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日本語構造伝達文法
構造形成力
[1-4]
構造形成力
-構造に働く力-
この項は『日本語構造伝達文法・発展A』
のA17章の内容が中心になっています。
印刷:1-3,8,11,14,17,20-21,24-26,28-30,32-33,35,3738,40,42,44,46-47,49-50,52
今泉 喜一
2012年 1月
構造形成力
①話者は自己の中に判断構造を形成する。
構造…伝達…文法
②話者は判断構造をコトバという形で描写する。
③話者は発話によって聞き手に判断を伝達する。
④聞き手は発話を受けて,話者の判断構造を自己の中に再構成し,理解(誤解)する。
判断構造(話者)-伝達(話者)-構造再構成(聞き手)
この仕組みを研究
構造…………伝達…………………………………………文法
判断構造の例
物が食べられなかったおかげで,
昔のズボンがはけるようになった。
この仕事は私にやらせてくださいませ。
構造形成力
構造形成と描写
言語使用1:判断構造形成の段階
彼
本
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
yomo
言語使用2:構造描写の段階
ta-
話者は自己の中に判断構造を形成
相互に同時進行
彼Ø1本を読んだ。
彼Ø1は本を読んだ。
本Øをは彼が読んだ。
本を読んだ彼Ø1は……
彼が読んだ本Ø1は……
彼の本Ø1は……
彼,本 (だ)。
:
:
構造を描写してコトバという形で発話
構造が形成される際にどのような力が働くかを明らかにする必要がある。
構造形成6力
基形成7力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
構造形成力
構造形成と描写
言語使用1:判断構造形成の段階
彼
本
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
yomo
言語使用2:構造描写の段階
ta-
話者は自己の中に判断構造を形成
相互に同時進行
彼Ø1本を読んだ。
彼Ø1は本を読んだ。
本Øをは彼が読んだ。
本を読んだ彼Ø1は……
彼が読んだ本Ø1は……
彼の本Ø1は……
彼,本 (だ)。
:
:
構造を描写してコトバという形で発話
構造が形成される際にどのような力が働くかを明らかにする必要がある。
構造形成6力
基形成7力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
構造形成力
構造形成6力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
① 実体認定力(属性収集力)
② 属性認定力(主体収集力)
③ 格(格結合)
④ 融合
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
具体例
犬
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
① 実体認定力(属性収集力)
① 実体認定力(属性収集力)
犬
犬
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
① 実体認定力(属性収集力)
犬
実体を実体として成立させる力
実体……1つの表象(ふつうは名称を持つ)のもとに発話者(認識者)によって蓄積される
属性の集合体。主体として・客体として関わる属性で構成される。
構造モデルでは円柱で表される。この円柱は発話時に瞬時に再構成される。
実体認定力 ……ある属性がある表象のもとに存在することを承認する発話者の力。
属性収集力。諸属性を縦に集合させる力。
発話者は経験とともに各実体の属
性の数を増やしたり,減らし(忘れ)たり
していく。
したがって,属性の増減に関して
実体は閉じることはなく,実体が完成
することはない。
情報科学では一時的な属性もある。
その実体にとって基本的で不可欠
な属性が意義素を形成する。
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
④ 融合
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
属性を属性として成立させる力
属性……動詞や形容詞のようなものであり,例えば「走る」という動詞属性のもとに
発話者によって集められる実体(主体)の集合体。
円盤(円板)で表される。この円盤は発話時に瞬時に再構成される。
属性認定力 ……ある主体がある属性名のもとに存在することを承認する発話者の力。
主体収集力。主体を横に集合させる力。
その属性にとって基本的で不可欠な主体(抽象化される場合もある)が
中心となって意義素を形成する。
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
CD-o kik-
④ 融合
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
実体-格 属性-
構造形成力
構造形成6力
③ 格(格結合)
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
実体-格 属性-
CD-o kik-
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
CD-o kik-
実体-格 属性-
構造形成力
構造形成6力
③ 格(格結合)
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
実体-格 属性-
CD-o kik-
実体と属性を結びつけて構造を形成する基本的な力。
格……実体と属性の論理関係。その論理関係で実体と属性を結びつける力。
