Transcript 受動喫煙曝露時間(12227名)

厚生労働科学研究 健康科学総合研究
(H14〜16年)
包括的な喫煙対策介入研究
10事業所（計13,335人） エクソンモービル 川崎＊
トヨタ自動車九州＊
作業環境管理:受動喫煙対策 日立金属 真岡＆安来＊
三菱電機 福岡＊
全館禁煙、喫煙室＋換気扇
三菱重工 名古屋＊
三井化学 大牟田＊
九州電力本社＊
健康管理:禁煙サポート
読売新聞東京本社
・アンケートによる啓発
朝日新聞西部本社
・喫煙室に啓発ポスター
（産医大卒の産業医＊）
・健診問診：禁煙を忠告
・事後措置：禁煙勧告
目標:受動喫煙解消、喫煙率10％低減
研究計画
平成14年度
ｱﾝｹｰﾄ(ﾍﾞｰｽﾗｲﾝ)
喫煙場所評価
介入群:
10事業場
12000名
平成15年度
平成16年度
ｱﾝｹｰﾄ(中間)
喫煙場所評価
ｱﾝｹｰﾄ(最終)
喫煙場所評価
包括的な喫煙対策:２年間
分煙徹底：全館禁煙、喫煙室・コーナー
禁煙サポート：集団、個人、ニコチン代替療法
対照群: アンケート＋１年遅れて最低限の対策
関連会社３事業場：1500名
結果：受動喫煙対策の内容と曝露時間
事務所･休憩所の
喫煙状況(11519名)
4時間以上
自由喫煙 20%
分煙だが
違反あり６%
禁煙だが
違反あり
3%
受動喫煙曝露
時間(12227名)
12%
禁煙
21%
分煙
(漏れな
し)
1〜4時間
11%
ほとんど
なし
44%
1時間以下
32%
24%
分煙
漏れあ
り
26%
職場の受動喫煙なし：約45％
分煙の容認
(5491名)
受入れ
られない
全館禁煙の容認
(5477名)
(喫煙者のみ回答)
積極的に
受入れる
受入れ
られない
5%
19%
26%
仕方なく
受入れる
積極的に
受入れる
46%
48%
分煙の受け入れ
95％
仕方なく
受入れる
55%
全館禁煙
やむなし74%
「全館禁煙不可」の回答は
全回答(12,500人)の11％のみ
喫煙者の74％が「全館禁煙化や
むなし」(5477名)
介入研究
調査結果
受入れ
られない
積極的に
受入れる
26%
19%
(喫煙者のみ回答)
仕方なく
受入れる
55%
全館禁煙を「受け入れられない」と回答した人は
全回答者(12,500人)の11％に過ぎない
アンケート結果に
基づき全館禁煙
最も優れた受動喫煙対策
費用不要
禁煙を促す効果大
日立金属真岡工場
喫煙場所の最終形
屋外の皿無し灰皿
消火用の水のみ
吸い殻は各自が
１本枚に片づけ
屋外喫煙が出来ない４事業場
火気厳禁
路上禁煙
化学プラント、石油精製会社
千代田区、博多区
漏れない喫煙室:換気扇２台=1800m3/h
人感センサー
開口部分で
風速0.3m/s
扉なしでも
漏れない
日立金属
安来工場
職場における喫煙対策のための新ガイドライン
厚生労働省
平成15年５月
●屋外への排出を選択
禁煙区域
喫煙室
粉じん濃度
0.15mg/m3
排気装置
が必須
以下
●開口部分で空気の流れ0.2ｍ/s
●禁煙区域にタバコ煙が漏れない
●喫煙室内にもこもらない
漏れない喫煙室：換気扇２台=1800m3/h
人感
センサー
禁煙啓発
ポスター
扉なしでも
漏れない
日立金属
安来工場
喫煙室内のタバコ煙の流れ
喫煙室平面図
天井からみた平面図
換気扇
喫煙者
出入口
ドアなしで
漏れない
0.3m/s
喫煙者
粉じん濃度(mg/m3)
漏れない、こもらない喫煙室
喫煙室内
0.08mg/m3
評価基準
0.15mg/m3
喫煙室外
漏れなし
階段スペースの壁に穴を開けて
階段踊り場
屋外へ排気
の排気口
高層ビルの対策
天井裏ダクトより排気
排気風量1000m3/hrを
確保したことで
喫煙室が可能に
非常階段部分に穴をあけて強制排気
を確保、喫煙室を作成
改善前：
喫煙コーナー
排気なし
改善後：喫煙室＋
排気1000m3/h
１ｍ四方の
喫煙コーナー
既設の換気扇を
囲うように難燃性
スクリーン設置
・漏れなし
・椅子なし
・禁煙啓発ポスター
日立金属安来工場
応接室に 安来製作所
灰皿は不要
日立金属安来工場
灰皿は企業の
イメージを損なう
