率の向上、高COP機器との組合わせによる更なる省エネ、機能高度化
化石燃料利用分散電源技術
省エネ率 40%
家庭用コジェネ・高効率発電
発電効率 20%
総合効率 80%
40%
80%
45-50%
80%
60-70%
ガスエンジン
低温形燃料電池、高温形燃料電池
コジェネ
小型高効率コジェネ技術
低コスト化、長寿命化、高効率化、軽量小型化
※化石燃料→水素
(水素-電力相互変換技術)
業務用コジェネ・高効率発電
(水素利用超高効率燃料電池)
発電効率 35-45%
総合効率 80%
業務用高効率発電技術
ガスエンジン等コジェネ
50%
80%
65%
70%
高温形燃料電池コジェネ
GT等とのハイブリッドシステム
低コスト化、長寿命化、高効率化、軽量小型化
高温排熱利用の高度化
※化石燃料→水素
(水素-電力相互変換技術)
(水素利用超高効率燃料電池)
民-10
給湯技術
■ 高効率ヒートポンプ式給湯器等の高効率給湯器の開発
■ 太陽熱利用技術および家庭内排熱などの未利用熱による予熱技術の開発および普及
2000
2030
2050
2100
給湯エネルギー削減率 >30%
45%
50%
給湯技術
潜熱回収型ガス給湯器
熱効率 80%
95%
高効率ヒートポンプ給湯器
瞬間式(42℃出湯)
COP 5.3
COP 6.3
COP 6.8
COP 5
COP 6
COP 6.5
貯湯タンク式(65℃出湯)
COP 3.2
高効率圧縮機
高効率熱交換器
膨張動力回収技術
高性能冷媒
真空断熱貯湯・送湯
CO2冷媒
真空断熱材
自然冷媒性能向上
断熱パイプ
太陽熱利用、未利用熱による予熱
未利用エネルギーの利用
技術以外の要因
● 省エネラベリング制度等によるトップランナー機器の導入普及施策
民-11
厨房
■ 調理機器の高効率化、新調理加工技術、省エネ型加熱調理容器(調理時間の短縮化)等の組合せにより、調理エネルギー使用量を2030年までに30%、2050年までに40%削減
■ 2050年以降は、完全調理済み食品の長期常温保存技術等によっても調理エネルギーを削減し、機器の省エネと合わせて、厨房分野の省エネ技術スペックである家庭40%、業
務50%を達成
■ 2050年には凍結乾燥食品を、2100年には常温保存食品の開発により、冷蔵・冷凍食品保存のためのエネルギーも削減
2000
高効率調理機器
高効率IH調理器
2030
2050
調理エネルギー削減率 30%
熱効率 85%
高効率ガス・水素調理器
2100
40%
90%
95%
高効率ガスバーナー調理器
水素燃焼調理器(水素コンロ、グリル)
新調理加工技術・機器
複合加熱調理器
(熱風・スチーム等の複合)
省エネ型加熱調理容器
(鍋・炊飯器等)
調理時間 ▲20%
食品の長期保存技術
凍結乾燥食品製造技術
新調理加工技術
(加圧調理技術等)
▲40%
調理エネルギー削減率 15%
凍結乾燥技術
長期常温保存食品製造技術
30%
完全調理済み凍結乾燥技術
完全殺菌技術 長期品質保持技術
完全調理済み長期常温保存技術
生鮮食品の常温保存技術
技術以外の要因
● 省エネラベリング制度等によるトップランナー機器の導入普及施策
民-12
動力・その他
■ 将来出現する新たな機器も含めて様々な電気機器が省エネの対象として考えられるが、大画面ディスプレイで代表する
■ PDP、LCD等の大画面化にあわせたFPDの省エネ化技術開発推進により、2050年度エネルギー削減率>40%を達成
■ 2100年、発光効率 20 lm/W (画面サイズ100インチ級)を技術スペックとする自発光・固体次世代ディスプレイ技術の開発を推進する
2000
2030
※発光効率[lm/W]は自然画像表示時の効率
省エネPDP
2050
2100
高精細、大型、低消費電力化
