つかみ具 - 島津製作所

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試験機を安全にお使いいただくために
(株)島津製作所
分析計測事業部
© 2009 Shimadzu Corporation. All rights reserved.
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目次
第1章 試験機ヒヤリハット事例
第2章 オートグラフを安全にお使いいただくために
・試験準備
・試験中
・保守
・確認テスト
第3章 こんな事例がありました
・空気式平面形つかみ具での指詰め
・つかみ具落下による打撲
・試験片の破片の飛散
・ユニバーサルジョイントの破損
・当社製品以外の自作品を使用しての負傷
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第1章 試験機ヒヤリハット事例
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●確認テスト
下記の記述で、間違っているものを全て選びなさい。
1.試験機に使う治具などは重量物が多いので、安全靴を必ず着用している。
2.慣れた試験でも、試験開始前には試験速度などの試験条件を必ず確認している。
3.試験をしていた人が急用で席を外したので、急遽、試験機を扱っていない部署の人に
代行を頼んだ。
4.試験終了後、試験片が何かにひっかかって取り除けなかったので、つかみ具を覗き込んで
取り除いた。
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●確認テスト
正解は3.4.です。
【解 説】
3.試験には、常に危険が伴います。操作者は必ず取扱説明書を熟読し、操作方法について
教育を受けた方だけがお使いいただくようにしてください。
4.試験機の電源が入ったままなので、試験機が動く可能性があります。
動作する可能性のある時に、試験空間に絶対に手や頭を入れないでください。
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第2章 オートグラフを安全にお使いいただくために
オートグラフは、素材や製品の機械的強度特性を測定するための試験装置です。
試験には、常に危険が伴うことを強く意識し、安全に対する心構えを身につける必要があります。
操作者は必ず取扱説明書を熟読し、正しくお使いください。
また、操作方法について教育を受けた方だけがお使いいただくようにしてください。
使用前に、緊急時(停電時)の装置の停止操作を確認すること
設定の誤りなどによって、試験中にクロスヘッドが誤動作したとき、または
オートグラフが異常な行動をしたときは、迷わず非常停止スイッチを押してください。
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試験準備
●ストロークリミットスイッチ
クロスヘッドの運転の前に、クロスヘッド
ストローク リミットスイッチを必ず設定して
ください。
治具の衝突によるフレームや治具、
ロードセルの損壊のおそれがあります。
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●試験治具の運搬・取り付け
試験治具には、10kgを超えるものがあります。試験治具を運搬するときは正しい姿勢で持ち
上げてください。また、落下しないように十分に注意してください。
試験治具は、クロスヘッドを低い位置に移動した後、取り付けてください。万一、落とした場合
足元のけがを防ぐために安全靴を着用してください。
治具の落下などにより、身体にケガをするおそれがあります。
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●設置端子
電源ケーブルの接地端子は必ず接地(100Ω以下)してください。
感電のおそれがあります。
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試験中
●つかみ具
つかみ具の開閉時には、つかみ歯内に手や指先を 絶対に入れないでください。
特に空気式平面型つかみ具 はフィンガーガードを必ず取り付けてお使いください。
つかみ歯にはさまれ、ケガをするおそれがあります。
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●治具の落下
治具の落下に注意してください。抜け止めピンを外さない
でください。
つかみ具落下のおそれがあります。
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●試験片
試験中は試験片に顔や身体を近づけないでください。 飛散防止カバーを設置し、
保護めがねを着用してください。
試験片が破壊する際に破片が飛散し、身や身体がケガ をするおそれがあります。
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●試験空間
