J-PARC E15実験における バーテックス検出器(TGEM

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Transcript J-PARC E15実験における バーテックス検出器(TGEM

J-PARC E15実験における
バーテックス検出器(TGEM-TPC)
に用いるTGEMの開発
徳田 真(東工大M1)
佐久間 史典(理研)
大西 宏明(理研)
岩崎 雅彦(理研)
•
•
•
•
•
•
J-PARC E15実験の概要
バーテックス検出器の必要性
TPCのデザイン
TGEMについて
TGEMの実験状況
まとめ・これから
J-PARC E15実験
・K中間子原子核で最も簡単な構造を持つ、K-pp束縛状態を探索する
・Missing massとInvariant massを同時に測定する
3He
K-
Formation
Mode to decay charged particles
L
pDecay
p
p
K-pp
cluster
neutron
Decay
E15実験detector setup
Cylindrical
Detector
System
n
p
p
1GeV/c
K- beam
Neutron
ToF Wall
p-
Beam
Sweeping
Magnet
バーテックス検出器の必要性
K-pの束縛状態であると考えられるL(1405)
はS粒子とp中間子に崩壊するため、
K-pp束縛状態もS粒子とp中間子と陽子
に崩壊すると考えるのが自然である。
よって
S粒子を識別することが重要である
設計当初のCDSでは
S±p±+nを同定するにはビーム方向(z方
向)に対する位置分解能が不足していた。
そこで
sz[mm]
しかし
14
12
10
8
6
Z方向バーテックス検出器(ZVC)が必要
・ビーム方向に1mm以内の位置分解能
・低物質量(CDSの内部に設置されるため)
4
2
0
10-1
1
10
102
ZVC z-resolution[mm]
Lpp-崩壊に対するビーム方向位置分解能
TPCのデザイン
CDS : Cylindrical Detector System
TGEM
TPC
Field cage
field strip
Thick-GEM
•FPC基盤
•8mm strip
•10mm pitch
•double sided
•R/O前の増幅器
として用いる
•イオンフィード
バックを抑制する
可能性がある
R/O pad
pad size 4mm×20mm
for preamp
pad数 4×4×9=144表面
裏面
TGEMについて
Thick-GEM、TGEM、THGEM
・ロバスト(強靱)、シンプルな製造工程、1枚あたりのゲインが高い
・double-clad G10(FR4)基盤を材料に、通常のPCB技術を用いて安く作ることが出来る
・foil-GEMに比べて、取り扱いが楽、オペレーションが楽(多少の放電で死なない)
・「穴」はドリルで空け、放電防止の「穴の周りの逃げ(Rim)」はケミカルエッチングで空ける
Rimがあるとgainを高くまであげることができる
しかし、チャージアップによる動作不安定性がある事が知られている
TGEM断面図と電気力線
TGEM@RIKEN
Rim 100mm
Drilled hole
300mm
増幅
電子雪
崩
厚さ:400mm
DVGEM~1kV
Garfieldによるシミュレーション
・しかしながら、TGEMの基本性能は
それほど良くわかってないので、更なる検証が必要
使用したTGEMのパラメーター
林栄精器にて以下の6種類のTGEMを作成
TGEM#
#0
#1
#2
#3
#4
#5
(Resistive)
厚さ[mm]
400
400
400
200
200
400
穴の直径[mm]
300
300
500
300
500
300
Rim[mm]
100
50
No
50
No
No
穴のピッチ [mm]
700
600
600
600
600
700
大きさ [cm2]
重要なのは
厚さ:400mm or 200mm
穴径:300mm or 500mm
Rim:有り or 無し
極板:銅 or Carbon
10 x 10
TGEM
Cu electrode
#5 RTGEM
Carbon(graphite)
electrode
特性:放電に強い
HV
Test chamber setup
55Fe
test chamber
Double GEM setup
drift mesh
11mm
Edrift
2mm
Etrans
2mm
Einduct
TGEM 1
TGEM 2
R/O pad
プレアンプ
DC
R/O pad
1M
20M
72Hz low-pass
mesh
2200p
1M
11mm
20M
GEM1
2M
400um
20M
GEM1
1M
2mm
20M
GEM2
2M
400um
20M
GEM2
1M
gasはP10, 1atmを使用
2mm
R/O
HV divider
HV dividerは抵抗チェーンで作成
pad16ch分を1つにまとめて出力
測定は生シグナルとプリアンプ(t=80ns)
のアナログ出力をオシロスコープorADC
に入力
実際のシグナルと目標
Double TGEM
#5
P10, 1atm
DVGEM = 944V
55Fe X-ray
gain
2.0×104
生シグナル
プリアンプ
プリアンプアウト
実機では読み出し回路として
Amplifier-Shaper-Discriminator (ASD)
を使用し、時間情報のみをTDC読み出しに
限って行う。
res~10%(s)
ADCスペクトラム
TGEM studyにおける目標
実際に掛けるVthを考慮して、
effective gain ~1×104
で安定動作
TGEMのパラメーターによる違い
#3
#4
#5
(Resistive)
TGEM#
#0
#1
#2
厚さ[mm]
400
400
400
200
200
400
穴の直径[mm]
300
300
500
300
500
300
Rim[mm]
100
50
No
50
No
No
gainが低い
Edrift=150V/cm
DVGEM : Etrans : Einduct
5
1
: 2.5 :
400mmで穴径300mm以外のTGEMはgainが低いので使えない
Double GEM
105
1.0E+05
sparkが見られる
GEM #0
effective gain
effective gain
GEM #1
TGEM#0,#1は目標gain~1×104に
達している
しかし
GEM #5
104
1.0E+04
RTGEM(#5)も使えるようにしたい
・Rimによるチャージアップの問題
・Carbonは放電に強い
3
10
1.0E+03
そこで
2
10
1.0E+02
700
700
800
800
900
900
1000
1000
1100
1100
DVGEM[V]
ΔVGEM [V]
1200
1200
1300
1300
Rimの大きさによってMaxgainが高くなっている
もう少しgainを上げる必要がある
gainを上げるために1
Single GEM setup
55Fe
drift mesh
TGEMを1枚にして
DVGEM=1200Vで
Einductを変化させて測定した
11mm
2mm
Edrift
Edrift=150V/cm
DVGEM
1200V
Einduct
変化
TGEM
Einduct
R/O pad
薄いGEMとの違い
104
[S.Bachmann et al., NIM A438, 376 (1999).]
