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未来予想図
Dreams come true
~ 地方の“願い”がかなうとき ~
平成17年8月11日
佐賀県知事 古川 康
「地方分権改革」で佐賀県が描く「3つの未来予想図」
全国一律から佐賀県スタイルのサービスへ
「霞ヶ関ルール」から「ローカルルール」へ
通知遵守・解決困難型から政策創造・説明責任型へ
(1)全国一律から佐賀県スタイルのサービスへ
地方が求めている地方分権改革が実現すると、行政サービスはこのようにかわります。
地域にとって本当に必要な時に 施設をオープン!
あいているときに、使おうよ!みんなのための有効利用!
2月になって計算のやり直し?保護単価に施設現場は翻弄!
現場に迷惑をかけられない!補助金担当者の苦悩・・・
補助金の受け皿をわざわざ作る?官民ともに過剰負担!
地場産業に対する支援はよりきめ細かく、ニーズに応じて!
NPOに対しても専門家が助言。地域経済活性化に一役!
地方の創意を活用!多様なニーズに沿った公営住宅を!
17年度までにこのように県民の皆様に対する行政サービスの利便性を高めました。
目次へ
社会福祉施設整備関係(補助金・交付金)
地域にとって本当に必要な時に 施設をオープン!
民間福祉施設を経営する北条さん。施設が古くなったので、来年3月に施設を建直
し、4月オープンを考えています。しかし、国の補助金が2ヵ年事業になったので、今
年は半分しか補助金を取れず、オープンは7月に延期することになりました。
そんな北条さんに県から電話が「北条さん、国から連絡があって、やっぱり今年満
額補助金出すって行ってきましたよ」
「こっちが欲しいと言ったときには、ダメ。後から満額出すって言われても・・・いまさ
ら工事を早めるなんてできないじゃない・・・」北条さんは振り回されてしまいました。
どうして北条さんは、国に振り回
されてしまうの?
施設整備など国の補助金の
採択は、各自治体からの要望
と、国の予算額を調整する必
要があり、時間と労力がかか
ります。
このため、地域の実情より、
行政実務を優先して補助金が
交付されることもあります。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
県が予算措置をする段階で実情を十
分把握することができるので、行政
側の都合で「突如」変更することはあ
りません。
社会福祉施設整備関係(補助金・交付金)
あいているときに、使おうよ!みんなのための有効利用!
しずかさんはデイサービスセンターで働いています。デイサービスは、午後4時ごろに
終わるので、そのあとセンターは空き状態。一方、夕方の忙しい時間、家庭の用事や
仕事の都合でこどもたちを預かってもらいたいという人もいます。
「そうだ!デイサービスセンターが空いているときに、こどもの一時預かりはできない
かな?高齢者とこどもの交流もできるかもしれないし、サービスの幅も広がりそう」
しずかさんがそう考え、県に相談すると「ん~むずかしいですよね~」
どうして、しずかさんのアイディア
は、実現しないの?
国の補助金を使って施設を
作った場合、その施設を目的外
に利用することはできないこと
になっています。
この場合、デイサービスセン
ターの目的は、「高齢者のた
め」なので、「こどものための
サービス」はできないのです。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
高齢者、障害者、こどもといった国の
縦割りにとらわれることなく、施設の空
き時間をこども向けに開放するなど、
地域福祉の向上のために何が一番い
いのかという考え方から、効果的な施
設の有効利用を進めます。
児童保護費等負担金
2月になって計算のやり直し?保護単価に施設現場は翻弄!
那須さんは障害児施設の新人事務職員。国や県から施設が受け取る措置費の申請
や経理を担当しています。年度末の2月、初めての年度を終えようとしていた那須さ
んのもとに、一つの通知がきました。措置費の単価が変わったとの連絡です。
「今度の4月からこの単価になるんですね」と那須さんが先輩職員に聞くと、「違う、違
う。去年の4月からこの単価なの。だから、去年の4月に遡って計算をやり直すの」
「この10ヶ月の作業っていったい・・・」
どうして、那須さんは作業をやり
直すことになるの?
措置費の単価(保護単価)
は、例年2月に「その年度」の
単価が示されます。
このため、現場の施設は、
措置費の申請事務を前年4
月分に遡ってやり直すことに
なります。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
保護単価を県独自で設定できるよう
になれば、年度当初に各施設に通知
することなどで、安定的な施設運営が
できるようにしたり、短期間で施設職
員に負担をかけないようにすることが
できます。
スクールカウンセラー活用事業費補助金
現場に影響があってはならない!補助金担当者の苦悩・・・
中学校などで不登校児の教育相談などを担当するスクールカウンセラー。県は前年度と同じ
52人を配置する予定で、国へ補助申請。教育相談は年間を通じて必要ですから、カウンセ
ラーは4月から配置していますが、7月に国からきた交付決定を見て県の梶原さんはビックリ、
厳しいかもしれないという情報はあっていたものの、47人分の交付決定だったのです。
「困った・・・いまさら5人減らせないし・・・現場のカウンセラーや生徒のケアに影響があっては
ならない」梶原さんはいろいろ頭を悩ます日々が続き、国ともやりとりを続けました。すると、翌
年の1月になって国から5人分追加交付できるという連絡が。
ホッとする梶原さんでしたが、「来年のことが心配だ・・・」梶原さんの悩みは続きます。
どうして梶原さんの悩みは
続くの?