対策計画書の提出義務、責任印、保存
計画書保存ファイル
部長印
課長印
担当者印
分煙優良職場認定証
安全衛生委員会で産業医より授与
三井化学
大牟田工場
受動喫煙対策
の進捗状況を
一覧表で管理
ポイント：
対策の責任者と
改善期日を定める
日立金属真岡工場
では、１年半で
受動喫煙ゼロ達成
喫煙場所 改善提案 改善予定 改善期日
責任者
（M）職安委員長 （Ｋ）職安委員長 （Ａ）職安委員長
※９月４日分煙対策進行状況について大和先生の視察、指導による分煙対策計画内容の見直し実施。
No 職場
喫煙箇所
1
（本事務所）ﾘﾌﾚｯｼｭﾙｰﾑ
2 総務 警備室
3
来客ﾙｰﾑ（商談コーナー）
4
マクダ室
5 生管 真岡ﾃｸﾉｽ事務所（発送）
6 ＭＴＳ 真岡テクノス事務所
7
8
9
10 型
11 技
（加工）休憩室（畳）
（金型）休憩、喫煙所（自販機横）
（加工）現場詰所
（加工２階）事務所喫煙所
（ＣＡＭ）事務所喫煙所
大和先生アドバイス
測定個所
結果別紙
改善内容
担当
責任者
粉塵測定 窓に換気扇を設置する(２台250φ）
品川
※室内禁煙
ロッカーを移動し囲いを（分煙室）作る
禁煙として、外部持ち出し灰皿を設置する。
室内禁煙として作業所に喫煙場所を設置する （イワ）
禁煙にして自販機横喫煙所を利用する
※ 加工休憩所前の喫煙場所を使用する
田中興運
禁煙にして自販機横喫煙所を利用する
室内禁煙として※ 喫煙場所を利用する
（サトシ）
計　画　表
７月
８月
９月 １０月 １１月
窓枠に換気扇設置、排気風量を増やす
出来れば休憩室の外で吸う
禁煙にして自販機横喫煙所を利用する
レース（防炎）のｶｰﾃﾝで囲う
のれんを垂らせば換気扇は１個で良い
粉塵測定 室内は全面禁煙とし、※ 喫煙場所使用する
※ 喫煙場所に指定した
室内禁煙として上記※ 喫煙場所を利用する
事務所内に喫煙場所を設置する（換気扇２台・250φ）
粉塵測定 喫煙室の改善を実施する（換気扇２台・250φ）
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙実施済 ）
（7/10休憩室禁煙 実施済 ）
（イワ）
（7/10休憩室禁煙 実施済 ）
（休憩室禁煙実施
レースのカーテンでも可　漏れ防止　12
13
14
15 資材
（金型）現場　喫煙所
（木型）現場　喫煙所
（試作）現場　喫煙所
（倉庫）詰所　16
17
18
19
20
（溶解）現場詰所
粉塵測定 制御室西側ﾋﾞﾆｰﾙで仕切り喫煙室とする
禁煙！
ダクトで野外空気の取り込みを（優先） 粉塵測定 屋外空気取込み設備整備中
詰所は禁煙。詰所外の喫煙場所で吸う
禁煙！室外に喫煙所設置。7/3～
ロッカーを移動して喫煙室を作る
粉塵測定 詰所内の一部をﾋﾞﾆｰﾙｶｰﾃﾝで仕切り
喫煙所設置。換気扇設置。
換気扇を中心に窓までｶｰﾃﾝで囲う
室内禁煙として作業所に喫煙場所を設置する
軽
合
金
セ
ン
タ
ー
34
（中子）現場詰所
（セイ）ﾐｰﾃｨﾝｸﾞﾙｰﾑ
排気装置の修理と換気扇の周囲を囲う
ﾏｯﾄﾙｰﾑ休憩室
鋳鉄事務所
窓枠に換気扇の設置と、喫煙室を作る
（Ａ）シケ現場詰所　（Ａ）鋳造詰所　休憩室（畳）
（Ａ）段取現場　喫煙所
（Ａ）鋳造ＳＧライン　喫煙所
（Ａ）鋳造ＬＰ４号機　喫煙所
（Ａ）中子現場詰所
換気扇を設置し喫煙コーナーの作る
食堂
総務
（ウチ）
または蛍光灯の向きを変えて狭く囲う
（ＳＡＴ制御室）喫煙所
（シケ）現場詰所（２階）
（シケ）現場　喫煙所
（方案）現場　喫煙所
厚生棟（ロッカー室）喫煙所
（ザイ）評価室喫煙所
詰所は禁煙にする
カーテンの外へ喫煙場所の移動を
空調気前に有り喫煙ｺｰﾅｰの移動を
喫煙コーナーを作る　コーナー以外は禁煙
喫煙場所の移動を
食堂屋外に喫煙場所の設置
レース（防炎）のｶｰﾃﾝで囲う
（喫煙場所設置済 ）
（喫煙場所設置済 ）
（喫煙場所実施済 ）
（詰所内禁煙・作業場に喫煙所
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙実施済 ）
（室内禁煙 ・外部空気取入れ実
（詰所内禁煙・作業場に喫煙所設置・ 実
