CIC - 建設情報化協議会

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電子納品の実務
実際の事例と対応方法
有限責任中間法人
建設情報化協議会
CIC
Construction Information Consortium
電子納品事例その1
発注者側からの指示に全て従い、
多くの時間と費用が掛かった例
【事前協議の状況】
・特に行わず、工事が進んだ段階で発注者側からの指示に従った
【納品書類】
・発注図:一部電子(CAD製図基準準拠)と紙で受領
→紙で受領した分もSXF形式で納品(本来は発注者が準備)
・打合せ簿:情報共有システム(ASP)から出力のPDFで納品
→印影のある鑑をスキャニングしてPDF化
(手間をかけて電子化してASPに登録したのに、スキャニングした
鑑に差し替え→ASPを使わずに紙で運用した方がまし)
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電子納品事例その1
【施工中】
・工事の途中でソフトの変更を求められて変換に手間が掛かった
・情報共有システム(ASP)を利用し、打合せ簿、段階確認、
工事履行報告、検査立会願い、夜間、休日届け等をやりとり。
ただし、容量の大きなファイルはCD-Rなどで持参
(打合せ簿などは紙で運用した方が良かった)
【CAD図面の取扱い】
・CADのスキル不足により修正作業に時間が掛かった
・CAD製図基準に準拠した図面作成の外注費用が掛かった
(本来は発注データが不完全なので納品対象外)
【検査・納品状況】
・電子データと紙の両方の検査体制を準備させられ、
結局紙ベースでの検査となった
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電子納品事例その2
受注者側から積極的に提案したが、納品時に
手直しが多く時間と手間が掛かった例
【事前協議の状況】
・発注者側の認識がないため、こちらから着工後申入れて、
事前協議を実施した(受注者から提案を行った)
【納品書類】
・発注図:受領した(CAD製図基準非準拠)ファイルをそのま
ま納品(本来は納品対象外)
・完成図:CAD製図基準準拠の発注図面が無いため対象外
・書 類:紙でやりとりし、最後にスキャニングしPDFで納品
・工事写真:写真管理ソフトを利用して納品
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電子納品事例その2
【施工中】
・インターネットは電子納品関連には利用しなかった
・従来どおり書類のやりとりは全て紙で行った
【CAD図面の取扱い】
・発注者よりCAD製図基準に準拠した図面の作成を
依頼されたが、手引やガイドラインに基き断った
【検査・納品状況】
・検査は写真の一部のみ電子で行った。
・発注担当者が電子納品に詳しくないため、検査時に
多くの不足データがあり、数回の手直しに多大な時
間を要した
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トラブル事例に見る問題点
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現状の対応方法
提案型電子納品
・受注者側が知識を高め、適正な電子納品を発注者
に対して積極的に提案
・特に、正式な発注時データを受領しなければ、図面
は納品対象外とする
無理のない日常管理の進め
・日常は業務効率を第一に考えて、不要な電子データ
の交換はしない方が現実的
・印影のイメージを要求される場合は、確定した書類を
PDFで管理する
・図面は外注を活用する
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施工中の工事における
電子納品対応例
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工事の概要
・工事名:電納橋下部工工事
・発注者:国土交通省関東地方整備局
・請負者:電納建設
・請負金額:4.75億円
・進捗状況:50%
・メンバー :所長、主任、係員A、係員B
・特記仕様書に記載有り
・製図基準に適合した発注図面を受領している
受注者:ITスキルはあるが電子納品は初体験
発注者:電子納品の経験が少なく、ITのスキルも低い
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作業所のITスキルおよび
電子納品への取り組み状況
書類や図面の作成状況
書類は全てパソコンで作成し、オリジナルデータは各自のパソ
コンに保管、発注者へは紙で提出
デジカメで写真を撮り、工種別のフォルダに整理
CAD図面は、発注図を社内標準ソフトに変換後、修正・ 作成
している。 しかしCAD製図基準へ適用させる修正はできない
インフラの整備状況
パソコン4台中2台とプリンターがLANに繋がっている
各パソコンのハードディスクにあまり余裕がない
ウィルスソフトは確か入っていたはず・・・
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現実的な対応方法
1.納品対象書類を確認する
全ての書類を紙で提出しているので、必須書類内でなる
べく絞り込み、協議書類は極力無くす
打合せ簿、履行報告、段階確認書は鑑のみスキャニ
ングによるPDFファイルを電子納品する
施工計画は対象外(紙データが多いため対象外)
基準に適合した発注データを受領しているので、図面
は電子納品する
オリジナルCADデータについては、正式な納品データ
(p21)があるので対象外とした
写真は電子納品する
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現実的な対応方法
2.使用ソフトは社内標準を用いる
①書類作成ソフト
→紙で受け渡すので、発注者よりバージョンの高い
Word2002、Excel2002を使用した(発注者は97)
②CADソフト
→社内標準ソフトを使用し、内容の確認は紙で行う
電子データが必要な場合はPDF形式を使用する
③データの受け渡し方法
→基本的には全て紙で行う
※電子納品とは別に、非常に便利なので立会願いや土日
の休日作業届けなどをメールでやりとりすることにした
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現実的な対応方法
3.インフラを整備する
①データを一元管理する
→作業所内LANを構築し、ネットワーク接続型ハードディスク
を共有して、データを一元管理する
②バックアップを取る
→ネットワーク接続型ハードディスクにバックアップ用ハード
ディスクを接続して自動的にバックアップを取る。
夜間はバックアップHDを宿舎で保管
③ウィルスソフト
→全パソコンをインターネットに接続して自動更新する
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現実的な対応方法
4.電子データおよび納品物の作成
①書類
→複合機を利用して鑑を作業所でスキャニングし、電子納品
ソフトを利用して納品物を作成する
②CAD図面
→社内標準ソフトを使用して修正・作成した図面を、一括外注
でCAD製図基準に適合するよう修正する
→電子納品ソフトへの登録は作業所で行う
③写真
→写真管理ソフトに日常的に登録して、日々管理情報を入力
する
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現実的な対応方法
5.成果品CDの作成
①成果品データの出力
→電子納品ソフトのエラーチェック機能を利用して、管理情報
を確認し、成果品データをハードディスクに出力する
②チェック
→ウィルスソフトおよび国交省のチェックシステムを用いて
成果品データをチェックする
③CDの作成
→ISO9660形式でCDに書き込み後、市販のバブルジェット
プリンターのCD印刷機能によりラベルを印刷する
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現実的な対応方法
6.竣工検査
①成果品CDか紙のいずれで検査か確認
→検査官がITに不慣れなため、写真のみ電子データで検査
するよう協議した
②写真ダイジェスト版の準備
→写真についても、途中から紙検査に変更する場合に備えて、
発注担当者と内容を相談のうえダイジェスト版を印刷した
③機器および操作補助員の準備
→検査機器は受注者が使い慣れた機器を準備し、操作に不慣
れな代理人の代わりに操作補助員を配置した
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ご静聴ありがとうございました