実体には属性との論理関係から主体と客体としてのあり方がある。
主体は主格を示す円盤の中央(内部)の位置に立つ。
本来的な主格は「-Ø」で示される。
客体は客格を示す円盤の周囲に位置を取り,半分関わる形で立つ。
格結合 ……ある実体とある属性をある論理関係において結びつけること。
「は」は格ではない。
彼-Ø は 部屋-de
CD-o kik-
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成6力
④ 融合
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
構造形成力
構造形成6力
④ 融合
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
融合……実体と辞 (.r-/.k-等) とを結び付けて一つの属性を形成する力。
辞……実詞を伴ってはじめて構造上に存在しうる単位となる詞。
動辞(.r- / .mek- / .m- など)と形容辞(.k-)がある。
kumo.r融合動詞
toki.mek-
riki.m-
aka.k融合形容詞=形容詞
taka.k-
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
動属性-否定属性
hur-(a)na.k-
動属性-態属性
tabe-rar-e-
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
動属性-否定属性
動属性-態属性
① 実体認定力(属性収集力)
⑤ 接合
hur-(a)na.ktabe-rar-e犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
動属性-否定属性
hur-(a)na.k-
動属性-態属性
tabe-rar-e-
⑤ 接合
構造形成力
構造形成6力
⑤ 接合
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
動属性-否定属性
動属性-態属性
hur-(a)na.ktabe-rar-e-
接合……ある属性と別の属性を接着させる力。
動属性-否定属性 hur-(a)na.k否定属性が接合すると,実体と属性の主格結合が解除される。
見やすさのために,属性間に間隔を置いて図示することもある。
例: =mas-en-
構造形成力
構造形成6力
⑤ 接合
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
動属性-否定属性
動属性-態属性
hur-(a)na.ktabe-rar-e-
接合……ある属性と別の属性を接着させる力。
動属性-態属性
tabe-rar-e-
態属性も接合する。
見やすさのために,属性間に間隔を置いて図示することもある。
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
動属性-否定属性
hur-(a)na.k-
動属性-態属性
tabe-rar-e-
構造*包含実体
hanas-u こと
実体*カプセル実体
waka+sa
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
① 実体認定力(属性収集力)
hanas-u こと
waka+sa
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
動属性-否定属性
hur-(a)na.k-
動属性-態属性
tabe-rar-e-
構造*包含実体
hanas-u こと
実体*カプセル実体
waka+sa
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
hanas-u こと
waka+sa
包含……実体が構造や実体を取り込んで新たな実体を形成する力。
構造*包含実体
hanas-u こと
包含される構造が包含実体を修飾する。
第1修飾法[-(r)u],第2修飾法[-(i)]のいずれかによる。
包含実体がØの場合がある。
彼が英語を hanas-u こと
コーヒーを nom-i Ø
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
hanas-u こと
waka+sa
包含……実体が構造や実体を取り込んで新たな実体を形成する力。
構造*包含実体
hanas-u こと
包含される構造が包含実体を修飾する。
第1修飾法[-(r)u],第2修飾法[-(i)]のいずれかによる。
包含実体がØの場合がある。
too.k-u Ø
意味(-ga) ar-i げ
何か(-o) i - i = ta + げ
第4修飾法[+]なので
カプセル実体に近い。
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
hanas-u こと
waka+sa
包含……実体が構造や実体を取り込んで新たな実体を形成する力。
実体*カプセル実体
waka+sa
包含されるのは基本的に(形容)実体。これがカプセル実体を修飾する。
修飾は第4修飾法[+]による。(音声には現れない。)
ama+mi
waka+sa
その形容実体(若)の表す
状態・気持・性質などその
もの及びその程度を表す
実体に変える。
その形容実体(甘)の
示す内容が感じられる
状態・性質を表す実体
に変える。
atu+ge
いかにもその形容実体
(暑)の示す様態が実現
している様子であることを
表す実体に変える。
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
hanas-u こと
waka+sa
包含……実体が構造や実体を取り込んで新たな実体を形成する力。
実体*カプセル実体
waka+sa
