製作 2680地区 PDG 田中 毅

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Transcript 製作 2680地区 PDG 田中 毅

理論と実践の徹底的分析
2007
製作
2680地区 PDG 田中 毅
最もよく奉仕する者、最も多く報いられる
職業奉仕は
アーサー・フレデリック・シェルドン
が提唱したロータリー固有の
奉仕理念である
シェルドンの奉仕理念と異なる考え方
は職業奉仕理念とは言えない
シェルドンの奉仕理念を知ることが
職業奉仕を理解することにつながる
• シェルドンの一次資料に接することが
必要で、多次資料や伝聞によって職
業奉仕を語ってはならない
• 仏教や儒教と職業奉仕とは無関係
• キリスト教から職業奉仕を語ることの
危険性
• カルビニズム、プロテスタンティズム、
マックス・エウーバーの天職論とロー
タリーの職業奉仕は無関係
• 職業奉仕とは科学的な企業経営方法
• 合理的な企業経営をすれば最高の利益
が得られる
He profits most who serves best
• 職業奉仕の受益者はロータリアンである
• 職業奉仕は実利的なものであり、宗教的
倫理的な運動ではない
• 結果として職業倫理の高揚につながるが
職業倫理高揚が目的ではない
シェルドンによる奉仕理念の提唱
• 1910年 シカゴ大会
• 1911年 ポートランド大会
私の宣言
• 1913年 バッファロー大会
事業を成功させる哲学と職業倫理
• 1921年 エジンバラ大会 ロータリー哲学
The Rotarian に対する数回の小論文
He profits most who serves best の解説
アーサー フレデリック シェルドン
• 1868年 ミシガン州
バーノンで生まれる
• ミシガン大学経営学
部修士課程で販売
学専攻
• 図書販売のセール
スマネージャー
• 1899年 出版社経営
アーサー フレデリック シェルドン
• 1902年、ビジネス・ス
クールを開校、サー
ビス理念を中核にし
た販売学を教える
• 1908年 シカゴ・クラ
ブ入会 情報拡大委
員長
• 1910年 全米ロータリ
ークラブ連合会
Business Method 委
員会委員長
1906年、この学校の広
告を偶然に見た私は、
入学金10ドル、授業料
月額5ドルを払って684
番目の学生として入学
した。 そして6ケ月の
間に40冊の教科書を
受け取った
道徳律起草委員
ジョン・ナトソン
当時の時代背景
成功を夢見た人たちが集まった、無法と腐敗の街
無秩序な自由競争
同業者はライバル
法さえ犯さなければ
金を儲けた者が成
功者
だますより、だまさ
れる方が悪い
誇大広告・虚偽広
告の横行
• 人間の本能をむきだしにした弱肉強食
の自由競争を否定
• 事業を営むことは、経営学という学問を
実践すること
• 事業の発展は、末長く利益をもたらす顧
客を確保すること・・・販売学
• 原因結果論・・大きな火には大きな熱
大きな奉仕には大きな報酬
• 利他の心を持って、他人の成功を願うこ
とが、自らが成功する秘訣である
幸福の三角形
L
H
C
M
• L: Love & Respect
同僚からの愛・尊敬
• C: Conscience
良心・自尊心
• M: Money
物質的な富
• H: Happiness
幸福・満足
profit
• 物質的な富
• 物質的な富によって得
られる精神的な価値
• 同僚からの愛尊敬
• 良心・自尊心
• 精神的なものは含まな
い
清貧
奉仕の三角形
Q1
•
•
•
•
Q2
S
M
Q1: Right Quality
正しい質
Q2: Right Quantity
正しい量
M: Mode of Conduct
正しい様態
S: Satisfactory Service
満足感のある奉仕
シェルドンの文献に
は神という言葉が使
われていない
ロータリーの職業奉
仕を天職論で説明す
ることは誤り
イギリスにおけるシェ
ルドンへの反発
顧客に満足度を与える具体的経営方法
•
•
•
•
•
•
•
高い品質
適正な価格
経営者・従業員の接客態度
豊富な品揃え
公正な広告
高い商品知識
アフター・サービス
リピーター新規顧客の獲得
結果として高い職業倫理に繋がる
事業における人間関係学
• 自分が事業上得た利益は、自分ひとりのもので
はない。
• 自らの事業は、従業員、取引業者、顧客、同業者
によって支えられている。
• これらの人々と、利益を適正に配分すれば、自ら
の事業は継続し発展することを、自らの事業所で
実証する。
• 自らそれを実証することによって、業界全体の職
業倫理を向上させる。
He profits most who serves best
職業奉仕実践のまとめ
顧客の満足度を最優先して、自ら
の職業を通じて他人に奉仕する
リピーターと新規顧客の獲得
継続的な事業の発展
職業倫理の高揚
職業倫理訓(道徳律)の策定
• 1913年 バッファロー大会
ロバート・ハントによって、事業上適用すべき実
