平成16年04年9月5日 23時57分の地震の震度分布

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Transcript 平成16年04年9月5日 23時57分の地震の震度分布

「建築構法」 1回目の授業
住宅構造の変遷
平成27年4月13日(月)
今岡 克也
1
住宅とは?
• 「生活の器」:人が生活するための空間
快適(健康・省エネ),安心・安全,接客,外観‥ ‥
• 「住む人を表現するもの」:
住宅は住人の考え方・裕福さ・家族などを表現
• 「時代と文化を映す鏡」:
① 気候や風土,災害などの自然条件
② 生活する場(ケ)と接客の場(晴れ)
③ 技術の進展(最新)や社会の規制(合理性)
2
3つの時代区分
(1)弥生時代から江戸時代まで
竪穴式→高床式→寝殿造
→書院造→農家造→町屋造
(2)明治から昭和にかけて
延焼の防止,水道・電気・ガスの普及
(3)平成から現在
耐震壁や接合金物,工法の合理化
3
環濠集落と竪穴式住宅
前3世紀~2世紀頃
住宅跡
環濠
約 120 m
横浜市 大塚遺跡 115棟の竪穴式住宅
4
環濠集落の立地条件
• 湿気を避けた乾燥した場所
• 日当りの良い高い丘の上
• 排水性が良い土の上
・周囲に溝である濠を巡らせる
およそ120m×170m
5
竪穴式住居の遺跡の例
地面から80cmほど掘り下げて
柱の根本を地中に埋める(掘立柱)
6
竪穴式住宅の軸組構造
けた
桁
むねぎ
たるき
棟木
垂木
梁
柱に桁を取り付け
梁をかけて,
縄などで固定
垂木を放射状に架け
棟木を3本材で支える
7
竪穴式住宅の特徴
① 約 80cm 掘り下げて柱を地中に埋める
② 丸太で柱と桁や梁を組み縄で固定
③ 垂木を放射状に掛け,藁や茅を葺く
④ 炉やカマドが中央やや奥にある
⑤ 床は土間で,寝間には板や藁を敷く
8
軸組の拡張
桁行方向
桁
梁間方向
桁行方向に拡張させて,大きくする
9
高床式住宅の構造
梁に柱のほぞ
を挿す頭貫
柱に梁のほぞ
を挿す貫構造
4世紀頃
10
も や
ひさし
母屋と庇
1.82 m
3.64 m
1.82 m
梁間
桁行
母屋の外周部に
1間(1.82 m)幅の
庇(広縁)を造る
母屋の梁間を2間
(3.64 m)にすれば
桁行は拡張が可能
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寝殿造の特徴
① 礎石の上に掘立ての丸い柱
② 板敷きの床で,人が座る場所に畳
③ 屋根裏には天井を張らない
④ 開放的な大空間 →多目的に利用
⑤ 南側に庭園を造り広縁と一体化
12
慈照寺(銀閣寺)内の東求堂
1490年頃
13
角柱
書院造の例
天井
なげし
長押
ちがいだな
違棚
つけしょいん
付書院
畳
1500年頃
銀閣寺の東求堂の同仁斎
14
書院造の特徴
① 柱は正方形(角柱),梁は長方形
② 畳敷きの床(間取りの基準化)
③ 水平な板で天井を張る
④ 襖や引違戸で部屋を仕切る
⑤ 床の間に付書院と違棚
15
農家造の構造と平面
住宅の中央に
大黒柱等を設ける
変形田の字型平面
小黒柱
田の字型平面
大黒柱
16
農家造の特徴
① 屋根が茅葺や板葺が多い
② 東側に土間があり,厩(うまや)を兼ねる
③ 田の字型の平面で,西端には床がある
④ 南側には縁側があり,北側にはない
⑤ 土間の北側に流しやかまどがある
17
明治中期の都会の賃貸住宅
1890年(明治23年)建築
約130㎡ 夏目漱石の借家
・瓦葺きの寄棟屋根
・土間がなくなる
・座敷が南で茶の間は北
・台所は玄関に近い18
明治の都市住宅の特徴
① 屋根が瓦葺き
② 南側に縁側と客間がある
③ 2階は狭く,子供部屋などに利用
④ 台所が玄関に近い ← 水道の未発達
⑤ 便所が離れた場所にある ←汲取り式
19
大正の洋風住宅
北米の2×4の
壁式住宅を輸入
20
大正の住宅改善運動
① 洋間としてイス座とする
② 家族の生活を最優先とする
③ 実用的な設備を導入する
④ 実用的な家具とする
⑤ 田園都市や共同住宅を奨励する
21
電灯とガスの普及率
電灯の
普及
ガス炊飯釜
ガス焚き
の特許
風呂釜の販売
薪から
プロパンガスへ
関東大震災
22
上水道の普及率の変遷
井戸水から
水道水へ
23
ガスや水道の普及で台所は変化
薪からプロパンガスへ
井戸から水道へ
24
汲取式から水洗式便所へ
臭気が入るため
屋外に設置
S字トラップの発明
25
中廊下型住宅の例
昭和初期
西側に玄関,南面に縁側と座敷と茶の間
26
中廊下型住宅の特徴
① 南側に居間と広縁などを配置する
② 他の部屋を通らずに移動できる
③ 応接として洋間を設ける
④ 台所・風呂・便所などを北側にする
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平成からの木造軸組住宅(1)
① 床下の湿気防止:柱脚や土台の腐朽防止
・べた基礎にして換気口を設ける
・布基礎にして防湿フィルムで覆う
② 屋根の軽量化 → 化粧スレート屋根等
③ 木材の加工は,プレカット工場で機械化
④ 接合部の金物補強
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平成からの木造軸組住宅(2)
⑤ 耐震基準の強化 → 4分割法で確認
・耐震壁をバランス良く配置させる
⑥ 施工性の向上 → 2階床の根太をなくす
・25mm以上の合板を釘打ちして床を作成
⑦ 四隅通し柱から全て管柱へ
→ 耐震性と施工性を向上させ
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べた基礎
アンカーボルト
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柱頭のほぞ
管柱と梁
梁(集成材)
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2階の根太レス床と梁の接合部
羽子板ボルト
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