包含されるのは基本的に(形容)実体。これがカプセル実体を修飾する。
修飾は第4修飾法[+]による。(音声には現れない。)
ama+mi
waka+sa
その形容実体(若)の表す
状態・気持・性質などその
もの及びその程度を表す
実体に変える。
[若+さ]-ga まぶしい
その形容実体(甘)の
示す内容が感じられる
状態・性質を表す実体
に変える。
[甘+み]-ga 足りない
atu+ge
いかにもその形容実体
(暑)の示す様態が実現
している様子であることを
表す実体に変える。
[暑+げ]-de ar-u
構造形成力
構造形成6力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
⑥ 包含(修飾) 構造*包含実体
実体*カプセル実体
hanas-u こと
waka+sa
包含……実体が構造や実体を取り込んで新たな実体を形成する力。
実体*カプセル実体
waka+sa
包含されるのは基本的に(形容)実体。これがカプセル実体を修飾する。
修飾は第4修飾法[+]による。(音声には現れない。)
[若+さ]-ga まぶしい
[甘+み]-ga 足りない
[暑+げ]-de ar-u
構造形成力
構造形成6力
力の種類
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
形 式
具体例
① 実体認定力(属性収集力)
犬
② 属性認定力(主体収集力)
hasir-u
③ 格(格結合)
実体-格 属性-
CD-o kik-
④ 融合
実体.辞-
kumo.r-, aka.k-
動属性-否定属性
hur-(a)na.k-
動属性-態属性
tabe-rar-e-
構造*包含実体
hanas-u こと
実体*カプセル実体
waka+sa
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成力
構造形成と描写
言語使用1:判断構造形成の段階
彼
本
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
yomo
言語使用2:構造描写の段階
ta-
話者は自己の中に判断構造を形成
相互に同時進行
彼Ø1本を読んだ。
彼Ø1は本を読んだ。
本Øをは彼が読んだ。
本を読んだ彼Ø1は……
彼が読んだ本Ø1は……
彼の本Ø1は……
彼,本 (だ)。
:
:
構造を描写してコトバという形で発話
構造が形成される際にどのような力が働くかを明らかにする必要がある。
構造形成6力
基形成7力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
構造形成力
基形成7力 (慣用力)
基形成7力
基の形成に働く力を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
基の形成に働く力を明らかにする。
「基」……「詞(形態素)」がいくつか集まって一つのまとまりをなし,全体として一定の
形式と意味を保つもの。 「見かけの1要素」であり,次のタイプがある。
①「タ =t-Ø=a-Ø」
②「勉強する」
③「立つ瀬」
④「よみがえり」
⑤「ほのお」
⑥「登山」
⑦「手足」
基を構成する際に働く力は,やはり構造上の形式であるから,基本的に,
前に見た構造形成に働く6つの力のいずれかである。
それにもまして「慣用力」が必要である。
「慣用力」とは「タ」や「勉強する」等を慣用形式として認め,あたかも
1要素であるかのように見なし,そのように扱う力である。
その力が働いた上でその構造に決まった読み方が適用されるので,
「描写法」も関わりを持っている。
「基」は慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて
形成される「みかけの1要素」である。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
① 連合 連用
基の形成に働く力を明らかにする。
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=masna.k-u=s-
連合……複数の属性を組み合わせて一つのまとまりとする力。連用形の力。
yom-i=t-(i)=a-(u)
tob-i=mawar-i=mas-
oisi.k-u=na.k-
mus-i=atu.k-
「読んだ」…… yom-i=t-(i)=a-(u) ( )内は発音されない,機能だけの形態。
助動属性 =t- は「出来事開始後」を表し,助動属性 =a- は「存在」を表す。
基 =t-(i)=a- (タ) ……過去完了,開始直後,以前完了等の時相を表す。
「飛び回ります」……tob- と mawar- という2つの動属性と,mas- という助動属性の連合。
「おいしくない」……形容詞の連合を示す形態素は oisi.k-u=na.k- のように -u 。
「蒸し暑い」……動属性と形容属性の連合。mus-i=atu.k-
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
② 併合
基の形成に働く力を明らかにする。
実体=属性
勉強=S-
「勉強」と「する」が「勉強する」のように1語の扱いになる場合がある。
このとき,格(結合力)とは別に「併合」という力が働くものとして扱う。(塗りつぶしで表現)
実体=属性
格を描写する併合
だいじ-ni=s-
勉強=s-
英語-o 勉強=s-
場合によって格を描写しない併合
格を描写しない併合
勉強-o=s- 勉強=s-
よみ=gaer-
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
② 併合
基の形成に働く力を明らかにする。
実体=属性
形容属性の「毛深い ke=buka.k- 」の
ような場合は「格を描写しない併合」
毛(-ga)=huka.k毛=buka.k-
