KUR E-2ポートにおけるラジオグラフィとVCAD

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Transcript KUR E-2ポートにおけるラジオグラフィとVCAD

KUR E-2ポートにおけるラジオグラフィと
VCADシステムへの適応
理研 VCAD 加工応用チーム 山形 豊
共同研究者:
理研/日本中性子光学 広田克也
理研 森田晋也、朱正明、世良俊博、横田秀夫、大竹淑江
須長秀行
京大炉 川端祐司、日野正裕、北口雅暁
原研 目時直人、篠原武尚
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
KUR E-2ポートの概略
• ラジオグラフィーポート E-2
– 医療照射用重水タンクより得られる
熱中性子線を利用したラジオグラ
フィーポート
– 常設の中性子カメラを設置(10/1921)
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
KURポートのスペック
• 中性子フラックスは、3x105n/cm2/sec(5MW運転時)程度だが直
径15cmの大きなビーム径が得られるため各種工業部品等の透
過観察に有用と考えられる。
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
KURカメラの構造
• 解像度 4008x2672pixel 36mmx34mm 冷却~-20℃
• 分解能 56μm~18μm(計算上)
253
レンズ 85mmF1.4
シンチレータ
厚さ100μm
有効面積150x150mm
729.6
シールド
ボックス
(既設)
冷却CCDカメラ
1100万画素
中性子ビーム
ミラー
850
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
サンプル
(φ15cmx15cm)
KUR E-2 カメラの設置状況
シンチ
レータ
カメラ本体と
ステージ制御BOX
新シールドプレート
カメラ
本体
カメラ取り付け
完了
ビーム出口
シールド
ボックス扉
2011/1/6
サンプル
設置場所
KUR 中性子イメージング研究会
シールドボックス (既設)
撮影画像1
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
ムツゴロウのおもちゃ(謎の影あり) 撮影1分 1MW運転 4008x2637pixel 解像度約40μm
撮影イメージ
ムツゴロウ おもちゃ
4x4 1MW 1分露出
CT撮影済み
コンクリートサンプル(5cm角)
1x1 1MW 20分露出
CT撮影済み
インコネルピラミッド
1x1 1MW 1分露出
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
撮影イメージその2
光成形 プラスチックレンズ
5MW 1x1 20秒
CTあり
Nb 人工欠陥サンプル
5MW 1x1 1024x1024
1分
CTあり
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
CT再構築 1
ムツゴロウおもちゃ
1MW 露出60sec x 500枚 0.36°ステップ
4x4binning(1002x668pixel)
解像度~160μm ?
撮影 所要時間約10時間
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
CT再構築2
2011/1/6
KUR
• 鉄筋入りコンクリートブロック(5cm角)
• 露出3分 x300枚 約15.4時間
• 1MW
• 3x3binning (1336x890pixel)
• 解像度~120μm
• 残念ながら中央部の透過率は充分でないようだ
中性子イメージング研究会
CT再構築3
•
•
•
•
•
•
•
2011/1/6
Nb人工欠陥サンプル(厚さ3mm)
超伝導加速空洞溶接欠陥の非破壊検査を想定
人工欠陥(φ1mm穴、φ0.5mmタングステン埋め込み)
5MW 1024x1024中央部撮影
解像度~40μm
露出時間20sec x 300枚 0.6°ステップ
所要時間約2時間
KUR 中性子イメージング研究会
画像のS/N比について
• 比較的弱いビーム強度でのラジオグラフィでは、どの程度の
ノイズを許容するかが大きな問題である。
– S/N比による定量化を試みた
定義: SNR = 20 log (AVRsig / SDsig)
SD sig: ダイレクトビームの標準偏差
AVRsig: ダイレクトビームの平均値
※厳密には、バックグラウンドのノイズ、レベルをどう処理するかにより値は変わってくる。
ISOのフィルム感度の定義文書によると、SNR=32dBはかなり良い画像、SNR=20は
何とか見れる画像ということである。
中性子の入射数がポアソン分布に従うと仮定する
と、各ピクセルに入る中性子数をnとすると
SDsig = √n AVRsig = n となるので、
SNR = 20log(√n)
と推定することができ、ピクセルサイズとビーム強
度から許容可能な露出時間を推定できる。
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
JRR-3 MUSASI-L
CCD: VersArray 1300B
ADC1MHz Gain1 FAST
30sec direct beam
Iavr=20021 sd=821 200x200pix
ビーム強度の比較
JRR-3 MUSASI-L
JRR-3 MUSASI-L
CCD: VersArray 1300B
ADC1MHz Gain1 FAST
30sec direct beam
Iavr=20021 sd=821 200x200pix
CCD: VersArray 1300B
ADC100kHz Gain2 lownoise
30sec direct beam
Iavr=45537 sd=1553 200x200pix
ポート
CCD: VersArray 1300B
ADC1MHz Gain1 FAST
10sec direct beam
2011/1/6
Iavr=2197
sd=87.6 200x200pix
CCD: VersArray 1300B
ADC100kHz Gain3 lownoise
10sec direct beam
Iavr=31281 sd=1062 200x200pix
規格化輝度
露光時間
ゲイン倍
標準偏差 SNR(dB) (輝度/露
ビーム強度
(sec)
率
光時間)
20021
30
821
27.7
667.4
1
8.0E+05
45537
30
1553
29.3
1517.9 2.274462
8.0E+05
31281
10
1062
29.4
3128.1 4.687228
8.0E+05
2197
10
87.6
28.0
219.7
1
2.6E+05
ゲイン 平均輝度
Gain1
MUSASI-L Gain2
Gain3
MUSASI-H Gain1
JRR-3 MUSASI-H
JRR-3 MUSASI-L
ダイレクトビームを各種条件で撮影し、その強度から中性
子ビームのフラックスを推定した。MUSASI-Lのビーム
強度は、KEK三島氏の金の放射化測定の結果による。
KUR 中性子イメージング研究会
露出量(ピクセルサイズ)とSNR
MUSASI-H
にて撮影
4008x2672(1x1) 10sec 27.3dB
1002x668(4x4) 1sec 20.5dB
0.03sec 24.6dB?
