Transcript 後藤研究室(低温物性)
後藤研究室(低温物
NMR
性)
疑問: 物質を冷すと何が起こるか?
相転移 (磁気転移、超伝導、etc.)
電子状態(スピン・軌道)の劇的な変化
NMRと超音波で物質内部を見て、
Goal : 面白い相転移を見つけよう
H 0
低温物性とは?
未知の電子状態を探索
低温
新しい
電子状態?
超伝導
磁場誘起
磁気転移
ストライプ
スピン
ギャップ
絶対零度まで冷やすと何が起こるか
エントロピーがゼロ(S=0)
スピンのエントロピー(↑↓)
S=kBlog2
⇒温度に依存しない
∴必ずどこかで減少してゼロに行かないといけない
kBlog2
エントロピーS
温度T
これまで知られていないS=0の基底状態を探そう
磁気秩序
超伝導
未知の状態が現れる?
近藤効果
スピンギャップ
どうやって固体の中を調べる
か?
新現
象
電磁波hn
お酒、雑談、興味、工作
ハイテク、プログラミング
超伝
導
磁性
電子
H AS I
原子核
超微細相互作用
NMR
原子核スピンの鳴き声
(メッセージ)
を聞く
NMRって何?
物質に埋め込まれている核スピンを使って、、、
磁場∝共鳴周波数
ゼ
ー
マ
ン
H 0
電場(勾配)∝共鳴周波数
ク
ー
ロ
ン
e2 qQ
物質内部の電子の状態を直接見る
NMR = Explorer in the solid
物質内部のミクロな探検者
La面
(キャリヤ供給)
CuO面
(超伝導)
La面
La214系高温超伝導体
=複雑な多元素化合物
O
La
(キャリヤ供給)
CuO面
(超伝導)
La面
(キャリヤ供給)
Cu
どれが超伝導?
どれが
キャリヤ供給?
どれが磁性?
Cu2+化合物=不対3d電子スピン ⇒ 結晶中で多彩な磁性・物理現
象
1.ダイマー系(ペア) = singletな基底状態
磁場をかけるとtripletマグノンが励起
(Bose粒子)。マグノンは動き反発し合う。
乱れ(ランダムネス)の効果
⇒ ボースグラス相の出現?
高磁場でマグノンの密度が上がると、
低温で、Bose-Einstein凝縮
+
=
注)上図は、ボースグラスを示す系における磁気秩序相(BEC
相)でのスピン構造の可能性を示したもの
2.三角格子系
???
=フラストレーション
「どちらを向いていいかわからない」
3.平面系=チャージ(電荷
電荷密度1/8 or 1/4で「ストライプ秩序」
格子歪
・臨界指数の異常
・磁場誘起
スピン液体
)を入れると超伝導
電荷秩序
磁気秩序
4f 電子を含む系で
近藤効果 or 磁気秩序
面白い現象を引き起こすには?
1.電子を低次元に閉じ込める
冷やしても秩序化しにくくなる(量子揺らぎ)
H JS1 S2
~ S1 S2 S1 S2 etc.
絶対零度
でも
ふらふら
一次元的磁性体(スピンラダー)の例
NH4CuCl3
三次元磁性体
(前後・左右・上下
のスピンが監視)
一次元磁性体
(前後のみ)
すぐ磁気秩序化
してしまう
なかなか磁気秩
序しない
[1,0,0]
面白い現象を引き起こすには?
2.スピンにフラストレーションを与える
反強磁性相互作用(逆に向いた方が安定) H J S1 S 2
の場合のフラストレーション=葛藤(ジレンマ)
どっちを向
いていいか
わからな
い?
立方体の頂点に
スピンが配置
している場合
三角形の頂点に
スピンが配置
している場合
互い違いに
逆向きに並んで
ハッピー、秩序化
秩序化
できない
「スピン液体?」
三角磁性体の例
Cs2CuCl4
未知の状態を作り出すとは?
J
↓—↑
↑—↑
singlet (S=0)
「一重項状態」
triplet (S=1)
「三重項状態」
物質の中の
「新粒子もどき」
強磁場で破壊!
この穴に30T出る
500リットルの液体ヘリウムのタンク運搬
物理より、まず体力。
東北大学での共同実験
20T超伝導
マグネット・
30Tハイブリッド
マグネット
による
強磁場NMR
低温物性とは?