勉強=S-
いわゆる形容動詞(「だいじな」等)は
「格を半分しか描写しない併合」
だいじ-n=a(r)-
「勉強をしっかりØ2する」のように
「勉強を」「する」が分離している場合は,
併合力は働いていないものとする。
勉強-o しっかりØ2 s-
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
③ 第1修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
tat-u=瀬
u.k-i=世
「彼には立つ瀬がない」というとき,「立つ瀬」は見かけの1語である。
「瀬-ni tat-」という構造(論理関係)から第1修飾法で描写された基である。
動属性-(r)u=実体
nar-u=と(鳴門)
tat-u=瀬
u.k-i=世(形容属性)
彼にはtat-u=瀬がない
憂き世を渡る
彼には立つ瀬がない
こんなX(実体不定)
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
④ 第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
動属性-i=実体
形容属性-u=実体
manek-i=猫
too.k-u=Ø
「招き猫」のように動属性が第2修飾法 -(i) で修飾されて「みかけの1語」ができる。
実体が包含実体
動属性-i=実体
manek-i=猫
招き猫を買う
yomigaer-i=Ø
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
⑤
第3修飾 ノ複合
基の形成に働く力を明らかにする。
実体ノ実体
菜の花
ノ複合……ある構造を形成している実体どうしをあたかも1語であるかのように
「の」で結び付けるときに働く力。
「菜の花」……「菜-が 花-を mot-」のような構造上の2実体がノ複合で1語化。
菜の花
実体ノ実体
菜の花が咲く
ノ後実体不定の修飾基
男の子
火(ほ)の穂(ほ) 炎(ほのお)
このX(実体不定)
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
⑥
第4修飾 複合
基の形成に働く力を明らかにする。
実体+実体
登山
複合……ある構造を形成している実体どうしをあたかも1語であるかのように
結び付けるときに働く力。
「彼は登山が好きだ」……「登山」はみかけの1語。形態素のレベルでは(実体)基。
登+山
実体+実体
勉強+机
彼は登山が好きだ
村+祭り
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
⑥
第4修飾 複合
基の形成に働く力を明らかにする。
実体+実体
登山
複合……ある構造を形成している実体どうしをあたかも1語であるかのように
結び付けるときに働く力。
「彼は登山が好きだ」……「登山」はみかけの1語。形態素のレベルでは(実体)基。
実体+実体
有名+会社
(形容動詞)
実体+実体
重+荷
(形容詞)
無精+ひげ
赤+シャツ
(形容詞)
白+組
細+長い
(形容詞)(形容詞)
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
⑦
同格並置
基の形成に働く力を明らかにする。
実体実体
手足
同格並置……まったく同じ格にある複数の実体を「みかけの1語」にする。
「手足が長い」……「手足」はまったく同じ主格にある「手」と「足」から成る。
「手と足」のように「と,に,や」を補うことができる。
手(と)足が長い
手足が長い
手足となる
行き
手(や)足となる
帰り
行き(と)帰りに走る
構造形成力
基……みかけの1要素
基形成7力 (慣用力)
力の種類
①
連合 連用
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
基の形成に働く力を明らかにする。
形式
具体例
動属性-(i) = 属性
形容属性-u=属性
nom-i=mas-
実体=属性
動属性-(r)u=実体
形容属性-i=実体
勉強=Stat-u=瀬
u.k-i=世
動属性-i=実体
manek-i=猫
形容属性-u=実体
na.k-u=s-
⑤
第3修飾 ノ複合
実体ノ実体
too.k-u=Ø
菜の花
⑥
第4修飾 複合
実体+実体
登山
⑦
同格並置
実体実体
手足
基……「詞(形態素)」が集まって,全体として一定の形式と意味を保つもの。(例:タ,テイ)
慣用力の要請のもとに構造形成6力と一定の描写法が組み合わされて形成される。
構造形成力
構造形成と描写
言語使用1:判断構造形成の段階
彼
本
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
yomo
言語使用2:構造描写の段階
ta-
話者は自己の中に判断構造を形成
相互に同時進行
彼Ø1本を読んだ。
彼Ø1は本を読んだ。
本Øをは彼が読んだ。
本を読んだ彼Ø1は……
彼が読んだ本Ø1は……
彼の本Ø1は……
彼,本 (だ)。
:
:
構造を描写してコトバという形で発話
構造が形成される際にどのような力が働くかを明らかにする必要がある。
構造形成6力
基形成7力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
(みかけの1語)
構造形成力
構造形成6力
基形成7力 (慣用力)
力の種類
力の種類
① 実体認定力(属性収集力)
①
連合 連用
② 属性認定力(主体収集力)
②
併合
③
第1修飾
④
第2修飾
⑤
第3修飾 ノ複合
⑥
第4修飾 複合
⑦
同格並置
③ 格(格結合)
④ 融合
⑤ 接合
⑥ 包含(修飾)
構造形成6力
基形成7力
構造形成に働く力の種類を明らかにする。
基(一定の構造形式)の形成に働く力を明らかにする。
(みかけの1語)
構造形成力
終わり