1.5 lm/W (40”;全白表示時)
10 lm/W(60”)
15 lm/W(80”)
20 lm/W(100”)
15 lm/W(80”)
20 lm/W(100”)
省エネ型パネル製造技術
高効率PDPパネル
映像用高効率放電方式
高効率蛍光材料
高精細、大型、低消費電力化
省エネLCD
2 lm/W(全白表示時)
10 lm/W(60”)
高効率白色光源
高透過率パネル
LED・ELディスプレイ
デバイスの高効率化(素子、発光材料、薄膜技術)
パネル化技術
高精細、大型、低消費電力化
20 lm/W(100”)
その他のディスプレイ技術
超薄型ディスプレイ
(フレキシブル)
3Dディスプレイ
有機TFT技術
小型画面実用化
20 lm/W(100”)
自然画像3Dディスプレイ技術
技術以外の要因
● IT、ユビキタス、ロボット等、電力需要の大幅な増大の可能性
● 省エネラベリング制度等によるトップランナー機器の導入普及施策
民-13
共通技術
■ 照明、空調、給湯、動力その他全分野の共通技術としてパワーデバイスの高効率化が重要
■ パワーデバイスは、空調・給湯、動力等の機器全般の高効率化およびHEMS・BEMS等のマネージメントにも必要
2000
2030
2050
2100
10 W/cm3
100 W/cm3
150 W/cm3
高効率デバイス(電力変換等)
出力密度 1 W/cm3
電源
パッケージ型
ボード型
次世代CPU電源
1MW変換器
SiCデバイス
GaN、AlN
窒化物デバイス
CNT-LSI
CNTトランジスタ/
ダイヤモンド半導体
単電子トランジスタ
(90 nm) 45 nm
半導体回路線幅微細化
22 nmプロセス
超極微細
民-14
創エネ
■ 太陽光発電を始めとして各地域の特色を活かしてバイオマスなど様々な種類のものが導入
■ 設置工事、維持管理、廃棄に関しても技術の確立が重要
■ 設置機会(スペースなど)、設置の容易性、エネルギー価格の条件により、当初は戸建ての家庭に始まり、順次、集合住宅、業務に普及
2000
2030
2050
2100
15%
5%
25%
10%
40%
30%
家庭 0%
業務
0%
(GDPの伸びに比例して増えると想定
創エネ率
した必要エネルギー量に対する割合)
未利用エネルギーの電力等への変換技術
■ 技術的ハードル高い
■ 個々のポテンシャルは小さいが、省エネとあわせ今後増加する電気機器の自立化に貢献
熱→電力
熱電変換
未活用排熱、地熱、太陽熱等マイクロ発電
圧電変換
磁歪変換
歪み←→電力
アクチュエーター、小型センサー、マイクロ発電
歪み←→磁界
アクチュエーター、マイクロロボット
バイオセンサー、バイオコンピュータ
光→電子
バイオ光電変換
太陽光発電
■ 結晶シリコン、薄膜シリコン、色素増感型など複数の方式の開発当面続き、発電効率、生産性、耐久性等の観点から選択されていく
■ 多様な用途・設置場所・利用形態に対応するために、モジュールの多様化(軽量、フレキシブル、両面受光、インバータ内蔵など)、多機能化(遮音性、断熱性、防眩性等の機能
付加)、建材・部材との一体化等の付加価値増加に向けた技術開発も必要
■ 効率、設備費、工事費、耐久性、適用性の改善、系統連係の規格化、連係機器の高性能化・低価格化によるトータルな経済性の向上
太陽光発電
結晶型
薄膜型
色素増感型、有機薄膜型等
低コスト化、高効率化 モジュール効率 22%
耐久 30年
設置容易化
フレキシブル太陽電池、シースルー太陽電池
(曲面、窓)
技術以外の要因
● 導入補助事業などの普及施策
超高効率新型
30%
40年
40%
40年
太陽電池ペンキ
(あらゆるところ)
民-15
エネルギーマネージメント
