NeXT で目指すサイエンス(AGN)

Download Report

Transcript NeXT で目指すサイエンス(AGN)

NeXT で目指すサイエンス
(AGN sub-group)
片岡(東工大)、田代(埼玉大)、深沢(広島大)、
磯部、高橋(JAXA) ほか学生の皆さん
<NeXT として掲げるテーマ>
[1] : 巨大ジェットの形成と粒子加速
[2] : AGN jet - エネルギー収支と進化
[3] : 宇宙進化の新しいプローブとして
(片岡)
(田代)
(深沢)
AGN: “zoo” of categories!
ほかにもNLS1,
LINER, 中間的なもの etc…
ジェット有り
ジェット無し
- 「宇宙初期」から「現在」にいたるまで、広く分布
-“ジェットの有るものは、しばしばガンマ線天体
- 膨大な重力エネルギー を、放射・バルク運動として解放
[1] ジェットの形成と粒子加速
Makishima et al.
- ジェットを持つAGN、持たないAGN
の違いは?
- 高エネルギー粒子は何処で、
どのように加速されるのか?
- ジェットは宇宙線加速の現場に
なりうるか?
EGRET sky map of AGNs
[2] ジェットのエネルギー収支と進化
- AGN の個数密度 : ~ 10-7 AGN/Mpc3 (z<1 に~1000億個)
- 放射エネルギー : ~ 10 42-48 erg/s/AGN
- ジェットにより、銀河間空間にエネルギーを開放
- 電波ローブと ISM の相互作用 etc…
Kraft et al. 2003
Cen-A SW-lobe
core (AGN)
+ inner jet
knot
lobe
hot spot
[3] AGN をプローブとした宇宙進化の描像
- ASCA/BeppoSAXで確実に捕らえたのは、z= 4.7
- XMM が、SDSSで捉えた z= 5.8 を検出
- z~ 5 の 300 keV
⇔
近傍の ~2 MeV
- QSOから近傍Seyfert、通常銀河への進化を追う
Fabian et al. 2001
Ueda et al. 2003
1428+4217 (z=4.72)
暗いAGN
明るいAGN
1 : ジェットの形成の謎と
粒子加速に迫る
やや陳腐ですが… 宇宙線のスペクトル
E < 1015.5 eV
- 系内に加速源 e.g. SNRs ?
- TeV の観測とあわせると
~100 TeVまでは確かにいる
- 系外天体の寄与 ?
g mc2
ジャイロ半径: RL =
< 系のサイズ
eB
E > 1015.5 eV
Emax [TeV] ~ 103 R [pc] B [mG]
(R: 系のサイズ, B: 磁場)
Bamba et al. 2003
宇宙における 「加速の現場」
系外候補天体:
AGN (BH近傍・sub-pc), AGN (kpc・ローブ),
銀河団、 ガンマ線バースト…
もし、活動銀河核ならば?
“Almost equal to the
energy density of CRs
above the knee”
(Gaisser 2000)
1012 G
magnetic field : B
- 典型的な放射輝度 :
1044 [erg/s/AGN]
- 数密度 :
10 -7 [AGN/Mpc3]
Hillas 1984
Neutron Stars
White Dwarfs
106 G
AGN (inner)
SUNSPOTS
1G
Magnetic stars
AGN (outer)
1 mG
Interpl. Space
SNR
Galaxy
clusters
Gal disc & halo
1km
1pc
size : R
1Mpc
内側 : “ブレーザー”領域 (sub-pc)
- 1日程度のタイムスケールで激しく変動
D ~ ctvarG 2BLK ~ 1017 cm (sub-pc)
- ASCAによる、多波長同時観測キャンペーンで飛躍的進歩
Mrk 421
Takahashi et al. 2000
TeV g
RXTE (8-15keV)
ASCA(0.5-7keV)
SAX
EUVE
1 day
Mrk 421
synchrotron
Inverse
Compton
sub-pc 領域での加速メカ二スム
X-ray/g-ray
BLR
cloud
BLR
cloud
G1
G2
G1
G
G 1+2
2
1017-18
cm
(sub-pc)
- 中心ブラックホール質量: 109 M
- 異なる速度をもつシェルが衝突。衝撃波加速