試験中は、試験空間に手や頭など、身体の一部を
決して入れないでください。
重傷または死亡するおそれがあります。
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保 守
●制御装置
本体制御装置のカバーは開けないでください。
高電圧部分があるため、感電のおそれがあります。
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●電源まわりの清掃
電源プラグに汚れやホコリがたまっていないか、確認してください。
ホコリなどがたまっている場合は、 コンセントを抜いて乾いた布などで取り除いて
ください。
ホコリが湿気を吸うなどして徐々に絶縁抵抗が下がり 発火するおそれがあります。
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●改造禁止
本体および付属品を改造しないでください。また、治具は当社製品をお使いください。
重大な事故を引き起こすおそれがあります。
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●ネジザオ保護カバー
ボールネジに注油するときを除いて、
ネジザオ保護カバーは開けないでく
ださい。また、ネジザオ保護カバーを
開いた状態で試験をしないでください。
ボールネジに衣服、髪の毛、手などが
巻き込まれるおそれがあります。
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●確認テスト
下記の記述で、間違っているものを全て選びなさい。
1.電源の接続部にホコリがあったので、サービス員に連絡せずに掃除を行った。
2.試験片を詳しく観察するため、飛散防止カバーを開けたまま試験をした。
3.ストロークリミットスイッチの正しい位置がわからないので、作動しない適当な位置に
設定している。
4.試験中に予想外の事態が起きた時、ストップボタンでなく、非常停止スイッチを押した。
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正解は2.3.です。
【解 説】
2.破断した試験片が飛ぶ場合があります。飛散防止カバーを必ず閉じてください。
なお機能上は、カバーを閉じないと試験開始できないようになっています。
開けたまま使用できるような改造は行わないでください。
3.ストロークリミットスイッチは、クロスヘッドが下降したとき(または上昇したとき)に、
つかみ具などが衝突しない位置で設定してください。
目安としては、上下つかみ具の間隔が25mm以下になったとき、リミットスイッチが
作動するようにしてください。
(押しつぶし防止の最小スキマ:指 25mm、JIS B 9711より)
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第3章
こんな事例がありました。
①空気式平面形つかみ具での指詰め
●オートグラフ用空気式平面形つかみ具にフィルム試験片を取り付けるとき、試験片を
持っていた右手の人差し指が挟まり、指の先端の骨にひびが入った。
フィンガーガードが確実に付いているか確認
つかみ歯はフットバルブユニットを操作すると
エアー駆動で瞬時に閉じます。
操作するときは、試験片を持つ指の位置を十分
に確認してください。
つかみ歯の間に試験片を押し込む場合は、ヘラ
などの工具を使用してください。
フィンガーガード
つかみ歯
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●オートグラフ用空気式平面形つかみ具にポリウレタンを右手人差し指で押し込んでいた
とき、誤って開閉用フットバルブユニットを操作してしまった。そのため、指の先端が挟まり、
爪がはがれた。
フットバルブの踏み間違いに注意
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②つかみ具落下による打撲
●引張試験の破断ショックの蓄積で接続ピンがずれ、抜けかかった状態で引張試験を
継続していた。そのため、オートグラフ用つかみ具の引張継手と上部つかみ具間の
接続ピンが抜け、つかみ具が落下し、操作者の手にあたり打撲した。
抜け止めピンによるつかみ具接続の確認
抜け止めピン
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●定位置つかみ具を使った引張試験の終了後、試料を取り外すために、上部つかみ具の
つかみ歯開閉用ハンドルを回し続けたところ、つかみ具ボディ(約5kg)が主軸から外れて
落下した。そのため、治具との間に左手が挟まり、指に挫傷を負った。
つかみ具ボディ昇降ストッパが取り外されていたため、つかみ具が外れるところまで開閉
ハンドルが回ってしまった。
ストッパが取り付いていることを確認
試験の前に次の事項を確認してください。
□つかみ具の接続ピンが抜けていないか、抜け止めピンが取りついているか
□定位置式つかみ具ボディ昇降ストッパが外れていないか
接続ピン