国庫補助金の場合、年度中
途まで、どのくらい交付され
るのか不確定なものも多くあ
ります。
このため、県で当初考えてい
た計画どおりに仕事を進める
ことができなくなってしまう場
合もあります。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
県が当初考えた年間計画どおりに
仕事を進めることができるので、1年
を通じた確実なカウンセラー配置がで
きるようになります。
また、担当者は国庫補助の申請など
に費やしていた時間を、現場の実情を
把握し、よりよいしくみに改善していく
ことに振り向けることができます。
農業・食品産業強化対策推進交付金
補助金の受け皿をわざわざ作る?官民ともに過剰負担!
農業団体に勤める藤原さんは不思議な話を聞きました。何でも、今年から県と農業団
体で「協議会」を作るそうです。
「どうして協議会をいまさら作るの?もう頻繁に顔合わせしているし、仕事だって結構
連絡とりながらしてるじゃん?協議会を作ると、その運営に結構手間ひまがかかる
よ。」
藤原さんが県に尋ねると「いや~そこを何とかお願いしますよ・・・」
藤原さんは、釈然としないまま、作業を進めることになりました。
どうして藤原さんは釈然としない
まま、作業するの?
国の補助事業の中には、県や
関係団体で作った「協議会」に
対して、国や県が補助すること
になっているものがあります。
しかし、そのためにわざわざ協
議会を設置する必要もあり、官
民ともに事務作業が増えること
になります。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
地元では、わざわざ協議会を作らなく
ても、すでに十分な連携が取れている
場合もあります。
協議会を作るかどうかは地元に任せ
てもらうことで、官民ともに事務作業を
少なくすることができます。
小規模企業等活性化補助金
地場産業に対する支援はよりきめ細かく、ニーズに応じて!
製造業を営む佐藤さんは、耳寄りの話を聞きました。同業種が補助金を使って、新商
品開発を進めているそうです。
佐藤さんが調べると「1社では無理でも、4社ぐらいで集まると400万円ぐらい補助が
出る」とのこと。
同業者3社しか集まらなかった佐藤さんは「300万円でもいいので、何とかなりませ
んでしょうか?」と県へ相談すると、「4社集まらないと・・・」
どうして佐藤さんへの補助はな
いの?
国の補助事業の中には、企業
○社(農業者・漁業者○人)以
上のグループに対して、補助
する事業があります。
この要件は、全国一律に決
まっている場合も多く、地元の
実態に合っていないものもあり
ます。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
補助要件などは、地元の実情に応じて
弾力的な設定をすることができます。
企業が多い地域・少ない地域、農業者
が多い地域・少ない地域、それぞれの
実情に応じた支援をすることができま
す。
小規模企業等活性化補助金
NPOに対しても専門家が助言。地域経済活性化に一役!
NPO法人を立ち上げて、お店に代わって商品を高齢者の方に届けるサービスをして
いるともえさん。ある日、株式会社で同じような仕事をしている政子さんが、地域産業
支援センターから紹介された専門家の派遣を受けて、経営のノウハウを教えてもらっ
ていることを耳にしました。
ともえさんも「私のところもアドバイスを受けたいのですが」と申し込むと、「ともえさん
のところには、派遣できないんですよ・・・」
「だって、同じ仕事をしているのに政子さんのところへは派遣して、どうして?」
どうしてともえさんへは、専門家
は派遣されないの?
経営ノウハウなどを指導する
専門家派遣事業の派遣対象
にNPO法人は含まれていま
せん。
このため、同じ業種でも株式
会社には派遣され、NPO法
人には派遣されないのです。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
NPO法人もコミュニティビジネスを行う
など地域経済の担い手としての活動
が期待されています。
NPO法人と企業を区別することなく、
専門家を派遣することで、地域活性化
を進めることもできます。
公営住宅建設費等補助・地域住宅交付金
地方の創意を活用!多様なニーズに沿った公営住宅を!
公営住宅の建設を担当する和田さん。国への補助金申請のために、図面や積算
資料とにらめっこの毎日が続きます。和田さんが担当課長に費用を説明すると、
課長から「ここは、もう少し安くできんとね。民間の賃貸住宅だともっと安くできる
よ」といいました。
しかし、和田さんは、「課長。それはできないことになっていますよ」と言いました。
どうして和田さんは、課長の提案
を断ったの?
