Transcript 安全靴

7 安全靴
安全靴
くるぶしより下のけがの多くは、「重いものを爪先に落
としてしまった」、「脚立から無理に飛び降りてしまっ
た」
といったことが原因で起こっている。
「滑って転倒し、頭をけがしてしまった」など、歩くことに
関係するけがも少なくない。
このような災害を防止するために安全靴を装着するこ
ととなる。
ある金属工場における
安全靴の年度別支給状況と足部災害件数
(安藤正著:安全保護具ハンドブックより)
1600
350
1400
300
200
800
150
600
100
400
50
200
年度
60
19
58
19
56
19
54
19
52
0
19
50
0
足部災害件数
250
1000
19
安全靴支給数
1200
安全靴(A社)
3層底
2層底
スニカータイプ
軽作業用
安全靴(B社)
足部保護具の使用環境・条件
による区分
安全靴
主として重量物の運搬作業などつま先部への落下物の危険のある作業及
び場所
静電靴
人体の静電気帯電が爆発、火災、電撃のような事故及び災害、又は生産障
害の原因となるおそれのある作業及び場所
絶縁ゴム底靴
工場内の保全作業あるいは電気工事などのように作業中に誤って低圧回路
に触れるおそれのある作業及び場所
導電靴
超高圧送電線近傍、あるいは変電所内の電場など強電界中で静電誘導に
よる人体帯電を起こすおそれのある作業及び場所
その他
安全靴の種類・形式
(JIS8101より)
甲被による種類
革製(甲被:革)総ゴム製(耐油性ゴム、非耐油ゴム)
作業区分による種類
重作業用(記号H),普通作業用(S)、軽作業用(L)
付加的性能による種類
耐踏抜き性(記号P)、かかと部の衝撃エネル
ギー吸収性(E)、足甲プロテクタの耐衝撃性(M)
安全靴の正しい選び方(1)
「JIS合格品」「JIS相当品」を選ぶ。
作業を考慮して安全靴の機能を選ぶ。
・爪先保護のために必要な先端部の強度
・かかとにかかる衝撃を吸収するためのクッション性能
・転倒防止のための耐滑(滑りにくい)性能
・高所での作業が多い場合には、甲部は動きやすい柔
軟な材質であり、くるぶしを安定させることができる「編
み上げ」タイプが望ましい。
安全靴の正しい選び方(2)
自分の足にあった靴を選ぶ
・普通に立った状態で足を入れ、全体のフィット感をチェックする。
・足に圧迫感があったり、どこかが当ったりする場合には、サイ
ズまたはウイズ(足廻りの寸法)を上げて再度チェックする。
・靴ひもを締めずに足を前一杯に移動させ、かかとに人差し指が
軽く入るかを確認する。
・靴紐を締め、親指のくびれた部分に先芯の後端部がくることを
確認する。
・歩いてみて足に強い圧迫感がないことを確認する。あわせて、
軽さや履きやすさなどを試す。
安全靴の先芯
軽くて強度のあるハイテク樹脂の使用
鉄と同等の強度をもつ
ハイテク樹脂先芯
樹脂先芯装着状態
安全靴の試験:衝撃試験
所定の衝撃エネルギーを与えるために、20kgの鋼
製ストライカを所定の高さから自由落下させる
安全靴の試験:圧迫試験
つま先(先しんの最高部)に圧迫力を加えて、ダミーと
して入れた油粘土を取り出し、高さを測定する
安全靴の試験:耐踏抜き試験
試験用くぎを靴底に立て、圧迫力を加えて、
くぎが貫通したときの力を測定する
移動式アイスリンクによる
氷の上での安全靴
可変式傾斜路における
すべりによる安全靴
耐滑試験機
簡易型かかと衝撃吸収試験
地下足袋で飛び降りると、かかとに
かかる衝撃が大きい
静電靴チェッカー