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物理網構成を考慮したハイブリッド型
P2P 動画像ストリーミング配信機構の提案と評価
大阪大学 大学院情報科学研究科
* 末次 信介
若宮 直紀
村田 正幸
NEC インターネットシステム研究所
小西 弘一
Sep. 22, 2004
谷口 邦弘
ソサイエティ大会
1
はじめに





研究の背景
研究の目的
提案機構の紹介
シミュレーションによる評価
まとめと今後の課題
Sep. 22, 2004
ソサイエティ大会
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研究の背景

動画像ストリーミング配信の普及
• 動画像データを受信しながら再生
• 映画の予告編、ニュース映像などの配信

P2P 技術の発展
• P2P マルチキャストによる動画像配信
• サーバの負荷を軽減
サーバ
サーバ
クライアント
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配信ツリーの
構築
ピア
ソサイエティ大会
P2P マルチキャスト
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研究の背景

適切な配信ツリーを構築するには?
• 遅延や帯域など、物理網特性を計測



長時間の観測が必要
観測のために新たにネットワークに負荷をかける
企業や大学などのネットワークでは……
• 組織構成にもとづいた物理網が構成されている



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支社や部署、学部や学科など
物理網特性の計測が不要
簡単に、かつ迅速に配信ツリーを構築
ソサイエティ大会
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研究の目的

組織構成にもとづいて階層化されたネットワークを
対象とした動画像ストリーミング配信機構を提案
• 数千、数万のユーザを有する
• 実用的な配信機構を提案

提案機構の目標
• サーバやサーバ近傍の負荷集中の軽減
• ネットワークの負荷の軽減


物理網上で遠く離れたピアが繋がるのを避ける
同じデータが同じリンクを往復するのを避ける
• 再生開始までの待ち時間を短縮
• 障害による、再生の途切れ時間を短縮
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動画像ストリーミング配信機構の概観
支社
本社
サブネット代表 (STS)
部署
部署
拠点
スケジュール
サーバ (SS)
サブネット
ツリーサーバ
(GTS)
動画像サーバ
(ORG)
サブネット
拠点
部署
拠点代表 (LTS)
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サブネット
普通のピア(NP)
支社
ソサイエティ大会
拠点
支社
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動画像ストリーミング配信機構の概要
1.セグメント受信スケジュール決定アルゴリズム
• ピラミッドブロードキャスティングを用いる

再生開始までの待ち時間を短縮
2.配信ツリー構築機構
• P2P マルチキャストを用いた動画像配信ツリー構築

サーバの負荷を軽減
• 物理網構成にもとづく階層化

ネットワークやピアの負荷を軽減
3.障害回復機構
• 分散自律制御により短時間で障害回復

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障害時の動画像の再生の途切れを削減
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1.セグメント受信スケジュール決定アルゴリズム
ピラミッドブロードキャスティング
1
:
2
:
4
再生速度 b
動画像データ
ピア
セグメント
再生→
t
t
スケジュール
サーバ (SS)
スロット
転送速度2b
動画像サーバ
(ORG)
各セグメントを、異なるチャネルで繰り返し配信
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2.配信ツリー構築機構
セグメント、スロットごとに配信ツリーを構築
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2.配信ツリー構築機構
拠点間ツリーの構築
本社
拠点代表(LTS)
この拠点での
初めての参加要求
参加要求
拠点B
ツリーサーバ
(GTS)
動画像サーバ
(ORG)
接続要求
動画像サーバのアドレスを通知
拠点代表
拠点C
拠点A
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2.配信ツリー構築機構
拠点間ツリーの構築
本社
子のアドレスを通知
拠点B
ツリーサーバ
(GTS)
動画像サーバ
(ORG)
拠点C
祖先リスト:
動画像サーバ → 拠点B
子の数に制限
拠点A
ファンアウト数=2
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紹介された子に接続できない場合は、さらに
その子を紹介してもらう
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ピアは、紹介されたピアのリストを保存する
2.配信ツリー構築機構
サブネット間ツリーの構築
拠点代表(LTS)
その拠点の
拠点代表のアドレスを通知
サブネットB
ツリーサーバ
(GTS)
参加要求 ファンアウト数を考慮
接続要求
動画像サーバ
(ORG)
サブネットC
サブネット代表(STS)
サブネットA
このサブネットでの
初めての参加要求
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拠点A
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サブネットD
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2.配信ツリー構築機構
サブネット内ツリーの構築

第1セグメントと第2セグメント以降で異なる
サブネット代表(STS)
ツリーサーバ
(GTS)
そのサブネットの
サブネット代表のアドレスを通知
ツリーサーバを介さず
前セグメントのサブネット代表へ
ファンアウト数を考慮
普通のピア(NP)
第2セグメント以降の場合
第1セグメントの場合
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サブネットA
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3.障害回復機構
同じ階層内での障害回復

障害
ファンアウト数
の制限
• ピアの離脱



様々な原因
様々なタイミング
同じ階層内での障害回復
• 各ピアは、その階層の
ツリーの根までの情報を
持っている
• どの階層のツリーでも同じ



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接続要求
障害回復
拠点間ツリー
サブネット間ツリー
サブネット内ツリー
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3.障害回復機構
異なる階層間での障害回復

祖先の情報を持っていない
ツリーサーバ
(GTS)
障害回復
昇格
参加要求
障害回復
障害回復:
祖先の情報があるときは祖先に接続要求
サブネットA
祖先の情報がないときはツリーサーバに参加要求
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シミュレーション

評価項目
•
•
•
•

サーバやピアの負荷
再生開始までの待ち時間
障害回復時間
再生の途切れ時間
シミュレーション条件
• 拠点数、拠点内サブネット数: 5
• 1 秒間に平均 30 のピアが一様分布で到着

•
•
•
•
ある時刻に配信ツリーに参加しているピア数: 平均 2,790
ピア間の転送遅延: 20 (ミリ秒)
サーバ・ピア間の転送遅延: 200 (ミリ秒)
ファンアウト数: 3
いずれのピアも毎秒 0.004 の確率で離脱

およそ 47% のピアが最後まで動画像を受信
• 動画像の長さ: 186 (秒)
• 5つのセグメント (6秒、12秒、24秒、48秒、96秒)
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再生開始までの待ち時間の分布
累
積
確
率
再生開始までの待ち時間 [sec]
平均 2.94 秒
最大でも 6 秒未満
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再生の途切れ時間の分布
累
積
確
率
再生の途切れ時間 [sec]
およそ 0.5 % のピアだけが途切れを経験
最大でも途切れ時間は 1 秒以下
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まとめと今後の課題

動画像ストリーミング配信機構の提案



セグメント受信スケジュール決定アルゴリズム
配信ツリー構築機構
障害回復機構
• 提案機構により、再生開始までの待ち時間、
再生の途切れ時間が十分小さい動画像
ストリーミング配信が提供できることを示した

問題点と今後の課題
• ツリーサーバに負荷が集中している
• 冗長な拠点間ツリーが構築されている

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物理網上で遠く離れたピアが繋がっている
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
ご静聴ありがとうございました。
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