■ 家庭、業務のニーズをより良い品質で満たし、かつ省エネを実現するために、機器の個別の制御を越えたエネルギーマネージメント(HEMS・BEMS)が導入され、さらに地域的に
統合されTEMSが形成
■ 太陽光発電、バイオマス発電等によるエネルギー供給、エネルギー貯蔵により需要とのマッチングを図り、さらには系統との連携制御によりトータルな省エネを達成
HEMS・BEMS
■ HEMSは2030年頃までに全世帯に導入。需要予測、エネルギーマネージメントによる省エネ効果10%
■ 創エネ機器等とのネットワーク化による連携制御による省エネ効果15%
■ BEMSは2030年頃までに事務所ビルの半数以上(大規模事務所ビル中心)に導入
2000
2030
モニタリング
2050
ネットワーク化による連携制御
需要予測
2100
(ライフスタイルや快適性を取り入れた制御)
HEMS
HEMSによる省エネ効果 10%
全世帯に導入
BEMS
最適制御技術
需要予測技術
通信技術
モニタリング
15%
ネットワーク化による連携制御
需要予測
導入延床面積 60%
創エネとの連携
モニタリングの高度化
(使用履歴)
通信プロトコルの高度化
学習機能による予測
(時間・暦・気温)
光LAN・ワイヤレス
(ライフスタイルや快適性を取り入れた制御)
70%
80%
電力貯蔵との連携
人の動きに対応
(人感センサー等)
(個人の好み(嗜好)に対応)
通信プロトコルの統合
技術以外の要因
● 家電製品・業務用機器の規格化、システムの標準化
● ESCO事業の普及、ESP(エネルギー・サービス・プロバイザー)等の省エネビジネスの発展
民-16
TEMS
■
■
■
■
太陽光発電などの分散電源の導入促進などを目的に、ローカル・エネルギー・ネットワーク(LEN)が形成される。
BEMS・HEMSの普及にあわせ、地域のエネルギーマネージメント(TEMS)が始まる。
再生可能エネルギー導入に伴い、エネルギー貯蔵を含めたエネルギーマネージメントが行われる。
TEMSが普及し、系統の電圧・周波数制御を分担する。
2000
2030
エネルギー融通
TEMS
2050
2100
ネットワーク化による連携制御
地域熱(温水)相互利用システム
熱相互利用システム(戸建住宅、集合住宅)
熱の相互融通技術
エネルギー貯蔵との連携制御
HEMS・BEMSとの連携
電気・水素の相互融通技術
系統との連携制御
需要アグリゲート技術
需要予測技術
データ収集・分析、事故時開閉
常時開閉
系統の制御機能分担
ゲートウェイ
通信技術
通信プロトコルの高度化
光LAN・ワイヤレス
通信プロトコルの統合
技術以外の要因
● エネルギー特区、規制緩和などの施策による導入促進
● ESCO事業の普及、ESP(エネルギー・サービス・プロバイザー)等の省エネビジネスの発展
エネルギー貯蔵・ネットワーク
■ 蓄電などのエネルギー貯蔵、セキュリティ向上、潮流変動抑制などの要件を持つ場所から導入が始まり、再生可能エネルギーの普及に伴い昼夜間の出力変動の対応などのた
めに導入が広まる (家庭の場合昼夜間での蓄電必要量は20kWh/世帯程度)
■ 再生可能エネルギーの普及の進展により蓄電による貯蔵可能量を超えた分について、水素などによる貯蔵が開始され、水素利用技術も同時に実用化される
■ 創エネの導入に伴い、貯蔵も含めたネットワークが形成される
エネルギー貯蔵・ネットワーク
(電気・熱・水素)
リチウム電池
新型二次電池、蓄熱
水素利用燃料電池
分散エネルギー貯蔵
ローカル・エネルギー・ネットワーク(LEN)
民-17
民生分野における各エネルギー技術の寄与度
わが国における2000年度の民生部門の最終エネルギー消費は、全最終エネルギー消費の約1/4を占め、家庭と業務は各々その約1/2を占めてい
