Transcript 魯迅の詩「無題」
文学部日本文学科 オリエンテーションゼミナール 魯迅の詩 「無題」を読む 於 無 声 処 聴 驚 雷 心 事 浩 茫 連 広 宇 敢 有 歌 吟 動 地 哀 万 家 墨 面 没 蒿 莱 無 題 魯 迅 地 を 〔 敢蒿没墨万 語 有莱 面家 注 〕 歌 吟 動 地 哀 ②①荒①土多 どあれ埋やく うえ草もほの 大 して。れこ人 地 て~ るり々 。 を ~す 。で 黒 揺 ある 隠く れ る ろ。 ( う 強 るま が み す かい 。れ 意 哀 。 ( ②た 反 志 し 死顔 語 ) い ぬ。 歌 ) 。 。 ― ― ― ― ― 晩 唐 李 商 隠 の 「 瑤 池 」 詩 の 句 「 黄 竹 の 歌 声 ― 動 か し て 哀 し 」 ( 黄 竹 の 歌 声 は 大 地 を 揺 る が し て 哀 し く 響 く ) に 基 づ く 。 「 黄 竹 詩 」 と は 、 周 の 穆 王 が 黄 台 の ・ ※ うた上 。めに に立 人ち ③ ② ① 「 々、 民 王 魯 歌 が北 吟 凍風 衆 ( 迅 死が 上 」 す し吹 に る てき 立 い雪 の つ くの は の降 者 誰 をり ) か 哀し き ? し んる でな 詠か っ、 た寒 詩さ をの い る が 地か 、 、 中み 啓 そ にな 蟄 の かり の 音 く。 春 を れこ 雷 聞 てこ 。 い 冬で て をは 地 春 上 過雷 を にご し 出 たい て 虫う く 。 ― ― ― ① 春 の 訪 れ 。 ― ② 新 し い 時 代 の 幕 開 け 。 ― ③ 迫 り く る 革 命 の 足 音 。 「 驚 雷 」 の 示 す も の は ? ※ ※ な ぜ 「 声 無 き 処 」 で 聴 く の か ? 〔 驚聴広浩心 語 雷 宇茫事 注 〕 き く 。 耳 を 傾 け て 聴 く 。 天 地 。 世 界 。 広 々 と 大 き い さ ま 。 心 。 心 持 ち 。 の 雷 鳴 を 聴 い て い る の だ 。 全 く 人 の 声 の し な い 場 所 で 、 じ っ と 迫 り く る 革 命 我 が 心 は 広 々 と し て こ の 天 地 と 一 体 と な り 、 こ と な ど あ ろ う か 。 そ の 民 衆 が 、 大 地 を 揺 る が す 哀 し み の 歌 を 歌 う で 、 荒 れ 草 の な か に 身 を 潜 め て い る 。 多 く の 人 々 は 、 土 や ほ こ り に ま み れ て 黒 く 汚 れ た 顔 〔 訳 A 〕 声 無 き 処 に 於 い て 驚 雷 を 聴 く 心 敢 万 事 て 家 歌 浩 吟 墨 茫 の 面 と 地 し し を て て 動 か 蒿 広 す 莱 宇 哀 に に し 没 連 み す な 有 り ら ん や 〔 書 き 下 し 〕 幕 開 け を 示 す 雷 鳴 を 聴 い て い る の だ 。 全 く 人 の 声 の し な い 場 所 で 、 じ っ と 新 た な 時 代 の 我 が 心 は 広 々 と し て こ の 天 地 と 一 体 と な り 、 の な ど 誰 も い な い 。 古 の よ う に 大 地 を 揺 る が す 哀 し み の 歌 を 歌 う も 顔 で 、 荒 れ 草 の な か に 身 を 潜 め て い る 。 多 く の 人 々 は 、 土 や ほ こ り に ま み れ て 黒 く 汚 れ た 〔 訳 C 〕 の 雷 鳴 を 聴 い て い る の だ 。 全 く 人 の 声 の し な い 場 所 で 、 じ っ と 迫 り く る 革 命 我 が 心 は 広 々 と し て こ の 天 地 と 一 体 と な り 、 し み の 歌 を 歌 う こ と な ど あ ろ う か 。 今 の 王 ( 為 政 者 ) が 、 民 を 思 い 大 地 を 揺 る が す 哀 顔 で 、 荒 れ 草 の な か に 死 ん で い く 。 多 く の 人 々 は 、 土 や ほ こ り に ま み れ て 黒 く 汚 れ た 〔 訳 B 〕