によれば、
foil-GEMでは8kV/cm程度までEinduct
に対しlinear-scaleでgainが上昇する
effective gain
DVGEM=1200V
103
TGEMではグラフのようにEinduct
に対しgainの上昇の仕方がすごい
102
0
1
2
3
4
Einduct[kV/cm]
5
6
7
Einductを上げる事によってgainを上げることができる
gainを上げるために2
TGEMを2枚にし
Einductの比率を変えた
HV dividerを4種類作成
DVGEMを変化させて
測定を行った
105
1.E+05
55Fe
Double GEM setup
drift mesh
11mm
Edrift
2mm
Etrans
2mm
Einduct
Einduct dependence RTGEM(#5)
TGEM 1
TGEM 2
R/O pad
spark
gain
effectivegain
Etransを変えても変化なし
type2-2
type1
104
1.E+04
type1
type2
type3
type4
Edrift=150V/cm
DVGEM : Etrans : Einduct
1
: 2.5 : 2.5
1
: 2.5 : 5
1
: 2.5 : 6.25
1
: 2.5 : 7.5
1
:
5
:
type2
Etrans dependence
type3
type4
type2
103
1.E+03
gain
type2-2
102
1.E+02
1.E+01
10
750
750
ΔVGEM[V]
800
800
850
850
900
900
ΔVGEM[V]
DVGEM[V]
950
950
1000
1000
RTGEMでもEinductを上げる事で目標gain1×104到達できた
5
時間依存性
#5
(Resistive)
Rim[mm]
100
No
HV divider
type3
type4
1.4
Edrift=150V/cm
DVGEM : Etrans : Einduct
type3
1
: 2.5 : 6.25
type4
1
: 2.5 : 7.5
(corrected by P/T[hPa/K])
1.2
40
1
30
0.8
0.6
#0 gain 2.0×104
#0 gain 4.0×103
#5 gain 2.0×104
#5 gain 4.0×103
0.4
0.2
0
0
50
resolution(s)[%]
#0
corrected relative gain
TGEM#
4
8
12
16
20
24
peak相対値の時間依存性 time[h]
20
10
0
0
4
8
12
#0 gain 2.0×104
#0 gain 4.0×103
#5 gain 2.0×104
#5 gain 4.0×103
16
20
24
time[h]
エネルギー分解能の時間依存性
gainによってチャージアップの仕方が違う
Rimがあるとチャージアップの効果が見られ不安定である
RimのないRTGEMはgainとエネルギー分解能ともに安定している
まとめ
E15実験におけるCDSのビーム方向位置分解能向上のための
upgradeとして、TGEMを用いたTPCを開発中である
TGEMについて
・RimのあるTGEMはgainを容易に高くすることが出来るが、
チャージアップのため長時間では動作が不安定になる
・RimのないRTGEMはEinductを上げる事でgainを高くでき、
長時間でも安定に動作する事がわかった
実機の増幅器としてはRTGEMを用いる
これから
・ion-feedbackのstudyを行う
・4月後半から実機でのstudyを開始する
・2009年夏、TGEM-TPCは完成予定
ご清聴ありがとうございました
Back up
p/T dependence single GEM of #0
GEMのgainはP/Tで変動するのでそれを考慮する必要がある
peak ratio 補正前
P/T
関係性がある
補正
補正曲線
peak ratio 補正後
増幅の限界
type1
type2
type3
type4
type1
type2
type3
type4
type1
type2
type3
type4
gain
1.E+03
103
1.E+03
103
一定のgainのを
超えるとsparkしだす
=増幅の限界
1.E+02
102
1.E+01
10
900
900
Einduct dependence RTGEM
1.E+05
105
1.E+04
104
gain
effective gain
1.E+04
104
Einduct dependence TGEM w/Rim
effective gain
1.E+05
105
Edrift=150V/cm
DVGEM : Etrans : Einduct
1
: 2.5 : 2.5
1
: 2.5 : 5
1
: 2.5 : 6.25
1
: 2.5 : 7.5
1000
1000
1100
1100
ΔVGEM[V]
DVGEM[V]
1200
1200
1300
1300
一定のΔVGEMを
超えるとsparkしだす
=電圧による限界
1.E+02
102
1.E+01
10
750
750
800
800
850
850
900
900
ΔVGEM[V]
DVGEM[V]
950
950
1000
1000
Spark rate #5
gain 〜2×104 0.010560Hz
gain 〜4×103 0.002948Hz
Einductを上げすぎると
当たり前だがparallel plate multiplicationが起きる