: D ~ GBLK2 Rg ~ 1017-18 [cm]
- 典型的なパラメータ
: B~ 0.1 G, R~0.01pc
1-1: ジェットは どこまで粒子を加速するのか?
- ブレーザー天体の場合、明るいものほどピーク周波数が低い
- 理論的な加速限界 : “加速”と“冷却”の釣り合い
nsync~ 2.5x1021d10x-1 bsh2 < 10 MeV (磁場に依らない!)
- ただし nsync ∝ Lsync-1.5 で暗くなるはず
Kubo et al. 1998
(MeV ピークをもつ天体は、50 keVで 4x10-13 erg/cm-2/s)
MeVシンクロトロン
天体?
最大加速エネルギー : gmax
g max > 3x107
n21
1/2
B0.1d10
- 同様に、M87 などのkpc ジェットでは、gmax >107が示唆
B ~100 mG, d~1, nsync~ 1017 Hz を仮定すると gmax = 107-8
少なくとも、“宇宙線knee”
くらいまでは加速された
粒子が存在
M87
Marshall et al. 2003
1-2: ジェットは e- e+ か? e- p か?
- ジェットが e- e+ プラズマである場合 : gmin ~ Gsh ~ 1
- ジェットが e- p プラズマ (1温度)
: gmin ~ mp/me ~ 2000
- ジェットが e- p プラズマ (2温度)
: gmin ~ Gsh ~ 1
Kino&
Takahara2003
gmin を正確に決める …
シンクロトロン
逆コンプトン
ジェットの構成要素に対する
強い制限を与える
電子のエネルギー密度を
正確に見積もる
「谷間」は一般的に暗いため、
一般に観測が難しい
gmin =1
3
10
1-3 ジェットの有無の“謎”を探る
- ジェットを持ちつつも、BH近傍からの放射が見えている天体
⇔ Broad Line Radio Galaxies (BLRGs)
Sy-1 との相違 (ASCA/Ginga/SAX からの示唆)
Sy-1 に似ているが、コンプトン反射成分が弱い
Sy-1 よりも冪がハードで、鉄輝線が強い
Zdziarsli & Grandi 2001
100 keV 付近にバンプ?
3C120
- Jet成分が混ざっているだけ?
- そもそも降着円盤からして
違うのか?
broad Fe
bump?
ちなみに Astro-E では?
残念ながら、 100ksec 見ても 50 keV以上の統計は悪い..
1.4 ジェットをもつAGNの統一描像
FR-I ⇔ BL Lac天体
FR-II ⇔ Luminos ブレーザー
ブレーザー
BLRG
- ビーミングしていないため、
ブレーザーより ∝ d-4 暗い
- 近傍の電波銀河では既に確認済み
電波銀河
BH
Chiaberge et al.
2001
電波銀河 “Cen-A”のnucleus
1.5 もう一つの切り口: 硬X線偏光 (SGD)
e
g2 hn
B
e
シンクロトロン放射
磁場の向きさえ揃っていれば
最大 ~ 80 % の強い偏光
- 電波 VLAでは a few %
VLBIでは < 40 %
光学では 10-20 %
軟光子 hn
(無偏光)
逆コンプトン放射
相対論的ブーストで、入射
光子の角度依存が消える
- ほとんど偏光しない(はず)
偏光検出できる(かもしれない)ブレーザー
-100 ksec 観測を仮定
-10% pol では厳しいが、100 %近く偏光していれば
10 s 以上で確実に ウカル
Mrk 501 (シンクロトロン:フレア時)
3C273 (逆コンプトン)
Radio-Quiet ではどうか?
-無偏光の光子も、散乱で偏光
(edge-on ほど大)
-最も明るい Sy-1 (NGC4151) と
最も明るい Sy-2 (NGC4945)
で差が検出できるか?
無偏光
強い偏光
トーラス
BH
まとめ
(1)ジェットはどこまで粒子を加速?
-max > 3x107 の ”Extreme Blazar” を検出可能
(2)min は 1か 2000か?
- ジェットのコンポーネントに新たな制限
- Jet の持つ、正確なパワー ”Ljet” の見積もり
(3)ジェットを持つAGN, 持たないAGNの違い
- BLRG を多波長で見ることが鍵
- 電波銀河、ブレーザーの統一理解
(4)偏光検出の可能性
- intrinsic な偏光度が高ければ (> 50 % pol)
SGD で有意に検出可能。