践例の収集がおこなわれる。
• 1914年 ヒューストン大会
パーキンスによってその成果が発表される。
• 1915年 サンフランシスコ大会
「職業人のためのロータリー道徳律」として、正
式承認される。
• 1916年 「A Talking knowledge of Rotary」に収
録、配布される。
職業倫理訓の具体的内容
1.自らの職業に誇りを持ち、職業を通じて社会
に奉仕すること
2.自己改善によって実力を培い、He profits
most who serves bestの成果を実証すること
3.経営者が自分の事業の成功を夢見るのは当
然のことである。しかし、最高の正義と道徳に
基づかない成功は望んではならないこと
4.商行為による対価の授受は、関係者全員に
利益をもたらさなければならないこと
5.自らの職業の倫理基準を高め、そのことが最
高の利益をもたらすものであることを、同業
者に実証すること
6.自分が扱った商品には、最後まで責任を負う
こと
7.ロータリアンの最も大きい財産は友人であり、
友情を通じて得られたものに大きな価値があ
ることを理解すること。
8.利益のために友人の信頼関係を利用しては
ならない
9.道徳的に疑義のあるような条件や機会を利
用した取引をしてはならない
10. ロータリアンだからという理由で、特別な配
慮を払ったり、期待してはならない。
11. 「すべて人にせられんと思うことは、他人に
もその通りにせよ」という黄金律の普遍性を信
じ、地球上の資源をシェアしなければならない
レストラン協会の道徳律制定
ガイ・ガンディカー
•
•
•
•
•
•
労使関係、従業員対策
職業倫理基準高揚
接客態度、サービス
取引関係
同業者対策
行政との関係
職業奉仕の爛熟期
• 1920年 禁酒法とマフィアの台頭
• シカゴ防犯協会の活躍
チャンバリン大佐
保釈保証人の告発
ボビー・フランク殺人事件
• 法制化運動
四つのテスト
ハーバート・テーラー
1954年 RI会長
1932年、倒産寸前のク
ラブ・アルミニューム社
再建のために考え、実
践したスローガン
1954年、その版権をRI
に寄贈
Four way test
1. Is it the truth ?
2. Is it fair to all concerned ?
3. Will it build goodwill and better friendships ?
4. Will it be beneficial to all concerned ?
1.真実かどうか?
事実かどうか ?
2.みんなに公平か?
すべての取引先に対して公正かどうか ?
3.好意と友情を深めるか?
信用を高め取引先をふやすかどうか ?
4.みんなのためになるかどうか?
すべての取引先に利益をもたらすかどうか ?
超我の奉仕
社会奉仕・世界社会奉仕
原型 Service, not self
1911年 第2回全米ロー
タリークラブ年次大会
コロンビア川をさかのぼ
るクルージングにおける
ミネアポリスクラブ会長
フランク・コリンズの即興
演説
B. Frank Collins
コリンズが新しい奉仕理念を提唱した
のではなく、ミネアポリス・ロータリーク
ラブの運営方針を発表したに過ぎない
• 自らの利益を得るために、ロータリーに
参加するのは間違い
• いろいろな機会を通じて、会員同士が助け
合い、会員同士の取引を拡大する
• 会員同士の相互取引には限界があるので
その対象をロータリアン外に広げる必要が
ある
• この大会においてモットーとして採択され
たという記録はない
Service, not self の真意
• Service, not self を「自己の存在を否定し
て他人に奉仕する」という高い次元の奉
仕理念だとする解釈は、Oren Arnoldの
「Golden Strand」の誤った記述に基づく
• Service, not self を「自己犠牲の奉仕」や
「無我の奉仕」と解釈するのは間違い
• 当時の人たちがロータリー運動に参加し
た理由は、ロータリアン同士の物質的相
互扶助による事業の発展であり、宗教や
倫理高揚ではない
ロータリ・モットーの変遷
• 1910年 He profits most who service his
fellows best シェルドン
• 1911年 Service not self ミネアポリスクラブ
He profits most who serves best
シェルドン
• 1913年 He profits… シェルドン
• 1915年 Service not self アレン・アルバート
RI会長アレン・アルバートがミネアポリスクラブ
に属しいてたため、Service not self が使われる
• 1918年 Service not self 、He profits most
who serves best の双方が使われる
• 1920年 Service above self 、He profits
most how serves best の双方が使われる