国の補助要綱で、公営住宅で
は全国画一の住宅性能(省エ
ネ性、遮音性など)が詳細に
決められています。
このため、住宅の仕様を地方
の判断で変えることができず、
コストがかかってしまいます。
県民満足度向上!
地方へ財源と
権限を
県の判断で、住宅の性能(省エネ性、
遮音性など)を自由に設定できるの
で、公営住宅をいろいろなグレード
(仕様)にすることができます。
17年度は、実際にこのように行政サービスの利便性を高めました。
平成17年度に一般財源化された補助金は、県に対する事務費や、義務的経費が大半
でしたが、その中でも次のように県民の皆様の利便性を高めたものもあります。
佐賀県育英資金
高校生に対する奨学金の貸与
国庫補助当時
国の奨学金貸与
決定通知8月、支払い9月
一般財源化後、17年度から
県の奨学金貸与
決定通知4月、支払い5月
奨学金が本当に必要な年度はじめに
奨学金を支払うことを実現!
児童福祉施設等産休等代替職員費補助
国庫補助当時
任用承認や交付申請書などの
多くの書類を必要。
補助金交付は年度末ギリギリ
施設職員の産休代替職員の雇用経費を補
助
一般財源化後、17年度から
任用協議、申請書類の簡素化
補助金交付は年4回実施
施設側の事務手続を大幅に簡素化
補助金交付を迅速化!
(2)「霞ヶ関ルール」から「ローカルルール」へ
財政面だけでなく、地方議会の条例制定権を拡大すること。これも求めていきます。
現状:「霞ヶ関ルール」(政令・省令中心)
○ 法律で大枠を定め、政令・省令で全国共通の基準などを決定
○ 自治体は、政令・省令に従い行政サービスを実施
提案:ローカルルール(条例・規則中心)
○ 法律で大枠を定め、自治体の条例・規則で地域の実情を反映した
各種基準などを決定
○ 自治体は、条例・規則に従い行政サービスを実施
現状:「霞ヶ関ルール」(政令・省令中心)
法律(国会決定)
霞ヶ関
政令
(内閣決定)
省令
(各省決定)
地方自治体
住民
「霞ヶ関」が決めたルールに従っ
て、事務を実施
通知(各省決定)
現状の問題点
法律で大枠を決め、
細かい点は政省令で規定
その解釈を通知で指示
霞ヶ関ルールを全国適用
住民の意向・地域事情が反映しにくい
提案:ローカルルール(条例・規則中心)
自治体ルールが住民生活に合わな
い場合は、合うように要求
法律(国会決定)
地方自治体
霞ヶ関
条例
(議会議決)
住民
規則
(知事決定)
通知(知事決定)
自治体が決めたルールに
従って、事務を実施
法律で大枠を決め、細かい点は
各自治体が条例・規則などで定める
補助金の一般財源化と同時に、地方への権限移譲・
条例制定権の拡大を進めることで、
地方の実情に応じた行政へ一歩前進
目次へ
(3)通知遵守・解決困難型から政策創造・説明責任型へ
地方分権が進むと、行政のあり方が変わります。
佐賀県では、「“YESの発想”から始める政策検討」「全ての職員が政策創造の主役に」を
目指しています。
通知遵守・解決困難型
現状では、国に決定権があるため、地方ではどうすることもできないことが多い。
地方は、住民に対して、要望にこたえることができない具体的な理由を十分説明できない
(制度を作っているのは国だから)
政策創造・課題解決型
地方に決定権限が移ったときには、住民のニーズにこたえるかは地方が判断。
こたえられない場合には、その責任をしっかり説明
住民の皆様に対する説明責任が大きく高まります。
・・・・・・ではなく、・・・・・でもこのサービスを受ける
ことができるようにしてほしいんですけど。
通知遵守・解決困難型
政策創造・説明責任型
それはA省の「・・・・」という
通知で「・・・・・」に限定され
ているので、県ではどうする
こともできません。
(その基準を作ったのは、A
省だし・・・)
現在わが県では、「・・・・」という基準を設けています。
どのようにすればよいのかを、早速考えます。
→ 意見に沿えない場合でも、理由を説明
最後に
今の行政システム
受益(サービス)と負担(税金)の関係が複雑
市町村
サ
ー
ビ
ス
コ
ス
ト
サービス
税金
県
サービス内容に不満
や要望があっても誰
に言えばいいの?
補助金
国
地方分権改革を行うと・・・
受益(サービス)と負担(税金)の関係が明確
市町村
サービス
誰に、何を言えばい
いかよくわかる!
税金
県
国
満足度の高い行政サービスの
実現のために改革が必要
佐賀県は、地方分権改革を
「国と地方の役割分担を明確」にし、
「県民満足度が高まる行政サービス」
「限られた税収の生きた使い方」
を実現する改革にしたいと考えています。
皆様のご理解とご協力をお願いします。