Transcript ダウンロード - 優人クリニック

HF療法における
血行動態の安定化
• 冨田兵衛 1),2) ・青柳直樹 1) ・壱岐一平 1)
根岸康介 2) ・遠藤陽子 2) ・野入英世 3)
中尾彰秀 4)
1)優人クリニック、
2)東京大学腎臓内分泌科、
3)東京大学血液浄化療法部、4)東芝病院
目的
• 透析期間の長期化・高齢化・虚血性心疾患の合併
などによる循環機能の低下が問題となることが多
い。透析中の血行動態を安定化させること、血圧
低下を予防するための方法として大量置換HFの
効率・効果を検討した。
HD と HDF と HF
HD:小分子の除去効率に優れる。
HDF：小分子の除去および中分子物質の除去に優
れ、血圧の低下も少ない。
HF：血液浄化効率が悪い。血圧低下が少ない。
通常のHD
A
•東レ製TR3000M
•透析液流量合計が
400mlから600ml/minまで調整可能
•QFは0から300ml/minの間で
調整可能
V
QD:500ml/min
有効透析液流量
500ml/min
オンラインHDF
前希釈
QF:200ml/min
A
•東レ製TR3000M
•透析液流量合計が
400mlから600ml/minまで調整可能
•QFは0から300ml/minの間で
調整可能
V
QD:300ml/min
有効透析液流量
500ml/min
オンラインHF
QF:200ml/min
A
V
前希釈HDFシステムを利用したHF
QF:200ml/min
A
シャント300ml/min
V
500ml/min
患者
• オンラインHDFを行っていても血圧低下、
気分不快をきたすことの多い3名
• ①
• ②
• ③
７８F 高血圧性腎硬化症 HD歴 4年
７４F PCKD
HD歴20年
８０F 糖尿病性腎症
HD歴 5年
HFの条件
年齢
透析歴
DW
透析時間 血流量
ml/miｎ
置換
液量
①
78 4年2ヶ月
30.6kg
4時間
150
36L
②
74 20年
38.3kg
4時間
150
36L
③
80 5年4ヶ月
44.7kg
3.5時間
180
42L
透析効率 （Kt/v urea）
①
②
③
2.5
2
1.5
1
0.5
0
HD
HDF
HF
K低下率
0.35
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
①
②
③
HD
HDF
HF
P除去率
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
①
②
③
HD
HDF
HF
β2MG除去率
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
①
②
③
HD
HDF
HF
透析経過表 HDF
透析中血圧経過図　HDF　（①)
200
150
100
50
0
0
30
60
90
120
150
180
210
240分
sBP
161.7
146.0
127.3
126.3
125.0
128.3
123.7
118.0
112.0
dBP
91.7
84.0
82.3
85.2
82.4
80.0
77.0
85.0
83.0
透析経過表 HF
透析中血圧経過図　HF　（①）
200
150
100
50
0
0
sBP 157.3
dBP 92.0
30
60
90
120
150
180
210
240分
148.3
85.5
131.0
82.0
129.0
78.5
132.8
81.8
126.9
77.0
123.5
71.3
117.7
78.0
127.5
89.3
結語
• オンラインHF療法を行うことにより、透析効率も比
較的保ちながら、血行動態の安定化を図れた。
• 透析時間、QB、QFなどを含めた最適な条件を探
していきたい。