定位置式
つかみ具
昇降ストッパ
つかみ具
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③試験片の破片の飛散
引張試験中に、破断した試験片の破片が飛散して、操作者の目に入り、目がかすんだ。
試験片の飛散に注意
試験時には次のような防御処置をしてください。
□飛散防止カバーの設置
□保護めがねの着用
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④ユニバーサルジョイントの破損
試験片をセットするためにクロスヘッドを下降中、高速で上下のつかみ具が衝突した。
そのときの衝撃的な圧縮力でユニバーサルジョイントの下部胴体部が2つに割れ、操作者に
当たり、腕を打撲した。
円筒カバーを確認
つかみ具間隔を近づけるときは、クロスヘッド速度を
50mm/min以下の低速に変更してください。
また、ユニバーサルジョイントの円筒カバーは、絶対
に取り外さないでください。
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⑤当社製品以外の自作品を使用しての負傷
●オートグラフに圧縮治具を組み込み、その上部先端にアタッチメントを取り付けていた
ときに、治具の一部(約18kg)が落下した。そのため、右手が治具とオートグラフの台
の間に挟まって指を骨折した。
落下した部分は当社製品ではなく、自作の負荷部が取り付けられていた。
●圧縮試験の準備中に、上部治具を固定しているクロスヘッドが下降して、左手が上部
治具と試験体の間に挟まり、親指にひびが入った。
オートグラフには自作のソフトウェアが増設されており、ソフトの不具合により、クロスヘッド
が異常動作を引き起こした。
当社製品以外のものは使わない
当社製品以外のものを使用すると、性能が劣ったり、安全性が損なわれたりして、思わぬ
事故が起こるおそれがあります。
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●確認テスト
下記の記述で、正しいものを選びなさい。
1.オートグラフ用空気式平面形つかみ具にフィルム試験片を取り付けるとき、
フィンガーガードが取り付いていて試験片が見えにくいので、試験片が確実に見える
ようにフィンガーガードを取り外した。
2.引張試験中、破断した試験片の破片が飛散する場合があるので、保護めがねを着用
した。
3.定位置式つかみ具を使って引張試験をした後、試料を取り外すために上部つかみ具の
ハンドルを回し続けた。
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正解は2.です。
【解 説】
1.空気式つかみ具は、フットバルブユニットを操作すると、エアー駆動で瞬時に閉じます。
操作するときは、フィンガーガードが確実についているか確認し、試験片を持つ指の位置
に十分注意してください。
3.定位置式つかみ具のボディ昇降ストッパが外れていると、つかみ具のハンドルが回り続け、
つかみ具ボディが主軸から外れて落下するおそれがあります。
試験の前には、ストッパが取り付いていることを確認してください。
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●確認テスト
下記の記述で、正しいものを選びなさい。
1.ロープの引張試験をする際、専用のつかみ具が必要になったので、担当の島津の
営業所に電話をして取り寄せた。
2.急に木材の引張試験をすることになり、近くにあった軟質材料用の平面形つかみ具を
代用して試験した。
3. 5kNつかみ具を使用して引張試験をしていたが、試験片が破断しないので10kNまで
荷重をかけた。
4.自社の新製品を試験する際、その特性をオートグラフのプログラムに組み込む必要が
あったので、自作のソフトウエアを増設した。
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正解は1.です。
【解
説】
2.各種試験を行う際は、その試験片に適した試験治具をご使用下さい。
正しい試験結果を得られない場合があります。
3.試験治具の容量以上の荷重をかけないで下さい。
正しい試験結果を得られない場合があります。また、試験治具が破損して、思わぬ
事故が起こる可能性があります。
4.当社製品以外のものを使用すると、性能が劣ったり、安全性が損なわれたりして
思わぬ事故が起こる可能性があります。
当社製品以外のものは使わないでください。
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試験機を安全にお使いいただくために
装置のご使用前には取扱説明書をよく読んでいただき、内容に従って正しく
ご使用ください。装置の正しい知識と使用方法により、事故は防ぐことができます。
「オートグラフ 安全にお使いいただくために」
は装置のそばに置いて、いつでも参照できる
ようにしてください。
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