る。この民生部門において、今回作成したエネルギー分野のロードマップにおける各分野の技術が技術スペックの実現に寄与する大きさは以下のよ
うに想定される。
家庭一世帯あたりの二次エネルギー消費は空調(暖房・冷房)で1/4、給湯で1/4、残りが照明および動力その他である。近年、暖房便座などにより
電力消費量が伸びたように、今後もより快適な生活を志向する結果、何ら対策なしで推移した自然体(BaU)シナリオにおける家庭のエネルギー消費
の合計量は、各用途で多少の伸び率の大小はあるものの、継続的に伸びるものと考えられる。
業務のエネルギー消費状況は、事務所、学校、飲食店、小売店、病院、ホテルなど業態により大きく異なり、省エネルギーの観点からは、病院、ホ
テルのような一定の熱需要を持つ需要とそれ以外とで取り組みが異なる。
この状況において、
(1) 空調は、家庭・業務とも、より広い面積をより長時間にわたり、より快適な室内環境を保つために、BaU的なエネルギー消費量は増大する可能性
が高いが、材料や設計・診断技術の進歩による建物の断熱性能の向上および空調機器の性能の向上により、2050年に想定されるエネルギー消
費量を約50%削減するために重要度の高い分野となる。
(2) 給湯は、給湯量が漸増すると想定されるが、高効率ヒートポンプなどの省エネルギー機器の導入、コジェネや太陽熱などとの組み合わせにより、
大きな省エネルギー効果が期待される分野である。
(3) 照明は、全体に占める割合は小さいが、技術開発により大きな割合の省エネルギーが見込まれる分野である。
(4) 厨房および動力その他は、テレビの大画面化に代表される従来機器の高級化、高齢化・健康重視・情報機器の常時使用、調理に代表される電
化の進展などのライフスタイルの変化に合わせ、新たな様々な機器などが導入され、今後最も大きなエネルギー消費の伸びが想定される。テレビ
等の電気機器の高効率化、待機電力の最小化のための技術など、この分野の重要性は大きい。
(5) 高効率デバイス(電力変換等)は、電気製品の電源、制御などに用いられ、より効率的な運転制御とそれ自体の損失低減により、様々な分野に共
通して重要な技術である。
(6) 創エネルギー分野において、最も広く適用可能な技術は太陽光発電であり、セル自体の開発に加え、様々な建物、施設あるいは空きスペースに
本来の効用を損なわずに安価かつ広く導入するため、建材、施工技術などの役割は大きい。バイオマス、風力など他の再生可能エネルギーや熱
電変換等の未利用エネルギーに関しても、住宅や業務用ビルのそれぞれの特色に応じて導入を図る必要がある。
(7) エネルギーマネジメント技術は、個別の機器の省エネに加えて自動消灯や空調の適性温度管理などを通して当面一定の省エネ効果が期待され
る。創エネの進展により再生可能エネルギーの導入量が増加し、省エネの進展と相まって自立的な運用が世帯、ビル単位で可能になる段階では、
HEMS・BEMSによる蓄電も含めた最適運用が重要となる。再生可能エネルギー普及が更に進んだ段階では、エネルギーの相互融通、貯蔵、エネ
ルギー供給の品質維持(電力の場合の電圧、周波数など)にTEMSは重要な役割を果たす。
参考として、図に3人世帯での2050年における省・創エネの導入の試算例を示す。
民-18
家庭部門 2050年世帯あたり用途別エネルギー消費内訳試算例
動力、その他
戸建て、東京、3人/世帯想定 民生WG試算
厨房 ※
エネルギー消費量 (2000年比)
1.8
給湯
1.6
1.2
空調
高断熱化
1.4
照明
空調・給湯器
効率向上
BaU的
増エネ
1.0
家電効率
向上
0.8
創エネ
0.6
0.4
0.2
0.0
2000年
(参照)
2050年
(基準)
4.5kW
太陽電池導入
※厨房はコンロの他、冷蔵庫、電子レンジ、換気扇等の厨房における機器を含む
民-19