この年から Service above self が正式に使
われるようになる。誰が作った言葉かは不
明
• 1921年 Service not self 、 Service above
self、Service before self を廃止して He
profits most who serves best に一本化す
る提案が提出されるが否決される
• 1934年 Service above self 、He profits most
who serves best の双方をロータリー・モッ
トーとする決議34-11が提案されるが否決
• 1949年 He profits most who serves best を
廃止して、Service above self のみをモッ
トーとする 決議49-10が提案されるが否決
• 1950年 Service above self 、He profits most
who serves best の双方をロータリー・モッ
トーとする決議50-11が提案されて採択され
る
奉仕活動の実践をめぐる論争
利益の
適正配分
職業倫理
高揚
理念提唱
人道主義
的活動
自己改善
個人奉仕
実践活動
金銭的
奉仕
団体奉仕
理事会の対応
• 決議22-17 身体障害児対策の推奨
• ロータリアンが身体障害児対策に狂奔す
ることを戒める理事会決定
• 決議23-8 全米身体障害児協会を支援し、
人頭分担金1ドルを徴収する
• シカゴクラブは激しい反対運動を行い決
議23-29を提案して対抗
• 決議23-8、決議23-29を取り下げ、その代
わりに決議23-34を提案することで収拾
決議23-34
ロータリーの綱領に基づく
すべての活動に対する指針
• この哲学は奉仕 – 「超我の奉仕」の哲学
であり、「最もよく奉仕する者、最も多く報
いられる」という実践倫理に基づくもので
ある。
• 奉仕するものは行動しなければならない。
ロータリアン個人もロータリークラブも、奉
仕の理念を実践に移さなければならない。
Service above self
現在の解釈
• 弱者に涙する人道的奉仕活動
• 利己の心を超越して、他人のことを思い遣
り、他人のために尽くす
• Ideal of Service, which is thoughtfulness of
and helpfulness to others. Chess Perry
社会奉仕・国際奉仕のモットー
人道的奉仕活動の場の拡大
• Communityの拡大解釈
• 世界社会奉仕
社会奉仕
国際奉仕
ロータリー財団
国際奉仕を含めた全ての人道的奉仕活動
Service above self
He profits most who serves best
に対する反発
• シェルドンの職業奉仕理念に対するイギ
リスの反発 科学 VS 宗教 天職論
• 1927年 Aims and Objects Planの採用
イギリス主導による四大奉仕の採用
Vocational Service
• 道徳律に対する批判
1931年 頒布禁止
1951年 廃止
• 1930年 シェルドン退会 1935年没
職業奉仕理念の衰退
• 1948年 RI職業奉仕委員会廃止
• 1987年 RI職業奉仕委員会設置
「職業奉仕に関する声明」発表
職業奉仕の理念の変更
クラブが行う職業奉仕の実践
..ボランティア活動の定義
1988年 RI職業奉仕委員会廃止
職業奉仕理念の衰退
1989年 He profits most who serves best
の順位格下げ
第二モットーとなる
2001年6月RI理事会 第二モットー使用停止
「手続要覧」の決議23-34から第二モットーの
削除
2001年11月RI理事会 使用停止を撤回
2004年 規定審議会
They profit most who serve best
職業奉仕の
事例研究
構造的な問題への対処
• 不公正競争の是正 贈収賄、談合
ロータリーは資本主義経済・自由競争
の下で生まれた活動
• 系列化の諸問題
• 下請業者へのリスク転化 看板方式
顧客の満足度を高める努力 信用
• 高い品質
• 適正な価格
• 経営者・従業員の接客態度
• 豊富な品揃え
• 高い商品知識
• アフター・サービス
一旦落ちた信用を回復するのは至難の業
四つのテストの活用
適正な利益配分
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従業員への適正な利潤分配
関連業者への適正な利益配分
公平な従業員対策
従業員の技能評価 特許
内部告発への対処
悪しき慣習からの脱皮
• 商取引の法制化運動
マフィアとの対決
他国法の遵守
事業所・業界の道徳律制定
合法的な広告
• 手形決済の廃止
産業構造の変化への対応
• ペーパー商法への対処
• M&A
会社は誰のものか
• 職業情報の交換と提供
• 不良ウエブ・サイトの監視
• 禁制品の監視
理論と実践の徹底的分析
2007
製作
2680地区 PDG 田中 毅