（室内禁煙 ・屋外設置実
（※ 喫煙所を中子、方案係で共
（室内禁煙 ・作業場に喫煙所設
外気取入れ、空気清浄機、喫煙は詰所外
（鋳造）現場詰所（１，２ライン上）
（ＰＭ）現場詰所
26
27
35
36
出来れば詰所の外で吸う
作業所に喫煙場所を設置する
木型作業場の外に設置する
現状の喫煙場所を明確にする
（イワ）
室内禁煙として作業所に喫煙場所を設置する （ヨネ）
（溶解・中子・鋳造）喫煙所（溶解ポンプ室横） ポンプ騒音も有り場所移動を検討方
製
造
21
セ
ン
22 タ
ー
23
24
25
28
29
30
31
32
33
空調気前に有り喫煙場所を移動し囲いを
粉塵測定 外部の空気を導入する
禁煙！
粉塵測定 ﾋﾞﾆｰﾙｶｰﾃﾝの外へ喫煙所設置（実施済）
北側空調機前、ﾋﾞﾆｰﾙｶｰﾃﾝで仕切り
喫煙所とする。換気扇設置。
粉塵測定 テレビ東側、ﾋﾞﾆｰﾙｶｰﾃﾝで仕切り
喫煙所とする。換気扇設置。－見積中－
（室内禁煙 ・屋外
（詰所内禁煙実施済 ）
※再検討（M）B1
（室内禁煙実施済 ）
（※ 喫煙所を中子、方案
粉塵測定 詰所禁煙・建物内に喫煙場を検討する
粉塵測定 防炎ナイロンカーテンで仕切る（実施済）
掲示板前なので位置を変更する
（イシカ）
現状の喫煙場所を明確にする
現状の喫煙場所を明確にする
全ての室内禁煙、作業場に喫煙所を設ける
（室内禁煙・ 詰所前に喫
※再検討（喫煙範囲を縮
（喫煙場所変更・実施済 ）
（喫煙所は表示済 ）
（喫煙所は表示済 ）
（室内禁煙 ・作業場に喫煙所設置・実
食堂屋外に喫煙場所の設置済
昼休み１時間中45分間禁煙実施中
窓に換気扇を設置する(２台250φ）
暗室を喫煙室に改善済 ．換気扇排気を外へ
（室内禁煙実施済
品川
（食堂全面禁煙の検討）
改善済
介入群：受動喫煙曝露時間が減少
曝露４時間以上
25％
曝露１〜４時間
25％
対策前
１年後
２年後
対策前
１年後
２年後
曝露なし：増加
曝露１時間以下
25％
25％
対策前
１年後
２年後
対策前
１年後
２年後
結果：喫煙状況(12,549
名)
毎日喫煙
44%
(喫煙者のみ回答)
喫煙ステージ
男性88%
女性12%
(5,768名) 1ヶ月以内
関心
なし
非喫煙
31%
36%
に禁煙希望
5%
6ヶ月以内
に禁煙希望
10%
時々
喫煙
2%
禁煙した
18%
喫煙率46％
のうち
いつか禁煙したい
54%
禁煙希望69％
全ての喫煙者へのアプローチ
喫煙室に掲示したポスターの例
香
川
大
学
・
佐
藤
功
先
生
提
供
吸わない人の肺
ヘビースモーカーの肺
日本の肺がん死55,000人中、喫煙者44,000人
受付、診察室に啓発ポスター
希望者にはパッチ
その場でタバコを預かる
日立金属真岡：禁煙サポートの内容
・集団禁煙教室と個別禁煙サポート
・パッチを３枚配布（研究班より提供）
・挑戦者には貯金箱、禁煙日記配布 禁煙成功者の写真
を診療所に掲示
・禁煙成功者には表彰状
421名中、喫煙者249名
禁煙トライアルマン制度
２年で52名参加
禁煙成功28名
喫煙率:59.1→49.2％
9.9％低下
職場の懇親会で喫煙は規制
すべきか？会場内禁煙
自由に喫煙
20％
会場内分煙
受動喫煙あり
25％
受動喫煙無し
55％
2003年 産業医科大学
包括的喫煙対策研究班
12,412名（非喫煙者＋元喫煙者54％、喫煙者46％）
仕事場に持ち込んだタバコやお菓子
の空箱は持ち帰るべし
日立金属
真岡工場
介入群の喫煙率
総合的な対策
対照群の喫煙率
最小限の対策を
１年遅れて実施
48.4%
47.9%
43.6%
ﾍﾞｰｽﾗｲﾝ
１年後
42.3%
２年後
47.2%
47.0%
両群間の有意差
p<0.0001
ﾍﾞｰｽﾗｲﾝ
１年後
２年後
結
語
受動喫煙対策の徹底、全ての喫煙者に対
する禁煙勧奨、禁煙希望者への禁煙サ
ポートからなる包括的な喫煙対策により、
２年間で喫煙率が最大10％減少し得るこ
とが認められた
本研究の手法とアンケートはホームページで公開
http://tenji.med.uoeh-u.ac.jp/
希望者にはCD-ROMでも配布