未知の電子状態を探索
低温
新しい
電子状態?
超伝導
磁場誘起
磁気転移
ストライプ
スピン
ギャップ
後藤研究室でやること
研究
「お勉強」ではなく、一緒に研究をしましょう
基礎理論を学ぶ
固体物理の教科書 (Abrikosov, Kittel, Ziman等)
実際の最先端の研究論文(英文)を解読
実験技術の習得
新しい独自の装置の設計、作製
(プログラミング、エレクトロニクス技術、精密金属加工)
⇒動作原理・理論を理解して 「極低温・NMRの達人」になろう。
⇒他グループに無い装置を創って、
我々にしか出せないデータを出そう。
3年間(!! )で論文を出そう!!
2005年度の予定
高温超伝導体
ストライプ: 電子濃度=1/8, 1/4で超伝導が破壊?
スピンギャップ: 超伝導でないのに状態密度が減少?
低次元量子スピン磁性体
絶対零度でも磁気転移しない?
磁場をかけると奇妙な「磁場誘起磁気転移」
マグノンのBoseEinstein 凝縮
装置─新しい測定系の立ち上げ
超伝導マグネット(12T / 6T横磁場)+ヘリウム3冷凍機
⇒極低温+強磁場+試料回転(異方性)
⇒新しい電子状態の探索
共同研究
東北大学金属材料研究所・強磁場超伝導センター
(30Tハイブリッド、60TパルスマグネットによるNMR)
理研(μSR)、原研(中性子)、東工大(単結晶試料作製)
後藤研で必要なもの(再掲)
コーヒーが好きな人歓迎 (いつでも飲みにおいで)
お酒が好きな人歓迎。
日本酒は純米吟醸、Beerはヴァイツェン、焼酎はいいちこ
工作が好きだと嬉しい。ヘタでも良い。
プログラミングが好きでも嬉しい(Delphi, Tcl/Tk, Gawk, Perl)
固体物理I、IIを履修してくれると嬉しい。
実験学の「低温」と「磁気共鳴」を履修してくれるともっと嬉しい。
東北大(仙台)に出かけて、世界三大マグネット
(ハイブリッドマグネット)で実験することあり。牛タン食べ放題。
物理学会で発表できるかも(今年度2件、昨年度1件)
大学院まで行けば国際学会で発表できるかも(3件/6年)。
低温物性の楽しみ方
—Menu —
新物質=低次元+量子ゆらぎ+フラストレーション
極限環境=強磁場+極低温
⇒新しい物理現象
H J ij Si Si S H Di j Si Si
i, j
i
i, j
楽しみ方
How to
enjoy?
食べる?
お酒?
作る?
会話?
低温物性
(後藤研)
「NMR+超音波」 というミクロなテクニックを使って
物質の中をのぞき、未知の電子状態と相転移を見つける。
励起マグノン
(ボース粒子もど
き)
これまで知られている電子の量子力学的状態
フェルミ液体
(自由電子ガス)
低温(熱揺らぎ⇔零点振動)
量子スピン磁性体の例
新しい物質の、極限環境(超低温・磁場)における 「未知
の電子状態と相転移」を見つける。
ボース粒子の「動き」をNMRで調べる
磁気秩序
超伝導
電子のスピンと
電荷の分離
=e+
各々勝手に動く!
低次元性
量子ゆらぎ (S =½)
小さな磁気異方性
2005年度のテーマ(予定)
高温超伝導体ストライプ相の強磁場に
おける新しい電子状態
ランタン系高温超伝導体における
スピンギャップとインコヒーレント構造
スピンギャップ系
↑↓⇔↓↑
マグノンのボース・
アインシュタイン
凝縮
高温
超伝導
タリウム系高温超伝導体の異常な相図と
スピンギャップ
有機超伝導体k-(BEDT-TTF)2Cu(NCS) 2
における磁束格子の量子融解
量子スピン磁性体 NH4CuCl3における磁
化プラトーとマグノンの局在
磁化プラトー
ホールと
スピンの
ストライプ配列
量子スピン磁性体 N(H,D)4CuCl3 ,
(Tl,K)CuCl3における乱れとボースグラス相
※未知の新しい電子状態