501x334(8x8) 1sec 21.5dB
2011/1/6
250x167(16x16) 1sec 23.8dB
KUR 中性子イメージング研究会
データ総まとめ
ポート
カメラ
ゲイン 画面サイ 平均輝 バックグ 露光時 標準偏
/Binning ズ(pixel)
度
ラウンド 間(sec)
差
VersArra
Gain1 1340x1300 20021
y
MUSASI-L
1300B
MUSASI-H
統計誤差によるSNR(dB)
1秒
5秒
10秒 30秒
3925
30
821
27.7
536.5
8.0E+05
75.8
45.9
16.6
30.6
36.6
46.2
Gain2 1340x1300 45537
12228
30
1553
29.3
1517.9 8.0E+05
75.8
45.9
16.6
30.6
36.6
46.2
Gain3 1340x1300 31281
14374
10
1062
29.4
3128.1 8.0E+05
75.8
45.9
16.6
30.6
36.6
46.2
2197
81
10
87.6
28.0
219.7
3.3E+05
75.8
18.8
12.7
26.7
32.7
42.3
1010
10
76.6
20.0
76.5
3.3E+05
40.7
5.5
7.4
21.3
27.4
36.9
ー
ー
ー
ー
3.3E+05
81.3
21.8
13.4
27.4
33.4
42.9
Gain1 1340x1300
BU53LN
規格化
輝度 ビーム強
ピクセル 中性子
SNR ((輝度度
サイズ
数/
BK) (n/cm^2
(dB)
(μm) pixel/秒
/露光 /sec)
時間)
1x1
4008x2672
1775
2x2
2004x1336
ー
4x4
1002x668
2459
1033
1
232
20.5
1426.0 3.3E+05
156.3
80.6
19.1
33.0
39.1
48.6
8x8
501x334
7760
1828
1
650
21.5
5932.0 3.3E+05
312.5
322.3
25.1
39.1
45.1
54.6
16x16
250x167
28488
4233
1
1833
23.8
24255.0 3.3E+05
625.0
1289.1
31.1
45.1
51.1
60.6
16x16
250x167
2961
2645
0.03
175
24.6
10533.3 3.3E+05
625.0
1289.1
31.1
45.1
51.1
60.6
KUR E2 1MW
1x1
4008x2672
2217
1035
60
198
21.0
19.7
8.5E+04
40.7
1.4
1.5
15.5
21.5
31.0
KUR E2 5MW
1x1
4008x2672
3086
1132
20
225
22.7
97.7
4.2E+05
40.7
7.0
8.4
22.4
28.4
38.0
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
ビーム平行度に関する考察
エッジ法(Cd(t = 1 mm)のLSF)を用いてMTFを算出した。ピン
ホール(φ1mm)による撮影も行ったが、MTFの算出は容易ではな
さそうである。E-2ポートでは、ビームの平行性は対称的だが、ガ
イド管B-4の出口では異方性があるため、評価方法に工夫が必
要と思われる。
距離:0cm
距離:5cm
距離:
0cm
距離:
15cm
距離:
10cm
距離:
5cm
E-2
距離:15cm
1
LS F
0 .8
1000
0 cm
5 cm
10 cm
15 cm
600
400
200
0
M TF
In ten s ity
800
0 .4
距離:0cm
距離:5cm
0 .2
B-4
0
0
-200
180
200
220
D si tan ce [p xi e l]
2011/1/6
0 cm
5 cm
10 cm
15 cm
0 .6
160
距離:10cm
2
4
6
8
10
距離:10cm
240
S pa tai l frequen cy [cyc el sm
/m ]
距離:15cm
KUR 中性子イメージング研究会
まとめ
• KUR E-2ポートは1MW運転時は約8x104n/cm2/sec, 5MW時
は、約4x105n/cm2/secのフラックスがあり、φ15cmのビーム
が得られることからかなり実用的。
ポート
直径
L/D
使い方
MUSASI-L 8x105
約3~5cm
~100?
小型サンプル、比較的
短時間で撮影可能、高
解像度
MUSASI-
H
3x105
約3~5cm
~50?
小型サンプル
KUR Eー2
1MW
8x104
φ15cm
~100
大きなもの(やや時間
がかかる)
同5MW
4x105
φ15cm
~100
同上、比較的短時間
で撮影可能、高解像
度
2011/1/6
ビーム強度
KUR 中性子イメージング研究会
今後の予定
•
•
•
•
•
ビーム強度とSNRの関係の詳細な調査
ビーム平行度の評価方法の検討(MTF)
E-2ポートカメラのアップグレード(高感度化)
広範囲な工業製品のラジオグラフィーおよび解析
他のユーザへの利用
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会
謝 辞
• MUSASI-L/Hにおける実験は、日本原子力研究開発
機構 供用利用制度(2009A-A35)によるものです。
• KUR E-2ポートにおける実験は、京都大学原子
炉実験所 共同利用研究(22P4-6)によるものです。
2011/1/6
KUR 中性子イメージング研究会