Transcript はじめに(身土不二)
平成24年度第1回講習会 身近な薬膳 -食は命のもと、料理は愛の形- 2012 年4月22日(日) 於:富田林市立すばるホール 講師 田部昌弘 今回のお話 • はじめに(身土不二) – 食べる野草 • 薬膳のための基礎知識 • 薬膳食材(温材) 今回のお話 • はじめに(身土不二) – 食べる野草 • 薬膳のための基礎知識 • 薬膳食材(温材) カントウタンポポ エゾタンポポ カンサイタンポポ セイヨウタンポポ シロバナタンポポ タンポポの利用法 食薬 部位 目的・効能 性味 全草 (蒲公英) 解熱・発汗 健胃・胃腸炎・胃痛 強壮剤 苦、甘 寒 使用法 全草を開花前に 採り乾燥 薬用 根 母乳促進作用 乳房の腫れ: 根5gに金銀花5gを混ぜ 200mLの水で煎じる 根 きんぴらごぼう 焙煎してコーヒーとする 花・葉 ごま和え(葉) 三杯酢(花) 食用 調製 カラスノエンドウ(ヤハズノエンドウ) カスマグサ スズメノエンドウ スズメノエンドウ(マメ科ソラマメ属) カスマグサ スズメノエンドウ 科 属名 マメ科 ソラマメ属 マメ科 学名 Vicia tetrasperma Vicia hirsuta Vicia sepium 茎は細く長さ30-60㌢ 若いとき は少し毛がある。 茎は細長く伸びる 茎の長さは50-150cm。 茎 1. 葉 ソラマメ属 ヤハズノエンドウ (カラスノエンドウ) マメ科 ソラマメ属 小葉は長さ1-2.5cm、幅3-7mm、 葉は柔らかい。葉は互生し4-6 葉は互生し6-7対の小葉からな 対の小葉からなる羽状複葉。小葉 通常やや凹頭。葉は互生し3-7 る羽状複葉。小葉は狭卵形 は線状 対の小葉からなる羽状複葉。小 で長さ6-15㍉ 幅1.5-2. 小葉の先が尖っている 葉:狭倒卵形 5㍉ 托葉は中央に腺点がある 長楕円形で長さ8-12㍉ 幅1. 小葉の先がほんの少し凹んでいて、 5-3㍉ 巻きひげは1-2分す 小葉の先が少し凹んでいて、刺の 刺のようなものが出ている。 る。 ようなものが出ている。 花は淡青紫色で長さ5-7㍉ 細い柄の先に1-3個つく。 花は小さく白紫色で長さ3-4㍉ 3-7個集まる。 花は4-5月頃、葉腋に1-3個ず つつき、長さ12-18㍉ 紅紫色 果実 果実は無毛 豆果は楕円形で長さ 1-1.5㌢ 3-6個の種子が ある 豆果は長さ6-10㍉の楕円形で 短毛がある。2個の種子が入って いる。 豆果は広線形で長さ3-5㌢ 黒 く熟す 5-10個の種子が入っ ている 分布 本州 四国 九州 端に 育つ越年草。 本州 四国 九州 沖縄 野原 道端に育つ越年草。 本州 四国 九州 沖縄 野原 道端に育つ越年草。 花 沖縄 野原 道 ホソバノヤハ Vicia sativa var.minor 葉は細長く長さ15-25㍉ 幅2-4㍉せ葉の先は凹頭にならない。花もヤハズエ ズエンドウ ンドウよりやや小さい。 分布は本州 四国 九州 シロツメクサ(白詰草) ヒ メ ジ オ ン アカツメクサ(赤詰草) ハルジオン ウシハコベ ハコベ スベリヒユ ニガナ オオイヌノフグリ イヌノフグリ スイカズラ(金銀花・忍冬) ハガクレオドリコソウ ゴギョウ(ハハコグサ) ホトケノザ ナズナ グンバイナズナ ハマダイコン キュウリグサ Forget-me-not 勿忘草 ニワゼキショウ ネジバナ(モジズリ) ムラサキ 今回のお話 • はじめに(身土不二) – 食べる野草 • 薬膳のための基礎知識 • 薬膳食材(温材) 三つの薬膳 • 養生薬膳 自然界の環境の変化に順応し、病気にならな いための薬膳 • 改善薬膳 体を構成する気・血・水(津液)のバランス を調整し、身体の不調を軽減するための薬膳 • 治療薬膳 病気になった時に少しでも症状を緩和させ、 回復させる働きが期待できる食薬を用いた薬膳 陰陽五行説 • 陰陽説 世の中の事象はすべて、それだけが独立しているのでは なく、陰と陽の対立した形で世界ができていると考える。 陽 明 火 天 表 上 凸 男 剛 熱 陰 暗 水 地 裏 下 凹 女 柔 寒 • 五行説 木火土金水という五行から万物は成り立っていて、そ れが消長し、結びあい、ぐるぐる循環することによって、 あらゆる現象が出てくると考える。相剋と相生がある。 五行(相生 ・相剋 ) 木 水 金 火 土 五行一覧 五行 木 火 土 金 水 五色 青(緑) 赤(朱) 黄 白 黒(玄) 五方 東 南 中 西 北 五時 春 夏 土用 秋 冬 五気 風 熱・暑 湿 燥 寒 五味 酸 苦 甘 辛 鹹 五臓 肝 心 脾 肺 腎 五腑 胆 小腸 胃 大腸 膀胱 五体 筋 脈 肉 皮 骨 五官 目 舌 口 鼻 耳 五果 李 杏 棗 桃 栗 五穀 麻 麦 稲 黍 大豆 今回のお話 • はじめに(身土不二) – 食べる野草 • 薬膳のための基礎知識 • 薬膳食材(温材) 温める食材 食材:ネギ、生姜、大葉、海老、羊肉、 鶏肉、桃、らっきょう 薬材:菊花、竜眼肉、松の実、玫瑰花、 蜂蜜、大棗、山査子、陳皮、 朝鮮人参 羊肉 温材 ウィルス感染なし カオヤンロウ(烤羊肉):ジンギスカン鍋 シシカバブー 菊花 ● 菊は奈良時代に薬草として中国から伝搬 〇 ほとんどの菊は食べられる 〇 菊花は、キク科キク・シマカンギクの頭状花を乾燥した物が上品 ● 効能・用途:解熱作用 消炎作用 解毒作用 発散作用があり、 肺・腎の弱い人に働いて、目に元気をつけ、よく見えるように なり、目のホシを治す。また、風邪をひいて熱っぽくなり、の ぼせる頭痛や目が赤くなるのや、まぶたの腫れや、風邪による のぼせ等に効く 眼の充血・視力減退・かすみ目・風邪の初期症状や頭痛 大棗 ● 大棗(タイソウ)は、クロウメモドキ科ナツメの成熟果実を乾燥品● ● 効能・用途:補脾胃作用、強壮作用、養血安神作用、緩和薬性作用、 鎮静作用があり、緩和、強壮、利尿薬として、筋肉の急迫、牽引痛、 知覚過敏を緩和し、咳、煩燥、身体の疼痛、腹痛などに良いとされる 花粉症の予防と体質改善を期待 ◆ かぜ(内服)薬、鎮咳去痰薬、に配合 次回予告 平成24年度第2回講習会 身近な薬膳 -食は命のもと、料理は愛の形- 2012年5月26日(土) 課外薬膳