群体形成の形態発生的傾向

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サンゴ礁の生命現象
1. サンゴとは
造礁サンゴの位置づけ
生態学的区分(褐虫藻との共生に係わ
る)
造礁サンゴ:イシサンゴなど
非造礁サンゴ:宝石サンゴなど
分類学的区分(骨格の隔壁系)
八放サンゴ:ソフトコラル,
宝石サンゴなど
六放サンゴ:イシサンゴ,
2. 造礁サンゴの構造
イシサンゴのポリプと骨格
触手環内発芽と触手外発芽
intratentacular budding and
extratentacular bud.
左の図は-内-で,右の図は-外-である。左は莢内に新しい莢
が生まれているし,右は比較的大きな莢の間(共役骨)に小
さな莢が生まれている。
触手環内発芽
コカメノコウ
キクメイシ型
ノウサンゴ型
触手環外発芽
ハナサンゴ型
キクメイシ型
デンドロ
フィリア型
タバネサンゴ型
イボサンゴ型
単体サンゴ
群体形成の形態発生的傾向
群体サンゴの区分1
タバネサンゴ型Phaceloid or flabellate
シコロサンゴ型Thamnasterioid
キクメイシ型plocoid
シコロサンゴ型はノウサンゴ型とイボサンゴ型の中間に当たるか。
群体サンゴの区分2
イボサンゴ型hydnophoroid
ノウサンゴ型meandroid
コカメノコウキクメイシ型cerioid
不規則型
造礁サンゴの生活型1
褐虫藻と刺胞
群体ながらフリー
単体でフリー
塊状群体
造礁サンゴの生活型2
被覆状群体
樹枝状群体
葉状群体
マイクロ
アトール
芝草状群体
鹿角状群体
造礁サンゴの生活型3
散房花序状
テーブル状
瓶洗ブラシ状
準塊状
3. 光合成と
炭酸ガスの固定
造礁サンゴ胃腔下
の横断面と
骨格形成のしくみ
図最上部に海水部分
つまり胃腔の最下部が
見えている。図最下部
のcorallumというのは
サンゴの骨格の部分で,
これに接して横線群で
示した骨格の形成層が
見える。
図上部の丸いものが
褐虫藻である。この図
の化学式の説明と次の
ページに示す。
サンゴ骨格の形成
Goreau,1959の図と対応
炭酸脱水酵素
H2CO3←→CO2 + H2O
↑
Ca(HCO3)2←→CaCO3+H2CO3
↓
サンゴ骨格
4. 造礁サンゴの色
サンゴの肉自体は透明なものが多く,褐虫藻の色を
呈している。
ただ,緑,紫,ピンクなどのサンゴはサンゴの肉が
その色素を保っているのである。
5.サンゴの生育条件
造礁サンゴ生育の3条件
• 塩分濃度(海洋35‰)→局地
的分布要因
• 水温 最寒月平均水温(18℃,
サンゴ礁は20℃ )→広域的分
布要因
• 照度→深度分布要因
塩分濃度
河口では礁原が
欠落している。海
水準の上昇に対応
して礁原が上方に
累加してゆくが,
河口では塩分濃度
が低くサンゴが生
息できないために
この種の地形が形
成される。
とくに
水温
照 度
造礁サンゴ
の深度分布
を決定する
ものは何か。
水温,溶存
酸素の深度
分布とは対
応していな
いことがわ
かる。
サンゴ礁の破壊因子
物理的,化学的なものが大きい。生物による破壊
もあって,ウニ,穿孔貝,スズメダイやチョウ
チョウウオそしてブダイbuffalo fishなどの食害
もあるが,オニヒトデによるものは1960年代以降,
爆発的である。
オニヒトデ
Acanthaster
planci
棘皮動物
ヒトデ綱
オニヒトデ科
Crown-ofthorns starfish
の脚の内側の
tube feet and
spines
オニヒトデの繁殖問題
自然の周期的変動説
人による環境破壊説
そして,
間引き効果の指摘